JIS C 60664-4:2009 低圧系統内機器の絶縁協調―第4部:高周波電圧ストレスの考慮 | ページ 9

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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
最も適切な部分放電インパルス発生源モデルは,電流源のように思える。他方,部分放電試験に関する
規格[23]では,電圧源を試験回路の校正で用いている。明らかに,部分放電試験回路の遷移特性は,校正
で用いている部分放電インパルス発生源の種類によって左右される。
図D.7aにおいて,部分放電インパルス電圧源を使用したが,これでは適切な部分放電信号の再現ができ
ない。同じ試験回路において部分放電インパルス電流源を使用すると(図D.7b),遷移特性が適切なもの
となる。試験回路の遷移特性の詳細については,[5]でとりあげている。
次に,適切な遷移特性を得るために,部分放電インパルス電流源を検討する。いうまでもないが,これ
は,標準インパルス電圧源を用いて部分放電試験回路を校正する際の矛盾を解決するものではない[23]。
D.2.2.3.3 部分放電試験回路の分析
試験回路の遷移特性は,図D.6に示す等価回路を用いて分析することができる。分析は,ネットワーク
分析又は適切なソフトウェアを使用したシミュレーションによって行うことができる。
D.2.2.3.3.1 ネットワーク分析
この分析は,試験片の容量性等価回路を用いて,部分放電インパルス電流源について行う(図D.6)。他
のインダクタンスとは対照的に,LSは直列共振周波数の計算で無視できる。Lw1及びLw2をLw(巻線のイ
ンダクタンス)に加算する。結合コンデンサCkが低誘電性でないか又は重要な配線をもつ場合,LckをLw
に加えて,合計インダクタンスLを得る[式(D.1)]。
L LwLck (D.1)
C3 C1 C2 (D.2)
式(D.2)の関係から,試験片の容量はC3で近似することができる。したがって,部分放電インパルス電
流源に対する有効容量Cは,式(D.3)で表される。
Ck
C3C
C (D.3)
C3 k
また,共振周波数frは式(D.4)となる。
1 1
fr (D.4)
2π LC
実際には,この直列共振回路の減衰は,Rmだけによって生じる。損失係数dは式(D.5)から得られる。
Rm
d (D.5)
L/ C
非周期応答の場合,損失は式(D.6)でなければならない。
d≧ 2 (D.6)
したがって,インダクタンスLは,式(D.7)に示すように限定される。
2
RmC
L≦ (D.7)
4
この場合,高域遮断周波数fcは,簡易RC回路を仮定して式(D.8)によって近似することができる。
fc 1 (D.8)
2 πRmC
ただし,低域遮断周波数はゼロとする。
D.2.2.3.3.2 回路シミュレーション
試験回路は,該当するコード(PSPICE) 28]を用いた回路シミュレーションによって,より詳細に分析す
ることができる。この手法は,D.2.2.2.1に規定する結果を得るために既に利用されている。ここでは,結

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合コンデンサのサイズが試験回路の遷移特性に与える影響を評価するために,この手法を適用する。
D.2.2.3.4 結合コンデンサが遷移特性に与える影響
図D.8−結合コンデンサCkの容量に依存した入力信号Uin及び測定信号Um(試験片の容量C3 = 10 pF)[5]
結合コンデンサCkの大きさが試験回路の遷移特性に及ぼす影響は,図D.8 [5]に示す。図D.8から,影
響が非常に強力であること,及び結合コンデンサを試験片容量C3に比べて小さくすることは不適切である
ことが明らかとなる。
結合コンデンサが小さいと測定信号が低下するので,校正によって考慮する。ただし,部分放電試験回
路の感度も低下する。このほかに,小さな結合コンデンサを使用したときの測定信号の判別という問題が
ある。図D.8から,最小容量がCk = C3のオーダーであることが分かる。できれば,Ck≧10×C3とする。
結合コンデンサに対する必要な値は,この値と試験回路の非周期応答に必要な容量とのうちの大きい方
の値である[D.2.2.3.3.1の式(D.7)参照]。
結合コンデンサの大きさについては,理論的な上限というものはない。実際には,特に試験電圧の高周
波数における,試験電圧源に対する強力な反作用(reaction)によって限定される。この特殊な問題について
は,[29]で説明している。幾つかの実際のデータを,表D.1に示す。
D.3 試験結果の例
低電圧機器用の多くの構成部品が,高周波試験電圧を用いて試験されている。
オプトカプラの場合,図D.9に示すように,部分放電電圧が大幅に低下することがある[30]。さらに,
面倒なことは,部分放電の強度が電圧周波数の上昇に伴って大きく増大することである。部分放電インパ
ルスの繰返し周波数は電圧周波数とはほとんど無関係に上昇するので,絶縁に対して非常に高いストレス
を加えることがある。

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図D.9−高周波電圧におけるオプトカプラの部分放電試験 [30]
図D.10−インパルス変圧器の部分放電試験 : 電圧の周波数の影響 [30]

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図D.11−コーティングしたプリント回路板の部分放電試験;Ui,d = 0.2 mm [30]

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注記 #1,#2及び#3は,三つの質が異なるエナメル線を意味する。
図D.12−高周波電圧におけるエナメルめっきワイヤ(より線対)の寿命t;
ストレスは部分放電開始電圧を10 %上回る [31]
インパルス変圧器の場合,電圧の周波数が重要な影響要素になる。周波数を商用周波数以上に引き上げ
ることで,部分放電特性は大幅に低下する。図D.10[30]に示すように,部分放電停止電圧が低下する。部
分放電強度は特に高くはないが,部分放電インパルスの繰返し周波数は試験周波数に比例して増加する。
この結果,劣化の可能性が大きくなる。
コーティングしたプリント回路板の場合,絶縁特性は電圧の周波数によって影響されることはあまりな
い。異なる導体パターンについて図D.11[30]に示すように,部分放電開始電圧は,電圧周波数に伴ってや
や低下するだけである。しかし,部分放電強度が大きいこと及び周波数が高いことから,部分放電が発生
すれば予想寿命が非常に短くなる可能性がある。したがって,通常非破壊試験とみなされる部分放電試験
でさえも,試験片をひどく劣化させることがある。
高周波電圧ストレスを受ける部分放電の場合,薄い絶縁フィルムの寿命tについて,図D.12[31]からあ
る程度理解することができる。電圧が部分放電開始電圧を10 %しか上回っていない場合であっても,寿命
が数分というオーダーとなり得るので,この試験片は,高周波電圧を用いる1分間の高電圧試験に合格す
ることはできない。

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  • IEC 60664-4:2005(IDT)

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