この規格ページの目次
- 4 一般事項
- 5 燃焼試験の概要
- 5.1 概要
- 5.2 試験結果の使用に関する注意事項
- 5.3 燃焼挙動に影響する物理的特性
- 5.4 試験片の収縮及び変形
- 5.5 試験片の状態調節による影響
- 6 試験装置
- 6.1 燃焼試験箱
- 6.2 試験用バーナ
- 6.3 リングスタンド
- 6.4 時間計測器
- 6.5 スケール
- 6.6 状態調節用チャンバ
- 6.7 マイクロメータ
- 6.8 デシケータ
- 6.9 空気循環式オーブン
- 6.10 脱脂綿の敷物
- 6.11 バーナ取付台
- 7 試験片
- 7.1 試験片の準備
- 7.2 短冊試験片
- 7.3 板状試験片
- 7.4 試験片の処方・組成・配合の範囲
- 7.5 試験片厚さの計測
- JIS C 60695-11-20:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS C 60695-11-20:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS C 60695-11-20:2018の関連規格と引用規格一覧
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C 60695-11-20 : 2018 (IEC 60695-11-20 : 2015)
規定する試験条件の下で,残じんが持続する時間。
注記 この規格では,パラメータt2で記載する。
3.5
受理状態(as received)
試験室条件の下で,規定する時間の状態調節処理を行った後の,試験片の状態。
3.6
燃焼する(burn)
自ら燃えること。
3.7
燃焼挙動(burning behaviour)
規定する試験条件の下で,火にさらされたときの試験片の反応。
3.8
燃焼(combustion)
物質と酸化剤との発熱反応。
注記 燃焼は,一般に火炎及び/又は赤熱を伴って,燃焼放出物を発生する。
3.9
ドラフトフリー環境(draught-free environment)
試験時の気流速度が,試験結果に影響を与えない環境。
注記 この環境には,次の例が該当する。
− 定性的には,ろうそくの火炎が乱れない環境
− 定量的には,気流速度が0.1 m/s以下又は0.2 m/s以下の小規模火災試験の環境
3.10
きょう(筐)体(enclosure)
装置の電気的部位及び機械的部位を保護する外装ケース。
注記 この規格では,電線ケーブルは除外している。
3.11
火災危険性(fire hazard)
火災による傷害,若しくは生命の喪失,及び/又は財産の損傷が生じる可能性。
3.12
火災危険性評価(fire hazard assessment)
想定される火災の原因,火災の広がりの可能性及び性質,並びに想定される火災の結果についての評価。
3.13
難燃剤(fire retardant)
材料の燃焼を抑制する,弱める又は遅らせるための添加剤。
注記 難燃剤を用いる場合でも,一概に,火災を抑制する又は燃焼が終了するとは言えない。
3.14
火災リスク(fire risk)
次の値の組合せ。
a) 火災が発生する確率
b) 火災の結果を数値化した値
――――― [JIS C 60695-11-20 pdf 6] ―――――
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C 60695-11-20 : 2018 (IEC 60695-11-20 : 2015)
注記 一般に,a) の確率とb) の結果との積によって算出する。
3.15
火災試験(fire test)
火災の挙動を測定する試験,又は対象物を火の影響下にさらす試験。
注記 火災試験の結果は,試験片の耐火性若しくは火に対する反応の決定,又は火災過酷性の定量化
に用いることができる。
3.16
火炎(flame)
通常は,光の放射を伴う,気相における急速及び持続的かつ亜音速の燃焼。
3.17
火炎を上げる(flame)
炎が生じる。
3.18
火炎の広がり(flame spread)
火炎の前線が伝ぱ(播)する現象。
3.19
有炎燃焼性(flammability)
規定する試験条件の下で,火炎を伴って材料又は製品が燃える能力。
3.20
赤熱燃焼(glowing combustion)
火炎は出さないが,燃焼ゾーンから光の放出を伴う固相中での物質の燃焼。
3.21
着火(広義の場合)(ignition)
燃焼が開始すること。
3.22
着火(有炎燃焼の場合)(ignition)
持続火炎が開始すること。
3.23
溶融滴下物(molten drip)
溶融した試験片の小さな滴下物。
注記 炎の有無に関わらない。
3.24
予備選択(preselection)
最終製品の製造で候補となる材料,部品又は部分組立品を,評価又は選択する過程。
3.25
火に対する反応(reaction to fire)
火災に規定する条件で,火にさらされたときの試験片の反応。
注記 耐火性は,特別な場合とみなされ,通常は火に対する反応の特性とはみなされない。
3.26
小規模火災試験(small-scale fire test)
――――― [JIS C 60695-11-20 pdf 7] ―――――
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C 60695-11-20 : 2018 (IEC 60695-11-20 : 2015)
小さな寸法の試験片で行われる火災試験。
注記 通常は,最大寸法が1 m未満の試験片を用いて行う火災試験を,小規模火災試験という。
4 一般事項
この試験方法では,材料の特性を分類するために,2種類の形状の試験片を用いる。
長方形の短冊試験片(7.2参照)は,着火性及び燃焼挙動の評価に用いる。正方形の板状試験片(7.3参
照)は,8.3.3に規定する炎による貫通に対する耐性の評価に用いる。
5 燃焼試験の概要
5.1 概要
規定する条件の下での材料に対する燃焼試験は,異なる材料の燃焼挙動の相対的な比較,製造工程の管
理,又は燃焼挙動の変化の評価に対して有用である。これらの燃焼試験の結果は,試験片の形状及び配向,
並びに試験中の周囲の環境及び着火条件に依存する。
注記 これらの試験の結果は,JIS C 60695-11-10に規定する水平燃焼性(HB)及び垂直燃焼性(V)
による試験の結果とは,同等ではない。この規格で用いる試験炎の大きさは500 Wであり,JIS
C 60695-11-10で用いる試験炎の大きさは50 Wである。
5.2 試験結果の使用に関する注意事項
実際の火災状況の下での特定の材料又は形状による火災危険性を記載又は評価するために,この規格に
よる試験の結果だけを用いてはならない。火災危険性を評価する場合は,燃料が寄与する度合い,燃焼の
激しさ(熱放出速度),燃焼生成物,着火源の大きさ,着火源にさらされる材料の配向,換気状態を含む環
境などの要因についても考慮する必要がある。
5.3 燃焼挙動に影響する物理的特性
この試験方法によって測定する燃焼挙動は,試験片の密度,異方性,厚さなどの要因の影響を受ける。
5.4 試験片の収縮及び変形
試験材料は,試験片の厚さによって着火せずに収縮して試験炎から外れたり,変形したりする場合があ
る。この場合,有効な試験結果を得るために,同じ厚さの追加の試験片が必要になる。追加の試験片によ
っても有効な試験結果が得られない場合は,この材料を,当該厚さにおいてこの試験方法で評価すること
は適切ではない。
5.5 試験片の状態調節による影響
プラスチック材料は,時間とともに燃焼挙動が変化する場合がある。この場合,材料を適切な手順によ
って劣化処理し,その前後で試験することが望ましい。オーブンによる状態調節は,温度70 ℃±2 ℃で168
時間±2時間行う。ただし,受渡当事者間の合意がある場合には,規定以外の温度及び時間で行ってもよ
い。この場合には,その旨を試験報告書に記載する。
6 試験装置
6.1 燃焼試験箱
燃焼試験箱の内容積は,0.5 m3以上とする。また,燃焼試験箱は,試験の進行状況を観
察できる構造とし,燃焼中は,ドラフトフリー環境で,試験片の周囲に生じる空気の対流以外に空気の流
れがあってはならない。燃焼試験箱の内部表面は暗色にし,内部の照度は20 lx未満とする。この照度は,
試験片を設置する場所に,照度計を燃焼試験箱の背面に向けて設置し,測定する。燃焼試験箱のきょう(筐)
体は,完全に密閉できるとともに,安全性及び利便性を考慮し,有毒である燃焼生成物を排出するために,
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C 60695-11-20 : 2018 (IEC 60695-11-20 : 2015)
排気ファンのような換気装置を取り付けることが望ましい。試験中,換気装置は停止し,試験後直ちに運
転して燃焼放出物を取り除くことができるようにする。換気装置には,確実に閉まるダンパを設ける。
注記1 燃焼試験箱の内容積は,1 m3以上あると有用である。
注記2 燃焼試験箱内に,試験片の裏側が見えるように鏡を置くことが有用である。
6.2 試験用バーナ
試験用バーナは,JIS C 60695-11-3に規定するA法又はC法で用いる公称500 W標
準試験炎を生成できるものとする。
6.3 リングスタンド
リングスタンドは,クランプ又はこれと同等の器具によって試験片の位置を調整
できるものとする。
6.4 時間計測器
時間計測器は,0.5 sまで読み取れるものとする。
注記 接炎時間を計測するために,音の鳴るタイマを用いることが有用である。
6.5 スケール
スケールは,目量1 mmをもつものとする。
6.6 状態調節用チャンバ
状態調節用チャンバは,温度23 ℃±2 ℃,相対湿度(50±10)%に維持でき
るものとする。
注記 プラスチック材料の状態調節及び試験の標準大気条件は,JIS K 7100に規定している。
6.7 マイクロメータ
マイクロメータは,次の精度をもつものとする。
a) 試験片厚さが0.250 mm以上の場合,0.01 mmまで読み取れる。
b) 試験片厚さが0.250 mm未満の場合,0.001 mmまで読み取れる。
6.8 デシケータ
デシケータは,温度23 ℃±2 ℃,相対湿度20 %以下に維持できるものとする。
注記 乾燥剤は,無水塩化カルシウムが適切である。
6.9 空気循環式オーブン
空気循環式オーブンは,1時間に5回以上換気でき,関連する規定がない場合
には,温度70 ℃±2 ℃に維持できるものとする。
6.10 脱脂綿の敷物
脱脂綿の敷物は,綿100 %のものとする。
6.11 バーナ取付台
バーナ取付台は,試験用バーナを垂直から20°±5°の角度に傾けて取り付けるこ
とができるものとする(図3参照)。
7 試験片
7.1 試験片の準備
試験片は,JIS又はISO規格に規定する適切な方法,例えば,真空注型成形,JIS K 7152の規格群に規
定する射出成形,JIS K 7151又はISO 295に規定する圧縮成形,トランスファ成形などを用いて必要とす
る形状に成形する。
上記の方法による成形が不可能な場合,製品の該当する部分を成形する方法と同じ条件で試験片を作製
する。この方法も不可能な場合,最終製品から適切な寸法に切り出して試験片として用いる。
注記 上記のいずれの方法によっても試験片が準備できない場合には,例のように代替の燃焼試験方
法を適用することもある。
例 ニードルフレーム試験(JIS C 60695-11-5)
最終製品から試験片を切り出した場合には,表面からほこり及び微粒子を注意して除去し,切り出した
端面を滑らかに仕上げる。
7.2 短冊試験片
短冊試験片の寸法は,長さ125 mm±5 mm,幅13.0 mm±0.5 mmとする。試験片の厚さは,燃焼性分類
において供給する最小厚さ以上とする[図4 a) 参照]。試験片の推奨厚さは,0.75 mm,1.5 mm,3.0 mm,
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C 60695-11-20 : 2018 (IEC 60695-11-20 : 2015)
6.0 mm及び/又は12.0 mmとする。
受渡当事者間の合意がある場合は,これら以外の厚さの試験片を用いてもよい。この場合には,その旨
を試験報告書に記載する。ただし,試験片厚さは,13 mm以下とし,端面は,滑らかで,かつ,コーナの
半径は1.3 mm以下とする。
注記 図6に示すゲージは,適切な試験片寸法の測定に役立つ。
7.3 板状試験片
板状試験片の寸法は,長さ150 mm±5 mm,幅150 mm±5 mmとする。試験片の厚さは,燃焼性分類に
おいて供給する最小厚さ以上とする[図4 b) 参照]。試験片の推奨厚さは,0.75 mm,1.5 mm,3.0 mm,
6.0 mm及び/又は12.0 mmとする。
受渡当事者間の合意がある場合は,これら以外の厚さの試験片を用いてもよい。この場合には,その旨
を試験報告書に記載する。ただし,試験片厚さは,13 mm以下とする。
無着色の試験片又は燃焼性分類が不明な色の試験片は,供給する色の試験片を代表する試験片として試
験する。
板状試験片は,燃焼性分類5VA(8.4参照)に分類する試験で用いる。燃焼性分類5VB(8.4参照)に分
類する試験では,板状試験片は用いない。
7.4 試験片の処方・組成・配合の範囲
7.4.1 一般事項
密度若しくは分子量が異なる試験片,異方性の試験片,添加物が異なる試験片,又はフィラー・強化材
が異なる試験片の試験結果は,異なる場合がある。
7.4.2 密度,溶融流動性及びフィラー・強化材の含有量
密度,溶融流動性及びフィラー・強化材の含有量の,それぞれの上限及び下限の試験片を用意し,その
試験結果が同一の燃焼性分類を示す場合は,その結果をその範囲の代表とみなす。それぞれの上限及び下
限の試験結果が同一の燃焼性分類に入らない場合は,その試験結果の評価は,試験をした密度,溶融流動
性及びフィラー・強化材の含有量だけに適用する。この場合には,それぞれ中間の密度,溶融流動性及び
フィラー・強化材の含有量の試験片で試験し,より狭い範囲の代表に対する燃焼性分類を決定する。
7.4.3 色(短冊試験片だけに適用)
無着色の短冊試験片,並びに最大質量の有機顔料及び無機顔料を含有する短冊試験片の試験結果が同一
の燃焼性分類を示す場合,これらを色の範囲の代表とみなす。ある色材が燃焼特性に影響することが分か
っている場合は,その色材を含む試験片も試験する。試験に用いる試験片は,次による。
a) 着色剤を含まない。
b) 最大質量の,有機顔料,着色料,染料及び/又はカーボンブラックを含む。
c) 最大質量の無機顔料を含む。
d) 燃焼特性に不利な影響を及ぼすことが分かっている有機顔料,着色料及び染料を含む。
上記に従わない場合は,各色で評価し,燃焼性分類を行う。
7.5 試験片厚さの計測
短冊試験片の厚さは,マイクロメータを用いて試験片の中心及び両端部分を測定する。板状試験片の厚
さは,マイクロメータを用いて試験片の中心及び中心から垂直方向の両端部分を測定する。測定した3点
の平均値を,試験片厚さとする。
試験片の厚さは,JIS K 7153によるほか,次の手順で測定する。
a) ラチェット付きのマイクロメータを用いる場合,スケール又はデジタル表示が読み取れる範囲の速度
――――― [JIS C 60695-11-20 pdf 10] ―――――
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JIS C 60695-11-20:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60695-11-20:2015(IDT)
JIS C 60695-11-20:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.220 : 火災に対する防御 > 13.220.40 : 材料及び製品の発火性及び燃焼性
JIS C 60695-11-20:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60695-11-10:2015
- 耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
- JISC60695-11-3:1997
- 環境試験方法 ― 電気・電子 ― 耐火性試験 公称500W試験用炎及び指針
- JISC60695-11-3:2014
- 耐火性試験―電気・電子―第11-3部:試験炎―公称500W炎―試験装置及び炎確認試験方法
- JISC60695-4:2010
- 耐火性試験―電気・電子―第4部―電気・電子製品のための耐火性試験用語
- JISK7100:1999
- プラスチック―状態調節及び試験のための標準雰囲気
- JISK7151:1995
- プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の圧縮成形試験片
- JISK7152:1995
- プラスチック ― 熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片
- JISK7153:2008
- プラスチック―試験片の直線寸法の求め方
- JISK7222:2005
- 発泡プラスチック及びゴム―見掛け密度の求め方