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C 60721-3-1 : 2009 (IEC 60721-3-1 : 1997)
5.4 化学的に活性な物質
自然大気の汚染は,主に工業活動,車及び暖房システムから放出される化学物質によって生じる。さら
に,化学的影響は,海水及び融雪用の塩による塩霧によっても生じる。汚染は,製品の機能及び材質に影
響を及ぼすことがある。
この分類で規定する値は,数年間にわたる調査から得られたものである。高濃度の直接的影響は,短時
間であっても材質に急激な損傷を生じ,再生できないことがあるので,最大値を規定する。これらの化学
的に活性な物質の影響は,製品の内部部品に長期的に作用するので,平均値も規定する。
実際には,この規格で分類した汚染物質(パラメータ)が同時に存在するというわけではない。さらに,
これらの汚染物質の濃度が同時に,かつ,均一に増加するという確率は低い。地域の状況によっては,一
種類の汚染物質の値だけが高いということもしばしばある。クラス1C1で規定した値は,通常,田園地域
及び工業活動が低い地域の場合の値である(表4参照)。クラス1C2で規定した値は,都市地域の値であ
る。したがって,これらの二つのクラスの厳しさは,それぞれの規定したすべてのパラメータの複合作用
を考慮する必要がある。しかし,クラス1C3の厳しさは,不経済な過剰設計を避けるために,すべてのパ
ラメータの複合作用を考慮する必要はない。クラス1C3の場合には,適用する場所に関連すると思われる
単一のパラメータの厳しさだけを選択することが可能である。例えば,その場所に存在している化学的に
活性な物質について,クラス1C3の単一のパラメータを選択した場合には,特に明記しないパラメータは,
すべてクラス1C2の厳しさを適用する。
注記 この規格では,海塩又は融雪用の塩以外の化学的に活性な液体及び固体は考慮しない。
5.5 機械的に活性な物質
この環境条件で生じる効果が似ている砂及びじんあい(塵埃)は同一の分類とする(表5参照)。
5.6 機械的条件
定常振動(正弦波)の条件は,低い振動数範囲については変位振幅の厳しさで,高い振動数範囲につい
ては加速度振幅の厳しさで,それぞれ分類する(表6参照)。
ランダム振動は,この規格では考慮していない。十分な情報が入手できた場合に取り入れる。
衝撃を含む非定常振動は,一次の減衰していない最大衝撃応答スペクトルを用いて分類する[JIS C
60721-1の表1の付記事項 6)参照]。
6 環境条件の組合せの記号表示
箇条5で示したように,どのような場所で保管される製品についても,環境条件の組合せが規定できる。
したがって,その組合せの数及び組合せの自由度(フレキシビリティ)は非常に大きい。しかし,このフ
レキシビリティは,実際にいつも利点があるというわけではない。例えば,特定の場所に対する環境条件
を,別々のグループが選択すると,いつもわずかな違いが生じ,混乱が生じることがある。
一般的な場合に対する環境条件の組合せの種類を制限するために,標準的な組合せの分類を,表7から
選定する。与えられた場所又は製品に対して,例えば,IE12というような条件を引用する。環境条件がこ
の分類で包含できない場合は,箇条5 で示すそれぞれの分類を引用する。ただし,組合せから外れたパラ
メータの厳しさについては,記号の後に例えば,“IE12,ただし,砂の条件は,300 mg/m3である”という
ような規定を追加する。
附属書Bに,環境分類を組み合わせた分類を包含する条件を示す。
――――― [JIS C 60721-3-1 pdf 6] ―――――
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表1−気象条件の分類
環境パラメータ 単位 クラス10)
1K1 1K2 1K3 1K4 1K5 1K6 1K7 1K8 1K9 1K10 1K11
11) 11)
a) 低温 ℃ +206) +5 −5 −25 −40 −55 −20 −33 −65 +5 −20
b) 高温 ℃ +256) +40 +45 +55 +70 +70 +35 +40 +55 +40 +55
c) 低相対湿度1) % 20 5 5 10 10 10 20 15 4 30 4
d) 高相対湿度1) % 75 85 95 100 100 100 100 100 100 100 100
e) 低絶対湿度1) g/m3 4 1 1 0.5 0.1 0.02 0.9 0.26 0.003 6 0.9
f) 高絶対湿度1) g/m3 15 25 29 29 35 35 22 25 36 36 27
g) 温度変化の速度2) ℃/min 0.1 0.5 0.5 0.5 1.0 1.0 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5
h) 低気圧3) kPa 70 70 70 70 70 70 70 70 70 70 70
i) 高気圧3) kPa 106 106 106 106 106 106 106 106 106 106 106
j) 日射 W/m2 500 700 700 1 120 1 120 1 1201 120 1 120 1 120 1 120 1 120
7) 7) 7) 7) 7) 7) 7) 7) 7) 7)
k) 熱放射 なし なし
1.08) 1.08) 1.08) 5.08) 5.08) 8) 8) 8) 508)
l) 周囲空気の動き4) m/s 0.5 50
m) 結露(凝縮) なし なし なし あり あり あり あり あり あり あり あり あり
n) 降水(降雨,降雪,なし なし なし なし あり あり あり あり あり あり あり あり
降ひょうなど) 9) 9) 9)
o) 降雨の厳しさ mm/min なし なし なし なし なし なし 6 6 15 15 15
9) 9) 9)
p) 低雨温度5) ℃ なし なし なし なし なし なし +5 +5 +5 +5 +5
9) 9) 9)
7) 7) 7) 7) 7) 7) 7) 7) 7)
q) 雨以外の水 なし なし なし
r) 氷及び霜の生成 なし なし なし あり あり あり あり あり あり あり なし あり
注1) 相対湿度は,絶対湿度の規定値によって制限されるため,例えば,環境パラメータa)及びc),又はb)及び
d)の厳しさは同時に生じない。
2) 5分間の平均値。
3) 70 kPaの値は,屋外条件の限界値を表し,通常は高度3 000 mでの値である。地理的な場所によっては,こ
れより高い場所もある。鉱坑内の条件は,考慮しない。
4) 自然対流による冷却システムは,周囲空気の動きの逆作用によって妨害されることがある。
5) 雨温度は,b)及びj)を同時に考慮することが望ましい。雨による冷却効果は,製品の表面温度と関連して考
慮しなければならない。
6) 規定温度±2 ℃の許容差で空調している場所である。
7) 特別な気象条件(表2参照)から選択した,1Z1(無視できる)又は1Z2(熱放射がある条件,例えば,部屋
暖房システムの近く)のいずれかの場所に関連して生じる条件。
8) 特別な気象条件(表2参照)から選択した,1Z3(30 m/s)又は1Z4(50 m/s)を適用してもよい。
9) 部分的に屋内へ吹き込んだ降水に適用する。
10) この規格の気象条件のクラスは,JIS C 60721-3-3及びJIS C 60721-3-4のクラスを次のように包含する。
1K1は3K1を,1K2は3K3を,1K3は3K5を,1K4は3K6を,1K5は3K7を,1K6は3K8を,1K7は4K1
を,1K8は4K2を,1K9は4K4を,1K10は4K5を,1K11は4K6をそれぞれ含む。
11) クラス1K10(熱帯湿潤)及び1K11(熱帯乾燥)で規定する熱帯地域の気象条件は,附属書Cで説明する。
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表2−特別な気象条件の分類
環境パラメータ クラス3) 単位 特別条件Z
k) 熱放射 1Z1 なし 無視できる
1Z2 なし 熱放射がある条件,例えば,部屋暖房システムの近く
l) 周囲空気の動き1) 1Z3 m/s 30
1Z4 m/s 50
q) 雨以外の水2) 1Z5 なし 滴水
1Z6 なし 水噴射
1Z7 なし 波浪
注1) 自然対流による冷却システムは,周囲空気の動きの逆作用によって妨害されることがある。
2) 水中の条件は考慮しない。
3) この規格の特別な気象条件のクラスは,JIS C 60721-3-3及びJIS C 60721-3-4のクラスを次のように
包含する。
1Z1は3Z1を,1Z2は3Z2を,1Z3は3Z6及び4Z4を,1Z4は4Z5を,1Z5は3Z7を,1Z6は3Z10
及び4Z8を,1Z7は4Z9をそれぞれ含む。
表3−生物的条件の分類
環境パラメータ 単位 クラス1)
1B1 1B2 1B3
a) 植物系 なし 無視できる かび,菌など
b) 動物系 なし 無視できる げっ歯類(ねず げっ歯類(ねず
みなど)の動物 みなど)の動物
及びその他製品 及びその他製品
に有害な動物。 に有害な動物。
白あり(蟻)を 白ありを含む。
除く。
注1) この規格の生物的条件のクラスは,JIS C 60721-3-3及びJIS C 60721-3-4の
クラスを次のように包含する。
1B1は3B1を,1B2は3B2及び4B1を,1B3は3B3及び4B2をそれぞれ
含む。
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表4−化学的に活性な物質の分類
環境パラメータ 単位1) クラス5)
1C1L 1C1 1C2 1C33)
最大値 最大値 平均値 最大値 平均値 最大値
2) 2) 2) 2)
a) 海塩及び融雪用の塩 なし なし なし4) 塩霧 塩霧
b) 二酸化硫黄 mg/m3 0.1 0.1 0.3 1.0 5.0 10
cm3/m3 0.037 0.037 0.11 0.37 1.85 3.7
c) 硫化水素 mg/m3 0.01 0.01 0.1 0.5 3.0 10
cm3/m3 0.007 1 0.007 1 0.071 0.36 2.1 7.1
d) 塩素 mg/m3 0.01 0.1 0.1 0.3 0.3 1
cm3/m3 0.003 4 0.034 0.034 0.1 0.1 0.34
e) 塩化水素 mg/m3 0.01 0.1 0.1 0.5 1.0 5.0
cm3/m3 0.006 6 0.066 0.066 0.33 0.66 3.3
f) ふっ化水素 mg/m3 0.003 0.003 0.01 0.03 0.1 2.0
cm3/m3 0.003 6 0.003 6 0.012 0.036 0.12 2.4
g) アンモニア mg/m3 0.3 0.3 1.0 3.0 10 35
cm3/m3 0.42 0.42 1.4 4.2 14 49
h) オゾン mg/m3 0.01 0.01 0.05 0.1 0.1 0.3
cm3/m3 0.005 0.005 0.025 0.05 0.05 0.15
i) 窒素酸化物 mg/m3 0.1 0.1 0.5 1.0 3.0 9.0
(二酸化窒素の当量値で表示)cm3/m3 0.052 0.052 0.26 0.52 1.56 4.68
注1) 単位cm3/m3の数値は,温度20 ℃,圧力101.3 kPaでの単位mg/m3の数値から,計算によって求めたも
ので,概略値である。
2) 平均値は,長期間の期待値。最大値は,限界値又はピーク値で,1日に付き30分間以内で生じる。
3) クラス1C3は,規定のすべてのパラメータの組合せ効果を満たすことが必す(須)ではない。単一の
パラメータの値を,このクラスから選択してもよい。この場合には,特に明記しないパラメータは,す
べてクラス1C2の厳しさを適用する。
4) 海岸の部分的な屋内では,海水からの塩霧が存在することがある。
5) この規格の化学的に活性な物質のクラスは,JIS C 60721-3-3及びJIS C 60721-3-4のクラスを次のよう
に包含する。
1C1Lは3C1Lを,1C1は3C1及び4C1を,1C2は3C2及び4C2を,1C3は3C3及び4C3をそれぞ
れ含む。
表5−機械的に活性な物質の分類
環境パラメータ 単位 クラス1)
1S1 1S2 1S3 1S4
a) 砂 mg/m3 なし 30 300 1 000
b) じんあい(浮遊) mg/m3 0.01 0.2 5.0 15
c) じんあい(沈殿)mg/ (m2・h) 0.4 1.5 20 40
注1) この規格の機械的に活性な物質のクラスは,JIS C 60721-3-3及びJIS C
60721-3-4のクラスを次のように包含する。
1S1は3S1を,1S2は3S2を,1S3は4S2を,1S4は4S3をそれぞれ
含む。
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表6−機械的条件の分類
クラス2)
環境パラメータ 単位
1M1 1M2 1M3 1M4
a) 定常振動,正弦波
変位振幅(2 Hz9 Hzにおいて) mm 0.3 1.5 3.0 7.0
加速度振幅(9 Hz200 Hzにおいて) m/s2 1 5 10 20
b) 非定常振動,衝撃を含む
衝撃応答スペクトル,タイプL
ピーク加速度1) m/s2 40 40 なし なし
衝撃応答スペクトル,タイプI
ピーク加速度1) m/s2 なし なし 100 なし
衝撃応答スペクトル,タイプII
ピーク加速度1) m/s2 なし なし なし 250
c) 静的荷重 kPa 5 5 5 5
注1) 図1参照。説明は,JIS C 60721-1の表1の付記事項6) 参照。
2) この規格の機械的条件のクラス(静的荷重を除く。)は,JIS C 60721-3-3及びJIS C 60721-3-4のク
ラスを次のように包含する。
1M1は3M1を,1M2は3M2を,1M3は3M4を,1M4は3M6及び4M6をそれぞれ含む。
表7−環境条件の組合せの記号表示
環境条件 記号
IE11 IE12 IE13 IE14
気象 1K2 1K3 1K4 1K8
特別な気象 1Z2 1Z2 1Z1 1Z1
− − 1Z3 1Z4
− 1Z5 1Z5 1Z6
生物 1B1 1B1 1B2 1B2
化学的に活性な物質 1C2 1C2 1C2 1C2
機械的に活性な物質 1S2 1S2 1S3 1S3
機械的条件 1M2 1M2 1M2 1M3
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