JIS C 61000-4-16:2017 電磁両立性―第4-16部:試験及び測定技術―直流から150kHzまでの伝導コモンモード妨害に対するイミュニティ試験 | ページ 4

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C 61000-4-16 : 2017 (IEC 61000-4-16 : 2015)
PA : 電力増幅器
Vr : 電圧調整器
S : スイッチ及び制御回路
IT : 絶縁変圧器
R : 線路抵抗
図4−電源周波数(50 Hz及び60 Hz)における試験信号発生器の例
R : 200 Ω
C : 4.7 μF 直流試験の場合は短絡する(SW)。
L : 2×38 mH(バイファイラ巻き)
図5−通信ポート及び平衡度の高い対線に接続することを意図している
その他のポートに対するT回路網の回路図

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C 61000-4-16 : 2017 (IEC 61000-4-16 : 2015)
C : 1.0 μF 直流電圧試験の場合は短絡する(SW3)。
R : 100 Ω×n nはそのポートに属する導体数である。
例えば,n=4の場合,R : 400 Ω
注記 スイッチSW2は,試験を適用する入力ポート以外の全ての入力ポートを接地するのに用いる(8.2参照)。
図6−形式試験の回路図

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C 61000-4-16 : 2017 (IEC 61000-4-16 : 2015)
附属書A
(参考)
妨害の発生源及び結合メカニズム
A.1 妨害の発生源
電源周波数及びその高調波における伝導コモンモード妨害は,配電系統に起きた故障及び大地回路へ流
れる漏れ電流によって発生する可能性がある。
工業用設備,電力設備及び通信センタで用いている直流供給系統も,直流コモンモード妨害を発生させ
る可能性があり,特に正又は負の回路において一方のポートが接地されている場合には,その傾向にある。
電気鉄道も,その運転周波数において妨害を発生する。
誘発する妨害については,詳細がIEC 61000-2-3及びIEC TR 61000-2-5に記載されている。異なるタイ
プの,異なるレベルの妨害が同時に発生することがある。また,電力系統において故障が生じた場合,妨
害のレベルは,通常運転時の基準レベルの10倍くらいまでになるが,故障時の妨害はおおむね持続時間の
短いものだけになる(1秒程度まで)。
電源周波数及びその高調波における妨害は,コモンモードの除去が不十分な場合には,装置の信号ポー
トに影響を及ぼす可能性がある。
1 kHz2 kHzまでの妨害は,主として電力系統の高調波に起因する。
より高い周波数において,妨害は,パワーエレクトロニクス装置に起因する場合が多い。これは,スイ
ッチング電流が大地回路に流れることによって,伝導性のコモンモード妨害となるからである。
A.2 結合メカニズム
この箇条で考えられている結合メカニズムには,容量性,誘導性及び抵抗性結合を含む。それぞれの結
合メカニズムの詳細は,IEC 61000-2-3に記載している。容量性結合は,例えば,接地すること,又は容量
性フィルタによって信号線が接地をもつ場合には,考慮する必要がない。
妨害発生源(例えば,電力線,接地回路など)によって誘起された磁界による誘導性結合は,信号線に
重大な妨害を発生させることがよくある。
抵抗性(又はコモンインピーダンス)結合は,接地された信号源の場合と同様に信号線に直接影響する
か,又は信号線ケーブルのシールドに電流を流す。この種の結合は,最もよく発生し,特に容量性及び誘
導性の結合の包括的効果と考えられることもある。
結合メカニズムの等価インピーダンスは,発生源及び妨害を受ける機器の配置によって,広範囲の値に
なる。
コモンインピーダンス結合の最悪の場合において,等価結合インピーダンスは,数オーム程度の値をも
つことがある。その他の場合では,平衡線路では容量性結合になりやすいため,インピーダンスが数桁高
い値を示すこともある。
試験室の実績では,装置のそれぞれのポートにおけるイミュニティ試験は,150 Ωの値をもつソースイ
ンピーダンスの場合だけで行うことによって,効率的に実行できる。この値は,実地における電源線又は
信号線のコモンモード固有インピーダンスも表しているようであり,JIS C 61000-4規格群又はIEC
61000-4規格群におけるほかの基本規格に採用されている方法と一致している。

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C 61000-4-16 : 2017 (IEC 61000-4-16 : 2015)
附属書B
(参考)
試験レベルの選択
この規格では,異なる試験について規定しているが,各試験の適用範囲,試験レベル及び関連する合格
基準は,製品規格で規定する。
試験レベルは,最も現実的な設置及び環境条件に従って選択することが望ましい。
さまざまな設備に関する試験の適用及びレベル選択のガイドラインをIEC TR 61000-2-5に示す。各設備
に対する試験レベルの選択では,異なる場所での妨害レベルの範囲を示す。
一般的な設置方法に基づき,次のように環境を分類してもよい。
レベル1 : 高度に保護された環境
設置(設備)は,次の事項で特徴付けられる。
− 例えば,専用絶縁変圧器などによって内部電源回路網と主電源回路網とが絶縁してある。
− 電子機器を,設備の接地系に接続された専用の接地端子に接地接続してある。
この環境の代表例は,コンピュータ室である。
レベル2 : 保護された環境
設置(設備)は,次の事項で特徴付けられる。
− 低圧主電源回路網に直接接続してある。
− 電子機器を設備の接地系に接地接続してある。
この環境の代表例は,工場及び発電所の専用建家内に設けられた制御室又は配電盤室である。
レベル3 : 典型的な工業環境
設置(設備)は,次の事項で特徴付けられる。
− 低圧又は中圧主電源回路網に直接接続してある。
− 電子機器を設備の接地系に接地接続してある。
− 迷走電流が接地回路網に漏えいする電力変換装置を用いている。
この環境の代表例は,工業設備及び発電所である。
レベル4 : 過酷な工業環境
設置(設備)は,次の事項で特徴付けられる。
− 低圧又は中圧主電源回路網に直接接続してある。
− 電子機器を,高圧の機器及びシステムと共通の,設備の接地系に接地接続してある。
− 迷走電流が接地回路網に漏えいする電力変換装置を用いている。
この環境の代表例は,高圧変電所及び関連する発電所である。
レベル5 : 分析を要する特殊な場合
特別な設置(設備)は,分析又は調査を行い,その結果,それぞれのクラスの指定より高い又は低いイ
ミュニティ要求事項を定義してもよい。

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C 61000-4-16 : 2017 (IEC 61000-4-16 : 2015)
参考文献
[1] IEC 60381-2,Analogue signals for process control systems−Part 2: Direct voltage signals
[2] IEC 61000-2-3,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 2: Environment−Section 3: Description of the
environment−Radiated and non-network−frequency-related conducted phenomena
[3] IEC TR 61000-2-5,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 2-5: Environment−Description and
classification of electromagnetic environments
[4] JIS C 61000-4-6 電磁両立性−第4-6部 : 試験及び測定技術−無線周波電磁界によって誘導する伝導
妨害に対するイミュニティ
注記 対応国際規格 : IEC 61000-4-6,Electromagnetic Compatibility (EMC)−Part 4-6: Testing and
measurement techniques−Immunity to conducted disturbances, induced by radio-frequency fields
[5] IEC 61000-4-13,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-13: Testing and measurement
techniques-Harmonics and interharmonics including mains signalling at a.c. power port, low frequency
immunity tests
[6] IEC 61000-4-19,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-19: Testing and measurement techniques−
Test for immunity to conducted, differential mode disturbances and signalling in the frequency range 2 kHz
to 150 kHz at a.c. power ports
[7] JIS C 60068-1 環境試験方法−電気・電子−通則及び指針
注記 対応国際規格 : IEC 60068-1,Environmental testing−Part 1: General and guidance
[8] JIS C 60050-161 EMCに関するIEV用語
注記 対応国際規格 : IEC 60050-161,International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 161 :
Electromagnetic compatibility
[9] JIS C 61000-4(全ての部) 電磁両立性−第4-XX部 : 試験及び測定技術
注記 対応国際規格 : IEC 61000-4 (all parts),Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-XX: Testing
and measurement techniques
[10] JIS C 60364-1 低圧電気設備−第1部 : 基本的原則,一般特性の評価及び用語の定義

JIS C 61000-4-16:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61000-4-16:2015(IDT)

JIS C 61000-4-16:2017の国際規格 ICS 分類一覧