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C 61000-4-34 : 2017 (IEC 61000-4-34 : 2005,Amd.1 : 2009)
5 試験レベル
この規格で,電圧試験レベルを規定する基準(以下,UTという。)として機器の定格電圧を用いる。
機器の定格電圧が範囲をもつ場合には,次を適用する。
a) 定格電圧範囲の幅が定格電圧の下限電圧の20 %以下の場合には,UTとして,定格電圧範囲内の単一
の電圧を指定してよい。
b) )以外の場合には,定格電圧範囲の下限及び上限電圧の両方で試験する。
c) 試験レベル及び継続時間を選択する場合は,IEC/TR 61000-2-8を考慮する。
5.1 電圧ディップ及び短時間停電
電圧ディップ及び短時間停電は,UTと残存電圧との間を急激に変化する。製品規格で規定しない限り,
電圧ディップ及び停電の開始時点及び終了時点の位相角は,0°でなければならない(すなわち,電圧ディ
ップ相における電圧変化の傾きが正のときのゼロクロス点。)(8.2.1参照)。試験電圧レベル(%UT表示)
は,0 %,40 %,70 %及び80 %を適用し,そのときの残存電圧は,それぞれ0 %,40 %,70 %及び80 %と
なる。
電圧ディップに対する適切な試験レベル及び継続時間を表1に示し,例を図1に示す。
短時間停電に対する適切な試験レベル及び継続時間を,表2に示す。
表1及び表2に示す試験レベル及び継続時間は,IEC/TR 61000-2-8の情報を考慮に入れている。
表1の試験レベルは,適度に厳しい値となっており,現実に発生する多くの電圧ディップを代表するが,
全ての電圧ディップに対するイミュニティは保証していない。例えば,0 %の試験レベル,継続時間1秒
の平衡三相電圧ディップのような,より厳しい試験レベルについては,製品規格委員会で個別に規定して
もよい。
急激な変化における電圧回復に要する時間tr及び電圧低下に要する時間tfを,表4に示す。
試験レベル及び継続時間は,製品仕様に明記しなければならない。0 %の試験レベルは,停電に相当す
る。実際には,定格電圧の0 %20 %の試験レベルは,停電とみなしてもよい。
表1−電圧ディップに対する適切な試験レベル及び継続時間
クラス a) 電圧ディップ(50 Hz/60 Hz)に対する試験レベル及び継続時間(ts)
クラス1 機器の要件に応じて製造業者などが個別に指定
クラス2 0 %で 70 %で25/30サイクルc)
1サイクル
クラス3 0 %で 40 %d)で 70 %で 80 %で
1サイクル 10/12サイクルc) 25/30サイクルc)250/300サイクルc)
クラスX b) X b) X b) X b) X b)
注a) EC 61000-2-4で規定するクラス : 附属書B参照。
b) 値は,製品規格で規定する。商用電源系統に直接又は間接的に接続する機器に関しては,
試験レベルがクラス2よりも緩くなってはならない。
c) “25/30サイクル”の表記は,“50 Hzの試験に対しては25サイクル”及び“60 Hzの試験
に対しては30サイクル”の継続時間を適用することを意味する。同様に,“10/12サイク
ル”は,“50 Hzの試験に対しては10サイクル”及び“60 Hzの試験に対しては12サイク
ル”,また,“250/300サイクル”は,“50 Hzの試験に対しては250サイクル”及び“60 Hz
の試験に対しては300サイクル”を適用する。
d) 通常,200 V又は208 Vで使用する装置に対しては,製品規格で50 %に変更してもよい。
――――― [JIS C 61000-4-34 pdf 6] ―――――
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U
0 5 25 t (サイクル)
注記 電圧が25サイクル間70 %に低下し,ゼロクロス点で移行している例。
図1−電圧ディップ−70 %電圧ディップ瞬時値グラフ
表2−短時間停電に対する適切な試験レベル及び継続時間
クラスa) 短時間停電(50 Hz/60 Hz)に対する試験レベル及び継続時間(ts)
クラス1 機器の要件に応じて製造業者などが個別に指定
クラス2 0 %で 250/300サイクルc)
クラス3 0 %で 250/300サイクルc)
クラスX X b)
注a) EC 61000-2-4で規定するクラス : 附属書B参照。
b) 値は,製品規格で規定する。商用電源系統に直接又は間接的に接続する機器に関しては,試験レベルがクラ
ス2よりも緩くなってはならない。
c) “250/300サイクル”の表記は,“50 Hzの試験に対しては250サイクル”及び“60 Hzの試験に対しては300
サイクル”の継続時間を適用することを意味する。
5.2 電圧変動(オプション)
この試験は,UTと変化後の電圧との間での,規定する変動を用いる。
注記 電圧変動において,電圧変化は,ある短い時間内で生じ,負荷の変動によって発生することも
ある。
電圧変化時間及び低下した電圧の継続時間を,表3に示す。電圧は,時間をかけて変化する場合は,変
化率一定であることが望ましい。UTの1 %以下のステップ変化は,変化率一定の電圧変化として取り扱っ
てもよい。電圧変化は,ステップ変化でもよいが,その場合は,変化点は,ゼロクロス点に位置し,ステ
ップは,UTの10 %以下とすることが望ましい。
表3−短時間の電源電圧変動のタイミング
試験電圧レベル 電圧下降に要する時間(td) 低下した電圧の継続 電圧上昇に要する時間(ti)
時間(ts) (50 Hz/60 Hz)
70 % 瞬時 1サイクル 25/30サイクルb)
X X a) X a) X a)
注a) 値は,製品規格で規定する。
b) “25/30サイクル”の表記は,“50 Hzの試験に対しては25サイクル”及び“60 Hzの試験に対しては30サイ
クル”の電圧上昇に要する時間を適用することを意味する。
中性線がある又はない三相系統の電圧変動については,三相同時に試験する。三相系統に同時に発生す
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る電圧変動は,三相いずれか一つの電圧のゼロクロス点に位置する。
この箇条で取り扱う波形は,短時間の電圧下降に要する時間(td),及び緩やかな電圧上昇に要する時間
(ti)をもつ電動機始動時の典型的な波形とする。
電圧の実効値の時間変化を,図2に示す。正当な理由がある場合は,ほかの値を採用してもよいが,そ
の値は,製品規格で規定する。
100 %
試
電
験
圧
電
試
圧
験
レ 70 %
ベ
ル
%UT
0%
td ts ti 時間
td : 電圧下降に要する時間
ts : 低下した電圧の継続時間
ti : 電圧上昇に要する時間
図2−電圧変動
6 試験装置
6.1 試験電圧発生器
電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動の試験に用いる電圧発生器は,特記する場合を除き,6.1.1及び
6.1.2の仕様を満たさなければならない。
試験電圧発生器の例を,附属書Dに示す。
試験電圧発生器は,試験結果に影響を与えるような重大な妨害を商用電力系統に放出しないよう,必要
な手段を講じなければならない。
この規格で規定するものと同等か,又はより厳しい特性(電圧及び継続時間)の電圧ディップを生成す
る試験電圧発生器を用いてもよい。
試験電圧発生器の出力には,試験電圧発生器の特性,負荷特性,及び/又は試験電圧発生器に電力を供
給する交流系統の特性が影響する場合がある。
6.1.1 試験電圧発生器の特性及び性能
試験電圧発生器の仕様は,表4による。
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表4−試験電圧発生器の仕様
無負荷時出力電圧 表1において必要な電圧。許容差は,残存電圧の±5 %。
試験中の試験電圧発生器の出力電圧 表1において必要な電圧。許容差は,IEC 61000-4-30に
よって,0.5サイクルごとに更新する実効値測定値で,残
存電圧の±10 %。
出力電流容量 附属書A参照
ピーク突入電流供給能力(電圧変動試験時を除く。)附属書A参照
UTの5 %未満
瞬時ピークオーバシュート又はアンダシュート電圧(抵
抗負荷時)a)
電流が75 A以下の場合 1 μs5 μs
電圧急変時の,電圧回復に要する時間tr及び電圧低下に
要する時間tf(抵抗負荷時)a) ) 電流が75 Aを超える場合 1 μs50 μs
電圧ディップ開始及び終了時の位相角 0°360°。分解能5°以下。c)
±5°未満
電圧ディップ及び短時間停電の,試験電圧発生器の電源
周波数との位相関係
試験電圧発生器のゼロクロス制御 ±10°
注a) オーバシュート,アンダシュート,電圧上昇時間及び電圧下降時間の試験に用いる,インダクタンス成分な
しの抵抗の値は,定格50 A以下の試験電圧発生器の場合は100 Ω,50 Aを超えて100 A以下の試験電圧発生
器の場合は50 Ω,定格100 Aを超える試験電圧発生器の場合は25 Ωとする。
b) これらの値は,注a)の抵抗負荷で確認する。ただし,EUTを接続しているときに確認する必要はない。
c) 5.1の要求事項を満足するためには,位相調整が必要な場合がある。
試験電圧発生器の出力インピーダンスは,ほぼ抵抗性でなければならない。また,電圧ディップ出力の
ときは,過渡期においても低くなければならない。過渡状態間の短時間(最大100 μs)の高インピーダン
スは,許容する。停電試験の出力時は,高インピーダンスで回路開放してもよい。
エネルギーを回生する機器を試験する場合には,負荷と並列に接続する外部抵抗を追加してもよい。た
だし,この負荷は,試験結果に影響を与えてはならない。
注記1 [内容が規定要素であり,表4で引用していることから表4の注a)とした。]
注記2 (内容が規定要素であることから,上記本文に移した。)
注記3 誘導性負荷を試験する場合,高インピーダンスでの停電時には,大きな過電圧が発生する場
合がある。
6.1.2 電圧ディップ及び短時間停電の試験電圧発生器の特性の検証
種々の試験電圧発生器から得られる試験結果を比較するために,試験電圧発生器の特性を,次に従って
検証する。
− 試験電圧発生器の100 %,80 %,70 %及び40 %の出力電圧(実効値)は,230 V,120 Vなどの選択し
たそれぞれの動作電圧に対する百分率とする。
− 試験電圧発生器の100 %,80 %,70 %及び40 %の出力電圧(実効値)は,無負荷で測定し,残存電圧
に対する規定の百分率以内を維持しなければならない。
− 試験電圧発生器の出力電圧は,試験の間,0.5サイクルごとに更新される実効値によって監視し,この
間,規定の百分率以内を維持しなければならない。
機器のピーク電流要求が,試験電圧発生器の出力電圧に影響を与えないほど十分小さいことを証明でき
る場合は,試験の間,出力電圧を監視する必要はない。
電圧回復に要する時間tr及び電圧低下に要する時間tf並びにオーバシュート及びアンダシュートは,90°
及び270°の位相角の両方で,0 %から100 %へ,100 %から80 %へ,100 %から70 %へ,100 %から40 %
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へ,及び100 %から0 %への各電圧切換えに対して検証する。
位相角の精度は,0 %から100 %へ及び100 %から0 %への電圧切換えに対して,0°から45°刻みで315°
まで八つの位相角で検証する。100 %から80 %へ,80 %から100 %へ,100 %から70 %へ,70 %から100 %
へ,100 %から40 %へ,及び40 %から100 %への各電圧切換えについては,90°及び180°の位相角で検
証する。
6.2 電源
試験電圧の周波数は,定格周波数の±2 %以内とする。
7 試験セットアップ
試験は,EUTの製造業者が指定する電源ケーブルがある場合は,その最短のもので試験電圧発生器に接
続して行う。ケーブルの長さについて指定がない場合は,EUTの用途に照らして適切な最短の長さとする。
この規格で記述する試験セットアップは,次の3種類の現象のためのものを示す。
− 電圧ディップ
− 短時間停電
− 定格電圧と変化電圧との間の緩やかな移行に伴う電圧変動(オプション)
試験セットアップの例を,附属書Dに示す。
8 試験手順
この規格で規定する試験を行うことによって,EUT及び試験装置が危険な状態にならないように注意す
ることが望ましい。人員,EUT及び試験装置が危険な状況になることを避けるため,予防措置を講じるこ
とが望ましい。
試験前には,試験計画を立てる。
試験計画は,システムの実際の使用方法に則したものがよい。
現地の状況を再現するのに必要な試験時のシステム構成を決めるため,正確な事前調査を必要とする場
合がある。
試験報告書で全ての試験内容を示し,それを説明する必要がある。
この試験計画には,次の項目を含めることが望ましい。
− EUTの形式名
− 実行可能な接続(プラグ,端子など)及び対応ケーブル,並びに周辺装置に関する情報
− EUTの電源入力ポート
− EUTの突入電流要件に関する情報
− EUTの代表的な動作モード
− 技術仕様書で用い,かつ,規定する性能基準
− EUTの動作モード
− 試験セットアップの説明
EUTが実際の動作信号源を使用できない場合は,シミュレータを用いてもよい。
各試験について,何らかの性能低下がある場合は,記録しなければならない。監視装置は,試験中及び
試験後のEUTの動作モードを表示できることが望ましい。各試験の後で,全ての機能点検を行わなければ
ならない。
――――― [JIS C 61000-4-34 pdf 10] ―――――
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JIS C 61000-4-34:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61000-4-34:2005(IDT)
- IEC 61000-4-34:2005/AMENDMENT 1:2009(IDT)
JIS C 61000-4-34:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.20 : イミュニティ
JIS C 61000-4-34:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60050-161:1997
- EMCに関するIEV用語