JIS C 6122-10-2:2010 光増幅器―測定方法―第10-2部:マルチチャネルパラメータ―ゲート付き光スペクトラムアナライザを用いたパルス法 | ページ 2

4
C 6122-10-2 : 2010 (IEC 61290-10-2 : 2007)
a) 光学スイッチング形光信号源モジュール
b) 直接変調形光信号源モジュール
図2−光信号源モジュールの二つの構成
いずれの光信号源モジュールに対しても,消光比は65 dB‡より大きくなければならない。直接変調
されたWDM光源に対しては,個々のレーザを確実に同期させることが望ましい。図2 a) に示す光ス
イッチは,必要な消光比を得るために通常音響光学素子を用いる。
変調器ドライバと組み合わせたパルス発生器は,25 kHz300 kHzの可変繰返し周波数及び50 %の
デューティサイクルをもつ光パルスを供給しなければならない。10 %から90 %への立ち上がり時間及
び90 %から10 %への立ち下がり時間は,パルス幅の10 %‡より短くしなければならない。トリガ出
力は,光パルスのターンオンエッジと±1 μs‡の精度で一致しなければならない。
光信号源モジュールに可変光減衰器が内蔵されていない場合には,図2に示す光信号源モジュール
の後ろに,外付けの可変光減衰器を置かなければならない。この可変光減衰器は,40 dB‡より大きい
減衰可能範囲をもち,かつ,設定する減衰量の値に対して±0.1 dBより高い安定性をもたなければな
らない。この可変光減衰器からの反射率は,各ポートにおいて−40 dB‡より小さくなければならない。
b) 可変光減衰器 OSAの前の可変光減衰器は,減衰範囲は20 dB‡より大きく,安定性は±0.1 dBより高
くなければならない。
c) 光スペクトラムアナライザ 光スペクトラムアナライザは,偏光依存性が±0.05 dB‡未満,安定度が
±0.1 dB‡未満,波長確度が±0.5 nm‡未満,かつ,波長再現性が±0.01 nm‡未満でなければならない。
分解能帯域幅は,設定する分解能帯域幅の値に対して±3 %未満の精度で校正することが望ましい。
装置は,0.1 nm‡未満の分解能帯域幅をもち,測定範囲は−75 dBm+10 dBm‡,又はそれより広くな
ければならない。この装置からの反射率は,その入力ポートにおいて−35 dB‡未満でなければならな
い。OSAは,外部トリガ信号に同期して,トリガ信号との遅延時間を調整しながらデータサンプリン
グを行う(ゲートする)機能をもたなければならない。トリガ遅延分解能は,1 μs‡以下でなければな
らない。また,OSAは,パルスがオン及びオフとなる全区間にわたって平均光パワーを測定するため

――――― [JIS C 6122-10-2 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
C 6122-10-2 : 2010 (IEC 61290-10-2 : 2007)
に連続サンプリング(ゲートしない)を行う機能をもたなければならない。
d) 光パワーメータ 光パワーメータは,OFAの動作波長帯域内及び−40 dBm+20 dBm‡のパワー範囲
内において,入力光の偏光状態にかかわりなく,±0.2 dB‡未満の測定精度をもたなければならない。
e) 光コネクタ 光コネクタの接続損失の繰返し再現性は,±0.1 dB‡未満でなければならない。光コネク
タの反射率は,−40 dB‡未満でなければならない。
f) 光ファイバコード 光ファイバコードのモードフィールド径とOFAの入出力ポートに用いる光ファ
イバのモードフィールド径との差は,±0.5 μm以下でなければならない。光ファイバコードからの反
射率は−40 dB‡未満,光ファイバコードの長さは10 m未満でなければならない。
g) 偏波コントローラ 偏波コントローラは,OFAへの入力信号光としてすべての可能な偏光状態[直線,
だ(楕)円及び円]を生成できなければならない。例えば,偏波コントローラは全ファイバ形であっ
てもよいし,最低90°回転可能な1/4波長板及び最低180°回転可能な1/2波長板で構成してもよい。
偏波コントローラの損失変化は,0.1 dB‡未満でなければならない。偏波コントローラからの反射率は,
各ポートで−40 dB‡未満でなければならない。偏波コントローラは,OSAの平均化時間より高速で偏
光状態をスクランブルするランダム化モードで動作しなければならない。

5 試験サンプル

  OFAは公称動作条件の下で動作しなければならない。不要な反射によってOFAがレーザ発振を引き起
こす可能性がある場合,供試OFAを反射戻り光から保護するために光アイソレータを使用することが望ま
しい。これによって,信号の不安定性と測定の不正確さとを最小限にできる。
測定中,入力光の偏光状態を一定に維持するように注意しなければならない。入力光の偏光状態が変化
すると,各部品のわずかな偏光依存性が累積されて入力パワーが変動し,測定誤差が生じる。この問題は,
偏波コントローラを使用することで大部分は取り除くことができる。

6 試験

6.1 概要

  試験は,次の二つの手順で行う。
a) 校正
b) 出力信号光及びノイズの測定

6.2 校正

  校正は,次の手順で行う。
a) 光信号源モジュールの変調周波数及び出力光パワー(又は,可変光減衰器の減衰量)を設定する。
b) 予想されるOFAからの最大光パワーがOSAで規定した入力光レベルを超えないように,OSAの前の
可変光減衰器の減衰量を設定する。偏波コントローラを使用する場合,偏光状態をスクランブルする
ランダム化モードに設定する。
c) 図1に示すように,光信号源モジュールを光パワーメータに接続し,PiPM(dBm)を測定する。光信
号源が多波長光信号源の場合,波長ごとに入力し,各波長でPiPMを測定する。
d) SAを連続サンプリング(ゲートしない)に設定する。このモードでは,パルスがオン及びオフとな
る全区間にわたる平均光パワーを測定する。
e) 図1で示すように可変光減衰器を介して光信号源をOSAに接続し,PiOSAを測定する。多波長光信号
源の場合,各波長で測定を繰り返す。

――――― [JIS C 6122-10-2 pdf 7] ―――――

6
C 6122-10-2 : 2010 (IEC 61290-10-2 : 2007)
光パワーメータは,光信号源の自然放出を含む光パワーの総量を検出する。信号光強度の自然放出光強
度に対する比が40 dB/nm未満の光信号源に対しては,OSA校正の効果を検討し,それに応じて補正しな
ければならない。
光パワーメータで検出される光パワーの総量に関し,信号光強度そのもののパワーについては,一般的
に,OSAで検出される光信号波形から,その光信号源成分と自然放出光成分とを切り分け,導出すること
もある。これらは,ASE補間法,偏波消光法,時間消光法などによって自然放出光の混入成分を補正する
ことも含む。

6.3 出力信号光及びノイズの測定

  出力信号光及びノイズの測定方法を,次に示す。
a) 図1に示すように,光信号源モジュールと可変光減衰器との間にOFAを接続する。
b) パルスがON,OFFとなる全区間にわたる平均光パワーを測定するために,OSAを連続サンプリング
meas
(dBm)を読み取る。BRBWの標準的な
モードに設定する。BRBWでλsignalにおけるOSAの指示値 Ptotal
meas
は,出力信号光パワーとASEパワーとの和を表す。
値は,0.2 nmである。 Ptotal
c) SAのトリガ機能(ゲート機能)をオンに設定する。
d) パルスオフ期間の中心でASEパワーを測定するために,トリガの遅延時間を変調周期の25 %に設定
する(図3参照)。
e) λsignal+Δλ及びλsignal−Δλにおける光パワーをOSAから読み取る。これらは信号光波長からのオフセッ
meas meas
トΔλにおけるASEパワー NASE (λsignal−Δλ) であり,単位はdBmで表す。
(λsignal+Δλ) 及び NASE
f) 多波長光信号源の場合,この手順をチャネルごとに繰り返す。
不完全な光信号源の消光比及びOSAの過渡応答による測定誤差は,信号光波長から微小量Δλだけ離れ
た波長におけるASEパワーを補間することによって取り除くことができる。IEC 61290-3-1に示すように,
非理想的な偏光子の消光比による影響を取り除くためには,補間法は偏光ヌリング法にとって不可欠であ
る。Δλの値は,ゼロ(補間なし)から約1 nmまでの範囲をとり得る。多波長光信号源において,Δλはチ
ャネル間隔の半分未満に設定することが望ましい。OFAが急しゅん(峻)なフィルタを含んでいると,こ
こで述べる単純な直線補間法はかなりの誤差をもたらすことになる。その場合,信号光波長近傍のASEデ
ータに合うように,適切な多項式による補間を行うことが望ましい。補間法は多くの場合測定精度を改善
するが,この手順を実施するための必す(須)項目ではない。
パルス繰返し周波数25 kHzのタイミング図を,図3に示す。より高い繰返し周波数に対しては,その周
波数に応じてサンプリングのタイミングを調整する。OSAによるサンプリングは,図で示すようにすべて
のパルスオフ期間で毎回行う必要はない。

――――― [JIS C 6122-10-2 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
C 6122-10-2 : 2010 (IEC 61290-10-2 : 2007)
図3−タイミング図

7 計算

a) 校正係数は,式(1) によって算出する。
この校正係数は,パワーメータ測定値とOSA測定値との整合を図るものである。ここで,出力側に
配置する光可変減衰器の減衰量は,OSAの振幅応答と同等のものであるとみなすことができる。
Ccal=PiPM−PiOSA (1)
ここに, Ccal : 校正係数(dB)
PiPM : パワーメータでの信号源入力パワー(dBm)
PiOSA : OSAでの信号源入力パワー(dBm)
b) 信号光波長でのASEパワーは,式(2) によって算出する。
meas meas
NASE( signal ) NASE( signal )
NASE Ccal (2)
2
ここに, NASE : 信号光波長でのASEパワー(dBm)
meas
NASE (λsignal+Δλ) : λsignal+ΔλにおけるASEパワー(dBm)
meas
NASE (λsignal−Δλ) : λsignal−ΔλにおけるASEパワー(dBm)
Ccal : 校正係数(dB)
c) リニアな出力信号光パワーは,式(3) によって算出する。
meas C
Ptotal NASE
cal
linear 10 10
Po 10 10 (3)
ここに, Polinear : リニアな出力信号光パワー(mW)
: 出力信号光パワーとASEパワーとの和(dBm)
meas
Ptotal
Ccal : 校正係数(dB)
NASE : 信号光波長でのASEパワー(dBm)
d) 出力信号光パワーは,式(4) によって算出する。
Po=10 log Polinear (4)
ここに, Po : 出力信号光パワー(dBm)
Polinear : リニアな出力信号光パワー(mW)
e) 利得は,式(5) によって算出する。
G=Po−PiPM (5)

――――― [JIS C 6122-10-2 pdf 9] ―――――

8
C 6122-10-2 : 2010 (IEC 61290-10-2 : 2007)
ここに, G : 利得(dB)
Po : 出力信号光パワー(dBm)
PiPM : パワーメータでの信号源入力パワー(dBm)
f) 信号光−ASE間雑音指数は,式(6) によって算出する。
NFsig-sp=NASE−G−10 log (h×ν×BRBW) (6)
ここに, NFsig-sp : 信号光−ASE間雑音指数(dB)
NASE : 信号波長でのASE(dBm)
G : 利得(dB)
h : プランク定数(Ws2)
ν : 信号周波数(Hz)
BRBW : OSAの分解能帯域幅(Hz)

8 試験結果

  各チャネルについて,次に示す内容を詳細に記述しなければならない。
a) 光信号源のスペクトル線幅(半値全幅)
b) 入力信号光波長 λK
c) 分解能帯域幅,BRBW
d) 励起光パワーの表示(測定可能な場合)
e) 周囲温度
f) パルス繰返し周波数
g) 入力パワーレベル
h) 補間のためのオフセット波長 Δλ
i) 利得,G
j) ASEパワー NASE
k) 信号光−ASE間雑音指数 NFsig-sp

――――― [JIS C 6122-10-2 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS C 6122-10-2:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61290-10-2:2007(IDT)

JIS C 6122-10-2:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6122-10-2:2010の関連規格と引用規格一覧