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C 61280-2-12 : 2019 (IEC 61280-2-12 : 2014)
式(1)を計算したときに得られる最大値をQ値と定義する。
1 0
Q (1)
1 0
Q値は,また,時間窓の幅にも依存する。信号波形は,デューティ比50 %の正弦波形RZ信号[図3 a)
参照]又は正弦波形NRZ信号[図3 b)参照]でありσ0 = σ1であると仮定した場合,Q値と時間窓の幅との
関係の計算結果を図3 c)に示す。この結果から,適切な時間窓の幅は,RZ信号では0.1 UI以下,NRZ信
号では0.2 UI以下であることが分かる。
6 マーク
5 ヒストグラム
時間窓
4 σ1
μ1
振幅(任意単位)
3
スペース
2
1
σ0
μ0
0
−1
時間
図2−ソフトウェアトリガリング技術を用いて波形再生した
RZ同期アイパターン,時間窓及びヒストグラム
振幅(任意単位)
NRZ
振幅(任意単位)
RZ 1
1
0,5 0,5
0 0
0 0.25 0.5 0.75 1 0 0.25 0.5 0.75 1
時間(UI) 時間(UI)
a) 正弦波形RZ(デューティ比50 %) b) 正弦波形NRZ
図3−Q値と窓幅との関係の例
――――― [JIS C 61280-2-12 pdf 6] ―――――
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C 61280-2-12 : 2019 (IEC 61280-2-12 : 2014)
20 RZ
NRZ
18
B)
16
Q値(d
14
12
10
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
窓幅(UI)
c) 値と窓幅との関係の計算結果
図3−Q値と窓幅との関係の例(続き)
5 器材
5.1 一般
試験システムは,主に光帯域通過フィルタ,広帯域受信器,クロック発振器,電気パルス発生器,サン
プリングモジュール並びにアナログ/デジタル変換器及びソフトウェアトリガリングモジュールを内蔵し
た電気信号処理回路で構成する場合(図4参照)と,光帯域透過フィルタ,クロック光パルス発生器,光
サンプリングモジュール並びにアナログ/デジタル変換器,低周波受光モジュール及びソフトウェアトリ
ガリングモジュールを内蔵した光信号処理回路で構成する場合(図5参照)とがある。
通常,Q値観測するために十分な信号パワーレベル及びCD補正が要求されるので,アイパターン及び
Q値測定は,再生中継器,光クロスコネクト又はその他のノードの光増幅器直後で行う。
――――― [JIS C 61280-2-12 pdf 7] ―――――
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C 61280-2-12 : 2019 (IEC 61280-2-12 : 2014)
中継器又は光スイッチングノード
広帯域受信器 ソフトウェア
トリガリングモジュール 測定結果
アナログ/デジタル
サンプリング 変換器
モジュール
光帯域通過 電気信号処理回路
フィルタ
電気パルス
発生器
クロック発振器
ソフトウェアトリガリング技術を用いたアイパターン
及びQ値測定回路 伝送路
図4−ソフトウェアトリガリング技術によるアイパターン及びQ値測定試験システム1
中継器又は光スイッチングノード
光サンプリング ソフトウェア
モジュール トリガリングモジュール
測定結果
アナログ/デジタル
変換器
光帯域通過 クロック
フィルタ 光パルス発生器 低周波受光モジュール
光信号処理回路
ソフトウェアトリガリング技術を用いたアイパターン
及びQ値測定回路
伝送路
図5−ソフトウェアトリガリング技術によるアイパターン及びQ値測定試験システム2
5.2 光帯域透過フィルタ
光増幅器からの不要なASEを除去し,WDM信号から必要なチャネルを取り出すために,光帯域透過フ
ィルタ(OBPF)を使用することが望ましい。光フィルタBoptの帯域幅は,光信号のビットレートよりも広
くすることが望ましい。OBPFの形状は,ITU-T Recommendation G.959.1:2012の図B.2に示されており,
――――― [JIS C 61280-2-12 pdf 8] ―――――
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C 61280-2-12 : 2019 (IEC 61280-2-12 : 2014)
隣接チャネルの電圧抑圧比及び中心周波数偏差の二つのパラメータが定義されている。
5.3 広帯域受信器
通常,広帯域受信器は,高速なフォトダイオードなどの光/電気変換器(O/E変換器)及び電気増幅器
で構成する。広帯域受信器は,光インタフェース規定点を,直接又は光ジャンパーケーブルのいずれかで
接続するための光コネクタを装備している。
受信器は,JIS C 61280-2-2に基づいた,次のような一般的なガイドラインに従わなければならない。
a) 対象とする用途をカバーする許容入力波長範囲
b) アイパターンを生成するのに適した受光感度 例えば,−15 dBmの平均化パワーでNRZの光データ
ストリームを測定する場合,オシロスコープの目盛が10 mV/divのとき,50 mVのアイパターンを形
成するためには,790 V/Wの受光感度としなければならない。
c) 正確な測定が可能な十分に低い光雑音等価パワー 例えば,−15 dBmの平均光パワーでNRZの光デ
ータストリームを測定する場合,測定システムの有効雑音帯域幅が470 MHzで,かつ,実効雑音等価
パワーが,非同期アイパターン振幅の5 %未満のとき,光雑音等価パワーは,145 pWHz−1/2以下にす
ることが望ましい。
d) 高域遮断(−3 dB)周波数Bmes Hz 再現性及び精度を確実にするために,測定試験システムの高域遮
断周波数(帯域幅)Bmesを詳細仕様書に厳密に規定することが望ましい。入力光がNRZ信号の場合,
広帯域受信器及びサンプリングモジュールは,−3 dB帯域が0.75/T(ここで,Tはデータ信号のビッ
ト間隔。単位は秒)の低域通過フィルタを使用することが多い。RZ信号では,スペクトル帯域幅は,
同じ信号ビットレートでもNRZよりも広い。したがって,測定試験システムの帯域幅は,クロック周
波数よりも広くなる。
e) 低域遮断(−3 dB)周波数Blow Hz 低周波スペクトル成分の欠如によって,検出されたアイパターン
が著しくひず(歪)むのを回避するために,測定システムの低域遮断周波数Blowは,1/Tsampよりも十
分に低くすることが望ましい。Tsampは,5.12に記載している総サンプリング時間である。式(1)のアイ
パターンのDC成分は,式(1)のμ1−μ0でキャンセルされるため,Q値測定にDCカップリングは必ず
しも必要でない。
f) 測定を妨げないように,過渡応答時のオーバシュート,アンダーシュート及び他の波形異常を小さく
することが望ましい。
測定システムの高域遮断周波数(帯域幅)は,主としてシステムの過渡応答を決定することが望ま
しい。
g) ソフトウェアクロック再生ループ帯域幅は,被測定信号の位相雑音にトラッキングするように十分高
いことが望ましい。ループ帯域幅は,サンプリング周波数及び同期化アルゴリズムに関連する。実際
には,ループ帯域幅は,サンプリング周波数の少なくとも100倍となる。例えば,JIS C 61280-2-2で
は,10 GbpsのNRZデータに対して4 MHzのループ帯域幅が推奨され,推奨サンプリング周波数は
400 MHzになる。信号VCOをより適切に制御することによって,推奨されるループ帯域幅を縮小す
ることができる。
h) 0 Hzから受信器の帯域幅よりも高い周波数にかけて,受信器の後段のサンプリングモジュールからの
反射が適切に抑圧されるように,十分高い電気的な反射減衰量をもつ。
大きな多重反射が存在する場合,時間領域測定は,非常に不正確である可能性がある。反射減衰量
は,15 dB以上が望ましい。受信器の後に多くのコンポーネントを使用する場合は,リターンロスの
最小値として15 dBを推奨する。信号強度は減衰するが,インライン形の電気減衰器を使用すること
――――― [JIS C 61280-2-12 pdf 9] ―――――
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C 61280-2-12 : 2019 (IEC 61280-2-12 : 2014)
によって,受信器の反射減衰量を改善することができる。波形の直流成分が変化してQ値測定に誤差
が生じないように,反射減衰量の要求は直流にも適用する。
5.4 クロック発振器
クロック発振器は,サンプリング周波数に応じたクロック信号を発生する。このクロック信号がもつソ
フトウェアクロック再生ループ帯域幅を超えるジッタ成分は,はっきりとしたアイパターン波形を得るた
めに,ビット周期よりも十分に小さくしなければならない。クロック信号は,電気パルス発生器及び電気
信号処理回路に送られる。高いクロック周波数をもった伝送信号の測定時には,広い帯域のクロック再生
器が望ましい。
5.5 電気パルス発生器
電気パルス発生器は,電気短パルス又は電気クロック信号を,適切なスルーレートでサンプリングモジ
ュールに供給する性能をもつことが望ましい。このときの電気パルスの繰返し周波数が,サンプリング周
波数となる。
5.6 サンプリングモジュール
サンプリングモジュールは,電気パルス発生器からの電気パルス列を用いて,規定の周期間隔,規定の
サンプリング時間幅(=サンプリング窓)で,受光器出力電気信号をサンプリングし,サンプリングした
信号のパワーレベルを検出することが望ましい。そのサンプリング値は,電気信号処理回路へと送られる。
5.7 電気信号処理回路
電気信号処理回路は,サンプリングモジュール内での非同期サンプリングによって得られたサンプリン
グ信号及び内部クロック信号発生器から出力されたクロック信号を基に,アイパターン波形を再構築する
とともにQ値(及び振幅に関するヒストグラム)を計算することが望ましい。Q値の計算式を4.2に示す。
計算されるQ値の確度は,計測システムがもつバンド幅Bmesに依存する。
電気信号処理回路内では,サンプリングモジュールによって得られた電気信号を数値化するとともに,
ソフトウェアトリガリングモジュールが,この数値化した値から時間軸を計算する。ソフトウェアトリガ
リングモジュールで行われる信号処理方法の一例は,附属書Aを参照[14]。
5.8 クロック光パルス発生器
クロック光パルス発生器は,光パルス列を発生するとともに,この光パルス列のタイミングに同期した
クロック信号を発生する。発生された光パルス列は光サンプリングモジュールへ,クロック信号は光信号
処理回路へとそれぞれ送られる。ここで,光パルス列の繰返し周波数は,クロック信号に同期している。
さらに,光パルス列のソフトウェアクロック再生ループ帯域幅を超える周波数成分をもつジッタは,はっ
きりとしたアイパターン波形を得るために,ビット周期よりも十分に小さくしなければならない。このた
め,より高い光クロック周波数の伝送信号の測定に対しては,クロック再生の帯域幅を広くすることが望
ましい。
5.9 光サンプリングモジュール
光サンプリングモジュールは,被測定伝送信号光のビットレートに応じた適切なサンプリング時間幅(サ
ンプリング窓又はゲート幅)を用いて,規定の繰返しレートで伝送信号光をサンプリングすることが望ま
しい。サンプリング時間幅を変化させると,測定システムの上側カットオフ(3 dB)周波数Bmesが変化す
る。サンプリングされた光信号は,光信号処理回路に送られる。
被測定信号光のビットレートに対する最適なサンプリング時間幅(ゲート幅)を計算した結果を,附属
書Bに示す。
――――― [JIS C 61280-2-12 pdf 10] ―――――
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JIS C 61280-2-12:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61280-2-12:2014(IDT)
JIS C 61280-2-12:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.10 : 光ファイバ及び光ケーブル
JIS C 61280-2-12:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC61280-2-2:2017
- 光ファイバ通信サブシステム試験方法―第2-2部:光アイパターン,光波形及び消光比測定