JIS C 61280-2-8:2010 光ファイバ通信サブシステム試験方法―Q値測定を用いた低ビット誤り率の決定法

JIS C 61280-2-8:2010 規格概要

この規格 C61280-2-8は、低ビット誤り率の決定のために加速して測定する,可変識別しきい値法及び可変光しきい値法について規定。

JISC61280-2-8 規格全文情報

規格番号
JIS C61280-2-8 
規格名称
光ファイバ通信サブシステム試験方法―Q値測定を用いた低ビット誤り率の決定法
規格名称英語訳
Fiber optic communication subsystem test procedures -- Determination of low BER using Q-factor measurements
制定年月日
2010年5月20日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 61280-2-8:2003(IDT)
国際規格分類

ICS

33.180.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
電子 II-1 2020, 電子 II-2 2020, 電子 III-1 2020, 電子 III-2 2020
改訂:履歴
2010-05-20 制定日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS C 61280-2-8:2010 PDF [28]
                                                            C 61280-2-8 : 2010 (IEC 61280-2-8 : 2003)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 用語及び定義並びに略語・・・・[1]
  •  2.1 用語及び定義・・・・[1]
  •  2.2 略語・・・・[1]
  •  3 低ビット誤り率の測定・・・・[2]
  •  3.1 一般的な考察・・・・[2]
  •  3.2 Q値の背景・・・・[3]
  •  4 可変識別しきい値法・・・・[5]
  •  4.1 概要・・・・[5]
  •  4.2 試験装置・・・・[8]
  •  4.3 被測定物・・・・[8]
  •  4.4 試験手順・・・・[8]
  •  4.5 計算及び結果の解釈・・・・[10]
  •  4.6 測定の記録・・・・[13]
  •  4.7 具体的な情報・・・・[14]
  •  5 可変光しきい値法・・・・[14]
  •  5.1 概要・・・・[14]
  •  5.2 試験装置・・・・[14]
  •  5.3 被測定物・・・・[15]
  •  5.4 基本的な光ファイバリンクの試験手順・・・・[15]
  •  5.5 自己完結型システムの試験手順・・・・[15]
  •  5.6 結果の評価・・・・[16]
  •  附属書A(規定)Q値における最大誤差の計算・・・・[18]
  •  附属書B(参考)正弦波干渉法・・・・[20]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS C 61280-2-8 pdf 1] ―――――

C 61280-2-8 : 2010 (IEC 61280-2-8 : 2003)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及
び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS C 61280の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 61280-1-3 中心波長及びスペクトル幅測定
JIS C 61280-2-1 受信感度及びオーバロード測定
JIS C 61280-2-2 光アイパターン,光波形及び消光比測定
JIS C 61280-2-8 Q値測定を用いた低ビット誤り率の決定法
JIS C 61280-2-9 高密度波長分割多重システムの光信号対雑音比測定
JIS C 61280-2-11 光信号品質評価のための強度ヒストグラム評価を用いた平均化Q値測定

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS C 61280-2-8 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                                JIS
C 61280-2-8 : 2010
(IEC 61280-2-8 : 2003)

光ファイバ通信サブシステム試験方法−Q値測定を用いた低ビット誤り率の決定法

Fiber optic communication subsystem test procedures- Determination of low BER using Q-factor measurements

序文

  この規格は,2003年に第1版として発行されたIEC 61280-2-8を基に,技術的内容及び対応国際規格の
構成を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。

1 適用範囲

  この規格は,低ビット誤り率の決定のために加速して測定する,可変識別しきい値法(箇条4参照)及
び可変光しきい値法(箇条5参照)について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61280-2-8:2003,Fibre optic communication subsystem test procedures−Digital systems−Part
2-8: Determination of low BER using Q-factor measurements(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。

2 用語及び定義並びに略語

2.1 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2.1.1
ビット誤り率,BER(bit error rate)
誤りビット数の総ビット数に対する比。
2.1.2
符号間干渉,ISI(intersymbol interference)
データストリームにおける符号間の相互干渉。通常,伝送経路の非線形の効果と帯域幅制限とで引き起
こされる。
2.1.3
Q値(Q-factor)
1レベルの平均電圧と0レベルの平均電圧との差のそれらの標準偏差の和に対する比。

2.2 略語

ASE     増幅された自然放出光                    (amplified spontaneous emission)
CW 連続波 (continuous wave)

――――― [JIS C 61280-2-8 pdf 3] ―――――

2
C 61280-2-8 : 2010 (IEC 61280-2-8 : 2003)
DC 直流電流 (direct current)
DSO デジタルサンプリングオシロスコープ (digital sampling oscilloscope)
DUT 被測定物 (device under test)
PRBS 擬似ランダムビットパターン (pseudo random bit sequence)

3 低ビット誤り率の測定

3.1 一般的な考察

  光ファイバ通信システム及びサブシステムは,非常に高いビットレートにおいても非常に高い誤り性能
を提供できる。システムの性質によるが,平均ビット誤り率は,通常,10−1210−20となる。この種の性
能はデジタル信号に対する実用的な性能要求より高く,それによって誤り訂正技術を使わずに多くのリン
クを長距離にわたって接続できる。
そのような低ビット誤り率の測定には,統計的に有意な結果を得るために十分多くの誤りを測定しなけ
ればならず,時間を要するという問題がある。15個の誤りの測定に必要な平均時間を,表1に示す。この
誤りの数は50 %のばらつき及び75 %の信頼度で,統計的に有意であるとみなせる。
表1−ビットレート及びビット誤り率と15個の誤りを累積するための平均時間との関係
ビットレート BER
(Bit/s) 10−6 10−7 10−8 10−9 10−10 10−11 10−12 10−13 10−14 10−15
1.0 M 1.5 s 15 s 2.5 min 25 min 4.2 h 1.7 d 17 d 170 d 4.7年 47年
2.0 M 750 ms 7.5 s 75 s 750 s 2.1 h 21 h 8.8 d 88 d 2.4年 24年
10 M 150 ms 1.5 s 15 s 2.5 min 25 min 4.2 h 1.7 d 17 d 170 d 4.7年
50 M 30 ms 300 ms 3.0 s 30 s 5.0 min 50 min 8.3 h 3.5 d 35 d 350 d
100 M 15 ms 150 ms 1.5 s 15 s 2.5 min 25 min 4.2 h 1.7 d 17 d 170 d
500 M 3 ms 30 ms 300 ms 3.0 s 30 s 5.0 min 50 min 8.3 h 3.5 d 35 d
1.0 G 1.5 ms 15 ms 150 ms 1.5 s 15 s 2.5 min 25 min 4.2 h 1.7 d 17 d
10 G 150 μs 1.5 ms 15 ms 150 ms 1.5 s 15 s 2.5 min 25 min 4.2 h 1.7 d
40 G 38 μs 380 μs 3.8 ms 38 ms 380 ms 3.8 s 38 s 6.3 min 63 min 10.4 h
100 G 15 μs 150 μs 1.5 ms 15 ms 150 ms 1.5 s 15 s 2.5 min 25 min 4.2 h
注記 網掛け部は,測定時間が非現実的に長い領域を示す。
表1に示す時間は,ビットレートの低い場合,設置又は保守作業の間に光ファイバ通信システムで予想
されるビット誤り率を測定することは現実的でないことを示す。この課題を克服する一つの方法は,受信
器において制御された方法で人工的に信号対雑音比を損ない,ビット誤り率を増加させることである。こ
れによって,測定時間を減少できる。この方法では,誤り性能を様々な劣化のレベルに対して測定する。
次に,結果を劣化のないレベルまで外挿する。このとき,理論的又は実証的な回帰アルゴリズムに基づき,
計算又は図表による方法を用いる。
誤り性能の決定のためのいかなる回帰技法を使用しても,理論上のビット誤り率が補誤差関数(erfc)
を介して劣化のレベルに関連するという課題がある。これは,非常に小さい劣化の変化が非常に大きいビ
ット誤り率の変化となることである。例えば,10−15のビット誤り率では,劣化のレベルにおいておよそ1
dBの変化が,ビット誤り率において3けたの変化をもたらす。さらに,外挿に基づく方法では,測定され
た最も低いビット誤り率よりも約3けた下方の値を正しく見積もることができないという課題もある。ま
た,デジタル再生部の場合,得られる結果は,試験する受信器を含む再生部にだけ適用することに注意し

――――― [JIS C 61280-2-8 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
C 61280-2-8 : 2010 (IEC 61280-2-8 : 2003)
なければならない。上流の再生部で生成された誤りによってエラーフロアを生じ得るが,このことを試験
対象の再生部の誤り性能評価において考慮しなければならない。
低ビット誤り率の決定のために加速して測定を行う,可変識別しきい値法(箇条4参照)及び可変光し
きい値法(箇条5参照)について示す。また,参考として,もう一つの方法である正弦波干渉法について
附属書Bに示す。
これらの方法は,振幅ベースの劣化に関する誤り性能の決定に適用する。ジッタもシステムの誤り性能
に影響することがあるが,その検証は他の方法による。誤り性能においてジッタによる劣化が支配的な場
合,通常,この規格で示す振幅ベースの方法は,実測値より低いビット誤り率となる。
可変識別しきい値法は,光学系の未知又は予測できない雑音統計量に対し最も正確にQ値及びビット誤
り率を測定できる方法である。ただし,可変識別しきい値法を使用してQ値及びビット誤り率を測定する
には,識別しきい値を操作するために受信器を電気的に操作する手段が必要である。そのような操作がで
きないシステムでは,代替の可変光しきい値法を利用するのがよい。測定及び計算の点で両方の方法は,
自動化することができる。

3.2 Q値の背景

  Q値は識別回路での信号対雑音比(SNR)であり,通常,式(1)で表す[3]。
μ0
μ1σ
Q (1)
σ1 0
ここに, Q : Q値
μ1 : 1レベルの平均電圧(V)
μ0 : 0レベルの平均電圧(V)
σ1 : 1レベルの雑音の標準偏差(V)
σ0 : 0レベルの雑音の標準偏差(V)
正確なシステムの伝送性能又はQ値の評価には,原理的な劣化要因及び現実的な不完全性による劣化要
因を考慮しなければならない。二つの重要な要因とは,増幅された自然放出光(ASE)雑音及び符号間干
渉(ISI)である。付加的な雑音は主として光増幅器のASEによって生じる。ISIは,波長分散,光ファイ
バ非線形,マルチパスの干渉,偏波モード分散,電気的な帯域制限の使用などのように,多くの要因によ
って起こる。また,他の要因が存在する可能性がある。例えば,不十分なインピーダンス整合は波形のリ
ンギング及び/又は長い下降時間(慣用的には,“立ち下がり時間”ともいう。)などの劣化を引き起こす
場合もある。
Q値を測定する方法の一つに,電圧ヒストグラム法がある。デジタルサンプリングオシロスコープで波
形のQ値を測定するために2値のアイパターンの時間軸の中心で電圧ヒストグラムを測定する[4]。この方
法では,パターン発生器を信号源として使用し,オシロスコープを受信アイパターンの開口と電圧レベル
の雑音標準偏差とを測定するのに使用する。目安としては,オシロスコープ上に見られる雑音分布の端の
ポイントが,ガウス分布における標準偏差の3倍のポイントに相当する。オシロスコープを使用してアイ
パターンを測定する利点は,実際の伝送路において最小設備で即座に測定ができることである。
オシロスコープを使用するQ値の測定法には,幾つかの短所がある。高速データ(数Gbit/sのオーダ)
のアイパターンの測定に使用すると,オシロスコープのデジタルサンプリング限界(通常数百kHzのオー
ダ)によって,高速データストリームのわずかな部分だけしかQ値測定に使用できない。ただし,観測時
間を長くすることによって,遅いサンプリングの影響を減らすことができる。より基本的な短所は,アイ
パターンの中心の電圧ヒストグラムから得られたQ値の見積りがしばしば不正確なことである。様々なパ
ターン効果とオシロスコープの電気フロントエンドからとの雑音付加はしばしば本当の雑音分散をあいま

――――― [JIS C 61280-2-8 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS C 61280-2-8:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61280-2-8:2003(IDT)

JIS C 61280-2-8:2010の国際規格 ICS 分類一覧