JIS C 61280-2-8:2010 光ファイバ通信サブシステム試験方法―Q値測定を用いた低ビット誤り率の決定法 | ページ 2

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C 61280-2-8 : 2010 (IEC 61280-2-8 : 2003)
いにすることがある。
動作中システムでのアイパターンの例を,図1に示す。図1では,アイパターンの中心を通る垂直なヒ
ストグラムでパターン効果を見ることができる(オシロスコープの電気フロントエンドで加わった雑音に
よって,不鮮明になっている。)。このように測定したQ値と試験装置で測定した実際のビット誤り率との
関係を予測することは難しい。
ガウス近似
実際の分布
識別回路はこの範囲で動作する。
ガウス分布のすそからQ値測定のためのデータを取得する。
図1−パターン効果が見られるアイパターンの例
オシロスコープを使ってQ値を測定する別の方法を,図2に示す。この方法では,アイパターンの開口
を見積もるのにアイパターンの中心を使い,雑音を見積もるのにアイパターンとアイパターンとの間を用
いる。これによってパターン効果のヒストグラムへの影響を小さくする。この方法の欠点は,受信器が実
際には使用しないアイパターンの一部分の測定に依存することである。

――――― [JIS C 61280-2-8 pdf 6] ―――――

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ここでアイパターンの開口を測定する。 ここで雑音を測定する。
μ1−μ0 σ1+σ0
雑音は,ここで独立した“1”を除いて見積もる。
μ1 : 1レベルの平均電圧(V)
μ0 : 0レベルの平均電圧(V)
σ1 : 1レベルの雑音の標準偏差(V)
σ0 : 0レベルの雑音の標準偏差(V)
図2−DSOを使用してアイパターンの間の雑音統計を抽出するより正確な測定技術
これらのオシロスコープを用いた方法では,σ1及びσ0が過大に評価される傾向があるが,測定するQ値
が常に真のQ値より低い値になるとは限らない。例えば,アイパターンの開口の平均値が過大に評価され
るような方法でヒストグラムの分布がゆがめられ,Q値が高く評価されることもある。オシロスコープの
提供するQ値測定値とビット誤り率性能との関係は,容易に関連付けられない。

4 可変識別しきい値法

4.1 概要

  可変識別しきい値法は,可変識別しきい値がある受信器に適用する。システムのビット誤り率を測定す
る幾つかの手段を必要とする。通常,誤り試験系ではPRBSを使用して測定するが,実際の伝送路で使う
ことのできる代替の手法もある。この測定は,ガウス分布に基づくデータのBERを,式(2)によって解析
的に計算できることを利用する。
1 Vth 1 Vth 0
BER(Vth ) erfc erfc (2)
2 1 0
erfc(x) 1 e
2
2/
d 1 2
e x 2/ (3)
2 x
x 2
ここに, BER : ビット誤り率
erfc : 補誤差関数
Vth : 識別しきい値(V)
μ1 : 1レベルの平均電圧(V)

――――― [JIS C 61280-2-8 pdf 7] ―――――

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μ0 : 0レベルの平均電圧(V)
σ1 : 1レベルの雑音の標準偏差(V)
σ0 : 0レベルの雑音の標準偏差(V)
注記 x>3で,近似はほぼ正確になる。
式(2)に示すビット誤り率は,二つの項の平均である。最初の項は“1”が送信されたときに“0”が受信
されたと識別する確率で,2番目の項は“0”が送信されたときに“1”が受信されたと識別する確率であ
る。
識別しきい値電圧を変えながらビット誤り率を測定する(図3参照)。次に,式(4)を使って,データを
Q値対しきい値のプロットに変換する。このとき,Q値は式(2)のいずれかの項の補誤差関数の引数となる。
変換においては,ビット誤り率は,しきい値がアイパターンの1レベル又は0レベルの近い方が,式(2)で
支配的になるという近似を使う。
図3−識別しきい値対ビット誤り率の測定例
図3のデータをQ値対しきい値のプロットに変換した結果を,図4に示す。最適なQ値及びそれを実現
するための最適しきい値は,アイパターンの1レベルの近似直線と0レベルの近似直線との交点から求め
る[2]。

――――― [JIS C 61280-2-8 pdf 8] ―――――

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図4−しきい値電圧対Q値
最適しきい値及び最適Q値は,逆誤差関数に近似を行うことによって,解析的に算出できる[式(4)参照]。
1
log 1 erfc(x) .1192 .0668 1x .0016 2x2 (4)
2
ここに, x : log(BER)で,記号[{}]-1は,xに関する逆関数を意味する。
式(4)は,ビット誤り率が10−510−10で,±0.2 %の精度である。
逆誤差関数を見積もった後に,データを識別しきい値に対してプロットする。図4に示すとおり,線形
回帰によって各々のデータ群を直線で近似する。Q値計算のための等価的な標準偏差及び平均値は,各々
グラフの傾き及び切片から求める。
式(2)の二つの項の引数が等しくなるとき,しきい値は最適値となり,ビット誤り率は最小となる[式(5)
参照]。
( 1 Vth (Vth
optimal ) optimal0)
Qopt (5)
1 0
ここに, Vth−optimal : 最適しきい値(V)
Qopt : 最適Q値
式(5)を変換し,最適しきい値は,0レベル及び1レベルの平均電圧及び雑音の標準偏差を使って表せる
[式(6)参照]。
0 1 1 0
Vth optimal (6)
0 1
最適Q値を,式(1)によって求める。最適しきい値におけるビット誤り率は式(2)によって求められるが,
近似的には式(7)によって算出できる。

――――― [JIS C 61280-2-8 pdf 9] ―――――

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(Q2opt )2/
BERoptimale (7)
Qopt 2
ここに, BERoptimal : 最適しきい値におけるビット誤り率
この近似は,Qopt>3でほぼ正確である。
可変識別しきい値法は,ガウス分布を利用しているものの,雑音の統計がガウス分布に従わないシステ
ム,例えば典型的な光増幅システム[5][6]においても正確な結果を与える。これは図1に示すように,光受
信器の識別回路は,アイパターンの内側だけで動作する。すなわち,光受信器が識別に用いるのは,垂直
方向のヒストグラムにおいてアイパターンの内側に伸びた“すそ”だけである。可変識別しきい値法は,
アイパターン中心部における実際の分布のすそを,ガウス分布で近似する。この部分の分布が,光受信器
の動作に直接影響する。図1の例が示すとおり,ガウス近似は実際のヒストグラムとは全く一致はしない
が,Q値の見積りでは一致する必要はない。
可変識別しきい値法の技法は,実際のアイパターンをガウス分布をもつ架空のアイパターンで置き換え
たものと考えることもできる。 ビット誤り率と識別しきい値との関係は,これら二つのアイパターンの間
で同一である。したがって,アイパターンの細部は異なっても,両者は等価的に同一のQ値をもつとみな
せる。ただし,“すそ”をガウス分布で近似できない雑音源が支配的なシステムでは,このような分析を行
えない。例えば,クロストーク又はモード雑音が支配的なシステムがこれに当たる。測定において,Q値
としきい値との関係を直線で近似できないことが,このような雑音源の存在を示すよい目安となる。
可変識別しきい値法で測定したQ値と実際に測定したビット誤り率との間に,統計的に正しいレベルで
相関関係があることが実験的に示されている。

4.2 試験装置

  ビット誤り率試験装置は,パターン発生器,光受信器,低域通過フィルタ,クロック再生回路,誤り検
出器及びコンピュータで構成する。

4.3 被測定物

  被測定物(DUT)は,デジタル光ファイバ通信システムであり,一方に電気/光変換を伴う光送信器を,
もう一方に光/電気変換を伴う光受信器をもつ。光送信器と光受信器との間には,光ファイバによる光ネ
ットワークがあってもよい(例えば,DWDMネットワーク)。

4.4 試験手順

  アイパターンの“1”付近及び“0”付近の識別しきい値に対して,ビット誤り率を10−510−10で測定
し,Q値の見積りに必要なデータを次の手順で収集する。

――――― [JIS C 61280-2-8 pdf 10] ―――――

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JIS C 61280-2-8:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61280-2-8:2003(IDT)

JIS C 61280-2-8:2010の国際規格 ICS 分類一覧