JIS C 61300-3-2:2012 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品―基本試験及び測定手順―第3-2部:シングルモード光デバイスの光損失の偏光依存性 | ページ 3

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C 61300-3-2 : 2012
Pmsd,min : 全てのPmsd (i)の最小値
Pref,max : 全てのPref (i)の最大値
Pref,min : 全てのPref (i)の最小値
PDLsetupは,測定の不確かさの原因の一つとなる。これが最小となるよう留意して測定系を構築すること
が望ましい。

6.2 ミュラー行列法

  ミュラー行列法では,リファレンス測定及び供試品測定の両方において,4.3.2に規定する偏光状態の組
とする。
これらの偏光状態から,ストークスパラメータを用いてミュラー行列の第1行を求める。
四つの偏光状態を,水平直線偏光(i=1),垂直直線偏光(i=2),45°直線偏光(i=3),及び右回り円
偏光(i=4)としたとき,計算過程は次による。
供試品の透過係数を,式(10)式(13)によって求める。
Pmsd
T1 (10)
Pref
Pmsd
T2 (11)
Pref
Pmsd
T3 (12)
Pref
Pmsd
T4 (13)
Pref
続いて,ミュラー行列の第1行を,式(14)式(17)によって求める。
m11=[T(1)+T(2) ] / 2 (14)
m12=[T(1)−T(2) ] / 2 (15)
m13=T(3)−m11 (16)
m14=T(4)−m11 (17)
最大及び最小透過係数を,式(18)及び式(19)によって求める。
2 2 2
Tmax m11 m12 m13 m14 (18)
2 2 2
Tmin m11 m12 m13 m14 (19)
式(20)及び式(21)で,供試品のPDL及び平均挿入損失ILをdB単位で求める。
PDL=10×log10 (Tmax / Tmin) (20)
IL=−10×log10 (m11) (21)

7 個別規格に規定する事項

  次の事項は,それぞれの事項の必要がある場合,個別規格に規定する。
a) 光源のピーク波長及びスペクトル幅
b) 偏光消光比

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C 61300-3-2 : 2012
c) 偏光状態変更装置の仕様
d) 装置のポアンカレ球面の有効カバー率(全偏光状態法の場合)
e) 基準光ブランチングデバイスの仕様
f) 光ファイバピッグテールの長さ
g) 測定精度の要求仕様
h) 測定方法の種類
i) リファレンス測定の方法
j) この規格に規定する試験手順からの変更点

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附属書A
(参考)
測定の不確かさ
A.1 全偏光状態法
全偏光状態法で用いる偏光スクランブラは,安定した光源から入力する固定偏光状態を,可能な全ての
偏光状態に変換して出力できるものを用いる。偏光制御器は,ステップモードで動作するものでも連続的
走査モードで動作するものでもよい。いずれの場合でも,測定精度は,ポアンカレ球面の偏光状態のカバ
ー率と,装置の偏光状態分解能との関数である。偏光状態変更装置の走査速度及び光パワーメータの応答
速度は,測定系の精度において非常に重要である。
通常,偏光スクランブラは二つの走査速度パラメータをもっており,測定精度は走査速度に依存する。
第一に,光パワーメータの平均化時間内における偏光状態の変化量が,測定系の偏光状態分解能を決める。
この偏光状態変化量が大きすぎる場合は,そのサンプリング頻度からは十分な精度で最大値及び最小値を
求めることはできない。走査速度の変更又は光パワーメータの平均化時間の変更のいずれによっても改善
ができる。第二には,全偏光状態を十分カバーするのに必要な測定時間である。全測定時間と偏光状態の
カバー率との関係は,偏光状態走査手段に依存する。偏光状態変更装置が偏光状態をランダムに変える場
合(偏光スクランブラを用いる場合)には,偏光状態のカバー率は統計的に決まり,測定時間が長くなる
に連れて増加する。偏光状態変更装置が規則性のある方法によって偏光状態を変える場合(偏光制御器を
用いる場合)には,反復性をもつときがあり,そのときには,走査サイクルが一巡した後は,カバー率は
それ以上増えない。
偏光アナライザを用いて,規則性のある方法又は疑似ランダムな方法によって生成した偏光状態をモニ
タすることで,測定系の精度を明確にできる。例えば,図A.1は,平均化時間20ミリ秒(ms)間の光パ
ワーメータを用いて,10秒(s)間で95 %の精度でポアンカレ球面をカバーする市販の光ファイバループ
形スクランブラについて,測定誤差の動作時間に対する依存性を計算したものである。
なお,測定装置内部の変化が発生するため,極端に長い走査時間は逆効果であり,測定誤差は増加に転
じる。

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PDLエラー[%]
偏光スキャン時間[s]
注記 この図は一例である。詳細は本体を参照。
図A.1−全偏光状態法の装置の測定の不確かさ
光源の安定性及び光パワーメータの偏光依存性の影響は,一般的に5.4に規定するリファレンス測定に
おける光パワー測定値の変動を評価することで簡単に求めることができる。
A.2 ミュラー行列法
ミュラー行列法でも,終始一貫した重要な結果を得ることに対して一定の制約が存在する。偏光制御器,
光パワーメータ(D1及びD2)などの測定系を構成する部品が,供試品と同程度のPDLをもつ場合,供試
品を複屈折を無視し得ない長い光ファイバピッグテールで終端している場合などには,測定の不確かさ及
び不正確さが顕著になる。内部応力に加えて,光ファイバピッグテールをコイル状に巻くことによっても
コイルの直径に応じた量の応力誘起複屈折が生じる。応力誘起複屈折によって,光路中で異なる偏光状態
間に遅延が生じ,これによって偏光制御器,供試品及び光パワーメータD1の間でPDLの相対軸方向が変
化する。この余分な遅延の発生は,全偏光状態法では問題にならない場合もあるが,四偏光状態測定では
不可避の校正上の不確かさが生じる。接続用光ファイバコードの静的で大きな複屈折によって,供試品を
取り除いたリファレンス測定と供試品測定との間に必要な偏光の対称性がなくなる。静的で大きな複屈折
の実際の影響としては,PDLをリファレンス測定と供試品測定とで異なる倍率で拡大又は縮小してしまう
ことになる。さらに,長い接続用光ファイバコードによる動的な複屈折は,長時間にわたる測定の実施中
にベースラインPDLを変化させてしまう。
これらの問題を最小限に抑えるためには,次の対策を推奨する。接続用の光ファイバコードには,でき
るだけ短く真っすぐなものを表面に固定して用い,内部PDLが小さい(供試品の推定PDL値に対して10 %
未満の)光パワーメータを用いて,各初期測定の間の測定時間に制限を設ける。このようにすることが不
可能な場合は,接続用光ファイバコードの複屈折の影響を最小化するために,測定を完了してから,接続
用光ファイバコードの向きをランダムに変更して,再度測定をし,平均化する。接続用光ファイバコード
のランダム化を完璧にするため,光ファイバコイルを同一平面内に横にして置くことがないようにする。

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又は,(光ファイバループ形などの低PDLな)第2の偏光制御器(PSCS2)を図A.2に示すように第1の
偏光制御器と供試品との間に配置することが必要である。
S 供試品
データ
記録
図A.2−ミュラー行列法の代替測定装置

――――― [JIS C 61300-3-2 pdf 15] ―――――

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JIS C 61300-3-2:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61300-3-2:2009(MOD)

JIS C 61300-3-2:2012の国際規格 ICS 分類一覧