JIS C 61300-3-32:2013 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品―基本試験及び測定手順―第3-32部:光受動部品の偏波モード分散測定 | ページ 4

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C 61300-3-32 : 2013
を設定する。
6.1.3A コンピュータ
得られた数値を解析するため,適切なソフトウェアを具備したコンピュータを使用しなければならない。

6.2 測定手順

  この箇条は,測定データ収集及びSPEによるPMDの算出方法について規定する。測定の準備手順は,
次による。
− 光源の出力を偏光状態変更装置(偏光制御器及び偏光子)に接続する。
− 偏光状態変更装置(偏光子)の出力を供試品に接続する。
− 供試品の出力を偏光状態解析装置の入力に接続する。
− ストークスパラメータの測定波長範囲を含む波長範囲を選択する。
− 波長可変光源又は偏光状態解析装置(広帯域光源を使用する場合)の波長間隔Δλ(又は光周波数間隔
Δν)を設定する。
中心波長λ0付近における許容できる最大のΔλ又はΔνは,式(2)に基づいて設定する。
2
0
瓰 1
max ≦ , max ≦ (2)
2c 2
ここに, Δτmax : 測定波長範囲において予想されるDGDの最大値
例えば,DGDの最大値と波長間隔との積は,1 550 nmの場合4 ps・nmより小さくなるように,1 300 nm
の場合2.8 ps・nmより小さくなるように,それぞれしなければならない。この条件を満たすことによって,
一つの測定波長から次の波長に移るときに,ポアンカレ球上におけるPSPに対する出力光のSOP変化量
を,180度より小さくすることができる。Δτmaxの概略算出ができない場合,測定波長範囲において数回
DGDを測定する。各測定では,光源又は解析装置のスペクトル幅及び最小波長間隔を考慮して,近接した
二波長を用いる。この方法で測定した最大のDGDに,安全係数である3を乗じ,その値を式(2)のΔτmax
に代入して,実際の測定で用いるΔλ又はΔνの値を算出する。測定に用いた波長間隔又は光周波数間隔が
大きすぎるという懸念がある場合,より小さい波長間隔又は光周波数間隔に設定した上で,再度測定を行
うのがよい。波長に対するDGD値曲線の形状又は平均DGDが本質的に変化しない場合,元々の測定にお
ける波長間隔又は光周波数間隔は十分な値になっていたとみなす。測定の手順は次による。
− 必要な場合(広帯域光源と光スペクトラムアナライザとを組み合わせて測定を行う場合),式(3)を用
いて光スペクトラムアナライザの波長分解能(RBW)を設定する。
2
RBW
max
0
, 刀 ≦ 1
max (3)
5c 5
− 測定データを収集する。
− 波長ごとに,複数の偏光子を順に又は回転式の偏光子を挿入し,変化させたそれぞれの偏光状態にお
ける光出力を測定し,その波長におけるストークスパラメータを解析装置から読み取り,記録する。
光受動部品のモード結合のタイプも,波長間隔を決めるのに重要な要素である。複雑でDGDが一つに
決まらないランダムな光受動部品(又は光受動部品のタイプが不明)の場合,測定間隔を決めるために上
記の方法を用いるのがよい。
単純でDGDが一つに決まる光受動部品では,使用波長領域にわたりDGDはほぼ一定である。この場合,
波長間隔及び測定点数はそれほど重要ではない。

――――― [JIS C 61300-3-32 pdf 16] ―――――

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DWDM用光受動部品の場合,波長間隔は,通過帯域幅又はチャネル間隔に応じて設定するのがよく,
絶対波長精度(不確かさ)は,パスバンドの中心波長に対する光受動部品の要求精度に合わせて,その精
度を決めてよい。これらの光受動部品のフィルタの通過帯域を正確に求めるために,十分に狭い波長間隔
で測定を行う必要がある。
ナイキスト定理に従って測定するのがよい。レーザ光源の線幅は,波長間隔の2倍を超えなければなら
ない。また,解析装置の光検出器の帯域幅は,隣接する測定2点間の波長間隔の2倍を超えなければなら
ない。
注記 環境変化によって特性が敏感に変化するため,測定中に測定環境条件が一定となるような措置
を施すのがよい。環境条件又は励振条件の変動を最小にする一つの方法は,全てのストークス
パラメータを数秒のうちに測定することである。
6.2.1 DGD(群遅延時間差)の算出
ジョーンズ行列による算出方法[5]並びにポアンカレ球及びストークスパラメータを用いた方法の基本
的な考え方は,IEC/TR 61282-9に記載している。これらの考え方及び定義を用いて,測定データ(出力光
のSOPを光周波数の関数として表すストークスベクトル)からDGDを求める方法を,次に示す。
a) ジョーンズ行列固有値解析法による算出(JME法)
− ストークスパラメータから,各波長におけるジョーンズ行列の応答特性を求める。
− それぞれの波長間隔において,高周波側(短波長側)でのジョーンズ行列T(ω+Δω)及び低周波側(長
波長側)でのジョーンズ行列の逆行列T−1(ω)との積を求める。光の角周波数ωは毎秒のラジアン値
で表し,ω=2πνで定まる光周波数ν又はω=2πc/λで定まる光の波長λに関係する。
− 式(4)を用いて,特定の波長間隔におけるDGD値Δτ(λ)を求める。
Arg 1 (4)
2
( )
ここに, ρ1及びρ2 : T(ω+Δω) T−1(ω)の複素固有値
Arg : 複素数成分の偏角を表す関数Arg(ηeiθ)=θ
データ解析においては,それぞれのDGD値は,対応する光周波数間隔の中心の波長におけるDGD
値として取り扱う。一回の測定は,測定波長範囲内での連続した波長ペアから得られるDGD値によ
って構成する。
b) ポアンカレ球解析法による算出(PSA法)
− 0度,45度及び90度の三つの偏光状態に対する解析装置の出力から得られる値を単位長さ当たりに
規格化したストークスベクトルH,V及びQから,式(5)を用いて,h, 及びqを求める[2]。
H Q q V
h H ,q H , q (5)
H Q q V
これらは,入力光のSOPに関係ないため,入力光のSOPが分からなくても,解析を行うことがで
きる。
− ストークスベクトルh, 及びqから,各光周波数に対するベクトル積
c h q 及び c q を求
める。ここで,プライム(')はωで微分することを表す。各光周波数対において,差分を式(6)に
よって求める。

――――― [JIS C 61300-3-32 pdf 17] ―――――

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h h( ) h( ),
q
q( ) (
q ),
( ) ( ), (6)
c c( ) ( ),
c
c ( ) ( )
− DGD値Δτは,光周波数増分を用いて,式(7)によって求める。
1 1 1 2 1 1
( ) arcsin h 2
q c 2 arcsin 2
q 2 c 2 (7)
2 2 2 2
ここでのDGDは,対応する波長間隔の中心の波長におけるDGD値を表す。
6.2.2 DGD(群遅延時間差)の波長特性
JME法又はPSA法によって算出したデータは,縦軸をDGD,横軸を波長として図5に示すようなグラ
フに描くのがよい。
DGD(p )
s
波長(nm)
a) ジョーンズ行列解析結果
図5−ストークスパラメータ評価法による結果例

――――― [JIS C 61300-3-32 pdf 18] ―――――

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1.2
アレイ形光導波路グレーティ
ング(AWG)合波チャンネル
1.0 DGDmean=0.8 ps
PMD=0.9 ps
)
s
0.8
DGD(p
0.6
0.4
0.2
195.96 195.97 195.98 195.99 196.00 196.01 196.02 196.03
1 528.16 1 528.08 1 528.00 1 527.92 1 527.84 1 527.76 1 527.68 1 527.60
光周波数(THz)
波長(nm)
b) ポアンカレ球分析結果
図5−ストークスパラメータ評価法による結果例(続き)
縦軸をDGDとして,波長のグラフを描く。モード結合が無視でき,かつ,PMD値が予測可能な光受動
部品の結果は,波長に対してほぼ一定のDGDを示す。
DWDM用光受動部品の場合,通過帯域内でどのようにDGDが変化するかを示すために,DWDMデバ
イスの通過帯域特性(波長に対する光損失)とDGDの波長特性とを重ね合わせて表示するのがよい。
6.2.3 偏波モード分散値
測定波長全体にわたる1回の測定で得られるPMD値の期待値<Δτ(λ)>λは,使用波長範囲内のDGD測定
値の単純平均(又はRMS値)である。サンプル数を増やすために異なる条件の下で複数回の測定を行う
場合,アンサンブル平均を用いる。
PMDを,次の手順に従って求める。
− それぞれの波長増分で得たDGDを全測定値について平均する。
− 測定した波長範囲全体について,DGDの平均値及びRMS値を求める。
− 求めたDGDの平均値及びDGDのRMS値を,それぞれ供試品のPMDmean及びPMDRMSとして,ピコ
秒(ps)で試験報告書に記載する。
− DGDの最大値(波長間隔の平均波長におけるDGD)をピコ秒(ps)で試験報告書に記載する。
− 指定波長におけるDGDの値をピコ秒(ps)で試験報告書に記載する。
全ての場合において,供試品のDGD値,DGDの最大値及びPMD値を,ピコ秒(ps)で試験報告書に
記載する。
6.2.4 測定の不確かさ
DGDの最大値,平均値及びRMS値について,測定の不確かさの妥当性を確認する。

――――― [JIS C 61300-3-32 pdf 19] ―――――

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7 偏光位相シフト法

  この箇条では,偏光位相シフト(PPS)法に対する要求特性について規定する。
この方法は,二つの直交するSOP(0度と90度との直線偏光)の対を使用する([6][9])。0度及び90
度の直線偏光を供試品に入力し,図6に示した偏光ビームスプリッタによって,出力光を二つのSOP成分
に分離する。それぞれのSOP(P偏光及びS偏光)の振幅及び群遅延を,規定する波長において測定して,
次の情報を得る。
− 0度の直線偏光入力に対して,
供試品の出力光のP偏光成分及びS偏光成分における,振幅(|T11|2mea及び|T21|2mea)及び群遅延
(dΦ11/dωmea及びdΦ21/dωmea)
− 90度の直線偏光入力に対して,
供試品の出力光のP偏光成分及びS偏光成分における,振幅(|T12|2mea及び|T22|2mea)及び群遅延
(dΦ12/dωmea及びdΦ22/dωmea)
偏光ビームスプリッタ
P偏光 増幅器
波長可変 偏光
変調器 供試品 及び
光源 制御器 位相比較
受光装置
S偏光
変調信号
増幅器
高周波 及び コンピュータ
信号 位相比較
受光装置
発生器
参照信号
図6−偏光位相シフト法の測定系

7.1 測定装置

  測定系のブロック図を,図6に示す。
7.1.1 光源
SPEと同様に,狭帯域波長可変光源を用いる。波長可変範囲は,PMDを測定する波長範囲に対して十分
に広くなければならない。一般に,温度制御及び電流制御を内蔵する外部共振器レーザを用いる。
7.1.2 変調器及び信号発生器
変調器は,光源の出力光を強度変調して,単一のフーリエスペクトル成分をもつ波形を作り出す。適切
な測定精度が得られるよう,変調周波数は十分に高く,かつ,十分に安定していなければならない。
光源に注入する電流を制御する(直接変調)ことによって変調してもよいし,他の変調方法(外部変調)
を用いてもよい。例えば,供試品に変調光を入力するため,光源の後に電気光学変調器を配置する事例を,
図6に示す。変調器は適切な測定精度を得るため,安定に動作しなければならない。正弦状又は長方形状
の変調波形を用いることができる。変調周波数は,一般に,0.01 ppmの安定性があれば十分である。
変調信号の一部を,参照信号として振幅及び位相比較器に入力する。
供試品の帯域によって決まる制限内で,位相検波に適切な変調周波数fをもつ正弦波状の変調信号を供
給するために,信号発生器は広い周波数特性が必要である。変調周波数fは,一般に,10 MHzから10 GHz
までの範囲である。変調周波数を選ぶとき,変調のサイドバンド成分による悪影響及びDGD測定分解能
を考慮する。周波数fでの変調は,光源出力光の中心波長から±f離れた周波数のサイドバンド成分を生み
出す。非常に狭い帯域特性をもつ供試品においては,サイドバンドをもつことが測定に制限を与える場合

――――― [JIS C 61300-3-32 pdf 20] ―――――

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  • IEC 61300-3-32:2006(MOD)

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