JIS C 61300-3-38:2015 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品―基本試験及び測定手順―第3-38部:群遅延,波長分散及び位相リップルの測定 | ページ 4

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光路長と整合するように変える。その方法では,広帯域光源が十分な群遅延測定の分解能をもたないため,
高い波長測定分解能を必要とする光フィルタのような部品の測定には適さない。
干渉計は,参照経路に対する供試品からの出力光の位相の相対的な変化を,光波長に対して測定する。
光が互いに強め合うように干渉する場合,参照経路からの光パワーに比べて,検出する光パワーは大きく
なる。光が互いに弱め合うような場合,逆に検出する光パワーは小さくなる。光路長が異なる場合,波長
が変化すると光は二つの経路を異なる速度で伝搬するため,波長掃引することによって,検出する光パワ
ーは周期的に変動する。光路長差が大きくなると,検出する光パワーは波長に対して急激に変化するよう
になる。変動周期Δλは,式(10)によって算出する。
2
Δ 泰 (10)
ΔL
ΔLは,二つの経路間の光路長差を表す。光路長が1 m異なる場合,波長帯1 550 nmにおける変動周期
は2.4 pmとなる。光路長差が10 mの場合は,変動周期は0.24 pmとなる。測定系を再構築することなし
に,異なるデバイスの測定に柔軟に対応して,0.1 pm未満の波長分解能をもつ測定系にすることが望まし
い。
波長に対する光パワーの変化,すなわち,干渉波形から,位相の光周波数依存性を求め,群遅延の絶対
値を算出することができる。群遅延は,周波数又は波長の関数となる。
6.2.2 試験手順
図2に記載する測定系を用いて,次の手順で測定を行う。
a) 供試品を接続しない,すなわち,TJ1及びTJ2には何も接続しない状態で,D1とD2とが同じパワー
になるように偏光制御器を調整する。VWSの波長を,測定する波長範囲の中心に設定することを推奨
する。ブランチングデバイス(RBD)のディレクティビティは50 dBを超えることが望ましい。
b) 供試品をTJ1及びTJ2に接続する。RBD2に2×2ブランチングデバイスを用いた場合,TJ2を供試品
の出力端子に接続する代わりにRBD2の左側の空き端子に接続すると,供試品の反射スペクトルを測
定することができる。測定の不確かさを小さくし,温度及び光ファイバピッグテールの状態が安定す
るために,接続後に数分間待つのが望ましい。
c) WSの波長を掃引しながら,波長に対するD1及びD2のパワーを記録する。供試品の長さによって
決まる測定波長間隔は,0.1 pm以下に設定する。測定結果はデータ列(λi,P1i,P2i)となる。ここで,
Pは波長を掃引して,各受光装置で測定した光パワーである。
d) オプションとして,TJ1とTJ2との間に基準光パッチコードを接続してリファレンスを測定する。こ
れは,供試品からの出力光を正規化する“ゼロ損失”リファレンスとなる。これによって,光損失の
正確な測定ができる。また,この測定結果はデータ列(λi,N1i,N2i)となる。ここで,Nは波長を掃
引して,各受光装置で測定した光パワーである。
e) 手順c) 及び手順d) を繰り返し,複数の掃引の測定結果を平均化することで,ランダムな雑音成分の
影響を低減することができる。ただし,この手順で,干渉による振動的変化を平準化してしまうこと
がないように,手順c) 及び手順d) の生のデータ列を分析した結果に対して,平均化を行うのがよい。
f) 推奨するオプションの手順として,偏光制御器を調整して最初の偏光状態に対して直交する第二の偏
光状態を作り,手順b)手順e) を行う。これによって,供試品に入力する全ての偏光状態における
平均の群遅延量及び群遅延差を求めることが可能となる。
6.2.3 群遅延リップル測定における注意事項
供試品の群遅延リップルの周期に対して適切な波長分解能を選ばなければならない。波長分解能が大き

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くなると,群遅延の雑音を低減することができるが,平滑化によって群遅延リップルが正しく測定できな
くなる。
6.2.4 群遅延の算出
6.2.2に規定する手順c) での測定の結果,データ列(λi,P1i)及び(λi,P2i)によって与えられる二つの
干渉波形を得る[6.2.2の手順f) の結果を含め,全てで四つの干渉波形を得る。]。これらのデータ列を,
式(11)を用いて,同じ方法で個別に処理する。これらの手順で群遅延のスペクトルを算出できるが,供試
品がDGD特性をもつ場合,直交する二つの偏光成分で測定した群遅延差による計算結果は異なる可能性
がある。
ωを用いて,干渉波形P(ω) は,式(11)によって表す。
P R D 2 R D cos (11)
ここに, ω : 光周波数。2πc/λに等しい。
R(ω) : 参照経路における受光装置での光パワー
D(ω) : 供試品からの受光装置に入る光パワー
φ(ω) : 二つの経路間の光位相差
これらは全てωの関数である。位相情報をもつこの式(11)の右辺第3項を得るため,P(ω) をハイパスフ
ィルタで処理する。デバイスの群遅延量に関係する干渉波形の周波数を特定するため,フーリエ変換を用
いてハイパスフィルタのカットオフ周波数を算出することができる。この項のヒルベルト変換を用いて,
振幅を式(12-1)に,位相のω依存性を式(12-2)に示す。
2 R( ) ( ) (12-1)
( ) (12-2)
6.2.2に規定する手順e) に示したとおり,必要であれば繰り返し波長掃引してこれらのデータ列の結果
を平均化する。測定データ点が多い場合は,移動平均を用いて,必要な波長分解能になるまで計算に使用
する測定データを減らすことができる。
群遅延は,式(13)によって算出する。
i 1 i i 1 i
GD (13)
2 i 1 i
二つの受光装置の干渉波形について個別にこの計算を行い,入力光の偏光状態に対して平均化した群遅
延スペクトルを得るよう,二つの受光装置検出器の結果を波長ごとに平均化し,結果をω又はλの関数と
して表す。さらに,6.2.2に規定する手順f) の結果について同様の解析を行って得た群遅延の計算結果と
平均することによって,十分に平均化された群遅延スペクトルを得る。ピッグテール形光ファイバの長さ
をゼロ補正するリファレンス測定を行う場合,得られる群遅延量は絶対群遅延であって,かつ,デバイス
の長さに対応した値を表す。
N(ω) データのヒルベルト変換から振幅 2
R DN を得るため,6.2.2に規定する手順d) で得た正規
化の結果に対して同様の分析を行い,その分析結果から供試品の挿入損失を算出することができる。偏光
状態に対して平均化した供試品のTaveは,式(14)によって算出する。
R D
Tave (14)
R DN
ここで,Σは,二つの偏光干渉波形,又は6.2.2に規定する手順f) を実行した場合は四つの偏光干渉波

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形に対して総和をとることを表す。
デバイスの平均光損失は,二つの受光装置で測定した干渉波形に対する平均で求め,dBを単位として,
式(15)で算出する。
IL 10 log10 Tave (15)
SWI法による測定結果からのDGDの算出は,A.4に記載する。

6.3 偏光位相シフト法

6.3.1  変調周波数
必要な波長分解能,群遅延又は波長分散雑音を考慮して,変調周波数を決める。詳細は,6.3.2で規定す
る。
波長分解能は,供試品の群遅延リップルの周期に対して適切となるように,慎重に選定しなければなら
ない。大きな波長分解能で測定するとき,群遅延雑音を減少させることができるが,平滑化の影響で群遅
延リップルを正確に測定することができなくなる。
6.3.2 波長ステップ幅
波長分散値を求めるためには,波長の差Δλで波長微分を行う必要がある。そのため,二つの波長で測
定する。位相比較器で測定できる位相差は,±180°の範囲である。したがって,隣接する波長間で測定し
た群遅延差の最大値Δτmaxは,式(16)による。
3 3
180 10 10
Δmax ≦ (16)
360 f 2f
波長増分Δλを,波長ステップ幅と呼ぶ。正確な測定をするため,波長ステップ幅は,式(17)によって決
定する。
Δ max
Δ ≦ (17)
CDmax
ここに, Δλ : 波長ステップ幅(nm)
Δτmax : 供試品の群遅延差の最大値(ps)
f : 変調周波数(GHz)
CDmax : 測定する波長分散の最大値(ps/nm)
VWSの最小波長ステップ幅は,供試品の群遅延リップルの周期に応じて適切な値を選ばなければならな
い。
6.3.3 波長掃引及び波長分散の測定
VWSを用いて必要な波長範囲で波長を掃引し,各波長での測定値から群遅延を求める。さらに,測定に
よって求めた各波長における群遅延量を波長に対して微分することで,供試品の波長分散を算出すること
ができる。
この方法は,直交する偏光の組合せ(0°及び90°の直線偏光)を用いる。0°及び90°の直線偏光を供
試品に入力し,供試品の出力をPBSによって二つの偏光成分に分離する。このあと,規定の波長における,
P偏光及びS偏光の各偏光成分の光強度及び群遅延を測定する。つまり,0°の直線偏光に対して,P偏光
及びS偏光の光強度(|T11|2mea及び|T21|2mea)並びに群遅延[(dΦ11/dω) mea及び(dΦ21/dω) mea]を測定し,90°
の直線偏光に対して,P偏光及びS偏光の光強度(|T12|2mea及び|T22|2mea)並びに群遅延[(dΦ12/dω) mea及び
(dΦ22/dω) mea]を測定する。
6.3.4 校正
供試品の測定を行う前に,長さ1 m以下のシングルモード光ファイバを使って測定系を校正する。最初

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に,偏光スプリッタのP偏光の偏光方向と一致する0°の直線偏光を生成するため,四分の一波長板及び
二分の一波長板を調整する。次に,規定の波長において,PBSによって分離した二つの偏光(P偏光及び
S偏光)を交互に出力し,それぞれの光強度及び群遅延を測定する。つまり,P偏光及びS偏光における
光強度(|T11|2cal及び|T21|2cal)並びに群遅延[(dΦ11/dω) cal及び(dΦ21/dω) cal]を測定する。波長分散は,6.3.5
に規定した方法で測定した結果を用いて算出する。
6.3.5 相対的な群遅延及び波長分散の算出
P偏光及びS偏光の群遅延は,6.3.3及び6.3.4によって測定した値を用いて,式(18-1)式(18-4)によっ
て算出する。
P偏光の群遅延 :
dΦkl dΦkl dΦ11
(18-1)
d d mea d cal
ここに, kl : 11及び12
P偏光の平均群遅延 :
dΦ11 dΦ12
dΦave1 d d
(18-2)
d 2
S偏光の群遅延 :
dΦmn dΦmn dΦ22
(18-3)
d d mea d cal
ここに, mn : 21及び22
S偏光の平均群遅延 :
dΦ21 dΦ22
dΦave2 d d
(18-4)
d 2
それぞれの波長における群遅延及び波長分散を,式(19-1)及び式(19-2)を用いて算出する。
偏光状態に依存しない平均群遅延GDaverageを,式(19-1)によって算出する。
dΦave1dΦave2
d d
GD (19-1)
2
偏光状態に依存しない平均波長分散CDaverageを,式(19-2)によって算出する。
GD Δ GD Δ
CD (19-2)
2 Δ
偏光状態に依存しない平均化した群遅延及び波長分散を算出することによって,偏波モード分散が引き
起こす測定誤差を測定結果から除くことができる。
PPS法による測定結果からのDGDの算出は,A.5に記載する。

6.4 各波長における測定範囲(全ての測定方法に対しての共通事項)

  規定波長(DWDMデバイスに対しては,規定周波数)における測定範囲は,通常は供試品の仕様によ
って決める。一般的に,規定波長における測定範囲は二つの方法で定義する。一つ目の方法は,規定周波
数を中心に,規定の周波数幅で測定範囲を設定する(ITU-T G.694.1参照)。例えば,多チャネル用の供試

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品においては,図5に示すように,ITU-Tの規定周波数を中心とした25 GHz(±12.5 GHz)の範囲で群遅
延を分析し,それぞれのチャネルにおける結果を規定周波数に対してプロットする。
二つ目の方法は,供試品の光損失特性によって決まる測定範囲において,供試品の波長分散特性を分析
する。例えば,供試品が,図6に示した波長依存性損失をもつフィルタの場合,波長分散測定は,波長λ1
λ2の範囲にて実行する。λ1及びλ2は,損失曲線においてピークからx dB低下する波長で決める。xは一
般的に,0.55の範囲の値とする。
25 GHz範囲
図5−ITU-T規定周波数を中心とする規定(25 GHz)幅の測定範囲

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