JIS C 61300-3-38:2015 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品―基本試験及び測定手順―第3-38部:群遅延,波長分散及び位相リップルの測定 | ページ 5

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C 61300-3-38 : 2015 (IEC 61300-3-38 : 2012)
図6−光損失曲線の3 dB低下の点で規定する測定範囲

7 解析

7.1 群遅延測定の雑音低減

7.1.1  平均化処理
群遅延測定では,リファレンス光と供試品を通過した光との位相差を複数回にわたって測定し,平均化
してもよい。非決定論的雑音の場合,雑音レベルは平均する測定回数の平方根に従って減少する。平均化
は,波長分解能に影響を与えることはないが,測定時間とはトレードオフの関係となる。
7.1.2 波長フィルタリング
測定ノイズを低減するためにフィルタ法を適用してもよい。最も一般的に適用するフィルタは,定義し
た波長範囲内での平均化である。高密度波長分割多重(DWDM)用部品で一般的に使用する波長範囲は,
510 pmである。広波長帯域用部品では,波長幅を1 nm以上にすることができる。光信号の波長は高周
波で変調することによって幅が広がり,それによって波長領域で平均化した測定値となることを考慮する
必要がある。これらの要因を基に,測定における光強度変調器に印加する周波数及びフィルタリングの帯
域幅を決める。
DWDM用部品について波長領域で平均化する場合は,波長範囲内の複数の測定点での平均化を行う。
波長分解能を下げることによって,より滑らかな測定曲線を得ることができる。ただし,本来の測定結果
として得るべきデータまで平均化しないように注意しなければならない。

7.2 位相変化の線形性

  位相に対する応答が高い線形性をもっている場合,遅延はあっても,信号のひずみは起こらない。信号
通過帯域内における線形性のばらつきは,信号ひずみの要因となる。
位相の線形性を,式(20)に示す。
fopt fopt02πg fopt fopt0 (20)
ここで,群遅延τgは定数である。ほとんどの部品では,位相について線形補間を行い,補間直線をもと
の位相から減算する。結果として得られる位相が線形位相からのかい(乖)離値である。

――――― [JIS C 61300-3-38 pdf 21] ―――――

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7.3 波長分散

7.3.1  一般事項
波長分散は,波長の関数である群遅延の微分係数である。波長分散を,式(21)に示す。
d g
CD (21)
d
測定結果の処理では,式(22)の数値演算によって微分を行う。
g i 1 g i 1
CD i (22)
i 1 i 1
ここに, i : 1,2,...,n
λi+1,λi及びλi−1 : (λi+1−λi)及び(λi−λi−1)は,波長サンプリング
間隔Δλを表す。
測定波長間隔Δλが小さくなれば,群遅延雑音は大きくなる。計算によって増大した群遅延雑音を最小
化するための多くの方法がある。一般的には,7.3.2及び7.3.3に規定する二つの方法を推奨する。
7.3.2 有限差分計算
群遅延雑音を低減するため,波長分散を算出する前に,波長フィルタリング法(又は平均化)を適用す
る。一般的に,この方法は狭帯域特性をもつ部品に適用する。測定範囲内においてフィルタリング(又は
平均化)するための測定ポイント数は,本来の測定結果として得るべきデータの平均化を避けるとともに
群遅延曲線のひずみを抑えることによって,波長分散の測定結果の雑音成分がどの程度低減できるかの状
態に依存する。
7.3.3 特性曲線のフィッティング
最小二乗平均法を用いて,6.4に規定する測定波長範囲における群遅延測定データに対し,フィッティン
グを行う。波長分散は,群遅延雑音の影響を低減するために,波長に対してフィッティングした群遅延曲
線を微分することで算出する。この方法は,通常,広帯域特性をもつ部品,すなわち,長尺光ファイバに
適用する。ただし,測定範囲内における群遅延の変化が滑らかな場合,この方法は狭帯域特性をもつ部品
にも適用が可能である。複数チャネルに対応する供試品の一つの例を,図7に示す。波長分散は,それぞ
れのチャネルに対して,次のa) c) に示す方法で算出する。
a) 図8に示すように,ITU-Tの規定周波数を中心とした25 GHz(±12.5 GHz)の帯域における群遅延デ
ータを,最小二乗平均法を用いて,6次の多項式曲線でフィッティングする。
b) TU-Tの規定周波数に対してオフセット周波数を与え,生データとフィッティング曲線との差が最小
になるようにする。フィッティング曲線と生データとの群遅延量の差は,±0.5 psとする。
c) フィッティングした群遅延曲線を波長に対して微分し,波長分散を算出する。計算に用いる波長間隔
は6 pmとする。

――――― [JIS C 61300-3-38 pdf 22] ―――――

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図7−ITU-T規定周波数を中心にした25 GHzの帯域における
フィッティングした群遅延から算出した波長分散
図8−ITU-T規定周波数を中心にした25 GHzの帯域における相対群遅延データを
フィッティングした6次多項式曲線

――――― [JIS C 61300-3-38 pdf 23] ―――――

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7.4 位相リップル

7.4.1  一般事項
群遅延の測定データから位相リップルを算出する方法を,7.4.27.4.4に規定する。これは,DWDM用
分散補償器に対してだけ有効な方法である。
7.4.2 傾斜フィッティング
供試品の仕様に規定する帯域幅(別途規定していない限り,光損失の3 dB帯域幅を用いる。)に対して,
最小二乗法を用いて,群遅延の測定結果を直線でフィッティングし,群遅延のフィッティング直線からの
偏差を得る。これらの値は,群遅延リップルを含んでいる。
7.4.3 群遅延リップルの算出
7.4.2に規定する測定結果を用いて,群遅延リップルの最大幅及びその周期を求める。群遅延リップルの
最大幅は,リップルの2サイクル以上の範囲で決めるのが望ましい。群遅延リップルの最大幅は,その範
囲内における群遅延とフィッティング直線との差の,最大(正の最大)と最小(負の最大)との差から求
める。群遅延リップルの周期は,最大幅を含む数サイクル以上の範囲における平均から求めるのが望まし
い。また,群遅延リップルの周期は,それぞれのリップルにおける平均線と群遅延リップルの波形との交
点から求める。群遅延リップルの推定例を,図9に示す。これは,群遅延リップルを周波数に対してプロ
ットする場合にだけ用いる。
図9−群遅延リップルの最大幅及び周期の推定
7.4.4 位相リップルの算出
位相の最大と最小との差分である位相リップル(Δθ)は,群遅延リップルの最大幅及び周期から,式(23)
によって算出する。
Δ Arip
fperiod (23)
ここに, Δθ : 位相リップル(rad)
Arip : 群遅延リップルの最大幅(s)
fperiod : 群遅延リップルの周期(Hz)

――――― [JIS C 61300-3-38 pdf 24] ―――――

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8 測定例

8.1 50 GHzバンドパス薄膜フィルタ

  50 GHzバンドパス薄膜フィルタにおける群遅延及び光損失スペクトルの測定例を,図10に示す。
図10−50 GHzチャネル間隔DWDMフィルタにおける群遅延及び光損失スペクトル

8.2 平面導波路フィルタ部品

  平面導波路フィルタ部品における群遅延及び波長分散の測定例を,図11及び図12に示す。
図11−平面導波路フィルタにおける群遅延及び光損失スペクトル

――――― [JIS C 61300-3-38 pdf 25] ―――――

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JIS C 61300-3-38:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61300-3-38:2012(IDT)

JIS C 61300-3-38:2015の国際規格 ICS 分類一覧