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A.3 全ての偏光状態を走査するMPS法による測定結果からのDGDの算出
この測定は,固定波長間隔においてVWSを設定し,図1の偏光制御器によって入力偏光を走査して多
数の偏光状態を作り,相対的な群遅延を測定することで実施する。ps単位で表示するDGDは,特定の波
長における群遅延の最大と最小との差として,定義する。
必要な精度を得るために,十分に速い速度で,又は十分に長い時間をかけて走査することによって,多
数の偏光状態を作り出すようにする。また,偏光の変化する速度に対して十分に短い時間で個々の測定デ
ータを平均化して,十分な偏光分解能があることも必要である。
最大及び最小の群遅延を用いてDGDを計算する代わりに,これら偏光状態における全ての群遅延デー
タの分布を評価することで,雑音レベルを改善し,正確なDGDを求めることができる。入力偏光状態を
ランダムに走査して群遅延を測定するとき,最大最小差(peak to peak値)と,分布の標準偏差との間には
単純な関係がある。例えば,ポアンカレ球上で偏光状態を表現することによって分かるように,二つの直
交する偏光状態に沿った偏光ベクトル成分間の違いに対しての偏光状態の密度は一定である。これら二つ
の直交した偏光状態を光部品のもつ二つの主要な偏光状態(PSP)となるように選べば,群遅延の最小値
から最大値までの範囲で,測定した群遅延に対して,偏光状態が一定の密度をもつことになる。したがっ
て,この群遅延の最小値から最大値までの範囲の大きさは,群遅延の分布の標準偏差から,式(A.6)によっ
て算出することができる。
DGD GDmax GDmin 2 3 (A.6)
ここに, σ : 群遅延分布の標準偏差
A.4 SWI法による測定結果からのDGDの算出
6.2.2に規定する手順f) に記載する二つの直交する入力偏光状態での測定値を含め,5.2で規定するSWI
法は,二つの直交する入出力偏光状態に対する部品の伝達行列要素の振幅及び位相を与える。この行列の
波長依存性は,ジョーンズ行列固有解析(JME)によって,DGDの算出に用いることができる。
伝達行列T( ‰ 次の方法で算出する。最初の入力偏光状態における二つの出力偏光状態に対する振幅
及び位相を用いて,6.2.4に規定する結果から,複素行列要素T11及びT21を,式(A.7)によって算出する。
ここで,振幅及び位相はωの関数, び 佑 態での位相である。
D11
T11 exp i11
DN11
(A.7)
D21
T21 exp i21
DN21
同様に,第二の入力偏光状態の結果から,複素行列要素T12及びT22を,式(A.8)によって算出する。
D12
T12 exp i 12 π
DN12
(A.8)
D22
T22 exp i 22
DN22
図2の測定系を用いる場合,第一の入力偏光状態に対して第二の入力偏光状態の関係は,2台の受光装
置における干渉計の参照経路からの位相関係が反転するので,πのオフセットでT12の位相が反転すること
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C 61300-3-38 : 2015 (IEC 61300-3-38 : 2012)
になる。
これらの成分を用いて,行列T( ‰ 式(A.9)となる。
T T11TT12
(A.9)
T21 22
次に,T( 滿 1) T−1( ‰歛地替 固有値 び 侮 柿 び 滿 1は
の光周波数である。 滿廰滿 1の間で平均したDGD値 式(A.10)によって算出する。
Arg 1
2
(A.10)
n n
ここで,Arg()は,括弧内の複素数の偏角を表す[すなわち,Arg(aei ‰ 地替
測定範囲でDGDスペクトルを生成することができる。例として,図10に示した部品における計算結果を,
図A.2に示す。
群遅延差
図A.2−分解能30 pmで測定した50 GHzバンドパスフィルタのDGDスペクトル
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A.5 PPS法による測定結果からのDGDの算出
PPS法は,5.3及び6.3に規定する。6.3.3及び6.3.4での測定値を使って,パラメータを,式(A.11)及び
式(A.12)によって算出する。
ΔΘ ΔΘ
1 if
Δ 2 πcδ
1 dΦ11dΦ22 dΦ21 dΦ12
1
4 d d d d
1 dΦ11dΦ22 dΦ21 dΦ12
1 (A.11)
4 d d d d
2 2
1 1 T11 T21
Θ cos 2 2
2 T11 T21
2 2
T11 T21
cos 2Θ0 2 2
T11 T21
ここに, λi : 波長幅δλの両側の波長における最短波長
λf : 波長幅δλの両側の波長における最長波長
dΦ/dω : 群遅延
2
2 Tklmea dΦkl dΦkl dΦ11
Tkl 2
T11 cal d d mea d cal
(A.12)
2
2 Tmn mea dΦmn dΦmn dΦ22
Tmn 2
T22 cal d d mea d cal
ここに, kl : 11及び12
mn : 21及び22
それぞれの波長のDGD値は, 1
懿1 拿1 杓 びΘ0を用いて,式(A.13)によって算出する。
2 2 2
DGD 2 1 1 1 2 1 1cos 2Θ0(A.13)
これによって,波長に対するDGD値を算出する。例を,図A.3及び図A.4に示す。
――――― [JIS C 61300-3-38 pdf 33] ―――――
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C 61300-3-38 : 2015 (IEC 61300-3-38 : 2012)
図A.3−ランダム偏光モード結合デバイスにおけるDGDの波長特性(例)
図A.4−Fibre Bragg Grating形フィルタにおけるDGDの波長特性(例)
この方法によるDGDの算出は,ジョーンズ行列固有解析法に類似し,伝達関数行列は,式(A.14)のよう
に表す。
――――― [JIS C 61300-3-38 pdf 34] ―――――
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T11 exp iΦ11 T12 exp iΦ12
T
T21 exp iΦ21 T22 exp iΦ22
(A.14)
cos Θexp i i sin Θexp i i
exp iΦ
sin Θexp i i cos Θexp i i
ここに, Θ : 偏光角
替 T11とT21との位相差
ψ : T11とT12との位相差
Φ : 偏光無依存位相シフト
出力の偏光ベクトルEout(ω) は,T(ω) を用いて,式(A.15)で表す。
Eout T Ein (A.15)
ここに, Ein(ω) : 光入力信号のフーリエ変換
光搬送波周波数ω0の近傍でテイラー展開して,Eout(ω) を,式(A.16)のように表す。
dEout 1 d 2Eout
Eout Eout 0 δ 2
δ 2
(A.16)
d ω ω0
2 d ω ω0
ここに, δω : ω−ω0
一次のPMDの演算子D(ω) は,差動伝達関数と呼び,式(A.17)で表す。
dT
D T (A.17)
d
式(A.15)及び式(A.17)から次を得ることができる。
dEout (
)
DEout ()
d
これを用いると,式(A.16)は,式(A.18)によって算出することができる。
out 1 2 2 1 dD 2 out
E 1 Dδ Dδ δ E 0
2 2d
(A.18)
1 dD 2 out
exp Dδ δ E 0
2d
ここで,高次PMDの項は微小であるため無視する。D(ω) は一次のPMDの演算子であり,dD(ω)/dωは
二次のPMDの演算子である。これらは交換可能ではない。
ユニタリー演算子XでD(ω) を対角化して,式(A.19)のように表す。
1 out 1 1 out
X E X exp D δ X X E 0
exp iΓ δ 0 1 out
(A.19)
X E 0
0 exp iΓ δ
ここで,−iΓ+及び−iΓ−はD(ω) の固有値であり,Γ+及びΓ−は,それぞれ群遅延の最大値及び最小値で
ある。つまり,D(ω) の固有値であるΓ+及びΓ−の虚数部の差は,群遅延差と呼ぶ一次のPMDである。
式(A.14)の中の四つの独立したパラメータΘ, 替 ψ及びΦは,テイラー展開を用いて,式(A.20)のよう
に表す。
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JIS C 61300-3-38:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61300-3-38:2012(IDT)
JIS C 61300-3-38:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.10 : 光ファイバ及び光ケーブル