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C 61812-1 : 2014 (IEC 61812-1 : 2011)
12 条件付短絡電流
12.1 一般
タイマの出力は,5.5.5に規定する短絡電流に耐えなければならない。
12.2 試験手順
試験前に,出力を無負荷又は定格電流以下で数回作動させるとよい。
試験は,別途設置した閉路用スイッチによって電流を流し,短絡保護装置(SCPD)が起動するまで電流
を維持しなければならない。
12.3 有接点出力の試験回路
製造業者が指定した型式及び定格のSCPDを,直列に出力に接続しなければならない。また,図17に示
すように回路を閉じるためのメークスイッチを直列に接続しなければならない。
試験回路の負荷インピーダンスは,1 000 A,又は製造業者が指定する100 A以上の電流値,かつ,定格
電源電圧で力率が0.50.7となるように直列に接続した抵抗体及び空芯コイルを,調整しなければならな
い。
試験は同じ接点に対して3回実施しなければならず,各試験後に短絡保護装置のリセットを行うか,又
はタイマ(被試験スイッチ)を交換しなければならない。試験間隔は,3分間以上としなければならない。
実際の試験間隔は,試験報告書に記入しなければならない。
切換接点(c接点)に対しては,上記試験をメーク接点(a接点),ブレーク接点(b接点)の両方に個
別に実施しなければならない。
注記 a接点及びb接点と,c接点との両方の出力をもつ場合,両方に対する試験の実施が望ましい。
各々の接点に対して,別々の試験回路を構成してもよい。
スイッチの動作電流に合わせた全長1 mのケーブルを使用して,試験回路にスイッチを接続しなければ
ならない。
注a) テストごとに,I又はIIに接続を交互に入れ替えて試験を実施する。
図17−接点出力に対する条件付短絡電流の試験回路
12.4 無接点出力の試験回路
新品状態の被試験装置(DUT)は実使用時と同様に実装し,実使用時と同一サイズの電線を使用して,
図18に示すように試験回路に接続しなければならない。
SCPDは,製造業者の指定する型式と定格からなるものとしなければならない。
タイマの出力がオンのとき,定常状態において流れる電流が定格動作電流と等しくなるように負荷R1
を選択して,短絡電流が100 Aとなるように供給電源を調整しなければならない。“SCスイッチ”は,負
――――― [JIS C 61812-1 pdf 26] ―――――
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荷R1と並列に接続され,短絡を引き起こす可能性がある。開回路状態の電源電圧は,タイマの出力の定
格負荷電圧又は最高電圧の1.1倍としなければならない。
“SC”スイッチを任意に閉じることによって試験を3回実施する。SCPDが機能するまで試験電流を維
持しなければならない。3回の試験間隔は3分間以上としなければならない。実際の試験間隔を,試験報
告書に記入しなければならない。各試験後,SCPDを取り替えるか,又はリセットしなければならない。
a) 交流式2端子又は直流式2端子
b) 交流式3端子又は直流式3端子
図18−無接点出力に対する条件付短絡電流の試験回路
12.5 試験後の切替出力部分の状態
試験後の切替出力部分は,次による。
a) 短絡試験後,タイマは復帰状態にできなければならない。
b) 試験後,装置は10.3で規定する絶縁耐力試験に耐えなければならない。
13 空間距離及び沿面距離
13.1 一般事項
空間距離及び沿面距離は,使用目的に応じてJIS C 60664-1による基準電圧,過電圧カテゴリ及び汚損度
を踏まえて寸法を規定しなければならない。
JIS C 60664-1に従って,沿面距離及び空間距離を規定するための環境条件を明確にしなければならない。
ここで環境条件とはタイマが実装されている場所の環境のことで,その場所がある工場のことではない。
タイマ又はその部品が導電性の汚損に対して保護されている場合,沿面距離及び空間距離は,その保護
後の周囲環境にもっとも近い条件に従って決めてよい。製造業者は,据付環境に要求されている保護等級
[例 適切なきょう(筐)体の使用]を適用しなければならない。保護等級IP54(JIS C 0920参照)のき
ょう(筐)体を使用する場合,きょう(筐)体内の環境は,汚損度1とみなす。
プリント配線板にワニス又は経年劣化を防ぐコーティングを施してある場合は,被覆面の沿面距離も汚
損度1とみなす(JIS C 60664-3参照)。
――――― [JIS C 61812-1 pdf 27] ―――――
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相互絶縁回路間(例 入力回路と出力回路との間)の空間距離は,双方の基準電圧のうち,より高い方
の基準電圧によって規定しなければならない。
メーク接点(a接点)には,空間距離の規定を適用しなくてもよい。
また,汚損度2及び汚損度3に対する空間距離及び沿面距離は,電子部品(例 トライアック)には適
用しない。
すなわち,プリント配線板上の電子部品の内部,電気的端子及びはんだ接合部には適用しない。
導体を被覆などの固体絶縁物で完全に囲んだり,密封したりする場合,空間距離及び沿面距離は適用し
ない。
低電圧系統内機器の絶縁協調分野の基本安全規格であるJIS C 60664-1,JIS C 60664-3,JIS C 60664-4
及びJIS C 60664-5に従って,製造業者は,次のa) c)のうち一つ以上を選択して適用してよい。
a) IS C 60664-5の全条件を満たす場合,JIS C 60664-1の代わりにJIS C 60664-5を適用してよい。
空間距離及び沿面距離が同一で固体平面上にある構造物(プリント配線板など)にJIS C 60664-5
を適用する。JIS C 60664-1に規定する寸法規定より小さい場合は,固体絶縁物の水分吸着特性を考慮
し適用することができる。
b) IS C 60664-3による構造の場合,十分な被覆,埋込又は成形によって汚損に対する保護を実施すれば,
JIS C 60664-3に規定する短縮した空間距離及び沿面距離を適用してもよい。JIS C 60664-3の全要求事
項及び試験を満たさなければならない。次を適用する。
− JIS C 60664-3:2009の5.7.1の低温値 : −10 ℃
− JIS C 60664-3:2009の5.7.3の温度サイクル : 厳しさの度合い 1
− JIS C 60664-3:2009の5.8.5の部分放電試験は要求しない。
− JIS C 60664-3:2009の5.9の追加試験はしない。
c) 動作電圧周波数30 kHz以上に使用するタイマの場合,JIS C 60664-4に規定した絶縁協調規定を適用
することが望ましい。
13.2 沿面距離
沿面距離は,表13から選択しなければならない。
――――― [JIS C 61812-1 pdf 28] ―――――
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C 61812-1 : 2014 (IEC 61812-1 : 2011)
表13−基礎絶縁の最小沿面距離
電圧 沿面距離
交流実効値 mm
又は プリント配線板材料 その他の材料
直流 汚損度 汚損度
V 1 2 1 2 3
材料群 材料群
a) b) a)
I II III I II III
50以下 0.025 0.04 0.18 0.5 0.85 1.2 1.5 1.7 1.9
50を超え100以下 0.1 0.16 0.25 0.71 1.0 1.4 1.8 2.0 2.2
100を超え160以下 0.25 0.4 0.32 0.8 1.1 1.6 2.0 2.2 2.5
160を超え250以下 0.56 1.0 0.56 1.25 1.8 2.5 3.2 3.6 4.0
250を超え320以下 0.75 1.8 0.75 1.6 2.2 3.2 4.0 4.5 5.0
320を超え400以下 1.0 2.0 1.0 2.0 2.3 4.0 5.0 5.6 6.3
400を超え500以下 1.3 2.5 1.3 2.5 3.6 5.0 6.3 7.1 8.0
500を超え630以下 1.8 3.2 1.8 3.2 4.5 6.3 8.0 9.0 10.0
注記 この電圧は,定格電圧又はタイマの定格内で動作する条件のうち,最も厳しい組合せのもと定格電圧を印加
したときの内部回路に発生し得る最高の電圧を指す。
注a) 材料群I,II,IIIa,IIIb
b) 材料群I,II,IIIa
材料は比較トラッキング指数(CTI)値に基づいて,次の群に分類される。
− 材料群I 600≦CTI
− 材料群II 400≦CTI<600
− 材料群IIIa 175≦CTI<400
− 材料群IIIb 100≦CTI<175
保証トラッキング指数(PTI)は材料のトラッキング特性を確かめるために使用される。
溶液Aを用いたJIS C 2134の方法で確認したPTIが,材料群に規定された下限値以上であれば,材料は
上記の四つの材料群のいずれかに含めてもよい。
13.3 空間距離
住宅用又は工業用によって空間距離は異なる。住宅用では過電圧カテゴリIIの要求事項を満たし,工業
用では過電圧カテゴリIIIの要求事項を満たさなければならない。空間距離は,表14から選択しなければ
ならない。
表14−基礎絶縁の最小空間距離
対地電圧 定格インパルス 標高2 000 m以下の最小空間距離a)
交流実効値又は直流 耐電圧 mm
V V 汚損度
カテゴリII機器 カテゴリIII機器 1 2 3
50 − 500 0.04 0.2 0.8
100 50 800 0.1 0.2 0.8
150 100 1500 0.5 0.8
300 150 2500 1.5
600 300 4000 3.0
− 600 6000 5.5
注a) この表の距離は,標高2 000 m以下の高度において有効であるため,標高2 000 m超過の空間距離では
JIS C 60664-1:2009の表A.2(標高補正係数)に指定した標高補正係数を乗じることが望ましい。
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過電圧制御素子(例 サージサプレッサ)を使用する場合,表15の規定によってもよい。
表15−内部回路の過電圧を制御した場合の最小空間距離
電圧 最小空間距離
V mm
汚損度
1 2 3
330 0.01 0.20 0.80
400 0.02 0.20 0.80
500 0.04 0.20 0.80
800 0.08 0.20 0.80
900 0.10 0.20 0.80
1000 0.15 0.20 0.80
注記 過電圧制御素子のクランプ電圧。
13.4 沿面距離及び空間距離の測定
沿面距離及び空間距離の測定方法は,JIS C 60664-1に従わなければならない。
相互絶縁回路間(例 入力回路と出力回路との間)の回路導体間,及び充電部と露出した非充電金属部
との間の最小沿面距離を測定しなければならない。
14 機械的強度
14.1 総則
部品及び接続には十分な強度をもたせ,確実に固定する。
調整用部品は振動によって位置が変わらないようにし,かつ,必要な箇所は固定しなければならない。
内部の接続線は,鋭利な角などによって破損を受けることのないよう設計しなければならない。
輸送後も,タイマは上記に示した要求を満足しなければならない。構造上の処置によって上記の要求事
項が満たされない場合は,輸送に必要な手段を講じ,機械的な破損からタイマを保護しなければならない。
特別な場合は,こん包及び輸送指示書を添付しなければならない。
14.2 端子及び通電部分の機械的強度
14.2.1 一般事項
端子を含む通電部分は,以降の細分箇条で規定する種類に応じた十分な強度をもつ金属でなければなら
ない。
14.2.2 ねじ締め端子及びねじなし端子の機械的強度
ねじ締め端子及びねじなし端子は,IEC 60999-1の要求事項及び試験を満たさなければならない。試験
電流は,製造業者が指定したタイマの定格電流としなければならない。
14.2.3 平形接続子の機械的強度
平形接続子は,IEC 61210で規定する寸法,温度上昇及び機械的な力に関する要求事項及び試験を満た
さなければならない。標準平形接続子への接続によってIEC 61210で規定する挿抜力を確保できるのであ
れば,メールタブの寸法基準外れは,あってもよい。
非絶縁平形接続子を取り付ける場合,メールタブは箇条13で規定する空間距離及び沿面距離を確保しな
ければならない。絶縁平形接続子を使ってこれらの要求事項を満たす場合,絶縁平形接続子を使用しなけ
ればならないという条件を,製造業者の文書に明記しなければならない。
――――― [JIS C 61812-1 pdf 30] ―――――
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