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C 62739-2 : 2019 (IEC 62739-2 : 2016)
単位 mm
記号の説明
A 刻印 : 窒化クロム(CrN)
図2−試験片の形状
4.4 試験条件
試験用材料及び試験装置の試験条件を,表1に規定する。
表1−試験条件
試験用材料及び試験装置 試験条件
試験用はんだ合金組成 個別規格に規定がない場合,JIS Z 3282に規定するSn96.5Ag3Cu0.5を用いる。
はんだ温度(測定箇所) 450 ℃±3 ℃(はんだ表面から深さ35 mm40 mm,かつ,試験片からの距離20 mm
30 mmで測定)
試験片の回転速度 100 r/min±3 r/min
試験片の回転半径 6 mm8 mm(回転ブロックの中心から試験片の外周面)
試験片の浸せき(漬)深さ65 mm70 mm(溶融はんだ表面から試験片の低端)
試験時間 事前に適切な試験時間を設定する。
評価エリア 低端から50 mmの間
ドロス除去の周期 16時間に1回以上
注記1 試験時間は,次の考え方が望ましい。
a) 侵食が発生する時間は,試験片の表面処理によって異なっている。
b) 適切な試験時間とは,焦点深度測定法による侵食深さ測定時に基準とする未侵食部分が明白に識別す
ることができ,侵食深さの差による試料の差が識別できる時間を示している。
c) ステンレス鋼(JIS G 4304に規定するSUS316及びSUS304の等級)の場合には,192時間がその時間
に相当している。
注記2 対応国際規格から,評価エリアの試験条件が脱落していたので追加した。
――――― [JIS C 62739-2 pdf 6] ―――――
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C 62739-2 : 2019 (IEC 62739-2 : 2016)
4.5 試験方法
4.5.1 方法A(曲げない方法)
試験時間を短縮するために,更なる侵食加速を必要としない場合は,試験片を曲げずに,次の手順によ
って試験を実施する。
a) ガーゼ又はペーパータオルを用いて,試験片の表面を清浄する。
b) 試験片を溶融はんだ合金に触れないように,また,回転ブロックにB面が接触するように固定する。
c) 4.5.3に規定するドロス除去手順によって,ポット内の溶融はんだ合金の表面に浮くドロスを除去し
て,回転ブロックに固定した試験片を,規定する試験温度に保持した溶融はんだ合金中に,4.4に規定
する深さまで浸せき(漬)し,回転モータを4.4に規定する回転速度で回転させる。回転直後から,
試験時間の計測を開始する。試験片の固定例を,図3に示す。
注記 対応国際規格に明らかな誤記があったため,推奨事項である“浸せき(漬)することが望ま
しく”から要求事項である“浸せき(漬)し”の内容に変更した。
d) 試験時間が設定時間に達した後,2時間以内に浸せき(漬)した試験片を溶融はんだ合金中から引き
上げ,木綿の布を用いて,試験片に付着しているはんだを拭き取り清浄する。
e) ポット内の溶融はんだ合金の表面に浮くドロスの除去は,4.4に規定する間隔ごとに実施する。
f) 4.4に規定する試験時間終了後に,箇条5に規定する測定方法によって,試験片の侵食深さを測定する。
g) 試験時間が設定時間に到達しない間[ドロス除去及び夜間停止時の電源オフ(Off)時を含む。]は,
試験片を溶融はんだから取り出してはならない。
単位 mm
回転軸
110
溶融はんだ
Φ90
図3−試験片を曲げずに固定した例
――――― [JIS C 62739-2 pdf 7] ―――――
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4.5.2 方法B(曲げて加速させる方法)
更なる加速を必要とする場合は,試験片を2 mm曲げて固定し,次の手順によって試験を実施する。
a) ガーゼ又はペーパータオルを用いて,試験片の表面を清浄する。
b) 試験片を溶融はんだ合金に触れないように,また,回転ブロックにB面が接触するように固定する。
c) 4.5.3に規定するドロス除去手順によって,ポット内の溶融はんだ合金の表面に浮くドロスを除去して,
回転ブロックに固定した試験片を,規定する試験温度に保持した溶融はんだ合金中に,4.4に規定する
深さまで浸せき(漬)し,4.4に規定する回転速度で回転モータを回転させる。回転直後から,試験時
間の計測を開始する。試験片の固定例を,図4に示す。
注記 対応国際規格に明らかな誤記があったため,推奨事項である“浸せき(漬)することが望ま
しく”から要求事項である“浸せき(漬)し”の内容に変更した。
d) 試験時間が設定時間に達した後,2時間以内に浸せき(漬)した試験片を溶融はんだ合金中から引き
上げ,木綿の布を用いて,試験片に付着しているはんだを拭き取り清浄する。
e) ポット内の溶融はんだ合金表面に浮くドロスの除去は,4.4に規定する間隔ごとに実施する。
f) 4.4に規定する試験時間終了後に,箇条5に規定する測定方法によって,試験片の侵食深さを測定する。
g) 試験時間が設定時間に到達しない間は,試験片を溶融はんだから取り出してはならない[ドロス除去
及び夜間停止時の電源オフ(Off)時を含む。]。
単位 mm
回転軸
曲げピン
2
110
溶融はんだ
Φ90
図4−試験片を2 mm曲げ負荷で固定した例
4.5.3 ドロス除去手順
ポット内の溶融はんだ表面に浮くドロスの除去は,次の手順による。
a) 回転モータの回転を止め,ステンレス製の穴の開いたおたまのような適切なジグを用いて,ポット内
の溶融はんだ合金表面に浮くドロスを除去する。そのドロスは,密閉可能な容器に入れる。
――――― [JIS C 62739-2 pdf 8] ―――――
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C 62739-2 : 2019 (IEC 62739-2 : 2016)
b) ポット内の溶融はんだ量として,4.4に規定する浸せき(漬)の深さが確保できることを確認する。そ
の結果,溶融はんだ合金が不足する場合は,4.4に規定するはんだ合金を追加する。
c) ドロスを除去した溶融はんだ合金の中に,試験片が4.4に規定する浸せき(漬)の深さを確保してい
ることを確認・調整し,4.5.1又は4.5.2に規定する試験を継続する。
5 侵食深さの測定方法
5.1 一般事項
試験終了後の試験片の侵食の深さは,光学顕微鏡による焦点深度法によって測定する。詳細は,5.25.4
に示す。
5.2 試験片の準備
試験片の準備は,次の手順による。
a) 4.4に規定する時間,試験した試験片は,回転が止まるまで浸せき(漬)しておき,止まったら取り出
す。
b) 試験片を溶融はんだ合金から引き上げ,回転ブロックから取り外す。
c) その後,試験片を1本ずつ溶融はんだ合金中に再度浸せき(漬)して加熱して引き上げ後,直ちに,
その試験片の観察面を木綿の布で拭き取り,付着しているはんだ合金を除去する。
はんだ合金を完全に除去できない場合は,はんだが除去できるまでこの手順c) を繰り返す。
5.3 測定装置
測定装置は,光学顕微鏡,デジタルインジケータ,CCDカメラ及びTVモニターで構成し,焦点深度が
測定できる装置とする。測定装置の構成例を,図5に示す。
図5−光学顕微鏡による焦点深度法測定装置構成例
――――― [JIS C 62739-2 pdf 9] ―――――
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C 62739-2 : 2019 (IEC 62739-2 : 2016)
5.4 測定手順
試験片の焦点深度測定は,次の手順による。
a) 5.3に規定する測定装置を準備する(CCDカメラが付いていない場合は,直接目視する。)。
b) 4.3に規定する試験片のA面及びB面を目視によって観察し,侵食が一番深そうな位置を各面の3か
所以上,事前に深度測定対象エリアを特定しておく。
c) 試験片を測定装置にセットし,可能な限り顕微鏡の倍率を高くして,侵食が一番深いエリアを特定す
る(顕微鏡の倍率は,200倍以上であることが望ましい。)。
d) 深度測定対象エリアを特定した後に,視野角内で侵食していないエリアに,顕微鏡レンズの移動用つ
まみを回して焦点を合わせる。
e) このとき,デジタルインジケータのゼロ調整ボタンを押して値をゼロにする。
f) 次に,顕微鏡レンズ移動用つまみを回して,侵食が一番深いエリアに焦点を合わせる。
g) そのときのデジタルインジケータの値を読み取って記録する。
h) 可能である場合,その侵食エリアの写真を撮影しておくことが望ましい。
i) 侵食が一番深そうな位置を各面から3か所以上測定し,それらの値の最大値を侵食深さとする。また,
ドロスによる侵食発生への影響を排除するため,深度測定対象エリアを,浸せき(漬)深さ65 mm
70 mmを前提として,試験片の低端から50 mmとする。4.5.2に規定する2 mm曲げ試験の場合,曲げ
ピン及び回転ブロックで接触するエリアを測定対象エリアから除外する。
6 試験報告書に記載する事項
試験報告書には,次の事項を記録する。
a) 測定年月日及び時刻
b) 試験装置の製造業者及び装置番号
c) 試験片
1) 材料,表面処理及び番号
2) 調質
3) 加工(切断,削り出しなど)
4) 表面状態
d) はんだ材料
e) 試験条件
1) 溶融はんだ合金温度
2) 回転速度
f) 侵食の有無及び深さ
g) 侵食状態(侵食状態の詳細が分かる発生箇所の写真など)
――――― [JIS C 62739-2 pdf 10] ―――――
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- 規格番号
- 規格名称
- JISZ3282:2017
- はんだ―化学成分及び形状