JIS C 6827:2015 光ファイバ波長分散試験方法 | ページ 2

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データから差し引いて,単位長さ当たりの群遅延を算出する。その結果得た群遅延データを,各光ファイ
バの種類について定義する式に近似する。

6.3 方法C“微分位相法”

  この方法は,特定の波長における分散係数を,近接した二つの波長間の群遅延差から,光ファイバの波
長分散を求める手順である。
この方法では,変調光源を被測定光ファイバに結合し,1回目の波長での出射光の位相を2回目の波長
での出射光の位相と比較する。二つの波長の間隔における平均波長分散は,微分位相シフト,波長間隔及
び光ファイバ長さから求める。
二つの試験波長の平均波長における波長分散係数は,二つの波長間隔における平均波長分散に等しいも
のとみなす。したがって,その結果得る波長分散データは,各光ファイバの種類について定義する式に近
似する。

7 基準測定方法

7.1 SGI,PGI-200/490,PGI-120/490及びPGI-62.5/245

  SGI,PGI-200/490,PGI-120/490及びPGI-62.5/245の場合,方法B“パルス法”を基準測定方法として用
いる。
7.2 SSMA,SSMA・T,SSMA・U,SSMB,SSMD,SSME及びSSMF・A
SSMA,SSMA・T,SSMA・U,SSMB,SSMD,SSME及びSSMF・Aの場合,方法A“位相法”を基準測
定方法として用いる。方法Aを用いない場合,方法C“微分位相法”を代替測定方法として用いる。
8 試験装置

8.1 一般事項

  次に示す機器は,全ての測定方法に共通である。附属書A,附属書B及び附属書Cに各測定方法の装置
の構成,及び各測定方法を用いる場合の要求事項を規定する。

8.2 励振光学系

  信号源からの出力を被測定光ファイバ又はリファレンス光ファイバに結合して,各信号源の物理的光路
長が試験中は一定となるようにする(この要求事項によって信号源の相対位相が光路長変化のために変わ
らないことを保証する。)。適切な装置に多チャネルシングルモード光スイッチ,又は脱着可能な光コネク
タを組み込んでもよい。
この方法をSGI,PGI-200/490,PGI-120/490及びPGI-62.5/245に対して用いる場合,その励振条件は,JIS
C 6824の“パルス法”に規定する“インパルス応答”に適合しなければならない。

8.3 高次モードフィルタ(シングルモード)

  この方法をSSMA,SSMA・T,SSMA・U,SSMB,SSMD,SSME及びSSMF・Aに用いるときは,対象と
する波長範囲における高次モードを除去する。このような高次モードフィルタの一例としては,単一ルー
プの半径を十分に小さくして,基本モード以外のモードが伝播する最小波長を対象とする波長範囲より短
くさせたものがある。

8.4 入力部固定ジグ

  光源に被測定光ファイバの入力部を接続する。例としては,x-y-zのマイクロポジションステージの使用,
光コネクタなどメカニカルな接続方法がある。光ファイバの位置は,試験をしている間は安定していなけ
ればならない。

――――― [JIS C 6827 pdf 6] ―――――

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8.5 出力部固定ジグ

  被測定光ファイバの出力端を,光パワーがシステム検出器に結合するように位置決めする。そのような
結合としては,レンズの使用,又は検出器のピグテールとのメカニカルな接続でもよい。

8.6 計算処理装置

  装置制御,データ収集及びデータの数値評価のためにコンピュータを用いてもよい。

9 サンプリング及び被測定光ファイバ

9.1 被測定光ファイバの長さ

  方法A,方法B及び方法Cでは,適切な位相測定精度を得るために十分な長さの被測定光ファイバ,又
はケーブルを必要とする。典型的な最小長さは1 kmとする。PGI-200/490,PGI-120/490及びPGI-62.5/245
は,SGIよりも損失が大きいため,PGI-200/490,PGI-120/490及びPGI-62.5/245において,最小長さは100
mとしてもよい。
短い光ファイバ長は再現性に影響する。概して,光ファイバ長が長いほうが再現性が良い。

9.2 被測定光ファイバの端面

  各被測定光ファイバの入力端及び出力端を,光ファイバ軸に垂直で平らな端面に整える。

9.3 リファレンス光ファイバ

  光源及びその他の装置の構成機器の分散遅延を補正するために,分散特性が既知であるシングルモード
光ファイバを用いなければならない。この光ファイバの長さは,被測定光ファイバ長さの0.2 %以下でな
ければならない。
PGI-200/490,PGI-120/490及びPGI-62.5/245の場合,リファレンス光ファイバの長さが2 m以下でなけ
ればならない。この長さが被測定光ファイバ長さの0.2 %より長い場合,被測定光ファイバ長さでの測定
結果から,リファレンス光ファイバの波長分散値を考慮して差し引かなければならない。
また,温度変化によって特性が変化するので,被測定光ファイバの温度は,測定中0.1 ℃1 ℃の間で
安定していなければならない。

10 手順

  方法A方法Cの手順は,附属書A附属書Cによる。
リファレンス光ファイバの測定は,全ての方法で必要とする。リファレンス光ファイバのデータは,被
測定光ファイバの測定用として保存しておくことができる。リファレンス光ファイバの測定手順は,信号
源光学系若しくは受信光学系,又は電子回路系に関する状態が変わったとき,再び実施することが望まし
い。

11 計算

11.1 一般事項

  方法A方法Cのための適切な相対的遅延の計算を,附属書A附属書Cにそれぞれ示す。
この箇条では,全ての方法において,長さによって算出した波長群遅延データτ(λ)に適用できる次の数
値近似について規定する(附属書D参照)。
λ : 波長 [nm]
τ(λ) : 算出された波長群遅延データ近似式 [ps/km]
D(λ) : 波長分散係数=dτ/dλ [ps/(nm・km) ]

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λ0 : ゼロ分散波長 [nm]
τ(λ0) : ゼロ分散波長λ0における相対遅延最小値 [ps/km]
S(λ) : 分散スロープ [ps/(nm2・km) ]
S0 : ゼロ分散波長における分散スロープ [ps/(nm2・km) ]
注記1 τ(λ)及びD(λ)は,直接測定したもの,又は直接測定した値を指定の関数で近似した結果のいず
れでもよい。
注記2 例えば,データ近似関数が指定されている場合,等式の右辺にある式のパラメータは,直接
測定値の誤差の平方和ができるだけ小さくなるように決める。それらのパラメータが決まれ
ば,この式はその他の様々なパラメータの値を決めるために用いられる。
注記3 これらの近似パラメータは,変数A,B,C,D又はEとして記述する(附属書D参照)。
11.2 SGI,PGI-200/490,PGI-120/490,PGI-62.5/245,SSMA,SSMA・U及びSSMF・A
次の内容は,SGI,PGI-200/490,PGI-120/490,PGI-62.5/245,SSMA,SSMA・U及びSSMF・Aに適用す
る。
遅延又は分散データを,3項セルマイヤ近似式に近似する(附属書D参照)。波長分散係数D(λ),ゼロ分
散波長λ0及びゼロ分散波長における分散スロープS0の計算を,附属書Dに示す。
1 550 nmの波長領域だけにおいて,波長分散は波長に対する線形関数(遅延データの2次近似式)に近
似できる(附属書D参照)。
11.3 SSMA・T
次の内容は,SSMA・Tに適用する。
精度要件によっては,1 550 nmの波長領域における最大35 nmまでの波長区間において,2次近似式を
用いてもよい。近似を行った波長範囲外の波長における波長分散の予測には,この近似式を用いないほう
がよい。
より広い波長区間を予測する場合は,5項セルマイヤ近似式又は4次多項近似式を用いるのがよいが,
その近似式は1 310 nmの波長領域には用いない。
波長分散係数D(λ)及び分散スロープS(λ)の計算を,附属書Dに示す。

11.4 SSMB

  次の内容は,SSMBに適用する。
精度要件によっては,1 550 nmの波長領域における最大35 nmまでの波長区間において,2次近似式を
用いてもよい。近似を行った波長範囲外の波長における波長分散の予測には,この近似式を用いないほう
がよい。
より広い波長区間を予測する場合は,5項セルマイヤ近似式又は4次多項近似式を用いるのがよいが,
その近似式は1 310 nmの波長領域には用いない。
波長分散係数D(λ),ゼロ分散波長λ0及びゼロ分散波長における分散スロープS0の計算を,附属書Dに
示す。

11.5 SSMD及びSSME

  次の内容はSSMD及びSSMEに適用する。
通常,35 nmを超える広い波長範囲における場合,5項セルマイヤ近似式又は4次多項近似式を用いるの
がよい。近似を行った波長範囲外の波長における波長分散の予測には,この近似式を用いないほうがよい。
SSMDについては,35 nm以下の狭い波長区間の場合に,2次近似式を用いることができる。近似を行っ
た波長範囲外の波長における波長分散の予測に,この近似式を用いないほうがよい。

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波長分散係数D(λ)及び分散スロープS(λ)の計算を,附属書Dに示す。

12 結果

12.1 各測定について記録しなければならない情報

  各測定について,次の情報を記録しなければならない。
− 測定の日付及び測定方法
− 結果の計算に用いた式
− 被測定光ファイバの識別表示
− 長さの算出のために用いた被測定光ファイバの長さ
− 詳細仕様書によって要求される測定結果
注記 詳細仕様書によって要求される可能性がある情報の例は,次による。
a) 指定された波長において測定された分散係数値
b) 指定された範囲の波長にわたる分散の最大値(又は複数の最大値)
c) この波長におけるゼロ分散波長及び分散スロープ

12.2 要望が出された場合に提示しなければならない情報

  要望が出された場合に,次の情報を提示しなければならない。
− 用いた測定方法 : 方法A,方法B又は方法C
− 用いた光源及び測定波長の説明
− 変調周波数(該当する場合)
− 信号検出器,信号検出電子装置及び遅延装置の説明
− 用いた計算手法の説明
− 測定装置の最新校正日

13 仕様情報

  詳細仕様書では,次の情報を明示しなければならない。
− 合否判定基準
− 報告しなければならない情報
− 適用する手順との差異
− 測定する光ファイバの種類

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附属書A
(規定)
方法A“位相法”に関する要求事項
A.1 装置
A.1.1 光源
光源は,測定手順を完了するのに十分な時間にわたって,位置,強度及び波長が安定していなければな
らない。複数のレーザダイオード(例えば,図A.1参照),波長可変レーザダイオード,発光ダイオード(例
えば,図A.3参照)又は広帯域光源(例えば,ラマンファイバ付きNd:YAGレーザ又はASE光源)を,測
定の波長範囲に応じて用いることができる。
被測定光ファイバ内に励振された光の波長は,光スイッチ,モノクロメータ,分散装置,光フィルタ,
及び光カプラからなる系か,又は光源のタイプ及び測定装置構成に応じて調整されたレーザを選択するこ
とができる。波長選択器は,被測定光ファイバの入力部又は出力部のどちらにおいて用いてもよい。
光源波長としてゼロ分散波長λ0が含まれる3波長系で石英系シングルモード光ファイバを測定する場合
(図A.2参照),中央波長の許容差又は不安定性δλによって,λ0の測定において最大3δλの誤差が生じる。
分散スロープS0の最大誤差は,δλ/Δλ(ここで,Δλ=光源波長間隔)に正比例し,δλ/Δλ=1 nm/30 nmに対
し,約0.012 ps/(nm2・km)となる。
被測定ファイバで期待されるλ0に近い平均波長をもつ光源を用いるか,3波長より多くの波長を用いる
か,又はその両方を用いることで,誤差を上記の最大誤差より小さくすることができる。
一般的には,出力パワー安定化機能(例えば,PINフォトダイオードフィードバック)を備えた,温度
管理されたシングル縦モードレーザダイオードで十分である。現場測定装置セット用光ファイバ基準リン
クのためには追加のレーザが要求されることもある(A.1.5参照)。
A.1.2 スペクトル幅
光源のスペクトル幅は,被測定光ファイバで測定され,半値全幅(FWHM)において10 nm以下でなけ
ればならない。
図A.1−波長分散測定装置セット 多重レーザ系(典型例)

――――― [JIS C 6827 pdf 10] ―――――

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JIS C 6827:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60793-1-42:2013(MOD)

JIS C 6827:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6827:2015の関連規格と引用規格一覧