JIS C 6827:2015 光ファイバ波長分散試験方法 | ページ 3

8
C 6827 : 2015
図A.2−典型的な遅延曲線及び分散曲線
A.1.3 変調器
変調器は,単一の主要フーリエ成分をもつ変調周波数を生成するために,光源を振幅変調するものでな
ければならない。例えば,正弦波,台形波,方形波変調を用いることができる。周波数安定性は,106分の
1以上でなければならない。位相法の測定においては,360 n度(ここで,nは整数である。)の曖昧さを防
止することが不可欠となる。これは,360度の位相変化を追跡するなどの手段によって,又は相対位相シ
フトを360度未満に制限する十分低い変調周波数を選択することによって達成できる。石英系シングルモ
ード光ファイバについては,360度シフトの最大周波数を式(A.1)のように決める。
2 1
2
6 2 2
8 10 λ0 λ0
fmax λi λj (A.1)
S0 L λi λj
ここに, fmax : 360度シフトの最大周波数(MHz)
L : 最大期待被測定光ファイバ長さ(km)
λ0 : 期待される典型的なゼロ分散波長(nm)
S0 : λ0において期待される典型的分散スロープ[ps/(nm2・km)]
λi及びλj : 測定波長の中でfmaxを最小とする測定波長(nm)の組合せ
変調器の周波数は,測定精度を保証するのに十分高いものでなければならない。
精度が測定系パラメータに依存する例を次に示す。石英系シングルモード光ファイバの場合で,光源波
長の幅が 謀 長系の場合,最小変調器周波数fmin(MHz)が式(A.2)で表される値である場合,最
大誤差はS0については0.001 2 ps/(nm2・km),λ0については0.4 nmとなる。

――――― [JIS C 6827 pdf 11] ―――――

                                                                                              9
C 6827 : 2015
Δ 10 7
fmin (A.2)
L Δλ
ここに, fmin : 最小変調器周波数(MHz)
Δφ : 総測定装置位相不安定度(度)
L : 最小期待被測定光ファイバ長さ(km)
Δλ : 隣接光源間の平均波長間隔(nm)
したがって,Δφ=0.1度,L=10 km,かつ,Δλ=32 nmの場合,約100 MHzの最小周波数が要求される。
注記1 式(A.2)は,波長間隔及び位相不安定度の様々な値を用い,時間遅延方程式のλ0及びS0につい
て繰り返し解くことによって得られる。
注記2 被測定光ファイバで期待されるλ0に近い平均波長をもつ光源を用いるか,3波長より多くの
波長を用いるか,又はその両方を用いることで,誤差を上記の最大誤差より小さくすること
ができる。
各光源における変調周波数は,測定装置セットの校正を容易にするために調整できるようにしてもよい。
A.1.4 信号検出器及び信号検出電子装置
測定する波長の範囲にわたって十分な感度を示す光検出器を,位相計と組み合わせて用いる。検出シス
テムの感度を上げるために増幅器を用いてもよい。典型的な系は,PINフォトダイオード,電界効果トラ
ンジスタ(FET)増幅器及びベクトル電圧計からなる。
検出器−増幅器−位相計で構成される系は,変調信号の基本フーリエ成分にだけ反応するものであり,
測定する受光パワーの範囲において一定の信号位相シフトを導入するものでなければならない。受光パワ
ーの範囲は,可変光減衰器によって制御してもよい。
A.1.5 基準信号
基本フーリエ成分が変調信号と同じである基準信号は,信号源の位相を測定する位相計に送る。基準信
号は変調信号に対して位相が固定されることが望ましく,通常は,変調信号から引き出される。
基準信号構成の例を次に示す[この例のa),b)及びc)の構成については,図A.1及び図A.3参照]。
a) 実験室試験,リファレンス光ファイバを測定するときなどのように,信号源と検出器とが並置されて
いる場合,信号発生器と位相計の基準ポートとの間に電気的接続を用いることができる。
b) 光スプリッタを被測定光ファイバの前に挿入し,更に検出器も並置された装置として用いてもよい。
c) 光ケーブルの現場試験(光源と検出器とは並置ではない。)のためには光リンクを用いることができ,
典型的なものとしては,被測定光ファイバ用として用いられるものと類似した,変調された光源,光
ファイバ及び検出器で構成する。
d) 現場試験用の基準信号も,波長分割多重化機能を用い,被測定光ファイバに送信することができる。

――――― [JIS C 6827 pdf 12] ―――――

10
C 6827 : 2015
図A.3−波長分散測定装置セット LEDシステム(典型例)
A.2 手順
A.2.1 リファレンス光ファイバの測定
リファレンス光ファイバ(9.3)を測定器の入出力ポートに挿入し,基準信号(A.1.5)を構成する。各高
周波信号源について,位相φin(λi)を測定し,記録する。
上記の代わりに,位相調整が可能な高周波信号源である場合,リファレンス光ファイバを所定の位置に
設置し,全ての高周波信号源の位相を等しくしなければならない。その後,A.2.2に規定する被測定光ファ
イバの測定を実施する。この場合,A.3.1の計算のために,φin(λi)=0とする。
A.2.2 被測定光ファイバの測定
被測定光ファイバを測定器の入出力ポートに挿入し,基準信号(A.1.5)を構成する。各高周波信号源に
ついて,位相φout(λi)を測定し,記録する。
検出器及び検出器電子装置のレベル依存位相シフトをできるだけ小さくする範囲に調整された検出器に
おいては,被測定光ファイバの測定の前に,全てのリファレンス光ファイバの測定又は測定波長全ての高
周波信号源の位相を等しくする等化の測定を実施する。
A.3 計算
A.3.1 各波長において測定された入力位相を,その波長における出力位相から差し引く。全てのλiにおけ
る相対群遅延は,式(A.3)のようになる。
106
τ λi λi
out inλi (A.3)
360 f L
ここに, τ(λi) : 相対群遅延(ps/km)
φout(λi) : A.2.2で測定された値(度)
φin(λi) : A.2.1で測定された値(度)
f : 変調波長の周波数(MHz)
L : 被測定光ファイバ長さからリファレンス光ファイバ長さを
引いた値(km)
A.3.2 A.3.1の遅延データを用いて,附属書Dの遅延方程式の一つから最良の近似値を算出する。
A.3.3 附属書Dに規定する適切な係数の最良近似値を用い,分散D(λ)又は詳細仕様書によって要求され

――――― [JIS C 6827 pdf 13] ―――――

                                                                                             11
C 6827 : 2015
るその他のパラメータを算出する。遅延データτ(λ)及び算出した分散D(λ)の例を図A.2に示す。
A.3.4 分散を,ゼロ分散波長λ0及び分散スロープS0で,若しくは一つ以上の波長における分散係数で,
又はその両方で規定する。ゼロ分散波長から大きく離れた波長における分散係数を算出するときに,ゼロ
分散波長及び分散スロープを用いる場合がある。
ゼロ分散波長を規定する場合,測定する波長は,ゼロ分散波長,又は,ゼロ分散波長から100 nm以内の
一つの点を含むことが望ましい。ゼロ分散波長から大きく離れた波長における分散係数を算出するために,
ゼロ分散波長及び分散スロープを用いる場合は,測定波長範囲が計算する波長を含まなければならない。
分散係数を規定する場合は,測定波長範囲は規定する波長を含まなければならない。測定波長範囲及び適
した近似法については,附属書Dに示す。

――――― [JIS C 6827 pdf 14] ―――――

12
C 6827 : 2015
附属書B
(規定)
方法B“パルス法”に関する要求事項
B.1 装置
B.1.1 光源
B.1.1.1 光ファイバラマンレーザ
光ファイバラマンレーザ系では,適切な長さ(約200 m)のシングルモード光ファイバにQスイッチモ
ードロックNd:YAGレーザを照射することで発生させたラマン散乱光を,分光器を用いて各波長ごとに短
時間[400 ps未満の半値全幅(FWHM)]の光パルスとする。そのパルス光は測定を行うために十分な強度
及び空間的,かつ,時間的安定性を備えたものでなければならない(図B.1参照)。
B.1.1.2 多重レーザダイオード
幾つかの波長における多重(3以上)注入レーザダイオードは,パルス時間が短く(400 ps未満のFWHM),
強度が安定し,測定時間中,安定して発光することができる場合は,この測定目的に十分適しているとみ
なせる(図B.2参照)。
B.1.1.3 波長可変レーザダイオード
一つ又は複数の波長可変レーザダイオード(例えば,外部キャビティレーザ)は,それらが短時間(400
ps未満のFWHM)のパルスを生成するものであり,強度が安定し,測定時間中安定した波長を維持するこ
とができ,かつ,安定して発光することができる場合は,用いてもよい。
B.1.1.4 スペクトル幅
光源のスペクトル幅は,被測定光ファイバで測定し,半値全幅(FWHM)において10 nm以下でなけれ
ばならない。
図B.1−光ファイバラマンレーザ系の構成図

――――― [JIS C 6827 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS C 6827:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60793-1-42:2013(MOD)

JIS C 6827:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6827:2015の関連規格と引用規格一覧