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C 8201-1 : 2020
附属書JA
(規定)
定格絶縁電圧が300 V以下及び定格電流が100 A以下の装置で
定格インパルス耐電圧を表示しない装置の絶縁距離
JA.1 適用範囲
この附属書は,定格絶縁電圧が300 V以下で,定格電流が100 A以下の装置で,定格インパルス耐電圧
を表示しない装置の絶縁距離について規定する。
JA.2 充電部の距離
台の裏面1)の充電部は,造営材に取り付ける屋外用のものにあっては台の裏面から,その他のものにあ
っては台の取付面2)から,それぞれ3 mm以上,又は熱硬化性樹脂を充するものにあっては,1 mm以上
の深さとし,かつ,その上を硫黄を除き,75 ℃の温度で軟化しない3)耐水性のものに限る電気絶縁物によ
って覆っていなければならない。ただし,屋内用のものであって,台の裏面の充電部が台の取付面から6 mm
以上の深さにあるものは,この限りではない。
注1) “台の裏面”とは,取付面だけでなく裏面全体をいう。
2) “台の取付面”とは,造営材に接する面を含む平面をいう。
3) “軟化しない”とは,規定温度の空気中に放置したとき,流出しないことをいう。
通常の使用状態において,人が触れる可能性があって,外面に露出するおそれがある充電部は,外面か
ら3 mm以上,又は熱硬化性樹脂を充するものにあっては,外面から1 mm以上の深さとし,かつ,そ
の上を硫黄を除き,75 ℃の温度で軟化しない耐水質のものに限る電気絶縁物によって覆っていなければな
らない。
電線取付部の充電部は,この規格に特別に規定するものを除き,エンクロージャの外面からの深さが次
の値以上でなければならない。
− 電線取付部の穴の短径が3 mm以下のものにあっては,1.2 mm
− 電線取付部の穴の短径が3 mmを超え7 mm以下のものにあっては,1.5 mm
− 電線取付部の穴の短径が7 mmを超えるものにあっては,3 mm
− その他の箇所は,表JA.1で指定する値
――――― [JIS C 8201-1 pdf 216] ―――――
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表JA.1−定格絶縁電圧が300 V以下,定格電流が100 A以下の装置で,インパルス耐電圧を表示しない
装置の絶縁距離に対する空間距離及び沿面距離
定格電流 空間距離 沿面距離
mm mm
極性が異なる 充電部と接地するおそ 極性が異なる 充電部と接地するおそ
充電部相互間 れがある非充電金属部 充電部相互間 れがある非充電金属部
又は人が触れるおそれ 又は人が触れるおそれ
がある非金属部の表面 がある非金属部の表面
との間 との間
端 端子部以 その他端 端子部以 その他端 端子部以 その他端 端子部以 その他
子 外の固定 の箇所子 外の固定 の箇所子 外の固定 の箇所子 外の固定 の箇所
部 部 部 部
している している している している
部分で金 部分で金 部分で金 部分で金
属粉が付 属粉が付 属粉が付 属粉が付
着しにく 着しにく 着しにく 着しにく
い箇所 い箇所 い箇所 い箇所
15 A以上のもの 4 4 4 4 4 4 6 6 6 6 6 6
15 A 機械器具に 3 1.5 2.5 2.5 1.5 2 3 1.5 2.5 2.5 1.5 2
未満の 組み込まれ
もの るものであ
って定格電
圧が150 V
以下のもの
その他のも 3 1.5 3 3 1.5 3 3 1.5 3 3 1.5 3
の
“空間距離”とは,空気を介する部分の最短距離(の和)をいい,“沿面距離”とは,絶縁物表面に沿った最短距離
(の和)をいう。
JA.3 空間距離及び沿面距離
JA.3.1 測定方法
空間距離及び沿面距離の測定方法は,図JA.1に示すものとし,スイッチの可動片,可動金属部などは,
その可動範囲内のあらゆる位置で測定する。
――――― [JIS C 8201-1 pdf 217] ―――――
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L=a+b+c+d+e (c≧1 mm)
L=a+c+e (c<1 mm)
G=a+c+e
L=a+b+c (c≧1 mm)
L=a+(b−T )+c (c<1 mm)
G=a+e又はa+gのいずれか小さい方
L=a+2b+c+e (a≧1 mm,e≧1 mm)
L=a+2(b−T)+c+e (a<1 mm,e<1 mm)
L=a+b+(b−T)+c+e (a≧1 mm,e<1 mm)
G=g1+c+g2 (b T)
G=a+c+e (b≦T)
L=G
G=a+e (a≧1 mm,e≧1 mm)
G=a (e<1 mm)
G=e (a<1 mm)
L=a+c+e (f≧1 mm)
L=a+e+2f又はa+c+eのいずれか小さい方 (f<1 mm)
G=a+e (a≧1 mm,e≧1 mm)
G=a (e<1 mm)
G=e (a<1 mm)
L=G
L=a+b+c+d+e
(絶縁物の接合部は単純な突き合せである)
記号
G : 空間距離
L : 沿面距離
A及びB : 充電部又は接地するおそれがある非充電金属部
E : 接地するおそれがない非充電金属部
図JA.1−測定方法
JA.3.2 空間距離及び沿面距離の適用方法
空間距離及び沿面距離(以下,空間距離という。)の適用方法は,次による。
a) 機能を発揮するために設ける,特殊目的をもつ放電ギャップなどの電極間には,“空間距離”の規定は
適用しない。
b) 絶縁変圧器以外のものを用いて,電圧降下をさせている充電部の電圧は,極性が異なる充電部相互間
にあってはその電圧とし,充電部とその他の部分との間にあっては入力電圧とする。
c) “充電部と人が触れるおそれがある非金属部の表面との間”の空間距離は,くぼみを含む開口部をも
つものにあっては,図JA.2による。この場合において,テストフィンガ(近接プローブ)に30 Nの
――――― [JIS C 8201-1 pdf 218] ―――――
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力を加えたときに変化するものは,変形した位置から測定する。
Aに対して規定の距離が要求される。 A+Bに対して規定の距離が要求される。
例1 例2
Aに対して規定の距離が要求される。
例3
図JA.2−くぼみを含む開口部の例
d) 非金属製エンクロージャの突合せ面を通して人が触れる部分と充電部との間は,“充電部と人が触れる
おそれがある非金属部の表面との間”とみなす。ただし,突合せ面が接着剤で固定してある場合は,
空間距離は適用しない。
e) 定格電流が15 A以上のもので,電流計を部品として用いるものにあっては,電流計の内部の空間距離
は3 mm以上,沿面距離を4 mm以上とする。
f) 定格電流が“15 A以上のもの”の,過電流引外しコイルは除く制御回路及び励磁コイルのこれらの回
路と主回路との間は除く極性が異なる充電部相互間の空間距離又は沿面距離は,“その他のもの”の欄
を適用する。
g) 空間距離は,器具の外面にあっては30 N,器具の内部にあっては2 Nの力を距離が最も小さくなるよ
うに加えて測定したときの距離とする。
h) ばね,ジャンパ線であって機能上やむを得ない部分には,無理な方向に2 Nの力を加えない。
i) エンクロージャの突合せ面の間隙が0.3 mm以下のものは,充電部と人が触れるおそれがある非金属
部の表面との間の空間距離及び沿面距離は,1.5 mm以上とする。ただし,分電盤を含む造営材に取り
付けるものの取付面を除く。
j) 定格電流が15 A以上のものであって,蓋又は外部を使用者が開けることができない構造のものの端子
部以外の箇所にあっては,沿面距離を4 mm以上とする。
k) 線間電圧又は対地電圧が15 V以下の部分で,耐湿性の絶縁被膜をもつものにあっては,その空間距離
及び沿面距離は,0.5 mm以上とする。
l) 次の箇所を閉路したとき同極となって,開路したとき異極となる部分の極間には,空間距離は適用し
ない。
開閉器の遮断距離及び開閉接触部の近傍の例を,図JA.3に示す。
――――― [JIS C 8201-1 pdf 219] ―――――
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例1 例2
図JA.3−開閉器の遮断距離及び開閉接触部の近傍の例
JA.4 端子部
JA.4.1 端子部の該当部分
“端子部”とは,電源及び負荷用接続端子の端子金具をいい,次の部分を含む。
なお,電線の接続箇所を特定できないものは,端子金具を端子部とみなす。
a) 端子ねじの頭部で電線(又はコード),座金などを締め付ける端子構造のものにあっては,端子ねじの
頭径から1 mm大きい範囲内(座金,当金を含む。)の頭側(図JA.4参照)。
図JA.4−座金,及び当金を含む端子ねじの頭径から1 mm大きい範囲内の頭側の例
b) 端子ねじの先端で電線又はコード,当金などを押し締めする端子構造のもの,及び端子ねじに設けた
引締め金具で電線又はコードを引き締める構造のものにあっては,端子ねじ,引締め金具を含む当金,
端子金具の電線挿入孔内面(図JA.5参照)。
――――― [JIS C 8201-1 pdf 220] ―――――
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JIS C 8201-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60947-1:2007(MOD)
- IEC 60947-1:2007/AMENDMENT 1:2010(MOD)
- IEC 60947-1:2007/AMENDMENT 2:2014(MOD)
JIS C 8201-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.130 : 開閉装置及び制御装置 > 29.130.20 : 低電圧開閉用及び制御装置
JIS C 8201-1:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称