JIS C 8202-2:2013 低圧開閉装置及び制御装置―コントローラ―装置間インタフェース(CDI)―第2部:アクチュエータ・センサ・インタフェース(AS-i) | ページ 5

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これらの構成部品の機能は,互いに無関係であるが,現実的な理由から,組み合わせると便利である。
直流電源,対称性回路及びデカップリング回路を組み合わせたものをAS-i電源と呼ぶ(図4参照)。
U+ ASI+
直流電源
対称性回路 デカップリング
一次側
回路
PELV
V-
U ASI
(PE)
GND
図4−AS-i電源
5.3.2 AS-i電源要求仕様
AS-i電源要求仕様は,表1による。
表1−AS-i電源の仕様
特性 仕様
図4のASI+とASI−との間の出力電圧UASI 図4のASI+とASI−との間の出力電圧UASI : DC 29.5 V
ただし,全負荷範囲にわたる。 DC 31.6 V
定格出力電流 Ie : 製造業者の指定による。
Ia=0.4 A
標準動作時にAS-iスレーブを追加接続したときの充電
過程に対応するための余裕をもった電流 ただし,標準スレーブ1台当たり12.5 mA,又は拡張ス
レーブ1台当たり6.5 mA
電流の限度値 ILim>Ie+Ia
電流範囲内の振幅雑音(ASI+及びASI−で測定) 10 kHz500 kHzの範囲(オシロスコープで観測できる
電磁妨害帯域)で,ピーク値で50 mV
低周波リプル。ただし,過負荷時を除く 0 kHz10 kHzの周波数範囲で,ピーク値で300 mV
電源投入後の遅れ 出力端子が5 Vに達した後,2 s以下
注記 入力電源変動又は負荷変動が生じても,AS-iラインの通信に影響を及ぼさないことが望ましい。AS-i伝送動
作が電源に影響を及ぼさないことが望ましい。AS-iラインへの総合的な影響が,ピーク値で50 mV以下
(10 kHz500 kHz),又はピーク値で300 mV以下(0 kHz10 kHz)とすることが望ましい。
5.3.3 起動時の動作
電圧レベルは,初めて5 Vに到達してから2秒以内に,AS-iマスタの起動電圧の最大値26.5 Vに到達さ
せなければならない。AS-iマスタ起動電圧の最小値22.5 V±1 V(8.5.2.2参照),及びAS-i電圧レベルの最
小値29.5 Vの時間枠は,1秒未満とする。電圧レベルは,5 Vから正常動作電圧29.5 V31.6 Vまで絶え
間なく増加させなければならない。
注記 電圧が起動電圧(22.5 V±1 V)を超えると,マスタが作動を開始するため,注意が必要である。
電源は,起動時に,システムの充電過程に対応するため,余分な電流を供給しなければならない。この
時に追加する負荷は,15 mFの静電容量と等価である。
電源は,5 Vの電圧レベルから始めて,定格出力電流Ieのほかに上記の15 mFの静電容量を充電するた
めに追加の電流を供給して,時間的な制約を満足しなければならない。

――――― [JIS C 8202-2 pdf 21] ―――――

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5.3.4 対称性回路及びデカップリング回路
対称性回路及びデカップリング回路は,次に示すAS-i伝送システムの幾つかの機能を確保している。
− AS-iラインに直流電源を供給する。
− 信号波形を成形する。
− インピーダンスを終端する(物理ラインの場合)。
− AS-iラインをGNDに対して対称化する。
− コモンモード電磁妨害を抑制する。
等価なデカップリング回路は,図5に示すとおり,二つのインダクタンス,二つの抵抗及び対称化コン
デンサCsで構成する。
R 39 圀 1%
U+ ASI+
直流電源 L 50
一次側
Zout Zs Z1 Z3
Cout R 39 圀 1%
U ASI
(PE)
Zs L 50 Z2
Cs Cs
GND
図5−対称性回路及びデカップリング回路の等価回路
対称コンデンサCsは,デカップリング回路にできるだけ近い場所に配置する。これら二つのコンデンサ
は,ASI+とASI−とを地面に対して対称にするもので,100 nF以上の等しい値にすることが望ましい。
対象性回路及びデカップリング回路の仕様を表2に示す。
表2−対称性回路及びデカップリング回路の仕様
特性 仕様
ASI+とASI−との間のインダクタンス100 μH±10 %(IL=0ILmax)
短絡及び過負荷 デカップリング回路に損傷を与えることがない無限時間に適用する。
GNDに対するASI+の対称性, 0.98≦|Z1|/|Z2|≦1.02
及びGNDに対するASI−の対称性 10 kHz300 kHzの周波数範囲及び全負荷範囲。
電源インピーダンス 10 kHz300 kHzの周波数範囲で|Zout|<0.5 Ω
対称コンデンサ(Cs) 300 kHz以上の周波数範囲で|Zs|<5 Ω(100 nF以上)

5.4 AS-iトポロジ及びその他の構成部品

5.4.1  AS-iライン(最小限の要求事項)
AS-i伝送媒体は,任意のケーブル(シールド線あり又はシールド線なし)で,全動作範囲に対して,次
の特性をもたなければならない。AS-i 伝送媒体のモデルを図6に示す。
周波数が167 kHzのとき,次による。
R' : <90 mΩ/m
C' : <80 pF/m
Z : 70 Ω140 Ω

――――― [JIS C 8202-2 pdf 22] ―――――

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G' : ≦5 μS/m
L' : 400 nH/m1 300 nH/m
t' : ≦8.3 ns/m
断面積は2×1.5 mm2が望ましい。
分岐ケーブルがない短い幹線の場合は,これらのラインの直流電圧が低下することによって,接続され
た装置の機能に影響が及ばなければ,別の特性(仕様)でもよい。
R'/4
R/4 L'/4
C'
C G'
G
図6−AS-i伝送媒体のモデル
注記1 次の式に示すとおり,伝送線路の特性インピーダンスZは,その分布定数R',L',C',G'及
び周波数(角速度ω)で決まる。
R'+j L'
Z=
G'+j C'
分布定数については,電気的に短い伝送線路で,終端を開放した状態でG'及びC'を測定し,
終端を短絡した状態でR'及びL'を測定すればよい。Z及び伝搬リピータの遅延時間t'に対す
る限度値は,特性インピーダンスが,好ましくないほど高い値又は低い値になるような分布
定数の組合せを除いた結果である。
注記2 上記の特性値を満足していれば,AS-iラインとしてどのようなケーブルを用いてもよいが,
この規格の幾つかの要求事項又は許容差は,AS-i伝送媒体に沿った総合的な電圧降下(直流)
を3 V以下にすることを目的としている。そこで,大きな電圧降下が生じないような断面積
のものとすることが望ましい。AS-iラインとして用いるケーブルが,上記の特性値を満足し
ていない場合は,AS-iライン全体の長さを100 mにすると悪影響を及ぼす可能性がある。
注記3 AS-iライン上の信号の伝ぱ(播)時間の遅れは次の式で表し,一般的には,一つの方向に対
して100 m当たり0.6 μsとなる。
R'G'
t'=L'C'− 2
5.4.2 AS-iトポロジ
AS-iトポロジは,ツリー構造とする。AS-iラインの全長は,100 m以下にしなければならない。この長
さは,幹線の総延長として計算しなければならない。
電源のGNDポートを除き,ネットワーク上でGNDへの接続があってはならない。
注記 AS-iは,対称システムとして設計される。システムが比較的大規模に分散している場合であっ
ても,対称性がよくなるほど,AS-i信号成分,又はAS-iシステムに関連する伝導妨害の発生が
少なくなる。ネットワークはシールドされておらず,アンテナとして作用する可能性があるた
め,このことは非常に重要である。
標準動作時に,電源とネットワーク上の任意のポイントとの間で,3 V以上の電圧降下が発生してはな
らない。ただし,特定のAS-iスレーブの仕様書に,それ以上の電圧降下を記載している場合を除く。

――――― [JIS C 8202-2 pdf 23] ―――――

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5.4.3 AS-iリピータ
AS-iラインの全体の長さは,100 m以下とする。AS-iリピータは,AS-i信号を再生し,AS-iネットワー
クの部品同士を電気的に分離して,ネットワークの長さを100 m以上に伸ばすことができる。
タイミングの制約によって,三つ以上のリピータを直列に接続することはできない。ただし,ネットワ
ークのツリー構造で異なるブランチに接続する場合は,幾つかのリピータを並列に用いることはできる。
5.4.4 AS-i地絡検出器
IEC 60204-1:2005に基づいて,何らかの制御回路で発生した地絡によって,機械の意図しない始動,危
険性がある動作,又は停止の阻害が発生してはならない。この要求事項を満足するため,IEC 60204-1:2005
は,保護ボンディング回路に接続していない制御回路には,地絡を表示するか,又は地絡を検出した後に
自動的に回路を遮断するような,絶縁監視装置を装備しなければならないと規定している。
IEC 60204-1:2005を適用し,AS-iネットワークを用いて,潜在的に危険な動作をする機械を制御する場
合は,絶縁監視装置を取り付けなければならない。AS-iネットワークを,互いに絶縁した個別の部品で構
成している場合は,ネットワーク上にあるそれぞれの絶縁した部品ごとに絶縁監視装置を備えなければな
らない。
AS-iネットワークに用いる絶縁監視装置は,AS-i伝送システムの要求事項に適合していなければならな
い。詳細については,8.3.2を参照。

5.5 通信

5.5.1  通信の原理
AS-iは,1台のAS-iマスタ及び最大31台(拡張アドレスモードの場合は62台)のAS-iスレーブで構
成する,一種のマスタ・スレーブ通信システムである。それぞれのAS-iスレーブは,131(拡張アドレ
スモードの場合は1A/1B31A/31B)の固有のアドレスをもたなければならない。このアドレスを操作ア
ドレスと呼ぶ。この操作アドレスは,不揮発性の保存をしなければならない。操作アドレスがあるAS-i
スレーブだけが,AS-iマスタからのデータ又はパラメータのリクエストに応答してもよい。
AS-iスレーブのアドレスを変更する場合は,ゼロアドレスを用いる。通常,ゼロアドレスは揮発性で保
存する。詳細については,8.4を参照。
シングルトランザクションは,マスタリクエスト及びスレーブレスポンスで構成する。コンバインドト
ランザクションは,幾つかのシングル・トランザクションで構成する。
5.5.2 伝送制御
1台のAS-iマスタと最大31台(拡張アドレスモードの場合は62台)の当該AS-iスレーブとのデータ
交換は,トランザクションを処理することによって行う(図7参照)。トランザクションは,マスタリク
エストで始まる。AS-iマスタは,ある特定の期間にわたって,AS-iスレーブレスポンスを待つ。AS-iマス
タが,この期間内に,当該AS-iスレーブから有効なレスポンスを受信できなかった場合,このレスポンス
は,否定レスポンスとして解釈する。また,AS-iマスタは,もう一度マスタリクエストを送信してもよい。
有効なレスポンスを受信した場合,AS-iマスタは,送信ポーズが経過した後に,次のトランザクションを
開始しなければならない。当該AS-iスレーブは,不完全なマスタリクエストを検出した場合,又はAS-i
マスタが対応していないリクエストを発した場合は,応答してはならない。また,当該AS-iスレーブは,
いかなる否定レスポンスも返してはならない。

――――― [JIS C 8202-2 pdf 24] ―――――

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マスタ スレーブ スレーブ
メッセージ :
トランザクション :
マスタリクエスト 出力データ
入力データ
スレーブレスポンス
....
.
..
.
トランザクション :
命令
マスタリクエスト
スレーブレスポンス 命令の結果
図7−トランザクション
5.5.3 タイミングの要求仕様
この細分箇条で規定する全ての時間は,マスタ端子の位置におけるAS-iラインの信号に関連している。
マスタポーズの測定した波形の一例を,図9に示す。その他のポーズについても,個々に測定しなけれ
ばならない。マスタリクエスト及びスレーブレスポンスは,共にゼロを第1ビットとして始まる。マンチ
ェスタII形式であるため,このスタートビットによって,第1ビットの後半で負電圧パルスが生じること
になる。
注記1 各受信機は,ある特定のいき(閾)値で電圧パルスをサンプリングする。このため,アナロ
グフィルタによって,内部のビットタイムの始まりが図9と異なる可能性がある。
注記2 “マスタポーズ”はAS-iスレーブが支配し,“スレーブポーズ”はAS-iマスタが支配する。
これらの名称は非論理的であるが,これまでの慣例でそう呼んでいる。
Transaction
トランザクション
Send pause
送信ポーズ
Master Slave
マスタポーズ
pause スレーブポーズ
pause マスタリクエストの
送信
マスタ
Master マスタリクエストの
Sends Receives
スレーブレスポンス Sends
request
master
受信 response
slaveの受信 master request
マスタリクエストの
受信
Slave
スレーブ マスタリクエストの スレーブレスポンス
Sends
Receives Receives
受信
request
master slaveの送信
response master request
時間
Time
図8−マスタ又はスレーブから見た,マスタポーズ及びスレーブポーズ

――――― [JIS C 8202-2 pdf 25] ―――――

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JIS C 8202-2:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62026-2:2008(MOD)

JIS C 8202-2:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 8202-2:2013の関連規格と引用規格一覧