JIS C 8514:2018 水溶液系一次電池の安全性 | ページ 3

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注記1 図3に示す回路は,代表的な誤使用を想定している。
注記2 3個以上の電池を直列接続する場合,その中の1個を逆接続したとき,その電池は,充電
される。多くの円筒形電池は,過剰な内圧を放出できるよう配慮されているが,一次電池
は,充電するようには設計していないので,破裂が避けられない場合もある。
c) 要求事項 試験中に,発火及び破裂があってはならない。
6.3.2.2 試験E−外部ショート
試験Eの試験方法は,次による。
a) 目的 この試験は,日常,電池を取り扱うときに起こりがちな誤使用を想定して実施する。
b) 試験手順 未放電の電池を,図4に示すように接続する。試験は,24 h後又は電池の表面温度が上昇
してから20±5 ℃に戻るまでのいずれか短い時間まで閉回路にする。回路抵抗は,0.1 Ωを超えない
ようにする。
+
図4−外部ショート回路図
c) 要求事項 試験中に,発火及び破裂があってはならない。
6.3.2.3 試験F−過放電
試験Fの試験方法は,次による。
a) 目的 この試験は,放電された1個の電池が,未放電の電池3個とともに直列に接続され,強制的に
過放電される場合を想定して実施する。
b) 試験手順 同一製造業者及び同一形式の未放電の電池4個を準備する。1個の未放電電池を,JIS C
8515に規定するMAD値(時間単位で示す値)が最大である応用試験又は放電出力試験によって,閉
路電圧が(n×0.6 V)になるまで放電する。この放電した電池(C1)と未放電の電池3個とを,図5
に示すように直列に接続し,電池4個全体の閉路電圧が(n×0.6 V)の4倍になるまで放電する。こ
こで,“n”は,1個の電池を構成する直列に接続した素電池の数を指す。
過放電回路に接続する仮負荷抵抗は,JIS C 8515に規定する当該電池放電試験の最小負荷抵抗値の
4倍とする。実際に過放電回路に接続する負荷抵抗(R1)は,仮負荷抵抗値に最も近似するJIS C 8500
の6.4(負荷抵抗)に規定する値から選択する。
例 電池がLR6(n=1)の場合,1個の未放電電池を50 mA間欠放電で閉路電圧が0.6 Vになるま
で放電させる。図5の過放電回路の負荷抵抗(R1)は,16 Ωとする。
C1
+ + + +
R1
図5−過放電回路図

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c) 要求事項 試験中に,発火及び破裂があってはならない。
6.3.2.4 試験G−自由落下
試験Gの試験方法は,次による。
a) 目的 この試験は,電池が不慮に落下した場合を想定して実施する。この試験の関連事項については,
JIS C 60068-2-31を参照。
b) 試験手順 未放電の電池を,1 mの高さからコンクリートの表面に落下させる。非円形電池の場合は,
6面を各1回ずつ(合計6回)落下させる。円形電池の場合は,図6に示す3軸(X−Y−Z)方向に
向けて,それぞれ2回ずつ(合計6回)落下させる。試験した電池は,1 h放置する。
c) 要求事項 試験中に,発火及び破裂があってはならない。
図6−自由落下のX−Y−Z軸

7 安全性に関する情報

7.1 電池の取扱いに関する注意事項

  電池は,正しく使用した場合には安全で信頼できる電源となる。ただし,誤使用又は異常使用した場合,
漏液,又は極端な場合には発火及び/若しくは破裂のおそれがある。電池の取扱いに関する注意事項は,
次による。また,電池室設計上の注意事項は,附属書Bを参照する。
注意事項を安全図記号で表す場合の推奨例については,附属書Cを参照する。
a) 電池の(+),(−)の逆装をしない 電池及び機器に示している極性(+)及び/又は(−)の表
示に従い,常に正しい方向に電池を装する。電池を機器の中に誤った方向で装すると,外部ショ
ート又は充電され,急激な電池温度の上昇によって,弁作動,漏液,破裂などが生じ,身体的傷害を
引き起こすことがある。
注記 身体的傷害の例には,アルカリ液による失明又はけが,破裂によるけがなどがある。
b) 電池を外部ショートさせない 電池の(+)と(−)とが電気的に接触すると,その電池は外部ショ
ートされる。例えば,包装されていない電池と,鍵又はコインとがポケットの中に一緒に入っていれ
ば,外部ショートする可能性がある。外部ショートすると,弁作動,漏液,破裂などが生じ,身体的
傷害を引き起こすことがある。
c) 電池を充電しない 充電式ではない一次電池を充電すると,電池の内部でガスが発生し,発熱の原因
となり,弁作動,漏液などが生じ,身体的傷害を引き起こすことがある。
d) 電池を強制的に放電しない 外部電源を用いて一次電池を強制的に放電すると,電池電圧が極端に低
くなることがある。また,電池内部のガス発生によって弁作動,漏液,破裂などが生じ,身体的傷害
を引き起こすことがある。

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e) 新旧電池,異なる種類・銘柄の電池を混用しない 電池を交換する場合には,全ての電池を同じ製造
業者の同じ種類の新しい電池と同時に交換する。異なる種類の電池を一緒に機器に装した場合,又
は新しい電池,使いかけの電池,使用済み電池などを一緒に装した場合,電圧,容量などの違いに
よって,幾つかの電池が過放電することになり,弁作動,漏液,破裂などが生じ,身体的傷害を引き
起こすことがある。
f) 使い切った電池は直ちに機器から取り外して処分する 使い切った電池を長い間機器の中に放置す
ると,漏液が生じ,機器の損傷又は身体的傷害を引き起こすことがある。
g) 電池を加熱しない 電池を加熱すると,弁作動,漏液,破裂などが生じ,身体的傷害を引き起こすこ
とがある。
h) 電池に直接,溶接又ははんだ付けをしない 電池に直接,溶接又ははんだ付けをすると,熱によって
内部ショートを引き起こし,弁作動,漏液,破裂などが生じ,身体的傷害を引き起こすことがある。
i) 電池を分解しない 電池を分解又は破砕すると,有害な構成材料との接触によって,身体的傷害又は
発火を引き起こすことがある。
j) 電池を変形させない 電池の押しつぶし,穴あけ,切断などをすると,弁作動,漏液,破裂などが生
じ,身体的傷害を引き起こすことがある。
k) 電池を火中に投棄しない 電池を火中に投棄すると,加熱によって破裂し,身体的傷害などを引き起
こすことがある。特別に準備した焼却炉を除き,電池を焼却してはならない。
l) 電池は乳幼児の手の届くところに置かない 飲み込む可能性がある電池,特に図7に示す飲込み判定
ゲージ内に納まる電池は,乳幼児の手の届くところに置かない。電池を飲み込んだ場合には,直ちに
医師に連絡し,指示を受ける。
単位 mm
図7−飲込み判定ゲージ
m) 大人が監視していないところで,子供に電池の交換をさせない
n) 電池を密閉容器へ封入するなど追加加工しない 電池を密閉容器へ封入するなどの追加加工をする
と,弁作動が妨害され,電池内で発生する水素ガスの排出が妨げられるため,破裂が生じ,身体的傷
害を引き起こすことがある。電池に何らかの処理を加えたり,追加加工したりする場合には,事前に

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製造業者に相談する。
o) 未使用の電池は金属物との接触による短絡を避けるため,元の包装のまま貯蔵する,また,開封済み
電池をごちゃ混ぜにしない 包装から取り出した電池をごちゃ混ぜにする又は金属物と混ぜると,電
池が外部ショートして弁作動,漏液,破裂などが生じ,身体的傷害を引き起こすことがある。これら
を防止するため,未使用の電池は,元の包装のまま貯蔵する。
p) 非常用を除き,長期間使用しない機器から電池を取り外す 機器が満足に動かなくなった場合又は機
器を長期間使用しない場合には,直ちに電池を機器から取り外したほうがよい。現在,市販されてい
る多くの電池は,漏液を抑制する手段を講じているが,使いかけの電池又は使用済み電池は,未使用
の電池よりも漏液しやすい。

7.2 包装

  包装は,電池の輸送,荷扱い及び積重ねのときに,電池に機械的な損傷を与えない適切なものでなけれ
ばならない。包装材料及び包装仕様は,電池の電気的接触,外部ショート及び端子腐食を防止するよう環
境面の保護も考慮する。

7.3 電池包装箱の取扱い

  電池包装箱は注意して取り扱わなければならない。乱暴に取り扱うと,電池が損傷して漏液,破裂又は
発火を引き起こすことがある。

7.4 陳列及び貯蔵

  陳列及び貯蔵する場合は,次の点に注意する。
a) 電池は換気のよい,乾燥した涼しい場所に貯蔵する 電池を高温又は高湿の場所に貯蔵すると,電池
性能の劣化又は表面腐食を引き起こすことがある。
b) 電池包装箱を規定の高さ以上に積み上げない 電池包装箱を規定の高さ以上に高く積み上げると,下
段の包装箱の中にある電池が変形して漏液することがある。
c) 電池を倉庫に貯蔵するとき又は店頭に陳列するときには,長期間の直射日光及び雨水を避ける 電池
が水にぬれると,絶縁抵抗が減少して,自己放電が起こり,さびが発生することがある。
d) 包装していない電池は,機械的損傷及び/又は,電池間の外部ショートを避けるため,ごちゃ混ぜに
しない 包装していない電池をごちゃ混ぜにすると,機械的に損傷を受け,外部ショートを起こして
過熱することがあり,漏液,破裂などのおそれがある。これらの危険源を避けるために,使用するま
では,電池を包装したままで貯蔵することが望ましい。
e) その他の参考事項 附属書Aを参照する。

7.5 輸送

  輸送時の電池包装箱の積載は,上段からの落下を防止するよう考慮する。下段の包装箱が破損するおそ
れがあるので,過度に積載しない。荒天からの保護にも考慮する。

7.6 廃棄

  廃棄に関する注意事項は,次による。
a) 電池を分解しない。
b) 特別に準備された焼却炉を除いては,電池を火中に投棄しない。
c) 電池は,自治体の指示に従って廃棄する。
d) 使用済み電池を収集するときには,次の点を考慮する。
1) 収集した電池は,非導電性容器に保管する。
2) 収集した電池は,換気のよい場所に保管する。使用済み電池の中には,放電容量が残っているもの

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もあり,外部ショート,充電,強制的な放電などによって水素ガスが発生することがある。収集容
器又は保管場所の換気が適切に行われていないと,水素ガスが充満し,発火源があると爆発するお
それがある。
3) 収集した電池を,ほかの物質と一緒にしない。使用済み電池の中には,放電容量が残っているもの
もあり,外部ショート,充電,強制的な放電などによって発熱し,油布,紙,木材などの可燃性廃
棄物の発火のおそれがある。
4) 使用済み電池を廃棄するときには,特に電圧の高い電池端子は,外部ショート,充電及び強制的な
放電を防止するために,例えば,絶縁テープで電池端子を覆うなどの配慮をする。
5) 1)4)の注意事項を守らないと,漏液,発火,破裂などが生じ,身体的傷害を引き起こすことがあ
る。

8 使用上の注意事項

  使用上の注意事項は,次による。
a) 使用用途に最も適した正しい大きさ及び種類の電池を選択しなければならない。適切な電池を選択す
るための情報が機器に添付されているので,これを参考のために保管しておくのがよい。
b) 一組になっている電池の全てを同時に交換する。
c) 電池を装する前に,電池端子及び機器端子を清掃する。
d) 電池の(+)及び(−)の極性が,正しく装されていることを確認する。
e) 長期間機器を使用しない場合には,電池を機器から取り外す。
f) 使い切った電池は,機器から速やかに取り外す。

9 表示

  本体の表示項目は,JIS C 8500の4.1.6(表示)に規定する項目とし,明瞭に表示する。取扱上の注意事
項は,次に示す事項の趣旨を表示する。
a) 使用上の注意事項 逆装,充電,ショート,加熱,火中投入,分解,種類又は大きさが異なる電池
の混用,及び新しい電池と使用した電池との混用はしない。
b) 誤飲の注意事項 図7に規定する飲込み判定ゲージ内に納まる電池は,誤って飲み込むおそれがある
ので,電池は乳幼児の手の届かない場所に置く。万一電池を飲み込んだ場合には,直ちに医師に連絡
し,指示を受ける。

――――― [JIS C 8514 pdf 15] ―――――

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JIS C 8514:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60086-5:2016(MOD)

JIS C 8514:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 8514:2018の関連規格と引用規格一覧