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表B.1−電池の端子寸法及び電池室正極接点の推奨寸法
単位 mm
形式 電池負極端子接触平面の 電池正極端子の寸法 図B.6に示す電池室正極接点の
最小直径 推奨寸法
d6 a) d3 b) h3 c) X d) Y e)
R20,LR20 18.0 9.5 1.5 9.611.0 0.51.4
R14,LR14 13.0 7.5 1.5 7.6 9.0 0.51.4
R6,LR6 7.0 5.5 1.0 5.6 6.8 0.40.9
R03,LR03 4.3 3.8 0.8 3.9 4.2 0.40.7
R1,LR1 5.0 4.0 0.5 4.1 4.9 0.10.4
注a) 6 : 電池負極端子接触平面の最小直径(JIS C 8515参照)。
b) 3 : 電池正極端子の規定する突出高さ内の最大直径(JIS C 8515参照)。
c) 3 : ピップを除く電池正極端子の突出平面部から次高部までの最小高さ(JIS C 8515参照)。
d) : 電池正極端子と接触する電池室正極接点用に設けた絶縁体の穴径。d3よりも大きくし,d6よりも小さく
する。
e) : 電池正極端子と接触する電池室正極接点用に設けた絶縁体のへこみ穴の深さ。h3よりも小さくする。
a) 正常装 b) 逆装
注記 電池室の正極接点は,絶縁体に囲まれ,へこんでいる。
図B.6−電池室正極接点の設計例
B.4 電池ショート防止策
B.4.1 電池外装破損によるショート防止策
アルカリマンガン乾電池の場合,鉄ケースは,絶縁外装で被覆[B.2.1 c)参照]されているが,正極端子
と同様に正極電位をもつ。機器内での絶縁外装の破損,回路を構成する導電材による外装ラベルの貫通な
どによって,図B.7に示すようにショート回路ができるおそれがある(このような破損は,振動,落下な
――――― [JIS C 8514 pdf 21] ―――――
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ど機器が異常使用された場合に起こりやすい。)。
注記1 外部ショートによる潜在的危険源は,B.1.4に示す。
図B.7−スイッチが絶縁外装を破損させたショート回路例
注記2 図B.7に示す例は,通常,アルカリマンガン乾電池に共通する事例であるが,マンガン電池
にも起こることがある(B.2.1参照)。
この防止策として,図B.8に示す絶縁材を設置すると,スイッチによる電池外装の破損を防止できる。
図B.8−ショート回路防止の代表例
接点を固定するためのびょう及びねじを含め,機器部品及び機器回路のいずれもが,電池ケース及び電
池外装に接触しないようにするのが最も重要である。
B.4.2 スパイラルスプリング接点によるショート防止策
図B.9に示すように,先に電池の正極側から装すると,電池室の負極のスパイラルスプリング接点が
変形し,図B.10に示すような絶縁外装の破損又は穴あけのおそれがある。
図B.9−スパイラルスプリング接点への電池装例
図B.10−変形したスパイラルスプリング接点
――――― [JIS C 8514 pdf 22] ―――――
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図B.10に示すような障害に対する防止策として,図B.11に示すように絶縁性ガイドを設け,正しい極
性方向で,電池の負極端子側を先に装させ,スパイラルスプリング接点を均等に押さえることができる
電池室の設計が望ましい(図B.11に示す例では,電池端子の正極側を先に装できない。)。
図B.11−保護装の一例
電池に直接接触するスパイラルスプリング接点の先端は,ら(螺)旋の中心に向けて折り曲げ,電池外
装に当たらないようにするのがよい。
スパイラルスプリング接点は,表B.2に規定する線径を満足するのがよい。また,電池室スパイラルス
プリング接点は,常に電池と良好な電気的接触を維持できる接触圧であることが望ましい。ただし,この
接触圧は,容易な電池の装及び取外しを妨げない程度にするのがよい。接触圧が強すぎると,電池室ス
パイラルスプリング接点の接触圧は,電池の絶縁外装を破損させ,また,接点を変形させることがあり,
外部ショート,漏液などの原因となる。
スパイラルスプリング接点の推奨線径を,表B.2に示す。スパイラルスプリング接点は,円筒形電池の
負極端子に用途を限定するのがよい(使用者が電池の向きを間違えることを防止できる。)。
表B.2−最小の線径
単位 mm
形式 最小の線径
R20P,R20S LR20 0.8
R14P,R14S LR14 0.8
R6P,R6S LR6 0.4
R03 LR03 0.4
R1 LR1 0.4
B.5 電池のへこみ負極端子
JIS C 8515は,電池負極端子から電池外装までの最大へこみを規定している。多くのR20,LR20,R14
及びLR14の形式電池は,逆装されたときに電気的接続ができないように,負極端子を電池外装よりへ
こんだ位置にする,又は負極端子面上に絶縁樹脂突起を設けている。
注記 電池負極端子の形状及び寸法については,電池室の負極接点の設計早期段階で配慮することが
必須である。一般的に使用される3種類の接点に関する注意事項は,次による。
a) スパイラルスプリングを電池室の負極接点に用いる場合,電池との接触面であるスパイラ
ルスプリングの先端巻部直径は,電池負極端子接触平面の外径(寸法“d6”)よりも小さい
のがよい。
b) 切断した金属板を電池室負極の弾性フラット接点に用いる場合[図B.12 b)参照],表B.3
――――― [JIS C 8514 pdf 23] ―――――
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に規定する寸法“h4”及び“d6”が機能するように配慮するのが重要である。図B.12 b)に
示すように,突起又はピップを設けるのがよい。突起又はピップの高さは,電池負極端子
のへこみ(寸法“h4”)に十分対応できるようにする。これを無視すると,電池との接触不
具合を起こすことがある。
c) 弾性のない平板を電池室の負極接点に用いる場合,電池との接触を確実にするために1個
以上のピップ又は突起を設けるのがよい。突起又はピップの高さは,電池負極端子のへこ
み(寸法“h4”)に十分対応できるようにするとともに,電池端子接触部範囲(寸法“d6”)
に位置するようにする。
図B.12−負極接点の例
表B.3−電池の負極端子寸法
単位 mm
形式 電池負極端子の外装部からの最大へこみ電池負極端子接触平面の最小直径
h4 a) d6 a)
R20, LR20 1.0 18.0
R14, LR14 0.9 13.0
R6, LR6 0.5 7.0
R03, LR03 0.5 4.3
R1, LR1 0.2 5.0
注a) IS C 8515参照。
電池室は,ある特定の電池製造業者の電池寸法に合わせて設計しないほうがよい。ほかの製
造業者の電池と交換するときに問題となることがある。電池寸法,特に,正極端子及び負極端
子の詳細は,JIS C 8515の6.1の“キャップ(フラット)ベース端子電池の形状”及び関連事
項を参照する。
B.6 防水構造及び耐圧構造の機器
電池内部で発生する水素ガスは,再結合反応によって消費又は外部へ放出することが非常に重要である。
スイッチの火花などによって,滞留している水素及び/又は空気混合ガスに着火し,機器が破裂するおそ
れがある。防水構造及び耐圧構造の機器の設計時には,電池製造業者からのアドバイスを得るのが望まし
い。
――――― [JIS C 8514 pdf 24] ―――――
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C 8514 : 2018
B.7 その他設計上の注意事項
その他設計上の注意事項は,次による。
a) 電池室内の電気回路は,電池端子だけと接触する構造にするのがよい。電池室は,電気回路とは絶縁
し,また,漏液による損傷・人身事故などのリスクをできる限り避けるように配列するのが望ましい。
b) 電源(例えば,交流電源,追加電池など)を切り替えて動作するように設計されている機器は多いが,
これらは,特に,メモリバックアップ用途の一次電池に影響を与えることがあるため,機器回路では,
次のいずれかに配慮して設計するのが望ましい。
1) 一次電池への充電を防止する。
2) 例えば,ダイオードなどの保護素子を回路に追加し,機器側から一次電池に流れる漏れ電流を,電
池製造業者の推奨値を超えないようにする。
保護素子は,一次電池の種類・電池系に適するように選択できるのがよい。また,回路部品の不具
合に左右されないものが望ましい。機器設計者は,電池製造業者から一次電池のメモリバックアップ
用保護素子に関するアドバイスを得ることが望ましい。
これらの注意事項が十分に反映されないと,電池寿命を縮め,漏液,破裂などのおそれがある。
c) 電池室の正極接点及び負極接点は,電池装時の誤認を防止するため,外観上明らかに異なる形状が
望ましい。
d) 電池室の接点材料は,できる限り電気抵抗が小さく,電池端子との接触が良好なものを選択する。
e) 電池室は,非導電性,耐熱性及び難燃性に優れ,また,熱放射性に富むことが望ましい。電池室は,
電池を装したときに変形しないことが望ましい。
f) 空気を作用物質とする“A”系電池又は“P”系電池を電源とする機器では,適切な通気に配慮する必
要がある。“A”系電池の場合には,通常,直立で使用するのが望ましい。
g) 1個又は複数の電池を逆装しても安全なことが証明されている場合を除いて,並列接続配列の電池
室は許容されない。
h) 電池電位が転極する可能性があるため,図B.13に示すような複数出力をもつ電池の直列接続は,好ま
しくない。
例 図B.13に示すR1を負荷とする放電途中の電池2個は,回路スイッチがR3接続回路に切り替
わると,ほかの4個の電池によって強制的に放電されるおそれがある。
図B.13−直列接続の複数出力例
この強制的な放電(転極)によって,次のような潜在的危険源が生じる。
1) 強制的に放電された電池からのガス発生
2) 弁作動
3) 漏液
注記 電池の電解液は,身体的傷害を引き起こすことがある。
――――― [JIS C 8514 pdf 25] ―――――
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JIS C 8514:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60086-5:2016(MOD)
JIS C 8514:2018の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 8514:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-2-27:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
- JISC60068-2-31:2013
- 環境試験方法―電気・電子―第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:Ec)
- JISC60068-2-6:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
- JISC8500:2017
- 一次電池通則
- JISC8515:2017
- 一次電池個別製品仕様