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上記の略号の意味は,次による。
− N1は,組電池中の直列接続した単電池の数を示す。
− A1は,I,L,T又はXによって負極に用いた化学系を示す。略号A1の意味は,次による。
Iは,炭素。
Lは,リチウム金属又はリチウム合金。
Tは,チタン。
Xは,その他。
− A2は,C,F,Fp,N,M,Mp,T,V又はXによって正極に用いた化学系を示す。略号A2の意味は,
次による。
Cは,コバルト。
Fは,鉄。
Fpは,リン酸鉄。
Nは,ニッケル。
Mは,マンガン。
Mpは,リン酸マンガン。
Tは,チタン。
Vは,バナジウム。
Xは,その他。
− A3は,R又はPによって単電池の形状を示す。略号A3の意味は,次による。
Rは,円筒形。
Pは,角形。
− N2は,最大直径(Rの場合)又は最大厚さ(Pの場合)をミリメートル(mm)単位に繰り上げた整数。
− N3は,最大幅(Pの場合)をミリメートル(mm)単位に繰り上げた整数(Rの場合,N3は省略する。)。
− N4は,最大総高をミリメートル(mm)単位に繰り上げた整数。
N2N4の寸法が1 mm未満の場合,用いる単位は10分の1ミリメートルとし,1桁の数字Nの前
に“t”を付けて“tN”と表してもよい。
− N5は,2個以上並列接続した単電池の数を示す(1個の場合は省略する。)。
例1 ICR19/66(コバルトを主に用いた正極をもつ円筒形リチウムイオン二次単電池であり,最大直
径が18 mmを超えて19 mm以下で,最大総高が65 mmを超えて66 mm以下であることを示す。)
例2 ICP9/35/150(コバルトを主に用いた正極をもつ角形リチウムイオン二次単電池であり,最大厚
さが8 mmを超えて9 mm以下で,最大幅が34 mmを超えて35 mm以下で,最大総高が149 mm
を超えて150 mm以下であることを示す。)
例3 ICPt9/35/48(コバルトを主に用いた正極をもつ角形リチウムイオン二次単電池であり,最大厚
さが0.8 mmを超えて0.9 mm以下で,最大幅が34 mmを超えて35 mm以下で,最大総高が47 mm
を超えて48 mm以下であることを示す。)
例4 1ICR20/70(コバルトを主に用いた正極をもち,最大直径が19 mmを超えて20 mm以下,最大
総高が69 mmを超えて70 mm以下の円筒形リチウムイオン二次単電池1個で構成する組電池
であることを示す。)
例5 2ICP20/34/70(コバルトを主に用いた正極をもち,最大厚さが19 mmを超えて20 mm以下,最
――――― [JIS C 8711 pdf 6] ―――――
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大幅が33 mmを超えて34 mm以下,最大総高が69 mmを超えて70 mm以下の角形リチウムイ
オン二次単電池を2個の直列接続によって構成する組電池であることを示す。)
例6 1ICP20/68/70-2(コバルトを主に用いた正極をもち,最大厚さが19 mmを超えて20 mm以下,
最大幅が67 mmを超えて68 mm以下,最大総高が69 mmを超えて70 mm以下の角形リチウム
イオン二次単電池を2個の並列接続によって構成する組電池であることを示す。)
例7 例えば,ICR19/66及びICP9/35/150のような異なる呼び方の単電池を一つの容器に1並列接続
によって構成する場合は,1(ICR19/66)-1(ICP9/35/150)と容器に示す。
5.2 表示
リチウム二次電池には,容易に消えない方法で,次の情報を表示する。
製造業者は仕様書,取扱説明書又は類似の文書などで次の情報を提供しなければならない。最終消費者
が取り扱う組電池には,次の情報を表示しなればならない。
− 名称
例1 リチウム二次
例2 リチウムイオン二次
例3 充電式リチウム
例4 リチウムイオン
例5 Li-ion
− 5.1に規定する組電池又は単電池の呼び方
− 極性
− 製造年月日(コード化してもよい。)
− 製造業者若しくは供給業者の名称又はこれらの略称,記号など。
− 定格容量
− 公称電圧
− 小さな子供等が電池を誤って飲み込むおそれがある場合はその旨の警告文
注記 JIS C 8513又はIEC 60086-4に参考にできる情報が記載されている。
組電池の表面が全ての情報を表示するのに十分な面積がない場合,その情報を,仕様書,取扱説明書又
は包装容器に表示しなければならない。
誤接続できない専用設計の場合は,極性を表示する必要はない。
組電池が特定のポータブル機器(以下,機器という。)の最終製品内に組み込まれる設計の場合,5.1に
規定する表示の代わりに型式コード又は電池名を用いることができる。
単電池の製造業者と組電池又は機器の製造業者との間で合意がある場合,組電池に組み込む単電池には
表示する必要はない。
機器に組み込まれた組電池を最終消費者が取り替えることができない設計の場合,この箇条が要求する
表示は省略してもよい。
5.3 電池の設計及び生産要求
リチウム二次電池の安全な使用を確実にするために,単電池の製造業者はリチウム二次電池を設計及び
生産する機器の製造業者にJIS C 8712の附属書A(安全に使用するためのリチウム二次電池の充電域)の
要求事項を提供しなければならない。
――――― [JIS C 8711 pdf 7] ―――――
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6 単電池の例
ポータブル機器用リチウム二次単電池の仕様例を,表1に示す。また,組電池に用いる標準的なポータ
ブル機器用リチウム二次単電池の化学系の例を,表2に示す。
表1−ポータブル機器用リチウム二次単電池の仕様例
項目 円筒形 角形(金属容器) 角形(ラミネート
フィルム容器)
単電池の呼び方 ICR19/66 ICP5/34/50 ICP7/34/50
総高 (mm) 64.065.2 49.049.6 49.250.0
直径 (mm) 17.818.5 − −
幅 (mm) − 33.634.0 33.234.0
厚さ (mm) − 4.14.6 6.27.0
公称電圧 (V) 3.7 3.7 3.7
放電終止電圧 (V) 2.50 2.50 2.50
放電終止電圧 (V) 2.75 2.75 2.75
(サイクル試験)
注記 ラミネートフィルム容器単電池の寸法を測定する方法は附属書Aを参照。
表2−ポータブル機器用リチウム二次単電池の化学系の例
単電池の種類 正極 電解液 負極 電池容器 公称電圧
リチウムイオン リチウム金属(Co,リチウム塩含有 炭素材 金属 3.63.9
単電池 Ni,Mn)酸化物 の非水溶媒 ラミネートフィルム
スズ化合物 金属 3.33.6
チタン酸化物 金属 2.22.5
ラミネートフィルム
リチウムリン酸鉄 炭素材 金属 3.2
ラミネートフィルム
リチウムイオン リチウム金属(Co,リチウム塩含有 炭素材 ラミネートフィルム 3.63.8
ポリマー単電池 Ni,Mn)酸化物 のゲルポリマー
注記 リチウムイオン電池は,二次電池である。電極は,リチウム金属が充放電に直接関与しない材料が選ばれる。
表中にリチウムイオン単電池の典型例を示す。
7 電気的試験及び要求特性
7.1 一般事項
電気的試験に用いる試料は,製造年月日を起点に,60日以内のものを用いる。
注記 一般的にリチウムイオン電池は,徐々に容量低下する(附属書B参照)。
電気的試験は,7.27.8による。試験の充電及び放電の電流は,定格容量の値による。これらの電流は,
It Aの倍数で表す。ここで,It Aは次の式とする。
C5 Ah
It A
1h
それぞれの電気的試験の試料数及び試験順序は,図1による。また,リチウム二次電池の要求事項(下
限値)は,表3による。
――――― [JIS C 8711 pdf 8] ―――――
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単電池の電気的試験 組電池の電気的試験
n=25 n=15
20 ℃における放電性能(定格容量) 20 ℃における放電性能(定格容量)
7.3.1 n=25 7.3.1 n=3
−20 ℃における放電性能 −20 ℃における放電性能
7.3.2 n=5 7.3.2 n=3(7.3.1と同じ試料)
20 ℃における高率放電性能 20 ℃における高率放電性能
7.3.3 n=5 7.3.3 n=3(7.3.2と同じ試料)
充電(容量)の保持率及び回復率 充電(容量)の保持率及び回復率
7.4 n=5 7.4 n=3
長期保存後の容量回復 長期保存後の容量回復
7.5 n=5 7.5 n=3
サイクル寿命 7.6.2 n=5 サイクル寿命 7.6.2 n=3
又は 又は
サイクル寿命(加速) 7.6.3 n=5 サイクル寿命(加速) 7.6.3 n=3
内部抵抗
試験終了 7.7 n=3
静電気放電
7.8 n=3(7.7と同じ試料)
試験終了
a) 単電池 b) 組電池
注記 n : 試料数
図1−試料数及び試験順序
――――― [JIS C 8711 pdf 9] ―――――
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表3−リチウム二次電池の要求事項(下限値)
特性 要求事項−単電池 要求事項−組電池 適用箇条
20±5 ℃における放電性能 定格容量の100 % 定格容量の100 % 7.3.1
(定格容量)
−20±2 ℃における放電性能 定格容量の30 % 定格容量の30 % 7.3.2
20±5 ℃における高率放電性能 定格容量の70 % 定格容量の60 % 7.3.3
充電(容量)の保持率 定格容量の70 % 定格容量の60 % 7.4
充電(容量)の回復率 定格容量の85 % 定格容量の85 % 7.4
長期保存後の容量回復 定格容量の50 % 定格容量の50 % 7.5
サイクル寿命 400サイクル 300サイクル 7.6.2
サイクル寿命(加速) 定格容量の60 % 定格容量の60 % 7.6.3
静電気放電 − 使用可能 7.8
7.2 試験を行うための充電手順
充電の前に,リチウム二次電池を20±5 ℃で0.2It Aの定電流で放電終止電圧まで放電する。特に規定が
ない場合,リチウム二次電池の充電は,周囲温度20±5 ℃で製造業者が指定する方法で行う。
7.3 放電性能試験
7.3.1 20 ℃における放電性能(定格容量)
この試験は,リチウム二次電池の定格容量を検証する。
第1段階 : リチウム二次電池を,7.2によって充電する。
第2段階 : リチウム二次電池を,周囲温度20±5 ℃に14時間静置する。
第3段階 : リチウム二次電池を,周囲温度20±5 ℃で,電池電圧が放電終止電圧になるまで0.2It Aの
定電流で放電し,容量を測定する。
第4段階 : 第3段階で測定した容量(Ah)は,製造業者が指定する定格容量以上でなければならない。
この要求事項を満たすことができなかった場合,第1段階から第4段階までの手順を,更に
最高4回まで繰り返すことができる。
7.3.2 −20 ℃における放電性能
この試験は,低温におけるリチウム二次電池の容量を求める。
第1段階 : リチウム二次電池を,7.2によって充電する。
第2段階 : リチウム二次電池を,周囲温度−20±2 ℃に1624時間静置する。
第3段階 : リチウム二次電池を,周囲温度−20±2 ℃で,電池電圧が放電終止電圧になるまで0.2It A
の定電流で放電し,容量を測定する。
第4段階 : 第3段階で測定した容量(Ah)は,表3に規定する容量以上でなければならない。
7.3.3 20 ℃における高率放電性能
この試験は,高率放電した場合のリチウム二次電池の容量を求める。
なお,リチウム二次電池を高率放電での使用に設計していない場合は,この試験を行う必要はない。
第1段階 : リチウム二次電池を,7.2によって充電する。
第2段階 : リチウム二次電池を,周囲温度20±5 ℃に14時間静置する。
第3段階 : リチウム二次電池を,周囲温度20±5 ℃で,電池電圧が放電終止電圧になるまで1.0It Aの
定電流で放電し,容量を測定する。
第4段階 : 第3段階で測定した容量(Ah)は,表3に規定する容量以上でなければならない。
――――― [JIS C 8711 pdf 10] ―――――
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JIS C 8711:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61960-3:2017(MOD)
JIS C 8711:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.220 : 電池及び蓄電池 > 29.220.99 : その他の電池及び蓄電池
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- 規格番号
- 規格名称
- JISC61000-4-2:2012
- 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
- JISC8712:2015
- ポータブル機器用二次電池(密閉型小型二次電池)の安全性
- JISC8713:2006
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