JIS C 8714:2007 携帯電子機器用リチウムイオン蓄電池の単電池及び組電池の安全性試験 | ページ 3

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1) 正極活物質部−負極活物質部間[図A.3 a) に対応]
1.1) 最外周の正極活物質部とセパレータとの間又は負極活物質部とセパレータとの間にニッケル小片
を配置する。電池外装がアルミ缶の場合には,正極活物質とセパレータとの間に,ニッケル小片
を配置する。
1.2) ニッケル小片の向きは角が巻込み方向で,ニッケル小片の位置はへん(扁)平巻回の平面部の中
心(対角線の交点)とする。
2) 正極アルミはく部−負極活物質部間[図A.3 b) に対応]
最外周に露出したアルミはくと負極活物質部の対向面が存在する場合に実施し,次による。
2.1) 最外周に露出したアルミはくと負極活物質部の対向面が存在する場合には,露出したアルミはく
とセパレータとの間にニッケル小片を配置する。
2.2) ニッケル小片の向きは角が巻込み方向で,ニッケル小片の位置はへん(扁)平巻回の平面部の中
心(幅方向の中心部)で露出したアルミはくと負極活物質部との間にニッケル小片を配置する。
a) 正極活物質部−負極活物質部間 b) 正極アルミはく部−負極活物質部間
図A.3−角形電池のニッケル小片の配置場所
A.3.4 巻き戻し
ニッケル小片の配置後の電極体の巻き戻し手順を,次に示す。
なお,この巻き戻しは,解体前の配置関係に戻すために行う。
a) 円筒形電池
1) ニッケル小片部分と対向するセパレータと負極との間に作業中の不意な短絡を防ぐために絶縁フ
ィルムを挟む。
2) 巻き解いた電極をすべて巻き直し,テープで固定する。
3) 最外周のニッケル小片挿入位置のセパレータ上にマーキングする。
b) 角形電池
1) 巻き解いた電極をすべて巻き直し,テープで固定する。
2) ニッケル小片位置のセパレータ上にマーキングする。
3) マーキングした箇所にポリイミドテープ(テープ基材厚み25 μm,テープ幅10 mm相当)を2枚
重ねてはる。
A.3.5 電極体の封入
電解液の乾燥を防ぐために,チャック付きポリエチレン製袋に電極体を入れる。さらに,チャック付き

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ポリエチレン製袋を密閉式のアルミラミネートパックに入れる。A.3.1からA.3.5までの工程は30分以内
に行う。
A.4 加圧の手順
予備恒温槽において試験温度に安定させた後,加圧装置を内部設置した試験用恒温槽の中で加圧する。
具体的には次による。
A.4.1 予備恒温槽での温度調整
表A.1に規定した温度に設定した予備加熱用恒温槽に,密閉式のアルミラミネートパックに入れた電極
体を投入し,45±15分間放置する。
A.4.2 試験用恒温槽への設置
A.4.2.1 密閉式のアルミラミネートパックから電極体を取り出し,表A.1に規定する温度に設定した試験
用恒温槽内で電圧測定端子・熱電対の端子を取り付け,マーキング位置に加圧ジグの中央が当たるように,
電極体を加圧装置に設置する。この作業は,電解液の蒸発を防ぐため,2分以内とする。
A.4.2.2 短絡防止の絶縁フィルムを引き抜き,恒温槽を閉じる。
A.4.3 強制内部短絡
A.4.3.1 電極体の温度が表A.1で規定する温度の範囲内に入ったことを確認し,試験を開始する。
A.4.3.2 図A.4に規定する加圧ジグ(幅10 mm×10 mmのステンレス角柱に2 mm厚のニトリルゴム,角
形用には先端に大きさ : 5×5 mm,厚み : 2 mm厚のアクリル板を追加した加圧ジグ)を用い,0.1 mm/秒
の速度で加圧ジグを下降させる。
単位 mm
a) 円筒形電池の加圧ジグ b) 角形電池の加圧ジグ
図A.4−加圧ジグの形状
A.4.4 加圧停止
単電池電極体の電圧を随時測定(電圧測定間隔は100ポイント/秒以上)し,短絡(初期電圧から50 mV
以上の降下を検出した場合を短絡とする)するまで加圧する。短絡が認められた時点で加圧ジグの下降を
停止し,30秒後に加圧を開放する。短絡が認められない場合の加圧力の上限は,円筒形の場合は800 N,
角形の場合は400 Nとし,各々の加圧力に達した時点で,加圧を開放する。
A.5 判定の手順
短絡時の加圧力を記録し,発火がないことを確認する。

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附属書B
(規定)
新しい充電条件及びモデル採用を決定する場合の手順

序文

  この附属書は,本体に関連する事柄を補足するものである。標準温度域の上限充電電圧を決定する場合,
標準温度域の上限試験温度又は下限試験温度を決定する場合又は表2の条件を適用するモデル採用を決定
する場合の手順を規定している。
B.1 新たな上限充電電圧(以下,新上限充電電圧という。)を決定する場合
a) 新上限充電電圧決定の考え方は,次による。
− 正極材料が,コバルト酸リチウム以外の材料又は単電池の正負極容量比の変更等の設計要素によっ
て,表2に掲げる上限充電電圧と異なる値に変更する場合がある。
− 新上限充電電圧を決定する場合は,電圧変更に対する根拠資料を取得した上で,当該値を上限充電
電圧とする。電圧変更に対する根拠資料は少なくとも次の資料を取得し,保管する。
b) 表2に掲げる上限充電電圧を超えた電圧を決定する場合は,次による。
1) 材料に関する根拠 新上限充電電圧での正極材料の構造安定性,負極材料のリチウム受入性,電解
液の構造安定性等の材料特性が,正極材料にコバルト酸リチウムを用いた単電池を表2に掲げる上
限充電電圧で充電した状態の材料特性と比較し,同等以上の安全性を有していることを示す実験結
果。
2) 単電池に関する根拠 新上限充電電圧を決定する単電池に,5.25.5による単電池の試験を高温度
域の上限で実施し,それぞれに掲げる要求事項に適合することを確認する。高温度域の上限での試
験充電電圧,試験充電電流は電池製造業者が定める。さらに,上限試験温度(新たな上限試験温度
を決定する場合は,当該温度とする。以下,この項において同じ。)に5 ℃加えた温度及び,下限試
験温度(新たな下限試験温度を決定する場合は,当該温度とする。以下,この項において同じ。)に
−5 ℃加えた温度において,新上限充電電圧を5.1の充電条件に適用し,上限試験温度に5 ℃及び,
下限試験温度に−5 ℃加えた試験温度で,5.25.5に掲げる単電池の試験結果が,それぞれに掲げる
要求事項に適合することを確認する。
c) 表2に掲げる上限充電電圧未満の電圧を決定する場合,新上限充電電圧を決定する単電池に,5.25.5
による単電池の試験を高温度域の上限で実施し,それぞれに掲げる要求事項に適合することを確認す
る。高温度域の上限での試験充電電圧,試験充電電流は電池製造業者が定める。さらに,上限試験温
度(新たな上限試験温度を決定する場合は,当該温度とする。以下この項において同じ。)に5 ℃加え
た温度及び,下限試験温度(新たな下限試験温度を決定する場合は,当該温度とする。以下この項にお
いて同じ。)に−5 ℃加えた温度において,新上限充電電圧を5.1の充電条件に適用し,上限試験温度
に5 ℃及び,下限試験温度に−5 ℃加えた試験温度で,5.25.5に掲げる単電池の試験結果が,それぞ
れに掲げる要求事項に適合することを確認する。
B.2 新たな上限試験温度又は新たな下限試験温度(以下,新上限試験温度又は新下限試験温度という。)
を決定する場合

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a) 新上限試験温度又は新下限試験温度の決定の考え方は,次による。
− 単電池の電解液等の電池構成要素の熱的安定性要素によって,表2に掲げる上限試験温度又は下限
試験温度と異なる試験温度に変更する場合がある。
− 新上限試験温度又は新下限試験温度を適用する場合は,新たな試験温度で温度変更に対する根拠資
料を取得した上で,当該値を上限試験温度又は下限試験温度とする。新たな試験温度に対する根拠
資料は少なくとも次の資料を取得し,保管する。
ただし,新上限試験温度より高い試験温度又は新下限試験温度より低い試験温度で,5.25.5に
掲げる単電池の試験結果がある場合には,この箇条の同じ上限充電電圧を用いた,新上限試験温度
又は新下限試験温度での5.25.5に掲げる単電池の試験を省略することができる。
b) 表2に掲げる上限試験温度を超える新上限試験温度を決定する場合
1) 正極材料の構造安定性や電解液の構造安定性等の材料特性が,新上限試験温度で充電した状態で安
全であることを示す実験結果。
2) 新上限試験温度に5 ℃加えた温度を5.1の充電条件に適用し,新上限試験温度に5 ℃加えた試験温
度で,5.25.5に掲げる単電池の試験結果が,それぞれに掲げる要求事項に適合することを確認す
る。
c) 表2に掲げる下限試験温度未満の新下限試験温度を決定する場合
1) 温度に対する負極材料のリチウムイオン受入性や,電解液のリチウムイオン移動度などに基づく安
全性が,新下限試験温度で充電した状態で安全であることを示す実験結果。
2) 新下限試験温度に−5 ℃加えた温度を5.1の充電条件に適用し,新下限試験温度に−5 ℃加えた試
験温度で,5.25.5に掲げる単電池の試験結果が,それぞれに掲げる要求事項に適合することを確
認する。
B.3 表2に掲げる上限充電電圧,上限試験温度及び下限試験温度を適用するモデル採用を決定する場合
a) モデル採用の決定の考え方は,次による。
− 表2に掲げる上限充電電圧,上限試験温度及び下限試験温度は,現在主流である正極材料にコバル
ト酸リチウム及び負極材料に炭素を用いたモデルに基づき定めたものである。
− 単電池の性能特性の変更のため,表2に掲げる上限充電電圧,上限試験温度及び下限試験温度のま
まで,電池の材料構成を変更したモデルを採用する場合がある。
− 変更したモデルに対する根拠資料は少なくとも次の資料を取得し,保管する。ただし,材料構成が
同じモデルは,根拠資料を共通に使用することができる。
b) 表2に掲げる上限充電電圧,上限試験温度及び下限試験温度を適用するモデル採用を決定する場合
1) 材料に関する根拠 正極材料の構造安定性,負極材料のリチウム受入性,電解液の構造安定性の一
つ又は組合せの材料特性が,正極材料にコバルト酸リチウムを用いた単電池を表2に掲げる上限充
電電圧で充電した状態の材料特性と比較し,同等以上の安全性を有していることを示す実験結果。
2) 単電池に関する根拠 上限試験温度に5 ℃加えた温度及び,下限試験温度に−5 ℃加えた温度にお
いて,5.1の充電条件を適用し,上限試験温度に5 ℃及び,下限試験温度に−5 ℃加えた試験温度で,
5.25.5に掲げる単電池の試験結果が,それぞれに掲げる要求事項に適合することを確認する。
ただし,上限試験温度より高い試験温度又は下限試験温度より低い試験温度で,5.25.5に掲げ
る単電池の試験結果がある場合には,同じ上限充電電圧を用いた,上限試験温度又は下限試験温度
での5.25.5に掲げる単電池の試験を省略することができる。

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附属書C
(参考)
参考文献

序文

  この附属書は,参考文献について記載するもので,規定の一部ではない。
JIS C 8711 ポータブル機器用リチウム二次電池
JIS C 8712 密閉形小形二次電池の安全性
JIS C 8713 密閉形小形二次電池の機械的試験
JIS H 4551 ニッケル及びニッケル合金板及び条
IEC 61434 Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes-Guide to designation
of current in alkaline secondary cell and battery standards

JIS C 8714:2007の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 8714:2007の関連規格と引用規格一覧