JIS C 8953:2006 結晶系太陽電池アレイ出力のオンサイト測定方法 | ページ 2

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C 8953 : 2006
図1のa) l)についての具体的な内容は,次による。
a) 被測定アレイの中で,あらかじめアレイ全体を網羅するように選択された,被測定アレイの裏面温度
を代表する複数個のモジュールの裏面の中心温度を計測する。選択の例は,図2による。
図2 温度計測モジュールの選定方法の例
b) )で計測したモジュール裏面の中心温度の平均値を“TSA”とする。
c) 基準モジュールの開放電圧“VOC1”を計測し,その接合部温度“TJRO”を,式(1)によって算出する。
VOC 1−k VOC, STC
TJRO= +25 (1)
ここに, TJRO : 基準モジュールの接合部温度(℃)
VOC1 : 基準モジュールの開放電圧(V)
VOC,STC : 標準試験状態における開放電圧(V)
β : 基準モジュールの出力電圧の温度係数(V・℃−1)
k : 基準状態の日射強度と測定状態での日射強度との差を
考慮した係数
測定状態での日射強度が1 000W・m−2の場合k = 1.000
測定状態での日射強度が900 W・m−2の場合k = 0.996
測定状態での日射強度が800 W・m−2の場合k = 0.989
測定状態での日射強度が700 W・m−2の場合k = 0.983
なお,日射強度が式(1)の値以外の場合は,その値の間近の大小二つの係数から直線近似によって求
めてよい。
d) 基準モジュールの裏面中心温度“TSR”を計測する。

――――― [JIS C 8953 pdf 6] ―――――

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e) 被測定アレイの接合部温度“TO”を,式(2)によって算出する。
TO= TSA+TJRO−TSR (2)
ここに, TO : 被測定アレイの接合部温度(℃)
TSA : 計測したモジュール裏面の中心温度の平均値(℃)
TSR : 基準モジュールの裏面中心温度(℃)
備考 b) d)の測定値は,1分間以内のデータを用いる。
f) 蓄電池及びパワーコンディショナに近いところで,可変負荷を被測定アレイに接続する。
g) 全走査が1分間以上の場合は,I−V特性曲線をとる直前の基準モジュールの開放電圧“VOC”を計測
する。
h) 負荷を変えながら短絡状態から開放状態までI−V特性曲線を走査する。全走査の間における日射強
度の変化は10 %以内でなければならない。全走査が1分間以上の場合は,走査の各ステップごとに基
準モジュールの短絡電流を計測することが望ましい。その他の測定条件は,JIS C 8914による。
i) 基準モジュールの開放電圧“VOC”を計測する。この値がc)で計測した値と比較して2 %以上異なる
場合は,もう一度c)から計測する。
j) 受渡試験条件における被測定アレイの接合部温度を,式(3)によって算出する。
T1= TO+(TJR1−TJRO) (3)
ここに, T1 : 受渡試験条件における被測定アレイの接合部温度
TJR1 : 受渡試験条件における基準モジュールの接合部温度
k) )までの方法によらず,セル接合部温度を受渡試験条件とすることもできる。
l) 校正値が既知で,基準モジュールの温度の計測値が標準温度と異なる場合の標準試験条件又はほかの
任意の温度及び日射強度へのI−V特性曲線の補正は,式(4)によって行う。ただし,日射強度が測定
時の±30 %の範囲に関して適用する。
ISRO
I2=I1+ISC −1 + (T2−T1)
IMR3+ R (TRO−T3 ) (4)
(T2−T1)
V2=V1−RS (I2−I1 )−KI2 (T2−T1 )+
ここに, I1,V1 : 測定した電流及び電圧の値
I2,V2 : 校正した電流及び電圧の値
ISC : 被測定アレイの短絡電流(測定値)
ISRO : 標準状態又は他の適切な状態の日射強度で,かつ,
標準温度TROの基準モジュールの短絡電流
IMR3 : 測定温度T3における基準モジュールの短絡電流の計
測値
αR : 標準状態又は他の適切な状態の日射強度で,かつ,
適用温度範囲内における基準モジュールの電流温度
係数
α : 放射照度1 000 W・m−2での被測定アレイ温度が1 ℃
変動したときの短絡電流ISCの変動値(A・℃−1)
β : 放射照度1 000 W・m−2での被測定アレイ温度が1 ℃
変動したときの開放電圧VOCの変動値(V・℃−1)
RS : 直列抵抗(Ω)
K : 曲線補正因子(Ω・℃−1)
TRO : 校正値が既知の基準モジュールの標準温度
T1 : 被測定アレイ温度(計測値)
T2 : 標準温度又は他の適切な温度
T3 : 基準モジュールの計測温度

――――― [JIS C 8953 pdf 7] ―――――

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6.2 気温計測法

 気温を計測してI−V特性を測定する方法の手順の流れを,図3に示す。
図 3 気温計測法の手順
図3のa) i)についての具体的な内容は,次による。
a) 被測定アレイの開放電圧“VOC”,気温“TA”及び基準モジュールによる日射強度“G”を,一日中(又
は数日),日射強度の低いレベル(100300 W・m−2)から高いレベルまで統計処理ができる程度に多
く計測する。
b) 次の受渡試験条件における開放電圧“VOC,STC”を,式(5)によって算出する。

――――― [JIS C 8953 pdf 8] ―――――

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1 000
VOC, STC=VOC+NSA ln −B C TA−25) (5)
G+ (
G
ここに, VOC,STC : 被測定アレイの受渡試験条件における開放電圧(V)
VOC : 被測定アレイの開放電圧(V)
NS : 被測定アレイの中で直列に接続されたセルの数
A : 定数(mV)
βC : 被測定アレイを構成するセルの出力電圧の温度係数
(V・℃−1)
B : 電圧の日射強度依存性 (V・W−1・m2)
G : 基準モジュールによる日射強度(W・m−2)
TA : 気温(℃)
c) 定数A,βC,Bは,屋内で実験的手法によるか,又はa)の計測的手法によって決定する。
備考 各々の定数は,統計処理する場合の初期値として次の値を与えることができる。
A = 38 mV(1セル当たり)
B = βC×0.03℃/(W・m−2)
βC= 2.2 mV・℃−1(1セル当たり)
d) 開放電圧“VOC,STC”の平均値“Va”をa)の計測の平均値として算出する。
e) 被測定アレイの開放電圧“VOC”をI−V特性曲線をとる直前に計測する。
f) 6.1 h)と同じ手法によってI−V特性曲線を走査する。
g) 被測定アレイの開放電圧“VOC”を計測し,e)での計測結果と比較して2 %以上の違いがあるときは,
I−V特性曲線の走査をもう一度繰り返す。
h) 被測定アレイの補正後の接合部温度“T1”を,式(6)によって算出する。
Va−VOC 1 000
+B G−A ln
NS G
T1= +25 (6)
C
ここに, Va : VOC,STCの平均値(V)
i) 6.1 l)と同じ手法によってI−V特性曲線を受渡試験条件に補正する。

7. 測定データの補正項目

 受渡試験条件への補正項目は,次による。
a) 短絡電流 ISC(A)
b) 開放電圧 VOC(V)
c) 最大出力 Pm(W)
d) 最大出力動作電圧 Vpm(V)
e) 最大出力動作電流 Ipm(A)
f) 曲線因子 FF
g) アレイ変換効率 η(%)
備考1. 次のa)及びb)を満足する場合は,補正を行わなくてもよい。
a) 被測定アレイの接合部温度が25±2 ℃の範囲にあるとき。
b) 日射強度が(1 000±10) W・m−2の範囲にあるとき。
2. 補正後,受渡試験条件におけるISC及びVOCが得られない場合は,これらのほか,FFは報告
しなくてもよい。

――――― [JIS C 8953 pdf 9] ―――――

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関連規格 JIS C 8906 太陽光発電システム運転特性の測定方法

――――― [JIS C 8953 pdf 10] ―――――

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JIS C 8953:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61829:1995(MOD)

JIS C 8953:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 8953:2006の関連規格と引用規格一覧