JIS D 0111:1992 規格概要
この規格 D0111は、自動車の懸架装置に関する用語について規定。二輪自動車関係の用語は除く。
JISD0111 規格全文情報
- 規格番号
- JIS D0111
- 規格名称
- 自動車懸架装置用語
- 規格名称英語訳
- Glossary of terms relating to suspension of automobiles
- 制定年月日
- 1992年2月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 01.040.43, 43.040.50
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 自動車 I 2020, 自動車 II 2020
- 改訂:履歴
- 1992-02-01 制定日, 2000-11-20 確認日, 2006-01-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS D 0111:1992 PDF [18]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
D 0111-1992
自動車懸架装置用語
Glossary of terms relating to suspension of automobiles
1. 適用範囲 この規格は,自動車の懸架装置に関する用語について規定する。ただし,二輪自動車関係
の用語は除く。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0101 ねじ用語
JIS B 0103 ばね用語
JIS D 0104 自動車の主要装置用語
2. 分類 用語の分類は,次のとおりとする。
(1) 懸架装置一般
(2) 懸架方式及び形式
(a) 懸架方式
(b) ばね形式
(3) 構成部品
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,対応英語及び慣用語を参考として示す。
備考1. 定義欄の末尾の引用規格の番号に,*を付けてあるものは,引用した日本工業規格(日本産業規格)に規定し
ている用語の定義を,更に限定したものである。
2. 用語の下に( )を付けて示してあるものは,読み方である。
3. 慣用語は,今後できるだけ使用しないこととする。
(1) 懸架装置一般
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
1000 懸架装置 suspension system
車体又はフレームと車輪との中間にあり,車 −
(けんがそうち) 体をばねで支え,路面からの振動及び衝撃を
緩和するとともに,車体と車輪との相対位置
を規制し,車輪に作用する力を車体に伝達す
る装置(JIS D 0104*参照)。
1001 車軸懸架装置 左右の車輪が1本の車軸で連結してある懸架 ビームアクスル
rigid axle suspension
装置。 system
1002 独立懸架装置 左右の車輪を1本の車軸で連結しないで,そindependent −
れぞれ独立に運動できる構造の懸架装置。 suspension system
――――― [JIS D 0111 pdf 1] ―――――
2
D 0111-1992
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
1003 平衡懸架装置 equalizing type
特に車体の動きを制御するために,前後又は 関連懸架装置,
左右の懸架機構を関連させた懸架装置。 suspension system 相関懸架装置
(2) 懸架方式及び形式
(a) 懸架方式
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
2101 縦置き板ばね式 左右の車輪を結ぶ車軸に,それぞれ板ばね 平行リーフ式
parallel leaf spring
(3034参照)を前後方向に取り付け懸架する type
方式(付図1参照)。
2102 横置き板ばね式 transversal leaf spring
車軸と平行に板ばねを置き懸架する方式(付 −
図2参照)。 type
2103 オーバスラング式 over slung type
縦置き板ばね式で,板ばねを車軸の上側に取 −
り付ける方式。
2104 アンダスラング式 under slung type
縦置き板ばね式で,板ばねを車軸の下側に取 −
り付ける方式(付図1参照)。
2105 4リンク式(ふぉり four-link type
車軸懸架装置において,4本のリンクを用いて −
んくしき) 車軸の位置決めを行う方式(付図3参照)。
備考 3本のリンクを用いた3リンク式
(すりーりんくしき),5本のリン
クを用いた5リンク式(ふぁいぶり
んくしき)もある。
2106 トルクチューブド 終減速装置をチューブによって前方へ伸ば torque tube drive type −
ライブ式 し,ボールジョイントによって変速装置後端
又は車体に取り付け懸架する方式(付図4参
照)。
備考 推進軸は,このチューブの中を通
る。
2107 タンデムアクスル tandem axle type
路面への圧力,及び車体への反力を軽減し, −
式 又はけん引力を増加するために,車軸を2本
取り付けて懸架する方式(付図5参照)。
備考 この方式は,大型トラック,特別車
などに多く用い,各種の形式(トラ
ニオン式,4スプリング式,ウォー
キングビーム式,ロッカビーム式な
ど)がある。
2108 ド・ディオン式 de Dion type
終減速装置は,車体又はフレームに取り付け −
られ,左右の車輪を結ぶ1本の固定車軸によ
って懸架する方式(付図6参照)。
備考 駆動力は,自在継手付きの駆動軸に
よって車輪へ伝えられる。
2109 ダブルウィッシュ コントロールアーム(3001参照)を上下に2double wishbone type −
ボーン式 本用いて車体を懸架する方式(付図7参照)。
2110 マクファーソン式 MacPherson type
上端で車体を支持したサスペンションストラ ストラット式
ット(3054参照)と,トランスバースリンク
(3010参照)とによって懸架する方式(付図
8参照)。
――――― [JIS D 0111 pdf 2] ―――――
3
D 0111-1992
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
2111 スライディングピ sliding pillar type
キングピンが,そのまま上に伸び,車体に固 −
ラー式 定された筒の中で往復運動する懸架方式(付
図9参照)。
2112 デュボネ式 Dubonnet type
キングピンを車体に固定し,ステアリングナ −
ックルにトレーリングアーム(3002参照)又
はリーディングアーム(3003参照)を組み込
んだ構造の懸架方式(付図10参照)。
2113 スイングアクスル swing axle type
車体に取り付けられた終減速装置側のジョイ −
式 ントを,中心として揺動するドライブアクス
ルと,コントロールアームによって懸架する
方式(付図11参照)。
2114 ダイアゴナルスイ diagonal swing axle
スイングアクスル式で,コントロールアーム −
ングアクスル式 の揺動軸がドライブシャフトの内側ジョイン type
トと同一線上にある方式(付図12参照)。
2115 トレーリングアー trailing arm type
車軸と平行な揺動軸をもつトレーリングアー −
ム式 ムによって車体を懸架する方式(付図13参
照)。
2116 セミトレーリング semi-trailing arm type
揺動軸が車軸に対して斜めに配置された,ト −
アーム式 レーリングアームによって車体を懸架する方
式(付図14参照)。
2117 ダブルトレーリン トレーリングアームを上下に2本設けて,車double trailing arm −
グアーム式 体を懸架する方式(付図15参照)。 type
2118 リーディングアー leading arm type
車軸と平行な揺動軸をもつリーディングアー −
ム式 ムによって,車体を懸架する方式(付図16参
照)。
2119 ロッカアーム式 rocker arm type
前一車輪で,ダンパ軸上にコイルばね(3042 −
参照)とロッカアームとを組み合わせて懸架
する方式(付図17参照)。
2120 オレオ式 oleo type
キングピン軸にばね[例えば,空気ばね(3031 −
参照)]を配置し,ステアリングアームによっ
て,転だ(舵)トルクがその軸周りに伝達で
きるようにして懸架する方式(付図18参照)。
2121 トーションビーム torsion beam type
ねじり弾性変形を許し,曲げ弾性をもつトー トレーリングツ
式 ションビーム(3013参照)によって,左右の イストアクスル
トレーリングアームを連結した方式(付図19 式,
参照)。 トレーリングア
ームトーション
ビーム式
(b) ばね形式
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
2201 空気ばね式 air suspension type
懸架ばねに,空気ばね(3031参照)を用いた −
方式(付図20参照)。
2202 流体ばね式 hydropneumatic
懸架ばねに,流体ばね(3032参照)を用いた −
方式(付図21参照)。 suspension type,
hydrolastic suspension
type
2203 ゴムばね式 rubber suspension type
懸架ばねに,ゴムばね(3033参照)を用いた −
方式(付図22参照)。
――――― [JIS D 0111 pdf 3] ―――――
4
D 0111-1992
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
2204 板ばね式 leaf spring suspension
懸架ばねに,板ばねを用いた方式[付図1,付 リーフスプリ
図2,付図5,付図6,付図7(c)参照]。 type ング式
2205 コイルばね式 coil spring suspension
懸架ばねに,コイルばねを用いた方式[付図3, コイルスプリ
付図4,付図7(a),付図8,付図12,付図17 type ング式
参照]。
2206 トーションバー式 torsion bar suspcnsion
懸架ばねに,トーションバー(3043参照)を −
用いた方式[付図7(b),付図13(b)参照]。 type
(3) 構成部品
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
3001 コントロールアー control arm
主に,ダブルウィッシュボーン式などで,車 サスペンション
ム 輪の動きを規制するアーム(付図7参照)。 アーム
3002 トレーリングアー trailing arm
回転軸が車軸の前方にあり,後端が上下に揺 −
ム れ動くアーム(付図13,付図14,付図15,付
図18,付図19参照)。
3003 リーディングアー leading arm
回転軸が車軸の後方にあり,前端が上下に揺 −
ム れ動くアーム(付図16参照)。
3004 ラテラルロッド lateral rod
車輪の横向き反力を支えるために,車軸と車 パナールロッド
体との間に横向きに取り付けたロッド[付図
3,付図4, 付図19(b),付図20(b)参照]。
3005 ラジアスロッド radius rod
車輪の前後方向の反力を支えるために,車軸 −
と車体との間に前後方向に取り付けたロッド
[付図20(b)参照]。
3006 トルクロッド torque rod
加速時,減速時に,車軸周りに発生するトル −
クを受けるために使用されるロッド[付図5(a)
参照]。
3007 テンションロッド tension rod
引張り力を受けるために使用されるロッド。 −
3008 コンプレッション 圧縮力を受けるために使用されるロッド。 compression rod −
ロッド
3009 ストラットバー strut bar
主に,前後方向の車軸の支えとして使用され −
るバー。
3010 トランスバースリ transverse link
回転軸が前後方向にあり,横向きに配置され ロアーアーム
ンク たりンク(付図8参照)。
3011 ワットリンク watt link
車軸と車体との前後又は左右方向の相対位置 −
決めをするために,ワットの直線運動機構を
応用したリンク。
3012 トルクチューブ torque tube
後車軸のトルク反力を受けもつ鋼管で,推進 −
軸を内蔵するもの(付図4参照)。
3013 トーションビーム torsion beam
トーションビーム式懸架方式において,左右 クロスビーム
のアームを連結する部材(付図19参照)。
3014 トラニオンベース フレームに固定され,板ばね,イコライザ trunnion base トラニオンブラ
(3017参照)などを支持し,軸荷重をフレー ケット
ムに伝達する部材[付図5(a)参照]。
3015 トラニオンシャフ trunnion shaft
タンデムアクスル式の中のトラニオン式,又 −
ト はロッカビーム式において,2軸の上下動に伴
い,回転する部材の中心軸で荷重配分の支点
となる軸[付図5(a)参照]。
――――― [JIS D 0111 pdf 4] ―――――
5
D 0111-1992
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
3016 アームシャフト アーム類を車体に固定するために使用する arm shaft クロスシャフ
軸。 ト,
インナシャフト
3017 イコライザ equalizer
タンデムアクスル式において,2軸の荷重比率 イコライザビー
を一定にする装置[付図5(b)参照]。 ム,
ソリッドバー
3018 ウォーキングビー walking beam
タンデムアクスル式の中の,ウォーキングビ −
ム ーム式において,2軸の上下動に伴って揺動
し,2軸の荷重比率を一定にする装置[付図
5(d)参照]。
3019 サポートビーム support beam
空気ばね式懸架方式であって,空気ばね,後 −
車軸などを支持する部材[付図20(b)参照]。
3031 空気ばね air spring
空気の圧縮弾性を利用したばね(付図18,付 −
図20参照)。
備考 ベローズ形及びダイアフラム形が
ある。
3032 流体ばね hydropneumatic
荷重の伝達に液体を用い,気体の圧縮弾性又 −
spring,
はゴムの弾性を利用したばね(付図21参照)。
hydrolastic spring
3033 ゴムばね ゴムの弾性を利用したばね(付図22参照)。
rubber spring −
備考 圧縮ゴムばね,せん断ゴムばね及び
ねじりゴムばねがある。
3034 板ばね 板状のばね。 leaf spring −
3035 1枚ばね ばね板が,1枚の板ばね。 single leaf spring −
3036 重ね板ばね 重ね合わせた2枚以上のばね板で構成されたleaf spring, リーフスプリン
ばね[付図1,付図2,付図5,付図6,付図 laminated spring グ,
7(c)参照](JIS B 0103参照)。 板ばね
3037 スライディングシ sliding seat
板ばねの変形時に,板ばねを滑らせるばね受 −
ート け[付図5(a)参照]。
3038 Uボルト 板ばねを車軸に取り付けるために使用され U-bolt −
る,U字形のボルト(付図1,付図5,付図6
参照)(JIS B 0101*参照)。
3039 シャックル shackle
板ばねの末端に取り付けられ,ばねの変形に −
追従しながら,ばね荷重を受ける役目をもつ
金具(付図1参照)。
備考 コンプレッションシャックルとテ
ンションシャックルとがある。
3040 スプリングピン spring pin
板ばねをブラケット及びシャックルに取り付 −
けるために使用されるピン。
備考 シャックルに使用される場合,シャ
ックルピンと呼ぶこともある。
3041 スプリングブシュ spring bushing
板ばねの目玉部に圧入し,軸受として使用す −
るりん青銅,ゴムなどのブシュ。
3042 コイルばね coil spring,
ねじり弾性を利用するコイル状のばね[付図 巻ばね,
3,付図4,付図7(a),付図8,付図12,付図helical spring コイルスプリン
17参照](JIS B 0103*参照)。 グ
3043 トーションバー torsion bar spring
ねじり弾性を利用する棒状のばね[付図7(b), ねじり棒ばね
付図13(b)参照](JIS B 0103*参照)。
――――― [JIS D 0111 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS D 0111:1992の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.43 : 自動車工学(用語集)
JIS D 0111:1992の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0101:2013
- ねじ用語
- JISB0103:2015
- ばね用語
- JISD0104:1986
- 自動車の主要装置用語