JIS D 0807:2011 高度道路交通システム―全車速域アダプティブ・クルーズコントロール(FSRA)システム―性能要求事項及び試験手順 | ページ 2

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D 0807 : 2011 (ISO 22179 : 2009)
運転者又はFSRAシステムとは別のある制御システムによって設定された希望する走行速度。FSRA制
御が行われている車両においては,希望最高速度をいう。
3.10
定常状態(steady state)
パラメータの値が,時間,距離などについて変化がない状態。
3.11
当該車両(subject vehicle)
FSRAシステムを備えた,この規格における車両。
3.12
システムの状態(system states)
この規格では,幾つかに区別するシステムの状態(図3参照)。
3.12.1
FSRA停止状態(FSRA off state)
FSRA作動状態(3.12.3)へ直接に移行ができない状態。
3.12.2
FSRA待機状態(FSRA stand-by state)
運転者による起動待ちで,FSRAシステムによる縦方向制御をしていない状態。
3.12.3
FSRA作動状態(FSRA active state)
FSRAシステムが速度及び/又は車間距離を制御している状態。
3.12.4
FSRA停止保持状態(FSRA hold state)
当該車両停止中にFSRAシステムが有効である状態。
3.12.5
FSRA速度制御状態(FSRA speed control state)
システムが設定速度に従って速度を制御している状態。
3.12.6
FSRA追従制御状態(FSRA following control state)
FSRAシステムが,選択された車間時間に従って目標車両に対する車間距離を制御している状態。
3.13
停止車両(stationary object)
当該車両の前方にあって,停止している車両。
3.14
低速移動車両(slow moving object)
当該車両の前方にあって,当該車両の進行方向に,1.0 m/s又は当該車両速度の10 %の大きい方より低
い速度で移動している車両。
3.15
目標車両(target vehicle)
当該車両が追従走行する車両。

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D 0807 : 2011 (ISO 22179 : 2009)
3.16
全車速域アダプティブ・クルーズコントロール(full speed range adaptive cruise control)
アダプティブ・クルーズコントロールシステムに対する拡張機能で,エンジン及び/又はパワートレイ
ンの制御並びに停止状態までのブレーキ制御によって,当該車両が適切な車間距離で前方車両に追従する
ことを可能にする機能。

4 記号及び単位

  alateralmax   曲線道路における許容最大横加速度(m/s2)
astopping 自動停止能力試験での目標車両の前後加速度(m/s2)
CTT 赤外線反射器の試験標的の反射係数(m2/sr)
c 車間距離,2台の車両間の距離(m)
cmin 停止保持状態を含む全ての速度域における定常状態での最小車間距離(m)
d0 ここより手前は目標車両の検知を必要としない距離(m)
d1 ここより手前は距離測定及び/又は相対速度の決定を必要としない距離(m)
d2 測定目的用の距離(m)
dmax 直線道路における最大検知距離(m)
LIDAR 光線式の検知及び距離計測装置
R 円の半径,曲線半径(m)
Rmin 最小曲線半径(m)
RCS レーダ反射断面積(m2)
v 当該車両の対地速度(m/s)
vcircle 所定の横加速度alateralmaxになる曲線路上の最高速度(m/s)
vcirclestart 曲線半径Rのカーブに進入するときの車両速度(m/s)
vsetmax 選択可能な最高設定速度(m/s)
vsetmin 選択可能な最低設定速度(m/s)
vstopping 自動停止能力試験での目標車両の速度(m/s)
vvehicleend 試験終了時の車両速度(m/s)
vvehiclemax 最高車両速度(m/s)
vvehiclestart 試験開始時の車両速度(m/s)
τ 車間時間(s)
τmax 選択可能な最大車間時間(s)
τmax (v) 速度vにおける定常状態での最大車間時間(s)
τmin 選択可能な最小車間時間(s)

5 種類

  FSRAシステムの性能クラスは,曲線道路への対応能力によって分類し,表1による。

――――― [JIS D 0807 pdf 7] ―――――

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表1−FSRA曲線道路対応能力による分類
性能クラス 曲線道路対応能力
I a) 適用しない
II 曲線半径500 m以上
III 曲線半径250 m以上
IV 曲線半径125 m以上
注a) IS D 0801に規定するアダプティブ・クルーズコントロールに適用する。

6 要求事項

6.1 基本的制御方針

                                                                     FSRA
速度制御
FSRA起動a)
FSRA 起動a) 作動開始
FSRA停止 FSRA待機 FSRA
停止保持 FSRA作動
FSRA 停止a)
FSRA停止a) 作動休止
FSRA
追従制御
FSRA 停止a)
FSRA停止a)
だ円の中の文は,システムの状態を表す。
注記 手動による遷移とは,スイッチによってFSRA機能を待機状態・停止状態にすることを意味する。故障時は,
自動的にFSRA停止してもよい。
注a) 自己診断の後,手動及び/又は自動で遷移。
図3−FSRAシステムの状態遷移
FSRAシステムは,少なくとも,次の基本的動作(追従制御及び状態遷移)を提供しなければならない。
a) SRAシステムが作動しているときは,当該車両速度は前方車両との車間距離を維持するか又は設定
速度を維持するか,いずれか低い方で自動的に制御する。両制御モードの切替えは,FSRAシステム
によって自動的に行う。
b) 定常状態における車間距離は,システムが自動調整するか,又は運転者が調整可能であってもよい
(6.3.1参照)。
c) 2台以上の前方車両が存在する場合は,追従すべき車両を自動的に選択する(6.2.3.3参照)。
d) 当該車両が停止した場合,その後3秒間を超えない時間内に,追従制御から停止保持状態に遷移する。
e) SRA停止保持状態において,当該車両の停止状態を保つため,ブレーキ制御を行う。

6.2 機能要件

6.2.1  制御モード
両制御モード(追従制御又は速度制御)間の遷移は,自動的に行う。
6.2.2 停止又は低速移動の目標車両
システムは,既に追従していて停止しようとしている車両の後方に,制限された減速能力の範囲で停止

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D 0807 : 2011 (ISO 22179 : 2009)
しようとする。FSRAシステムを停止又は低速移動する目標車両に対応するように設計してもよい。停止
又は低速移動する目標車両に対応するよう設計しない場合,少なくとも車両の取扱説明書に記載して運転
者に告知しなければならない。
6.2.3 追従能力
τminは,全ての速度vに対する定常状態での追従制御モード中に選択可能な最小車間時間とする。τminは,
1.0秒以上とする。
cminは,(停止保持状態を含め)全ての速度vに対する定常状態での追従制御モード中に選択可能な最小
車間距離とする。cminは,2.0 m以上とする。
定常状態において,最小車間距離はcmin又は(τmin×v)のいずれか大きい方の値とする。
過渡状態において,車間距離は一時的に最小車間距離未満に接近しても差し支えない。そのような状況
が発生した場合は,システムは車間距離が要求車間距離に戻るように調節しなければならない。
8 m/sを超える速度では,1.5秒から2.2秒までの範囲内の車間時間τを最低限一つ設定できなければな
らない。
最低要求事項として,システムは,vstopping 1) 以下の速度においてastopping 2) で徐々に減速しながら停止す
る車両に対しては,定常状態の追従走行から停止することができなければならない(7.3.3参照)。
注1) stopping : 10 m/s
2) stopping : 2.5 m/s2
6.2.3.1 一般
FSRAシステムは次に示す検知範囲,目標車両識別及び曲線道路対応能力をもたなければならない。
6.2.3.2 直線道路における検知範囲(性能クラスII,III及びIV)
前方車両がd1とdmaxとの間に存在するときは,FSRAシステムは前方車両と当該車両間との車間距離を
測定しなければならない(図4参照)。この範囲内では,当該車両は少なくとも当該車両の横幅の範囲内
にある前方車両を検知しなければならない。dmaxは,次の式による。
dmax=τmax (vsetmax)×vsetmax
前方車両がd0とd1の間にあるときは,FSRAシステムは車両の存在を検知しなければならない。しかし
前方車両までの距離を測定したり,前方車両と当該車両との相対速度を測定する必要はない。
d1=4 m
前方車両がd0未満の距離に存在するときは,FSRAシステムは車両の存在を検知する必要はない。
d0=2 m
1 当該車両
2 前方車両
a 検知不要領域
b 車両の検知が要求される領域
c 距離の決定が要求される領域
図4−検知領域

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6.2.3.3 目標車両識別
2台以上の前方車両が,直線道路又は一定曲線道路上にあるとき(典型的な使用場面は7.5参照),FSRA
システムは,当該車両の進路上の前方車両を選択しなければならない(図5参照)。
図5−目標車両識別
6.2.3.4 曲線道路対応能力(性能クラスII,III及びIV)
FSRAシステムは,次の道路上で,定常状態の前方車両を 愀 vcircle) の車間時間にて追従できなければ
ならない。
− 直線道路(性能クラスII,III及びIVに適用)
− 曲線半径が500 mまで : Rmin, II=500 m(性能クラスII,III及びIVに適用)
− 曲線半径が250 mまで : Rmin, III=250 m(性能クラスIII及びIVに適用)
− 曲線半径が125 mまで : Rmin, IV=125 m(性能クラスIVに適用)
したがって,このシステムは,前方車両が一定の曲線半径Rminの道路上を一定の速度vcircleで走行してい
れば,定常状態の車間時間 愀 vcircle) で前方車両に追従する能力をもたなければならない。
vcircle Rmin
alateralma x
ここに, 愀 v) : 速度vで直線を走行中の,定常状態における可能な最大
車間時間。
alateralmax : 曲線道路におけるFSRAシステムの設計上の横加速度。
使用する数値は,
alateralmax, II=2.0 m/s2
alateralmax, III=2.3 m/s2
alateralmax, IV=2.3 m/s2
alateralmaxの数値は,曲線道路における運転者の挙動の平均値(運転者の95 %)から引用。図6及び附属
書Bの[1]を参照。

――――― [JIS D 0807 pdf 10] ―――――

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JIS D 0807:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 22179:2009(IDT)

JIS D 0807:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS D 0807:2011の関連規格と引用規格一覧