この規格ページの目次
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E 7104 : 2015
3.2
腰掛を構成する各部(parts)
3.2.1
脚台(pedestal)
腰掛を床に取り付ける部材。回転装置をもつ腰掛は,回転装置を取り付ける部材を含む。
3.2.2
シートフレーム(seat frame)
背ずり,座ぶとん,ひじ掛及び設備品を取り付ける部材。脚台を用いない腰掛は,側構体に取り付ける
部材を兼ねる。
3.2.3
台枠(base frame)
回転装置の上で回転する構造のシートフレーム。
3.2.4
側ひじ掛(side armrest)
腰掛袖部に取り付ける着席者の上腕を支える部材。
3.2.5
中ひじ掛(center armrest)
腰掛中央部に取り付ける着席者の上腕を支える部材。
3.2.6
袖(side panel)
ひじ掛下部の隙間及び空間を覆う板状又は箱状の部材。
3.2.7
背ずり(seat back)
着席者の上半身,主として背中を支える部材。
3.2.8
座ぶとん(seat bottom)
着席者の下半身,主としてでん(臀)部を支える部材。
3.2.9
詰め物(pad)
掛け心地をよくするために,座ぶとん及び背ずりに内蔵するクッション材。
3.2.10
表地(trim cover)
座ぶとん,背ずりなどの表面を覆うモケット,レザーなどの表層材。
3.3
装置及び設備(equipments)
3.3.1
転換装置(walkover equipment)
転換シートにおいて,背ずりを前後に手動又は自動で転換する装置。
3.3.2
回転装置(rotating equipment)
――――― [JIS E 7104 pdf 6] ―――――
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E 7104 : 2015
回転シート及び回転リクライニングシートの台枠と結合した上部構造を手動又は自動で回転させる装置。
3.3.3
傾斜装置(リクライニング装置)(reclining equipment)
背ずりの傾斜角度を着席者の好みに合わせて調整できる装置。
3.3.4
背面テーブル(table)
背ずりの背面に取り付ける折りたたみ式のテーブル。
3.3.5
インアームテーブル(in-arm table)
ひじ掛下部の袖の部分に収納できる折りたたみ式のテーブル。
3.3.6
足掛(foot rest)
後席の着席者が足を休めるために,回転シート及び回転リクライニングシートの背面下部に設ける設備。
3.3.7
レッグレスト(leg rest)
着席者が,足を休めるために,座ぶとんの前端部に設ける下肢を支える設備。構造例を,図6に示す。
図6−レッグレストの構造例
3.3.8
取っ手(hand hold)
立席者又は客室内を移動する乗客が身体を支えるため,又は乗客がシートを転換・回転するための手掛
かりとして背ずり部などに設けた設備(図2図5参照)。
3.3.9
可動機構(movable equipment)
転換装置,回転装置,傾斜装置,補助腰掛,背面テーブル,インアームテーブル,足掛,レッグレスト
などの可動箇所をもつ装置及び設備の総称。
3.4
優先席(courtesy seat又はpriority seat)
主として通勤・通学用の車両に設ける高齢者,障害者,妊婦などの乗客が優先して利用できる座席。
4 品質
腰掛に要求される品質は,腰掛の種類及び構造に応じて,表1の該当項目を選択して適用する。
――――― [JIS E 7104 pdf 7] ―――――
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E 7104 : 2015
表1−品質
項目 品質 関連す
る箇条
安 材料 鉄道事業者の要求性能を満足しなければならない。 5.1
全 二次衝突対策 万一の事故に配慮した構造とする。 5.2
性
能 可動機構部の安全対策 乗客がけがを負わない構造とする。 5.3
ヒータ部の安全対策 乗客がやけど(火傷)を負わない構造とする。 5.4
主構造部材の強度余裕 強度余裕のある構造とする。 5.5
構 形状及び寸法 図面寸法に合致しなければならない。 6.1
造 掛け心地 車両の用途及び走行環境に適合した構造とする。 6.2
・
寸 可動機構の操作性 操作性に優れ,異音及びがたつきがない構造とする。 6.3
法 バリアフリーへの対応 車両の用途及び運行環境に適合した構造とする。 6.4
外観及び仕上げ 6.5
乗客がけがを負わない形状及び仕上げでなければならない。
強 着席者の利用時に部 座面 7.2.3
荷重試験を行ったとき,有害な変形及び亀裂並びに可動機構
度 発生する力に対す位 背ずり の作動に不良が生じない強度をもつものとする。
る静的強度 ひじ掛
足掛
乗客の操作力に対部 背ずり
する静的強度 位 回転ペダル
耐 利用時に発生する部 座面 7.2.4
耐久性試験を行ったとき,有害な変形及び亀裂並びに可動機
久 力に対する耐久性位 背ずり 構の作動に不良が生じない耐久性をもつものとする。
性
座席の向きを繰り動 転換
返し変更する動作作 回転
に対する耐久性
背ずりの傾斜角度を繰り返し変更す
る動作に対する耐久性
車両の振動
5 安全性能
5.1 材料
腰掛に用いる材料は,次の事項に適合するものでなければならない。
a) 腰掛の主要部分に用いる材料は,製品としてこの規格に要求される強度,耐久性などを確保できる材
料とする。
b) 腰掛に用いる非金属材料の耐燃焼性は,鉄道事業者が仕様書などで要求する性能(例 難燃性,不燃
性など)を満足しなければならない。
5.2 二次衝突対策
万一の衝突事故などで,乗客が客室内で飛ばされて,腰掛及び附属する設備に押し付けられたり,ぶつ
かったりする二次衝突において,乗客のけがの程度を軽減するため,けがの原因となる可能性のある箇所
は,角部を丸くする,緩衝材を取り付けるなどの構造を採用する。具体的な構造は,受渡当事者間で協定
する。
5.3 可動機構部の安全対策
可動機構部は,乗客が操作したとき,近くにいる乗客(乳幼児を含む。)が指などの体の一部が挟まれな
い構造,又は挟まれてもけがを負わない構造を採用する。具体的な構造は,受渡当事者間で作動の状況を
確認して,決定することが望ましい。
――――― [JIS E 7104 pdf 8] ―――――
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5.4 ヒータ部の安全対策
暖房用のシーズヒータなどの発熱体を腰掛下部に取り付ける場合は,乗客が温度の高い部材に誤って触
れた場合でも,やけどを負わない構造にしなければならない。ヒータは,列車の用途及び走行環境によっ
て仕様が異なるため,構造に応じて,次の事項について,受渡当事者間で安全対策を協定する。
a) ヒータの取付位置
b) ヒータの構造,発熱量,表面温度などの仕様
c) ヒータと腰掛との間に防熱板を設ける場合,防熱板の耐燃焼性及び構造
d) 乗客が誤って触れる可能性のある部材に対するやけどを負わない温度の基準及びその適用範囲
5.5 主構造部材の強度余裕
脚台,シートフレーム,台枠などの主構造部材及びその溶接部は,安全を損なうような欠陥があっては
ならない。また,5.2と同様に,万一の事故で,作用する力が想定の値を超える場合があっても,直ちに主
構造部材に大きな変形を生じないように,強度に余裕のある構造部材を採用することが望ましい。
6 構造・寸法
6.1 形状及び寸法
腰掛の形状並びに寸法及びその許容差は,受渡当事者間で交換する図面で協定する。腰掛の形状及び寸
法の例を,附属書Aに示す。
6.2 掛け心地
腰掛の掛け心地は,鉄道事業者での列車の用途及び走行環境によって,求められるものが異なるため,
受渡当事者間で次の事項を検討し,構造を協定する。
a) 座ぶとん及び背ずりの形状及び寸法
b) 座ぶとん及び背ずりのたわみ具合
c) 座ぶとん及び背ずりの着席者の体を受け止める硬さの分布
d) 表地の種類及び触感
6.3 可動機構の操作性
可動機構の操作性は,乗客が操作したとき,次の事項に適合するものでなければならない。
a) 安全に,円滑に,かつ,容易に操作ができなければならない。
b) 作動時に異音及びがたつきがあってはならない。
c) 操作時に,可動部と他の構造物との間に作動に支障を来すような接触があってはならない。
6.4 バリアフリーへの対応
バリアフリーに関わりのある次の事項の採否,及び採用するときの構造の詳細は,受渡当事者間で協定
する。
a) 優先席に用いる腰掛の色,柄などによる識別方法
b) 車いす利用者の移乗が容易な腰掛の構造
c) 車いす利用者の移乗後に折りたたんだ車いすを腰掛に固定する周辺設備の構造
d) 腰掛の通路に面した適切な位置に取り付ける“座席番号の点字表示及び文字表示”の構造
e) 乗客が通路を移動するとき,体を支えるための手掛り(取っ手,背ずり上端部など)の構造
6.5 外観及び仕上げ
外観及び仕上げは,腰掛に接触する身体への傷害並びに衣類,所持物などへの損傷を与えないように,
次の事項に適合するものでなければならない。
――――― [JIS E 7104 pdf 9] ―――――
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E 7104 : 2015
a) 腰掛の各部位及び設備は,乗客のけがを回避するため,鋭利な部分があってはならない。
b) 腰掛の各部及び設備の表面は,使用上有害なきず,しわがあってはならない。
c) 表地の縫製は,縫い曲がり及び縫い糸のとじ目が目立ってはならない。
d) 腰掛の各部及び設備品に施工する塗装,めっきなどの表面処理部は,滑らかに仕上げなければならな
い。
7 試験
7.1 試験の種類
試験は,次の形式試験及び受渡試験に区分し,適用する試験の種類は,表2による。
a) 形式試験 形式試験は,新規に設計した腰掛など(新形式の腰掛)が,設計で示す全ての特性を満足
するかを確認するため,同一の設計ごとに一つの製品について行う。ただし,既に該当する試験を行
ったものと同一の構造の場合は,これらの試験を省略してもよい。
b) 受渡試験 受渡試験は,形式試験に合格した腰掛と同じ設計によって作られたものが,正しく組み立
てられ,正常に機能することを確かめるため,全ての製品について行う。
表2−適用する試験の種類
試験の種類 試験の区分 該当箇条
形式試験 受渡試験 番号
安全性能 ○ − −a)
強度及び耐久性 ○ − 7.2
掛け心地 ○ − −a)
形状及び寸法 ○ ○ 7.3
可動機構の操作性 ○ ○ 7.4
外観及び仕上げ ○ ○ 7.5
注a) 試験方法は,受渡当事者間の協定による。
7.2 強度及び耐久性試験の方法
7.2.1 共通事項
試験の共通事項は,次による。
a) 供試腰掛 同一の種類において,2人掛け,3人掛けなどの複数の種別がある腰掛は,どの種別の腰掛
で試験を行っても,同等の結果が得られることが明らかな場合に限り,供試体はいずれか一つの種別
を選定することができる。
b) 供試体の固定方法 供試体は,車体に取り付けた状態と同一条件となるように,車体又はそれに準じ
る試験台などに固定した状態で試験を行う。ただし,おもりで力を加える方法を採る場合は,腰掛の
向きを力を加える面がほぼ水平になるように保持する負荷ジグを用いることができる。
c) おもり おもりは,試験時に取扱いが容易な質量のおもりを複数個使用して,段階的に増やす方法に
よって,7.2.3に規定する最大質量にする。
d) 加圧板 加圧板を必要とする試験には,次の加圧板を用いる。
1) 座面及び背ずり試験 図7 a) に示す形状及び寸法の硬質木材製の加圧板。
2) ひじ掛試験 図7 b) に示す形状及び寸法の木製又は鋼製の加圧板。
――――― [JIS E 7104 pdf 10] ―――――
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JIS E 7104:2015の国際規格 ICS 分類一覧
JIS E 7104:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISE4001:2011
- 鉄道車両―用語
- JISE4031:2013
- 鉄道車両用品―振動及び衝撃試験方法
- JISL0206:1999
- 繊維用語(織物部門)