JIS F 0011:1997 造船用語―船体―基本計画

JIS F 0011:1997 規格概要

この規格 F0011は、船体基本計画に関する用語について規定。

JISF0011 規格全文情報

規格番号
JIS F0011 
規格名称
造船用語―船体―基本計画
規格名称英語訳
Shipbuilding -- Vocabulary -- Basic design of hull part
制定年月日
1982年2月1日
最新改正日
2017年11月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

01.040.47, 47.020.10
主務大臣
国土交通
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1982-02-01 制定日, 1987-04-20 確認日, 1992-12-14 確認日, 1997-04-21 改正日, 2002-05-07 確認日, 2007-09-18 確認日, 2012-10-31 確認日, 2017-11-20 確認
ページ
JIS F 0011:1997 PDF [9]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
F 0011-1997

造船用語−船体−基本計画

Shipbuilding−Vocabulary−Basic design of hull part

l.  適用範囲 この規格は,船体基本計画に関する用語について規定する。
2. 分類 用語の分類は,次のとおりとする。
(1) 主要目
(2) トン数及び乾玄
(3) 復原性及び動揺
(4) 抵抗,推進及び旋回
(5) 図書
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語及び慣用語を示す。慣用語欄で,“······(法)”として記載してある用語は,
法律用語である。
備考1. 用語欄・定義欄で,用語表記の中の( )内の漢字は常用漢字表にないもので,便宜的に記
載したものであり,( )の部分は用語の一部ではない。
2. 用語欄で,用語の下の( )内の仮名書きは読み方を示す。
(1) 主要目
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
1001 船型 type of ship
機関室,船楼の位置で決まる船の側面形状。
1002 全長 船体の最前端から最後端までの水平距離(付図 length overallLoa
1参照)。
1003 垂線間長 船体の前部垂線から後部垂線までの水平距離 length between L,
(付図1参照)。 perpendiculars Lpp,
Lbp
1004 前部垂線 FP
計画満載喫水線と船首材前面との交点を通る鉛 fore perpendicular
直線(付図1参照)。
1005 後部垂線 AP
だ(舵)柱がある船ではその後面,だ柱がない aft perpendicular
船ではだ頭材の中心を通る鉛直線(付図1参
照)。
1006 最大幅 Bext,
船体の最広部における両玄の外面間の水平距離 extreme breadth;
(付図1参照)。 maximum breadth Bmax
1007 型幅 B,
船体最広部における両玄のろっ(肋)骨外面間 moulded breadth
の水平距離(付図1参照)。 Bmid

――――― [JIS F 0011 pdf 1] ―――――

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F 0011-1997
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
1008 型深さ 垂線間長の中央における,キール上面から乾玄 moulded depth D,
甲板ビームの船側における上面までの垂直距離 Dmid
(付図1参照)。
1009 計画満載喫水 垂線間長の中央におけるキール上面から計画満 designed load draught ;
載喫水線までの垂直距離で,船の計画時,載貨 designed load draft
重量・速度など船の諸性能を計画する場合の基
礎となる喫水(付図1参照)。
1010 最大喫水 dext
垂線間長の中央におけるキール下面から満載喫 extreme draught ;
水線までの垂直距離(付図1参照)。 extreme draft
1011 構造喫水 船こく構造設計上の基準として使う喫水。scantling draught ;ds
scantling draft
1012 肥せき係数 船の水線下の形状や水線面が,どの程度やせて coefficient of fineness
いるかを示す係数の総称。
1013 方形係数 Cb
船体の水線下の容積のやせている度合いを示す block coefficient
係数。船の排水容積と,同状態の長さ・幅・喫
水で表される直方体容積との比。
1014 中央横断面係数 Cm
船体の水線下の中央断面積のやせている度合い midship section
coefficient
を示す係数。船体の水線下の中央断面積と同状 Cx
態の幅と喫水とで表される長方形面積との比。
1015 柱形係数 Cp
船体の水線下の前後部の容積のやせている度合 prismatic coefficient
いを示す係数。船の排水容積と,同状態の中央
(ちゅうけいけいすう)
断面積と長さで表される柱状体容積との比。
1016 水線面積係数 Cw
船体の水線面のやせている度合いを示す係数。 waterplane area
coefficient
船の喫水面の面積と,同状態の幅と長さとで表
される長方形面積との比。
1017 排水量 船体が排除する水の質量。 displacement
1018 満載排水量 満載喫水における排水量。 full load displacement
1019 軽荷重量 船体,機関などの設備,法定備品などからなる light weight LW
船の自重。
1020 載貨重量 deadweight
満載排水量から軽荷重量を差し引いた質量。 DW
1021 貨物倉容積 貨物倉内の総容積。 cargo hold capacity
1022 グレーン容積 貨物倉容積の表し方のうち,ばら積貨物を積載 grain capacity
する場合の容積。
1023 ベール容積 貨物倉容積の表し方のうち,雑貨物,コンテナ bale capacity
など,ある形をもった荷姿の貨物を積載する場
合の容積。
1024 試運転最大速力 海上公試運転時に記録された最大速度。 maximum trial speed
1025 航海速力 満載航海状態において機関の常用出力に特定の service speed ;
シーマージンを見込んで得られる速度。 sea speed
1026 シーマージン 航路の海象,船体の汚損などによる航海速力の sea margin
低下を見込んだ,常用出力に対する余裕度。
備考 百分率 (%) で表す。
1027 航続距離 cruising distance ;
満載状態・常用出力で航海できる最大距離。
endurance
1028 シヤー 甲板下面の玄側線の船首尾方向の反り(付図1 sheer 舷弧(法)
参照)。
1029 キャンバ 甲板の横方向の反り(付図1参照)。 camber 梁矢(法)
1030 フレームスペース ろっ(肋)骨の間隔。 frame space 肋骨心距(法)

――――― [JIS F 0011 pdf 2] ―――――

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F 0011-1997
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
1031 船底こう(勾)配 船底外板面を玄側面で高くした高さ(付図1参 rise of floor
照)。
1032 基線 船体の諸寸法を表す場合の基準とする線であっ base line BL
て,船の中央におけるキールの上面を通る水平
線(付図1参照)。
(2) トン数及び乾玄
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
2001 トン数 船舶の大きさを表すため,一般に用いる単位。 tonnage
2002 総トン数 船舶法に規定する船舶の大きさを表すのに用い gross tonnage GT
る単位。
2003 国際総トン数 GT
船舶のトン数測度に関する国際条約において規 international gross
定された国際航海に従事する船舶のトン数。tonnage
2004 純トン数 旅客又は貨物の運送に供する場所の大きさを表 net tonnage NT
すのに用いる単位。
2005 スエズ運河トン数 スエズ運河のトン数測度規則によって測度され Suez Canal Tonnage
るスエズ運河通行料算定の基準となるトン数。
2006 パナマ運河トン数 パナマ運河のトン数測度規則によって測度され Panama Canal Tonnage
るパナマ運河通行料算定の基準となるトン数。
2007 トン数マーク 全通甲板二層以上を備える船で第二甲板を測度 tonnage mark
甲板とするとき,測度甲板と上甲板間の貨物倉
を総トン数に含めないために所定の位置に標示
するマーク(付図2参照)。
備考 測度甲板とは,トン数算出の基準と
する甲板をいう。
2008 乾玄 船の中央における乾玄甲板のりょう上側板の上 freeboard フリーボード
面から満載喫水線までの垂直距離。
2009 乾玄甲板 乾玄を測る基準となる最上層の全通甲板。 freeboard deck
2010 形状乾玄 満載喫水線規則によって規定され,船の形状に form freeboard ;
よって決定される乾玄。 geometrical freeboard
2011 形状喫水 形状乾玄に対する喫水。 form draft ;
geometrical draught
2012 甲板線 乾玄甲板の上面を示す水平な線(付図3参照)。 deck line
2013 満載喫水線 載貨による船体の水中沈下が許される最大限度 load line
の喫水線。
2014 区画満載喫水線 国際航海に従事する旅客船の区画の決定に用い subdivision load line
る喫水線。
2015 フリーボードマーク 満載喫水線規則によって規定され,船の積載が freeboard mark満載喫水線標識
許される最大喫水を標示するマーク(付図3参
照)。
(3) 復原性及び動揺
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
3001 復原性 船が外力に抵抗して直立の姿勢を保とうとする stability 復原力
性能。
3002 復原偶力 重力と浮力の作用で船を直立の姿勢に戻すよう righting couple
に働く力。

――――― [JIS F 0011 pdf 3] ―――――

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F 0011-1997
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
3003 復原てこ 復原偶力が作用する腕の長さ(付図4参照)。 righting arm ; GZ
righting lever
3004 復原力滅失角 復原てこが零になる傾斜角度。 vanishing point of
stability
3005 復原性範囲 船の直立状態から復原力滅失角までの傾斜の範 range of stability
囲。
3006 メタセンタ 船を小角度傾けたときの浮力の軌跡の曲率中心 metacenter M
(付図4参照)。
3007 動的復原力 dynamical stability
船をある角度傾けるために外力がなす仕事。
3008 初期復原力 船を小角度傾けたときの復原力。 initial stability
3009 負復原力 重心がメタセンタより高い位置にある場合,船 negative stability
を直立の姿勢から傾けるように働く力。
3010 損傷時復原性 損傷区画が浸水した場合の復原性。 damaged stability
3011 船底レイキング損傷 海洋汚染防止条約に規定された,船底外板だけ bottom raking damage
に生じた船首部から広範囲(長さ方向)にわた
る損傷。
3012 自由水 自由表面をもつ水。 free water
3013 自由水影響 自由水が復原性に及ぼす影響。 free water effect
3014 浸水計算 船の損傷時の復原性・姿勢を求める計算。 flooding calculation
3015 浸水率 浸水した区画の水が占め得る容積と,その区画 permeability
の全容積との比。
3016 水密区画 水密壁で囲われた区画。 watertight compartment
3017 可許長 船のある部分において許すことができる水密区 permissible length
画の最大長さ。
3018 可浸長 規定の浸水率である区画を浸水させても,船が floodable length
限界線を超えて沈下しない最大長さ。
3019 限界線 船側における隔壁甲板の上面から76mm下方に margin line
引いた線。
3020 動揺軸 船の動揺を扱うために用いる船の重心を通る, axis of oscillation
長さ方向(縦軸),幅方向(横軸)及び鉛直方向
(鉛直軸)の座標軸。
3021 横揺れ 船の縦軸周りの揺れ。 rolling
3022 縦揺れ 船の横軸周りの揺れ。 pitching
3023 船首揺れ 鉛直軸周りの揺れ。 yawing
3024 前後揺れ 船の縦軸方向の揺れ。 surging
3025 左右揺れ 船の横軸方向の揺れ。 swaying
3026 上下揺れ 鉛直軸方向の揺れ。 heaving
3027 動揺中心 船の動揺の中心。 center of oscillation
3028 減滅係数 船の動揺減衰の割合を表す係数。 extinction coefficient
3029 環動半径 船体の動揺周期を算出するときに用いる動揺軸 radius of gyration
周りの見掛けの回転半径。
3030 出会い角 船の進行方向と波の進行方向とがなす角。 angle of encounter
3031 出会い周期 進行中の船が波と出合う周期。 period of encounter
3032 減揺タンク 船の横揺れを軽減するための,船と自由水との anti-rolling tank
連成動揺を利用したタンク。
3033 ジャイロスタビライザ 船の横揺れを軽減するための,ジャイロスコー gyrostabilizer
プの偶力を利用した装置。

――――― [JIS F 0011 pdf 4] ―――――

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F 0011-1997
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
3034 フィンスタビライザ 航行中の船の横揺れを軽減するためフィンに働 fin stabilizer
く揚力を利用した装置。
(4) 抵抗,推進及び旋回
番号 用語 定義 参考
対応英語 慣用語
4001 全抵抗 平水中を航走するとき,船が水及び空気から受 total resistance
ける抵抗。
4002 粘性抵抗 船体表面を流れる水の粘性によって生じる抵抗。 viscous resistance
4003 造波抵抗 船が前進するときに波を起こすことによって生 wave making resistance
じる抵抗。
4004 空気抵抗 航走中に船が空気から受ける抵抗。 air resistance
4005 摩擦抵抗 航走する船体の浸水表面と水との粘性摩擦によ frictional resistance
る抵抗。
4006 形状抵抗 船体が3次元曲面であるために生じる粘性抵抗 form resistance
の成分。
4007 粗度抵抗 船体表面が平滑でなく凹凸があるために生じる resistance increase due
粘性抵抗の成分。 to roughness
4008 剰余抵抗 全抵抗から摩擦抵抗,粗度抵抗及び空気抵抗を residuary resistance
差し引いた抵抗。
4009 有効出力 有効馬力,
船が抵抗に打ち勝ってある速度で航走するため effective output ;
に必要な正味の出力。 EHP
effective horsepower
4010 スラスト出力 プロペラが発生する推進出力。 thrust output ; スラスト馬
thrust horsepower 力,
推力馬力,
THP
4011 伝達出力 主機からプロペラに伝達される出力。 delivered output ; 伝達馬力,
DHP
delivered horsepower
4012 伝達効率 伝達出力と主機出力との比。 transmission efficiency
4013 推進効率 有効出力と伝達出力との比。 propulsive efficiency
4014 船体効率 有効出力とスラスト出力との比。 hull efficiency
4015 単独プロペラ効率 プロペラが均一な流れの中で単独に回転する場 propeller efficiency in
open water
合,プロペラが発生するスラスト出力とプロペ
ラに伝達される出力との比。
4016 船後プロペラ効率 プロペラを船尾に取り付けた場合,プロペラが propeller efficiency
behind ship
発生するスラスト出力とプロペラに伝達される
出力との比。
4017 プロペラ効率比 船後プロペラ効率と単独プロペラ効率との比。 relative rotative
efficiency
4018 スラスト減少係数 プロペラの作用による船体抵抗の増加分と,プ thrust deduction
ロペラの発生するスラスト出力との比。 coefficient
4019 伴流 船が航走するとき,船体周りの流線の変化,摩 wake
(はんりゅう) 擦,波などによって船体周囲に生じる流れ。
4020 伴流係数 船のプロペラの位置における伴流の,プロペラ wake factor ;
面内における平均速度と船の前進速度との比。 wake fraction
4021 自航要素 スラスト減少係数,伴流係数及びプロペラ効率 self propulsion factor
比の総称。
4022 アドミラルティ係数 計画する船の速力に対する機関の出力を求める admiralty coefficient
ための係数。

――――― [JIS F 0011 pdf 5] ―――――

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