JIS F 1051-3:2004 膨脹式ボート-第3部:最大出力15kW以上のボート | ページ 4

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F 1051-3 : 2004 (ISO 6185-3 : 2001)

6.7 安全索及び握りハンドル

6.7.1 要求事項

 ボートは,座席に全員着座している状態,立っている状態,ひざ立ちしている状態,又
はボートが転覆して船外で水上にある場合でも,許容人員がそれぞれしっかりとつかまることができる安
全索又は握りハンドルを備えなければならない。すべての握りハンドルは,その機能及び配置について許
容人員が長時間けがのおそれがなく確実につかまることができるように設計しなければならない。
6.7.2の規定による試験をしたとき,握りハンドルの組立部分には不具合があってはならない。
握りハンドル及び組立部品は,5.2の規定による船体取付部品の要求事項に適合しなければならない。安全
索及び握りハンドルが持ち運び用部品の機能を備える場合には,5.3の規定にも適合しなければならない。

6.7.2 試験方法

 目視検査及び評価。 それぞれのハンドル及びライフラインアッセンブリは,1.5kNの
力によって,1分間一定方向に荷重する。水上で実際に評価を行う。(7.3.2参照)

6.8 残存浮力

6.8.1 要求事項

 一番大きな浮体気室の空気抜けの後に,船体の残存浮力は少なくとも製造業者が定めた
最大搭載量の50%以上でなければならない。(6.4参照)

6.8.2 試験方法

 残存浮力を計算又は測定しなければならない。

6.9 操縦性能

6.9.1 要求事項

 最大搭載量まで積載している膨脹式ボートは,突然いずれか一つの気室が空気抜けした
場合でも設計上のどれか一つの方法によって推進できなければならない。オールは,パドルとして用いて
よい。

6.9.2 試験方法

 静穏な水域で,おおむね真っ直ぐに,少なくとも50m進まなければならない。

6.10 気室

 膨脹浮力は,いくつかの気室(部屋)をもたなければならない。
最低気室数は,表2による。
表2 最低気室数
最大出力 ボート係数 気室数
kW F(d)
8以下 3
15以上45以下
8 4
8以下 4
45を超え
8を超え 5
備考 ボート係数は,6.2による。
内部隔壁(附属書A(参考)参照)のある各気室の容積は,平均容積の±20%の範囲になければならない。
各気室容積= VN ± 20 %
ここに
V 充気された気室の総容積(m3)
ただし,補助気室を除く。(この部の最終節参照)
N 気室数
船体に恒久的に据え付けていない補助的な膨脹気室(3.3参照)は,容積計算には含めてはならない。

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6.11 操だ位置からの視界

 操だ位置からの視界は,ISO 11591の要求事項に適合しなければならない。
6.12 救命いかだの設備(分類VIIIボートに限る) 分類VIIIボートは最大許容搭載人員を運搬することのでき
る救命いかだのための対策を講じておかなければならない。救命いかだが固形コンテナタイプの場合,救
命いかだはデッキに据え付けなければならない。救命いかだがソフトバッグに収納されている場合,区画
に収納することができるが容易に使用できなければならない。
7. 性能要求及び試験方法

7.1 一般

 ボートは,製造業者の取扱説明書によって,組み立てるとともに推奨圧力まで膨脹しなければ
ならない。
試験は,7.27.8の順序で実施しなければならない。
試験7.3,7.4及び7.5は,表3による観測有義波高の条件下で実施しなければならない。
表3 海上条件
ボート係数 観測有義波高
ボート分類
F(d) (mm)
8以下 600
タイプVII
8を超え 900
タイプVIII N/A 1200
備考 ボート係数は,6.2による。

7.2 落下試験(RIBに限る)

7.2.1 要求事項

 ボートは,7.2.1による方法で試験を実施しなければならない。試験終了時にボートを厳
密に検査しなければならない。船体のいかなる部分,甲板又はスウォートのようなボート構成部品に破損,
ひび割れ,裂け,はく離などの形で構造上の欠陥があってはならない。これには,床/船体,甲板/トラ
ンサム,浮力チューブ/船体などのような境界接続部分を含む。

7.2.2 試験方法

 製造業者が推奨する最大搭載量までボートに荷重する。荷重は最大出力の機関(製造業
者が定めたもの)及び乗員の通常着座位置に配置する。
荷重したボートの落下高さを2m(水面からボートの最下部まで)とし,落下姿勢は次の3通りとする。
a)水平状態
b)45°船首を下げた状態
c)45°船尾を下げた状態

7.3 水上走行性能

7.3.1 要求事項

 ボートは製造業者が標準又はオプションとするいかなる装備品も装備しなければならな
い。ボートは7.3.2による方法で,製造業者が定めた最大出力の機関を装着して試験する。試験終了時にボ
ートは,厳密に検査しなければならない。
船体のいかなる部分,甲板又はスウォートのようなボート構成部品に破損,ひび割れ,裂け,はく離など
の形で構造上の欠陥があってはならない。これには,床/船体,甲板/トランサム,浮力チューブ/船体
などのような境界接続部分を含む。
ボートの装備品や取付物の機能に損傷があってはならない。
構造上の損傷又は欠陥を起こすはく離や摩耗の兆候があってはならない。
ボートは,転覆してはならない。

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ボートは,適度に乾いていなければならない。
操だ手は,常に十分な視界を保持しなければならない。

7.3.2 試験方法

7.3.2.1 一般

 遠隔操だ装置が標準装備してある場合には,それを使用する。オプション装備の場合には,
かじと遠隔操だ装置の両方を用いて試験を実施する。座席が標準又はオプション装備の場合には,操だ手
及び乗員がそれを用いて試験を実施する。

7.3.2.2 試験-軽荷状態

 操だ手だけ乗船する。合計試験時間は,機関を最大前進推力に制御するようにセ
ットして45分間以上行う。
ボートは船首を直接風上に向けそれから順次風下へほぼ45゜に分けて進路をとる。(図3 参照。) これ
は最低限度,少なくとも5つのコース(針路),向かい風,船首斜め向かい風,横風,船尾斜め追い風,追
い風状態で行う。
それぞれのコースの終了間際に左玄と右玄への急旋回を行わなければならない。(図3 参照)

7.3.2.3 試験-満載状態

 ボートに製造業者が推奨する最大搭載量に見合った質量を均一に搭載した状態で
7.3.2.2の規定による試験を繰り返し行う。(6.4参照)
すべての握りハンドルは,6.7.1の要求を満たし,はっきりと見えなければならない。
すべての座席及び取り付け装置は,5.11の要求を満たし,はっきりと見えなければならない。
6
1
2
3
45
4
5
1 向かい風コース 4 船尾斜め向かいコース

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2 船首向かい風コース 5 追い風コース
3 横風コース 6 真風向
図4 水上走行性能試験

7.4 えい航装置の強度

7.4.1 要求事項

 試験終了時にボートを厳密に検査した際,甲板又はスウォートのような船体又はボート
の構成部分に構造上の欠陥があってはならない。ここには,床と船体のような境界接続部分を含む。
試験中に機関が水没したりボートが転覆しそうな船首の水中への沈み込み又は浮き上がりの傾向があって
はならない。

7.4.2 試験方法

 製造業者が推奨する最大許容搭載人員を乗船する。(6.1参照)
指定えい航位置(5.11 参照。)にボートの全長の3倍に相当する長さ(±15%)のえい航索を取り付け4kn
以上の速力でボートをえい航する。えい航は,15分以上実施する。

7.5 漕ぎ試験(適用する場合に限る : 5.5参照。)

 ボートは軽荷状態(7.3.2.2参照。)及び満載状態(7.3.2.3
参照。)の両方で300m以上の距離を漕ぐ。
試験中及び終了時にオールロック装置を検査し,オールが制約なく動くかどうか確認する。

7.6 水密試験(オープンフロアー及び自動排水形ボートは除く)

7.6.1 要求事項

 試験終了時にボートは,厳密に検査しなければならない。 船内には,いかなる水の侵
入があってはならない。

7.6.2 試験方法

 ボート内に水がないことを確認する。製造業者が推奨する最大搭載量までボートに荷重
する。荷重は最大出力の機関(製造業者が定めたもの)及び乗員の通常着座位置に配置する。
ボートは,20分間水上で静止しなければならない。

7.7 操縦性試験

 標準装備として製造業者が設置した遠隔操だ装置を装備した最大速度30kn以上出せる
RIBはISO 11592の操縦性試験に適合しなければならない。
7.8 排水試験(分類VIIIボートに限る)
7.8.1 要求事項 ボートは7.8.2の規定による試験を実施しなければならない。試験終了時にボートを厳密
に検査しなければならない。甲板区域はほとんど水が残っていない状態でなければならない。

7.8.2 試験方法

 ボート内に水がないことを確認する。製造業者が規定する最大搭載量までボートに荷重
する。ボートに取り付けられた最大出力の機関(製造者が定めたもの)及び通常着座位置に配置させた乗
員に相当する荷重を配分しなければならない。水を満たしている間は,すべての甲板のドレン及びスカッ
パーをふさぐ。船外に水があふれ出るまで甲板区域に水を満たさなければならない。すべての甲板のドレ
ン及びスカッパーを開け,手動排水装置又は電動ビルジポンプを使用しないで,ボートの前進運動又は他
の手段により,浸水した甲板区域から3分未満で排水しなければならない。

8. 製造者銘板

 ボートは,1箇所又は2箇所に明りょう,かつ,消えない方法で印刷又は刻印した銘板
を取り付けなければならない。銘板には次のすべての事項を表示しなければならない。
a) この規格のこの部の番号及びボートの適合する分類 。ヨーロッパ指令(94/25/EC)への承諾が要求された
場合,ボートの設計分類を製造者銘板に表示しなければならない。
b) 製造者又は輸入者の名前及び製造国
c) 製造番号又は製造年月日及び型式又はモデル番号。JIS F 0080の規定による船体識別番号(HIN)を使
用することを推奨する。
d) W表示による最大機関出力 (記号表示)

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F 1051-3 : 2004 (ISO 6185-3 : 2001)
e) 最大許容搭載人員数 (記号表示)
f) 最大搭載量 (記号表示)
g) 推奨圧力 (記号表示)
追加事項は,製造業者の選択によって,追加することができる。[機関の最大質量など]
番号付与システム(HIN)を使用する場合には,c)で指定された事項を表示する必要はない。
d)g)に関しては,図4に示す記号を含めて使用しなければならない。ISO 7000及びISO 11192参照
括弧で表示する追加単位は,製造業者の選択で含めることができる。
図4 製造者銘板に用いる記号

9. 取扱説明書及び警告事項

 取扱説明書は,適切な言語で,かつ,平易な言い方で表し,座席,操縦装
置,蓄電池及び燃料タンク(適用する場合に限る。)に関するものを含み,正しく組み立て,ボートを水に
浮かせて使用するための充気及び組立を取扱者が十分理解できるように作らなければならない。
詳細に充気及び組立順序の重要性を記載している取扱説明書には,したがわないときの危険性を強調した
警告を記載しなければならない。
ボートの乾燥,保管及び点検に関する説明も含めなければならない。
蓄電池液,油,ガソリンのような液体の有害影響の可能性に関する適切な警告及び注意書きを記載しなけ
ればならない。
ボートの不均衡な乗員の配置又は荷重の積載に起因した危険に関する警告を,含まなければならない。
取扱説明書には,自然現象による危険性を警告しなければならい。また,その警告は,容易に視認できる
方法で記載しなければならない。
“沖に向かう風及び潮流に用心(BEWARE OF OFFSHORE WINDS AND CURRENTS)”.
製造者銘板(8.参照)に記載しているデータを超えたときの危険性を強調した警告を記載しなければな
ない。
追加情報を含める場合は,ISO 10240を参照することを勧める。

10. 標準装備品

 次の装備品は,各ボートに製造業者が支給しなければならない。

――――― [JIS F 1051-3 pdf 20] ―――――

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JIS F 1051-3:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6185-3:2001(IDT)

JIS F 1051-3:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 1051-3:2004の関連規格と引用規格一覧