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a) 始動試験 始動試験は,無負荷状態で始動し,回転部の加速状態の良否を調べる。
なお,始動から計画回転速度に達するまでの時間,周波数,電圧及び最大電流値を記録する。
b) 停止試験 無負荷又は封水状態において計画回転速度で運転中,電源を遮断後停止に達するまでの時
間を測定するとともに,その作動状態を調べる。
制動機を装着するものでは,更に,無負荷又は,封水状態において計画回転速度で運転中,電源遮
断後直ちに制動し,停止に至るまでの時間を測定するとともに,その作動状態を調べる。
c) 性能試験 性能試験は,固形分粒子の分離性能試験及び水分の分離性能試験について,それぞれ実施
する。
1) 固形分粒子の分離性能試験 固形分粒子の分離試験は,次による。
1.1) 性能試験に用いる試験油の粘度及び温度条件 性能試験に用いる試験油は,5.2 a)の規定による。
試験油は,標準試験油の処理動粘度に適合させるため,表1に従い規定の処理動粘度となるまで
加熱する。
表1−標準試験油に相当する試験油の粘度及び温度条件
標準試験油の種類 試験油の種類 処理動粘度 処理温度
380 mm2/s@50 ℃の燃料油タービン油 VG 32 35 mm2/s 38 ℃±0.5 ℃
タービン油 VG 46 46.5 ℃±0.5 ℃
700 mm2/s@50 ℃の燃料油タービン油 VG 32 55 mm2/s 28 ℃±0.5 ℃
タービン油 VG 46 36 ℃±0.5 ℃
標準試験油の動粘度は50 ℃における380 mm2/s及び700 mm2/sの代表的な燃料油とする。
試験油の種類は,JIS K 2213の1種(無添加)による。
処理温度は,試験油の粘度−温度線図による。
1.2) 試験油の通油量 試験油の通油量は,表1に示す試験油の処理動粘度及び処理温度における計画
処理量の100 %又は50 %の流量とする。
1.3) 試験油の調製 試験油の調製は,次による。
1.3.1) 図1の試験油タンクT01に8 c)1.1)によって調製した必要量の試験油を注入する。
1.3.2) 5.2 b)に従い,油清浄機に供給する試験油中の固形分濃度を調合する。
1.3.3) 図1の試験油タンクT01から試験油を容器に取り,少量ずつ試験用粒子を混入しながらかくは
んする。さらに試験用粒子の分散を完全にするために,超音波(出力500 W以上)を2回,そ
れぞれ4分間照射する。
1.3.4) 超音波の照射後,試験油中の粒子が適度に分散していることを顕微鏡によって,確認する。
1.3.5) 図1の試験油タンクT01のかくはん機のスイッチを入れ,試験開始前に少なくとも30分間のか
くはんを行う。
1.3.6) 8 c) 1.3.3)の試験油を図1の試験油タンクT01の中に投入する。
1.3.7) 試験開始前の60分以内に,図1の給油ポンプP1から三方弁HV2を経て,試験設備配管の洗浄
を少なくとも2回行う。
1.3.8) 通油前に,図1の試験油タンクT01中の粒子が分散していることを顕微鏡で確認する。粒子の
拡散が不十分な場合には,分散剤を添加(濃度0.1 wt %)し,顕微鏡によって粒子の拡散状態を
確認する。
――――― [JIS F 6601 pdf 6] ―――――
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略号 装置名称 略号 装置名称
S01 油清浄機 HV1 バルブ
M 電動機 TTin 温度センサ(油清浄機入口側)
HV2 三方弁 TTout 温度センサ(油清浄機出口側)
HV21 サンプルコック(油清浄機入口側)T01 試験油タンク/かくはんタンク
HV22 サンプルコック(油清浄機出口側)T02 清浄油タンク
F 流量計 P1 給油ポンプ(可変容量形)
HT ヒータ − −
図1−試験装置の配管系統図
1.4) 試験手順 試験手順は,次による。
1.4.1) 温度調節器を設定し,試験油の温度が規定の処理温度になっていることを確認する。
1.4.2) 図1に示す配管の三方弁HV2を,バイパス側に切り替える。
1.4.3) 試験油の流量を,規定の流量(計画流量の100 %又は50 %)に調整する。
1.4.4) 油清浄機のスラッジの排出を行う。
1.4.5) 図1の三方弁HV2を油清浄機側に切り替える。
1.4.6) 図1の清浄油タンクT02への油の流出を確認と同時にタイマーをスタートさせ,時間を計測す
る。
1.4.7) 通油を開始し,流量及び温度が安定していることを確認する。
1.4.8) 油清浄機の回転体容積の30倍に相当した積算流量が通油されたことを確認し,試験油のサンプ
リングを行う。試験油のサンプリングは0.5分ごとに計3回行う。油清浄機出口側を先にサンプ
リングした後,油清浄機入口側のサンプリングを行う。
1.4.9) 1.4.1)1.4.8)の手順を繰り返す。
――――― [JIS F 6601 pdf 7] ―――――
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1.5) サンプリング サンプリングを実施する場合には,試験油の流量,油清浄機の入口温度及び出口
温度を計測する。試験油のサンプリングは,図1のサンプルコックHV21(油清浄機入口側)及び
サンプルコックHV22(油清浄機出口側)から抜き取って行う。サンプリング前から弁HV21及び
弁HV22を開放し,サンプリング後は閉にする。
1.6) サンプル油の固形分粒子の分析 固形分粒子の分析法は,油清浄機の入口側及び出口側からそれ
ぞれ試験油をサンプリングし,JIS K 2276の規定に従い,ろ過及び乾燥させた後,質量を計量し,
4.2によって分離効率を算出する。
2) 水分の分離性能試験 試験に供する油の水分濃度は,0.5 vol %(1 000 Lの試験油に対して,清水5 L
混合)とする。試験手順は固形分の性能試験に従い実施する。サンプル油の水分分析は,JIS K 2275
の規定によるカールフィッシャー法によって,清浄機入口側及び出口側サンプル油の水分量(質量)
を測定し,4.3に従い水分の分離効率を算出する。
d) 過速度試験 過速度試験は,封水状態で計画回転速度の110 %又はそれ以上の回転速度で油清浄機を
5分間運転し,異状の有無を調べる。
なお,この試験には,別の駆動電動機を使用することができる。
e) 動揺試験 動揺試験は,封水状態で油清浄機を運転し,縦軸を鉛直線に対して22.5度ずつ左右に傾斜
させ,1分間に5往復の割合で5分間動揺を継続し,異状の有無を調べる(図2参照)。
図2−動揺試験装置(参考図)
f) 継続試験 継続試験は,計画状態で油清浄機を2時間連続運転を行い,各部の温度上昇,電動機入力
及び回転速度を測定するとともに振動,音響などの状態を調べる。この場合,連続通油せず封水状態
で行ってもよい。ただし,封水状態で試験を行う場合,附属のポンプをもつものは適切な給油装置を
設けてポンプに通油を行う。
――――― [JIS F 6601 pdf 8] ―――――
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g) 附属機器の作動試験 自動装置又は遠隔操作装置をもつ清浄機は,附属装置が確実に作動することを
確認する。
h) 開放検査 開放検査は8 a)8 g)の試験終了後,ギヤカバーなどを取り外して主歯車の歯面を点検する
とともに回転体を開放し,異状の有無を確認する。また,回転体内部の固形分の付着状態を調べる。
9 試験成績表の作成
油清浄機の試験の成績は,試験成績表に取りまとめる。
なお,試験成績表の例を附属書A(参考)に記載する。
――――― [JIS F 6601 pdf 9] ―――――
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附属書A
(参考)
試験成績表の例
A.1 試験成績表の例
試験成績表の例は,次による。
油清浄機陸上試験成績表
立会者
顧客名
工事番号 試験場所
主要項目 試験実施日 年 月 日
油清浄機 電動機
型式 型式
計画処理量 電圧 (V) 出力 (kW)
380 mm2/s (l/h) 周波数 (Hz) 電流 (A)
700 mm2/s (l/h)回転速度 (min−1)絶縁 種
回転速度 (min−1)製造所
質量 (kg) 製造番号
製造番号
1 始動試験
1) 電圧 (V)
2) 最大電流 (A)
3) 始動から定格回転到達迄の時間 (sec)
2 停止試験
定格回転から停止までの時間
1) 制動有り (sec)
2) 制動無し (sec)
3 性能試験
1) 試験油 タービン油
(1) 油種 : 1種(無添加)VG 32 又はVG 46
2) 添加物 (1) 固形分粒子の分離性能試験
1JIS 試験用紛体1 11種 関東ローム(焼成品)2添加量 : 0.1(質量%)
2添加量 : 0.5(vol %)
(2) 水分の分離性能試験 1清水
3) 通油量 (1) 重油380 mm2/s @50 ℃相当,通油量は計画処理量の100 %又は50 %。
(2) 重油700 mm2/s @50 ℃相当,通油量は計画処理量の100 %又は50 %。
4) 固形分粒子の分離性能試験
サンプル1 サンプル2 サンプル3
通油量 入口側 出口側 分離効率 入口側 出口側 分離効率 入口側 出口側 分離効率
(mg/kg) (mg/kg) (%) (mg/kg) (mg/kg) (%) (mg/kg) (mg/kg) (%)
100 %
50 %
5) 水分の分離性能試験
サンプル1 サンプル2 サンプル3
通油量 入口側 出口側 分離効率 入口側 出口側 分離効率 入口側 出口側 分離効率
(mg/kg) (mg/kg) (%) (mg/kg) (mg/kg) (%) (mg/kg) (mg/kg) (%)
100 %
50 %
4 過速度試験
試験時間 電動機 回転体 過速率 判定
(5分間)電圧 電流 回転速度 (110 %以上)
(V) (A)(min−1)
5 動揺試験
試験時間 電動機 回転体 鉛直線との傾斜速 速度 判定
(5分間) 電圧電流 回転速度 度 (約5往復/分)
(V) (A) (左右22.5度)
(min−1)
6 継続試験
試験時間 各部温度 電動機 回転体 振動 音響
(2時間) 室温処理油 軸受
ギヤケース 電圧 電流 回転速度 フレーム 運転時暗騒音
(℃) (℃)(℃) (両振幅m) [dB (A) ] [dB (A) ]
(℃) (V) (A) (min−1)
JIS F 6601:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.30 : 配管システム
JIS F 6601:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB8312:2002
- 歯車ポンプ及びねじポンプ―試験方法
- JISK2213:1983
- タービン油
- JISK2275:1996
- 原油及び石油製品―水分試験方法
- JISK2276:2003
- 石油製品―航空燃料油試験方法
- JISZ8901:2006
- 試験用粉体及び試験用粒子