JIS Z 8901:2006 試験用粉体及び試験用粒子

JIS Z 8901:2006 規格概要

この規格 Z8901は、集じん装置,エアフィルタなどの集じん試験,各種計測器の機能試験,摩耗試験などに用いる試験用粉体及び光散乱式自動粒子計数器などの校正,超高性能エアフィルタの粒子捕集率試験,大気中の浮遊粒子状物質自動計測器の校正などに用いる試験用粒子について規定。

JISZ8901 規格全文情報

規格番号
JIS Z8901 
規格名称
試験用粉体及び試験用粒子
規格名称英語訳
Test powders and test particles
制定年月日
1958年3月29日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

19.120
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1958-03-29 制定日, 1961-03-03 確認日, 1963-02-01 改正日, 1966-02-01 確認日, 1969-05-01 確認日, 1969-08-01 改正日, 1972-07-01 確認日, 1974-11-01 改正日, 1978-01-01 確認日, 1983-03-01 確認日, 1984-03-01 改正日, 1989-02-01 確認日, 1994-03-01 改正日, 1995-12-01 改正日, 2001-03-20 確認日, 2006-01-20 改正日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS Z 8901:2006 PDF [25]
                                                                                   Z 8901 : 2006

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本粉体
工業技術協会(APPIE)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS Z 8901:1995は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS Z 8901には,次に示す附属書がある。
附属書(規定)試験用粒子1の平均粒子径の測定方法

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS Z 8901 pdf 1] ―――――

Z 8901 : 2006

pdf 目 次

ページ

  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  3. 定義・・・・[1]
  •  4. 種類・・・・[2]
  •  5. 試験用粉体1・・・・[3]
  •  5.1 品質・・・・[3]
  •  5.2 粒子径分布・・・・[5]
  •  5.3 調製方法・・・・[7]
  •  5.4 測定方法・・・・[8]
  •  5.5 取扱い上の注意事項・・・・[9]
  •  5.6 表示・・・・[9]
  •  6. 試験用粉体2・・・・[10]
  •  6.1 品質・・・・[10]
  •  6.2 取扱い上の注意事項・・・・[12]
  •  6.3 表示・・・・[12]
  •  7. 試験用粒子1・・・・[13]
  •  7.1 品質・・・・[13]
  •  7.2 平均粒子径・・・・[13]
  •  7.3 測定方法・・・・[14]
  •  7.4 取扱い上の注意事項・・・・[16]
  •  7.5 保存上の注意・・・・[16]
  •  7.6 表示・・・・[16]
  •  8. 試験用粒子2・・・・[17]
  •  8.1 品質・・・・[17]
  •  8.2 粒子径分布・・・・[17]
  •  8.3 測定方法・・・・[17]
  •  8.4 取扱い上の注意事項・・・・[18]
  •  附属書(規定)試験用粒子1の平均粒子径の測定方法・・・・[20]

――――― [JIS Z 8901 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 8901 : 2006

試験用粉体及び試験用粒子

Test powders and test particles

1. 適用範囲

 この規格は,集じん装置,エアフィルタなどの集じん試験,各種計測器の機能試験,摩耗
試験などに用いる試験用粉体及び光散乱式自動粒子計数器の校正,超高性能エアフィルタの粒子捕集率試
験,大気中の浮遊粒子状物質自動計測器の校正などに用いる試験用粒子について規定する。

2. 引用規格

 この規格の引用規格を,付表1に示す。これらの規格は,この規格に引用されることによ
って,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8103及びJIS Z 8122によるほか,次による。
a) 試験用粉体 特性が一定しており,一般に取り扱う粉体の代表的な特性をもつもので,試験用粉体1
及び試験用粉体2がある。試験用粉体1は,集じん装置,エアフィルタなどの粉体に対する集じん試
験,各種計測器の機能試験などに用いられ,試験用粉体2は,粉体関連機器の検定や,各種計器の粉
体に対する動作機能,摩耗耐久試験などに用いられる。
b) 試験用粒子 試験用粒子1及び試験用粒子2がある。試験用粒子1は,ポリスチレン(Polystyrene)系
粒子をいう。スチレンを主成分とし,乳化重合などによって合成された粒子径のそろった単分散固体
粒子。通常,濃縮懸濁液の状態で市販され,超純水で適切な濃度に希釈したもの,又は,噴霧,乾燥
空気と混合し,水を蒸発させた試験用微粒子。試験用粒子2は,ポリアルファオレフィン又はステア
リン酸を,エアロゾル発生装置を用いて微粒子化したもの。
c) 粒子径 ふるい分け法によって試験用ふるいの目開きで表したもの,沈降法によるストークス相当径
で表したもの,顕微鏡法による円相当径で表したもの及び光散乱法による球相当径,並びに電気抵抗
試験方法(1)による球相当値で表したもの。粒径ともいう。
注(1) 電気的検知帯法と呼称することが多い。
d) 粒子径分布 粒子群を構成する粒子の粒子径に対する分布。
備考 試験用粉体を含めて,一般に粉体はすべての粒子が均一な大きさであることはなく,ある最小
粒子径から最大粒子径の範囲内に,いろいろな大きさの粒子がいろいろな割合で存在する。
e) オーバサイズ 粒子径分布において,ある粒子径より大きい粒子群の全粉体に対する百分率。
f) 中位径 粉体の粒子径分布において,ある粒子径より大きい個数又は質量が,全粉体のそれの50 %を
占めるときの粒子径。
g) 粒子密度 粉体の実容積を測定し,その値で全粉体の質量を除した値。
h) 見掛け密度 粉体の質量をその占める体積で除した値。
i) 平均粒子径 光学顕微鏡法又は透過形電子顕微鏡法によって撮影した粒子の直径の算術平均値。

――――― [JIS Z 8901 pdf 3] ―――――

2
Z 8901 : 2006
j) V値 標準偏差を平均粒子径の値で除した量。ばらつきを相対的に表すもの。
CV 100 (%)
ここに, s : 標準偏差
x : 平均粒子径
備考 変動係数(Coefficient of Variation)ともいう。

4. 種類

 試験用粉体の種類は,使用材料及び中位径によって表1及び表2のとおり区分し,試験用粒子
の種類は,呼び径,使用材料及び中位径によって表3及び表4のとおり区分する。
表 1 試験用粉体1の種類
種類 使用材料 中位径(質量基準)の範囲
μm
1種 けい砂 185200
2種 けい砂 2731
3種 けい砂 6.68.6
4種 タルク 7.29.2
5種 フライアッシュ 1317
6種 普通ポルトランドセメント 2428
7種 関東ローム 2731
8種 関東ローム 6.68.6
9種 タルク 4.05.0
10種 フライアッシュ 4.85.7
11種 関東ローム 1.62.3
12種 カーボンブラック −
13種 (欠番) −
14種 (欠番) −
15種 試験用粉体8種,12種及び −
コットンリンタの混合材料
16種 重質炭酸カルシウム 3.64.6
17種 重質炭酸カルシウム 1.92.4
表 2 試験用粉体2の種類
種類 使用材料 中位径(質量基準)の範囲
μm
GBL 30 ガラスビーズ 2931
GBL 40 (ソーダライム−シリケー 4042
GBL 60 トガラス) 5860
GBL 100 99101
GBM 20 ガラスビーズ 2123
GBM 30 (バリウム−チタネートガ 2931
GBM 40 ラス) 4042
No.1 白色溶融アルミナ 1.62.5
No.2 3.54.5
No.3 7.48.6
No.4 13.015.0
No.5 28.032.0
No.6 54.060.0

――――― [JIS Z 8901 pdf 4] ―――――

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Z 8901 : 2006
表 3 試験用粒子1の種類
種類 呼び径
μm
No. 1 0.05
No. 2 0.08
No. 3 0.1
No. 4 0.2
No. 5 0.3
No. 6 0.5
No. 7 1
No. 8 2
No. 9 5
No.10 10
No.11 15
No.12 25
表 4 試験用粒子2の種類
種類 使用材料 中位径(個数基準)の範囲
μm
1種 ポリアルファオレフィン 0.210.32
2種 ステアリン酸 0.250.35
参考 試験用粒子2の1種では,JIS Z 8901:1995で規定していたフタル酸ジオクチルが内分泌かく乱
物質の疑いがあることから,代替粒子としてポリアルファオレフィンを規定した。

5. 試験用粉体1

5.1 品質

 試験用粉体1の品質は,次による。
5.1.1 試験用粉体1の1種,2種及び3種 試験用粉体1の1種,2種及び3種(けい砂)の品質は,次
による。
a) 化学成分 化学成分は,5.4.2 a) の方法によって測定し,表5の規定に適合しなければならない。
表 5 1種,2種及び3種の化学成分
化学成分 質量分率
%
SiO2 95以上
Fe2O3
Al2O3
TiO2 合計3以下
MgO
強熱減量
b) 粒子密度 粒子密度は,5.4.3の方法によって測定し,2.62.7 g/cm3の値でなければならない。
5.1.2 試験用粉体1の4種及び9種 試験用粉体4種及び9種(タルク)の品質は,次による。
a) 化学成分 化学成分は,5.4.2 a) の方法によって測定し,表6の規定に適合しなければならない。

――――― [JIS Z 8901 pdf 5] ―――――

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JIS Z 8901:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8901:2006の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA6201:2015
コンクリート用フライアッシュ
JISB7506:2004
ブロックゲージ
JISB9921:2010
光散乱式気中粒子計数器―校正方法及び検証方法
JISB9928:1998
コンタミネーションコントロールに使用するエアロゾルの発生方法
JISK0121:2006
原子吸光分析通則
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原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
JISK6217-1:2008
ゴム用カーボンブラック―基本特性―第1部:よう素吸着量の求め方(滴定法)
JISK6217-4:2017
ゴム用カーボンブラック―基本特性―第4部:オイル吸収量の求め方(圧縮試料を含む)
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JISK8103:2013
ジエチルエーテル(試薬)
JISK8271:2007
キシレン(試薬)
JISK8585:2015
ステアリン酸(試薬)
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路面標示塗料用ガラスビーズ
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ポルトランドセメント
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研削といし用研磨材の粒度の試験方法
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JISR6125:2005
人造研削材の密度測定方法
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計測用語
JISZ8122:2000
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ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法