JIS Z 8815:1994 ふるい分け試験方法通則

JIS Z 8815:1994 規格概要

この規格 Z8815は、粒子状及び粉体状物質の粒径分布を測定するために行うふるい分け試験方法の一般的原則について規定。

JISZ8815 規格全文情報

規格番号
JIS Z8815 
規格名称
ふるい分け試験方法通則
規格名称英語訳
Test sieving -- General requirements
制定年月日
1988年3月1日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 2591-1:1988(MOD)
国際規格分類

ICS

19.120
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1988-03-01 制定日, 1993-05-01 確認日, 1994-12-01 改正日, 2000-06-20 確認日, 2005-03-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS Z 8815:1994 PDF [11]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 8815-1994

ふるい分け試験方法通則

Test sieving−General requirements

1. 適用範囲 この規格は,粒子状及び粉体状物質の粒径分布を測定するために行うふるい分け試験方法
の一般的原則について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8801 試験用ふるい
2. この規格の対応国際規格を次に示す。
ISO 2591-1 : 1988 Test sieving−Part 1 : Methods using test sieves of woven wire cloth and
perforated metal plate
2. 一般事項
2.1 用語の定義 この規格で用いる用語の定義は,次のとおりとする。
(1) 縮分 一つの試料を,化学的及び物理的特性が同じである幾つかの小さな試料に分けること。
(2) 分割 化学的又は物理的特性に留意することなく,一つの試料を幾つかの試料に分けること。
(3) 試料 ふるい分け試験を行うために採取した物質。
(4) 試験試料 実際にふるい分け試験に供する試料の一部又は全部。
(5) 装入試料 1回のふるい分け操作で処理する試験試料の一部又は全部。
(6) かさ体積 粒子群集合体の体積。
(7) 乾式ふるい分け 気体中で行うふるい分け。
(8) 湿式ふるい分け 液体を分散媒体として用いるふるい分け。
(9) 手動ふるい分け ふるいを手で振動させながら行うふるい分け。
(10) 機械ふるい分け ふるい分け装置を用いるふるい分け。
(11) ふるい上 ふるい分け終了後に,ふるい網上に残留した試験試料
(12) ふるい下 ふるい分け終了までに,ふるい網を通過した試験試料
2.2 数値の丸め方 測定値の丸め方は,JIS Z 8401による。
3. ふるい分け試験方法の種類
3.1 乾式ふるい分け 乾式ふるい分けは,次の2種類とする。
(1) 手動ふるい分け
(2) 機械ふるい分け
3.2 湿式ふるい分け 湿式ふるい分けは,次の2種類とする。
(1) 手動ふるい分け

――――― [JIS Z 8815 pdf 1] ―――――

2
Z 8815-1994
(2) 機械ふるい分け
4. ふるい分け試験方法の選定基準
4.1 乾式ふるい分けが適当な試料 乾式ふるい分けが適当な試料は,次のとおりとする。
(1) 試料中に45 鉛 く含まれているもの。
(2) 試料の付着凝集性が低いもの,又は乾燥,その他の操作(1)によって付着性を低減できるもの。
注(1) 例えば,磁性をもつ試料では,キュリー温度以上に加熱すると磁性を失い,付着凝集性が低下
する。
また,多くの無機粉体ではメタノールなどのアルコールで表面を処理すると,付着凝集性が
低下することがある。
4.2 湿式ふるい分けが適当な試料 湿式ふるい分けが適当な試料は,次のとおりとする。
(1) 試料中に45 鉛 く含まれているもの。
(2) 付着凝集性が高い粉体。
(3) 乾燥中に固着したり,変質したりするもの。
(4) ふるい分け試験中に静電気を帯びて,付着凝集性が高くなるもの。
5. 試験試料の調製と採取
5.1 試料の調製 試料中の水分が高い場合は,付着凝集性が高く,縮分精度及びふるい分け効率の低下
を招くので,6.1.1(4)の乾燥器を用いて試料を乾燥するのが望ましい。乾燥後は,デシケータ内で室温まで
冷却する。
5.2 予備ふるい分け 広い粒径分布をもつ試料の場合は,表1に示す粒径範囲に,あらかじめふるい分
けるのが望ましい。
表1 予備ふるい分けの粒径範囲
粒径範囲
22.4mmを超えるもの
4mmを超え 22.4mm以下
1mmを超え 4mm以下
1mm以下
5.3 試験試料量及び縮分
5.3.1 試験試料量 試験試料は表2又は表3に示す量を目安として,元の試料を代表するように採取する。
5.3.2 試料の縮分 試料から表2又は表3に示す試験試料量を採取するのに必要な縮分は,次のとおりに
行う。
(1) 流動性が高く,試料量が多い場合は,図1に示す二分割器などを用いて試料を分割する。このとき,
図2に示す左右相殺法などを採用して,かたよりがない試験試料を採取する。図2の方法で縮分され
た4個の試料のうちの一つを用いても,まだ試料量が多い場合には,同様の縮分操作を更に繰り返す。
備考 縮分された試料を数個合わせて試験試料としてもよいが,試験試料量が不足又は過剰である場
合,スパチュラなどで,縮分試料に他の試料の一部を加えたり,縮分試料の一部をすくい取る
などして試験試料量に合わせてはならない。
(2) 試料の流動性が低い場合は,図3に示す円すい四分法を用いて試料の二分割を行い,(1)と同じ要領で
かたよりのない試験試料を採取する。

――――― [JIS Z 8815 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
Z 8815-1994
(3) 必要に応じて回転分割器なども用いることができる。
表2 直径200mmの試験用ふるいに装入する試料量の目安
ふるいの目開き 装入試料の最大かさふるい分け終了後における
体積cm3 ふるい上の最大かさ体積cm3
22.4mm 1 600 800
16 1 000 500
11.2 800 400
8 500 250
5.6 400 200
4 300 150
2.8 240 120
2 200 100
1.4 160 80
1 140 70
710 120 60
500 100 50
355 80 40
250 70 35
180 60 30
125 50 25
90 42 21
63 35 17
45 30 15
32 25 12
20 19 9
表3 直径75mmの試験用ふるいに装入する試料量の目安
ふるいの目開き 装入試料の最大かさふるい分け終了後における
体積cm3 ふるい上の最大かさ体積cm3
22.4mm 100 50
16 63 31
11.2 50 25
8 31 15
5.6 25 12
4 19 9
2.8 15 7
2 13 6
1.4 10 5
1 9 4
710 8 4
500 6 3
355 5 2
250 4 2
180 4 2
125 3 1
90 3 1
63 2 1
45 2 1
32 1 0.5
20 1 0.5

――――― [JIS Z 8815 pdf 3] ―――――

4
Z 8815-1994
図1 二分割器 図2 左右相殺法による試料の縮分 図3 円すい四分法
5.4 装入試料中の最大粒子径 装入試料の中に,次の式で算出される粒子径Dmよりも大きな粒子が含ま
れてはならない。
Dm=10×W 0.7
ここに, W : 使用するふるいの目開き (mm)。
計算例を表4に示す。
表4 最大粒子径
単位mm
ふるいの目開き 最大粒子径
(W) (Dm)
8 42.9
2 16.2
0.5 6.2
0.25 3.8
0.045 1.1
6. 試験方法
6.1 乾式ふるい分け試験
6.1.1 装置及び器具 乾式ふるい分け試験に用いる装置及び器具は,次による。
(1) ふるい JIS Z 8801に規定する試験用ふるいを用いる。
(2) ふるい分け装置 1個又は数個重ねたふるいを振動させてふるい分けるために,例えば図4に示すよ
うなふるい分け装置を用いることができる。
(3) はかり 試験試料の質量に近いひょう量で,読取限度が最大ひょう量の0.000 1程度のもの。
(4) 乾燥器 設定温度±2℃で温度制御が可能なもの。
(5) 目詰まり除去ブラシ ふるい網面を損傷しないように,目開きに応じて適当な硬さのブラシを用いる。

――――― [JIS Z 8815 pdf 4] ―――――

                                                                                              5
Z 8815-1994
図4 乾式ふるい分け装置の例
6.1.2 ふるい分け時間 ふるい分け開始から,1分間にふるいを通過する粒子群の質量が装入試料質量の
0.1%以下になるまでの時間をふるい分け時間とする。
6.1.3 ふるい分け操作 ふるい分け操作は,手動又は機械ふるい分けのいずれかによって行う。
なお,ふるい分け終了後に測定される,各ふるい上質量と目開きが最も小さいふるいのふるい下質量の
合計は,装入試料質量の±2%の範囲でなければならない。網面の目詰まり粒子は,ふるい網の裏面が上に
なるようにふるいを逆転し,目詰まり除去ブラシを用いて除去する。その目詰まり粒子は,ふるい上とす
る。
(1) 手動ふるい分け 装入試料の粒径範囲に対するふるい分け方法は,次のとおりとする。
(1.1) 22.4mmを超える場合
(a) 1個のふるいをふるい受器の上に置く。
(b) ふるいに装入試料を静かに入れ,ふたをする。
(c) これを両手で持ち,水平面内を一方向に軽く振動させる。
(d) ふるい網上に残った粒子を1個ずつ手で持ち,ふるい目に対してあらゆる方向に回しながらあてが
い,力を加えることなくふるい目を通過するか否かを調べながら,ふるい分ける。
(e) ふるい上粒子数が多く,(d)までのふるい分け操作が困難な場合は,次の(1.2)の方法を採用してもよ
い。
(1.2) 4mmを超え22.4mm以下の場合
(a) 使用するふるいのうちで,目開きが最も大きいふるい1個をふるい受器の上に置く。
(b) ふるいに装入試料を静かに入れ,ふたをする。
(c) これを両手で持ち,水平面内を一方向に,振幅約70mm,1分間約60往復の割合で振動させる。
(d) ふるい下は,次に大きい目開きのふるいを用いて,(a)(c)の方法でふるい分ける。
(1.3) 1mmを超え4mm以下の場合
(a) 受器の上に,目開きの大きいふるいが上段になるように重ねる。
(b) 最上段のふるいに装入試料を入れ,ふたをする。
(c) 重ねたふるいを両手で持ち,水平面内を一方向に,振幅約70mm,1分間約60往復の割合で振動さ
せる。
(d) ふるい分け速度が小さい試料の場合は,1分間に約3回の円運動を加える。
(e) (d)までのふるい分け操作が難しい場合は,(1.2)のふるい分け方法を用いてもよい。

――――― [JIS Z 8815 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS Z 8815:1994の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2591-1:1988(MOD)

JIS Z 8815:1994の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8815:1994の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8801:1994
試験用ふるい