JIS F 8062:1996 船用電気設備 第201部 システム設計―一般 | ページ 2

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F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)
(b) 最低限の快適な居住性
(c) 貨物の保存性
を得るために必要な設備に給電できるものでなければならない。
最低限の快適な居住性には,少なくとも照明,調理,暖房,生活用冷凍,機械通風,衛生水及び清水の
ための適切な設備を含めなければならない。
6.2.3 船の主電源の構成は,6.1.1に示す給電が推進機関又は軸系の回転速度及び回転方向にかかわりな
く維持できるものでなければならない。
プロペラの停止状態を含め,すべての航行状態及び操船状態の下で,発電装置の構成が,発電機の発電
容量が6.2.2に従い電力を供給するために十分なものであり,かつ,すべての追加要件,とりわけ,6.2.4
の要件を満たすものである場合には,推進装置によって駆動される発電機は,主電源を構成する発電機と
して認めることができる。このような発電装置は,独立の発電装置より機能及び信頼性が劣るものであっ
てはならない。
備考 Amendment No.4 : 1988の用語に倣い,“船 (ship) ”の語を“プロペラ (propeller) ”に置き換え
た。
この6.2.3に従っていない推進装置駆動の発電機は,電力計算に関連して付加電源として使用できるが,
給電の中断(例えば,推進装置の突然の停止によって)の後,船を稼動状態及び安全な状態に維持するた
めに必要なすべての補助設備へ,速やかに電力を回復することに対して注意を払わなければならない。こ
の設備の機能回復に要する時間は,45秒を超えてはならない。
6.2.4 さらに,発電装置は,いずれの1台の発電機又はその原動力装置が停止した場合でも,他の残りの
発電機は,デッドシップ状態から主推進装置を始動するために必要な電気設備へ給電できるものでなけれ
ばならない。非常電源は,単独又は他のいずれかの電源との組合せ容量が,当該公的機関によって要求さ
れる非常用設備に同時に給電するのに十分であるならば,デッドシップ状態からの始動に使用することが
できる。
デッドシップ状態からの始動手段が専ら電気に依存し,かつ,非常電源がこの目的のために使用できな
い場合には,デッドシップ状態からの始動に使用される発電機を始動するための手段は,少なくとも非常
発電装置の始動のために要求されるものに匹敵する始動設備を備えなければならない。
6.2.5 変圧器,コンバータ又は類似の設備が,6.2によって要求される給電装置の不可欠な部分を構成す
る場合には,当該装置は,6.2に規定したものと同じ給電の連続性を確保するように構成されなければなら
ない。
6.3 非常電源−一般
6.3.1 自己起電の非常電源は,当該公的機関によって要求されるように装備されなければならない。あら
ゆる状態のもとで,非常負荷への給電を確保するための適切な措置が取られている場合には,非常電源は
短時間,例外的に非常用以外の回路への給電に使用することができる。
6.3.2 非常状態における安全のために供せられる利用電力,給電時間及び負荷は,当該公的機関の要求を
満足しなければならない。
6.4 旅客船の非常電源
6.4.1 非常電源が発電機である場合には,非常発電機は次によらなければならない。
(a) 独立の燃料供給装置を備える適切な原動機によって駆動されること。
(b) 主電源から非常配電盤への給電の故障に際し自動的に始動し,かつ,非常配電盤に自動的に接続され
ること。6.4.3に規定されている負荷は,その後自動的に非常発電機へ移されること。自動起動装置及

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び原動機の特性は,非常発電機が,安全,かつ,実行可能な限り速やか(最大45秒)に,その最大定
格で給電できること。非常発電装置を始動するための第二の独立した手段が備えられていない場合に
は,その唯一の蓄積エネルギーが,自動始動装置によって完全に消耗されることのないように,保護
されること。
(c) 6.4.3に従い,一時つなぎの非常電源を備えること。
備考 非常発電機の原動機に影響する他の条件,例えば,環境条件に対して,更に考慮を払うべきで
ある。
6.4.2 非常電源が蓄電池である場合には,蓄電池は次によらなければならない。
(a) 再充電することなく非常時の電気的負荷に給電し,その間,全放電期間にわたって蓄電池電圧を公称
電圧からその±12%以内に維持する。
(b) 主電源からの給電が故障した際には,自動的に非常配電盤に接続される。
(c) 少なくとも,6.4.3の一時つなぎの非常電源に要求される負荷に直ちに給電する。
6.4.3 6.4.1 (c)で要求される一時つなぎの非常電源は,非常の際の使用に適した場所に設置された蓄電池
で構成され,再充電することなく全放電期間を通じて蓄電池電圧を公称電圧からその±12%以内に維持し
ながら給電できなければならない。また,主電源又は非常電源の故障の際に,当該公的機関によって要求
される負荷に,自動的に給電できるように装備されなければならない。容量は,少なくとも30分間に対し
て十分なものでなければならない。
6.4.4 全非常電気装置を定期的に試験するための措置が講じられなければならない。この措置は,自動始
動装置の試験を含まなければならない。
6.5 貨物船の非常電源
6.5.1 非常電源が発電機である場合には,非常発電機は次によらなければならない。
(a) 独立の燃料供給装置を備える適切な原動機によって駆動されること。
(b) (c)に適合する一時つなぎの非常電源が装備されない場合には,主電源から非常配電盤への給電の故障
によって,自動的に始動すること。
非常発電機が自動始動する場合には,非常発電機は自動的に非常配電盤に接続されること。その後,
6.5.3に規定されている負荷は,自動的に非常発電機に接続されること。非常発電機を始動するための
第二の独立した手段が備えられていない場合には,その唯一の蓄積エネルギーが自動始動装置によっ
て完全に消耗されることのないように,保護されること。
(c) 6.5.3に規定される負荷に給電でき,かつ,自動始動して安全かつ実行可能な限り速やか(最大45秒)
に要求される負荷に給電できる非常発電機が装備されない場合には,6.5.3に規定される一時つなぎの
非常電源を装備すること。
6.5.2 非常電源が蓄電池である場合には,蓄電池は次によらなければならない。
(a) 再充電することなく非常用負荷に給電し,その間,全放電時間にわたって蓄電池電圧を公称電圧から
その±12%以内に維持すること。
(b) 主電源の故障の際に非常配電盤に自動的に接続されること。
(c) 少なくとも,6.5.3の一時つなぎの非常電源に要求される負荷に直ちに給電すること。

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6.5.3 6.5.1 (c)で要求される一時つなぎの非常電源は,非常の際の使用に適した場所に設置された蓄電池
で構成され,再充電することなく全放電期間を通じて蓄電池電圧を公称電圧からその±12%以内に維持し
ながら給電でき,かつ,主電源又は非常電源の故障の際に,当該公的機関によって要求される負荷に,自
動的に給電できるように装備されなければならない。容量は,少なくとも30分間に対して十分なものでな
ければならない。
6.5.4 全非常電気装置を定期的に試験するための措置が講じられなければならない。この措置は,自動始
動装置の試験を含まなければならない。
6.6 定期的に無人の状態に置かれる機関区域に対する追加要件
6.6.1 定期的に機関区域を無人とするように計画された船は,その無人とする期間の長さにかかわらず,
次の6.6.2から6.6.8までを満足していなければならない。
6.6.2 6.1.1に示す設備用の電力が,通常,船の発電装置1組から供給されている場合には,負荷制限の
ような処置を行って,出入港を含むあらゆる航行状態における船の安全性が,人員が配置される機関区域
を備えた船と同等以上となることを確保できるものでなければならない。
6.6.3 稼動中の発電装置が故障した場合には,十分な容量の待機発電装置を自動的に始動し,かつ,主配
電盤に接続して,出入港を含むあらゆる航行状態における船の安全性が,人員が配置される機関区域を備
えた船と同等以上となることを確保するために必要な設備に給電する措置が講じられていなければならな
い。
6.6.4 必要に応じて,順次始動される重要補機を,すべて自動的に再始動できる措置が講じられていなけ
ればならない。
6.6.5 待機発電装置の自動始動装置及び特性は,待機発電機が,安全,かつ,実行可能な限り速やか(45
秒以内)に,その最大定格で給電できるものでなければならない。
6.6.6 短絡状態の場合は,待機発電機回路遮断器を2回以上自動的に投入させないような措置が講じられ
ていなければならない。
6.6.7 電力が通常,並行運転している2組以上の発電機により供給されている場合において,これらの発
電機の1組が作動を停止した場合でも,負荷制限のような手段又は配電盤母線を適切に分離することによ
って,残りの発電機が過負荷になることなく運転を維持して,推進及び操だ(舵)を可能にし,かつ,船
の安全を確保する措置が講じられていなければならない。
6.6.8 安全及び警報装置に関する要件は,JIS F 8076 (IEC 92-504) の附属書Aに規定されている。
備考 旅客船については,当該公的機関は,この章に規定する要件以上の要件を要求することがある。
(配電方式に対する要求事項)
7. 一般
7.1 接地式配電方式
7.1.1 系の接地は,非通電部の接地機構とは無関係な手段によってなされなければならない。
7.1.2 発電機を整備する場合の断路のように,発電機の断路手段は,各発電機の中性点接地接続部に設け
ること。
7.1.3 中性点接地式の配電方式及び中性点を相互に連結して運転する発電機においては,製造業者はそれ
らの機械が過度の循環電流を生じないように適切に設計するように指示されていなければならない。
このことは,それらについて,大きさや製造業者が異なっている場合に特に重要なことである。

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備考 変圧器の中性点は,すべての相当する発電機の中性点がその系統から切り離されない限り(例
えば陸上電源から給電中のように)接地してはいけない。
7.2 絶縁配電方式
7.2.1 一次,二次にかかわらず,動力,照明又は暖房用の配電方式が非接地式の場合は,対地絶縁レベル
を連続監視でき,低い絶縁値を示したとき作動する可聴又は可視表示の警報装置を備えなければならない。
タンカーについては,JIS F 8074 (IEC 92-502) の3.7.1も参照のこと。
7.3 サーマルコンテナ用配電系統
多数の冷凍コンテナを運搬することを目的とした船の場合には,コンテナ内の地絡事故が主配電系統に
影響することを防止するための適切な手段を講じることに考慮を払わなければならない。
8. 配電方法
8.1 船内給電用発電機の出力は,電気機器に次のいずれかの方法で給電することができること。
(a) 分岐方式
(b) 網目回路又は環状主回路
8.2 環状主回路又は他のループ状回路(例えば区電箱を相互に接続して一つの連続回路としたもの)の
ケーブルは,あり得るいかなる負荷や給電形態に対しても十分な通電及び短絡容量をもつ導体からならな
ければならない。
9. 負荷の平衡
9.1 直流三線式における負荷の平衡
外側の導体と中性線の間に接続される電気機器は,通常状態において,その系統の各半分にかかる負荷
を,その不平衡量が主配電盤はもちろん,個々の分電箱,区電箱においてそれぞれの負荷の15%以内で,
できるだけ平衡させるようにグループ分けしなければならない。
9.2 交流三線式又は四線式における負荷の平衡
交流三線式又は四線式に対しては電気負荷を最終支回路でグループ分けし,正常状態において,各相の
負荷が主配電盤はもちろんのこと,個々の分電箱,区電箱においても不平衡量がそれぞれの負荷の15%以
内になるように,できる限り平衡させなければならない。
10. 船体帰路単線方式
10.1 船体帰路方式が認められる場合には,すべての最終支回路は,絶縁二線式で構成され,その船体帰
路は,最終支回路の始点となる分電箱の母線の一つを船体に結合することによってなされなければならな
い。
接地線は容易に点検でき,かつ,絶縁試験のため接続を切り離すことができるような近づきやすい場所
に設けられなければならない。
直流船体帰路方式の場合,磁気コンパス領域内のすべてのケーブルは,2極方式に配列されなければな
らない。この場合,各回路の電流値によって,鋼製隔壁又は甲板による遮へいがなければ,磁気コンパス
を中心にして次の球面半径が適用される。
出ていく電線と帰ってくる電線は,1本のケーブルとするか又は一体に並べて配線されていなければな
らない。

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電流 球面半径
A m
10まで 5
10を超え50まで 7
50を超えるとき 9
無線電信設備又は方向探知機を含む他の重要な無線機器に対しては,製造業者の資料によるものとする。
10.2 船体帰路方式は,JIS F 8074 (IEC 92-502) を適用するタンカーには使用してはならない。
11. 最終支回路
11.1 一般
重要設備のためのすべての電動機及び1kW以上の全電動機に対して,別々の最終支回路を設けなければ
ならない。16Aを超える定格の最終支回路は,2個以上の装置に給電してはならない。
11.2 照明用最終支回路
照明用最終支回路は,小形調理機器(例えば,トースタ,ミキサ,コーヒーひき),小形雑用電動機(例
えば,卓上及び室内扇風機,冷蔵庫),衣装たんす用ヒータ及び類似のものを除いて,電熱用及び動力用の
装置に給電してはならない。
16A以下の電流定格の最終支回路では,それに接続される負荷の合計が,最終支回路の保護装置の設定
電流値の80%を超えてはならない。
16A以下の電流定格の最終支回路によって給電される照明点の数は,次の最大値を超えてはならない。
電圧 照明点の最大数
55V以下 10
56120V以下 14
121250V 24
コルニス照明 (cornice-lighting),パネル照明及び電気信号においては,ソケットが互いに近接して集め
られ,かつ,固定配線で回路に接続される場合,最終支回路の最大使用電流が10A以下ならば,上に規定
するより多くの照明点を一つの最終支回路に接続してよい。
11.2.1 最終支回路の照明負荷に関する正確な情報がない場合には,すべてのソケットがそれに接続され得
る最大負荷に匹敵する電流(それは,少なくとも60W以上と仮定される。)を要すると考えられる。ただ
し,ソケットが60Wよりも小さいランプだけを取り付けるように造られている場合には,その電流定格は
それに従って考えてよい。
11.2.2 居住区域における照明の最終支回路は,できる限り,ソケットアウトレットを含めてよい。
この場合,各ソケットアウトレットは照明点2個として計算する。
11.3 電熱用最終支回路
各電熱器は別々の最終支回路に接続されなければならない。ただし,総接続電流定格が16A以下の10
個までの小形電熱器を1本の最終支回路に接続してよい。
11.4 制御回路
JIS F 8076 (IEC 92-504) 及びD並びにIEC 204-1も参照のこと。
11.4.1 給電系統及び公称電圧
制御回路の範囲及び複雑さは変動するので,給電及び電圧の種類について詳細な勧告を規定することは
できないが,表1及び表2に示すような公称電圧の交流を選ぶか直流を選ぶかについては,考慮を払わな

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JIS F 8062:1996の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60092-201:1994(IDT)

JIS F 8062:1996の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 8062:1996の関連規格と引用規格一覧