11
F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)
ければならない。
外部制御系統が制御卓の内部に集められている場合は,それぞれが偶発的に接触しないように保護され,
かつ,適切に表示されていない限り,制御電圧は250Vを超えてはならない。
11.4.2 回路設計
制御回路は,できる限り,回路内の故障がその系の安全性を損なわないような方法で設計しなければな
らない。
特に,制御回路は,被制御装置の誤動作(例えば,意図しない作動)を起こすおそれがある,制御回路
と他の導電部との間の欠陥によって生じる危険を制限するように,設計,配置及び保護しなければならな
い。
備考1. タンカー[JIS F 8074 (IEC 92-502) を参照]については,安全区域内で局部的に接地された
制御回路は,JIS F 8074 (IEC 92-502) の3.5.2による例外と考えられる。
2. 装置と関係ない制御回路が故障した場合でも重要設備の利用を維持するために,制御回路を
分離することに注意を払うこと。
例えば,発電機キュービクル開閉装置に関係ない不足電圧回路の部分に故障があっても,
発電機回路遮断器を手動で投入できなければならない。
11.4.3 電動機制御
自動再始動を要求されない限り,電動機制御回路は,どの電動機でも,電圧の降下又は喪失によって停
止した後,意図しない自動再始動が危険を生じるおそれがある場合には,そのような再始動を防止するよ
うに設計しなければならない。
電動機の逆流制動が設けられている場合には,制動の終わりに回転方向を反転することが危険をもたら
すおそれがあるなら,その反転を避ける措置を講じなければならない。
安全性が,エレベータ装置のように,電動機の回転方向に依存する場合には,例えば一つの相がなくな
ったり,相の反転によって生じる逆動作を防止する措置を講じなければならない。
11.4.4 保護
表示灯を含む制御回路には,短絡保護装置を備えなければならない。
表示灯の故障が重要設備の作動を損なうおそれがある場合には,そのような表示灯は独立して保護しな
ければならない。
11.4.5 回路の配置
重要用途の制御回路については,監視機構付き制御回路を可能な限り容易に利用できるように,考慮を
払わなければならない。
12. ソケットアウトレット
12.1 移動灯及び小形の家庭電気器具用のソケットアウトレットは,11.2で規定するように,一緒に集め
てよい。
12.2 250Vを超える系統のソケットアウトレットは,16A以上の定格でなければならない。
12.3 ソケットアウトレットに給電する異なった配電系統が用いられる場合,ソケットアウトレットとそ
のプラグが誤結合されることがないような設計でなければならない。
13. 機関区域,居住区域,貨物区域などにおける照明回路
13.1 次のような場所
――――― [JIS F 8062 pdf 11] ―――――
12
F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)
− 主要な,かつ,大きな機関区域
− 大きな調理室
− 回廊
− ボート甲板への階段
− 公室区域
では,電灯に対し二つ以上の最終支回路を設け,その中の一つは,非常配電盤から給電し,いずれか一
つの回路が故障しても照明を不十分なレベルにまで引き下げないようにしなければならない。
13.2 貨物区域における最終照明回路は,貨物区域の外に設けた多極連動スイッチによって制御されなけ
ればならない。その回路が生きているときには,そのことが分かるような手段を講じなければならない。
14. 船外接続
14.1 陸上その他の電源から給電をするための施設が設けられる場合には,外部電源からの可とうケーブ
ルを接続するのに便利なように,船内に適切な受電端を設けなければならない。
受電端と主又は非常配電盤の間には,十分な定格の固定電線を設けなければならない。
14.2 接地端子は,適切な接地点に船体を接続するために設けられなければならない。
14.3 船外接続には,そのケーブルが帯電しているとき,これを示すための表示器を主又は非常配電盤に
設けなければならない。
14.4 船内の系統との関連において,接続する外部電源の極性(直流の場合),又は相順(三相交流の場合)
を調べるための手段を講じなければならない。
14.5 接続箱には,はり札を付け,船内系統の給電方式及び公称電圧(交流であれば周波数も)並びに接
続する場合の手順について,十分な情報を与えるようにしなければならない。
14.6 引きずられるケーブルを構造物に取り付けるための措置を施し,機械的な力が電気端子に加わらな
いようにしなければならない。
14.7 船外接続に用いられるいかなる変圧器も,二重巻線形でなければならない。
15. 航海灯
15.1 マスト灯,げん灯及び船尾灯は,この目的のために設け,主又は非常配電盤に直接又は変圧器を通
じて接続し,船橋の近づきやすい場所に置かれた分電箱に別々に接続しなければならない。
航海灯用に,もう一つの給電に切り換えるための方法を船橋に設けなければならない。
15.2 個々の航海灯は,各絶縁極にヒューズを設けて保護し,2極のスイッチを備えるか,又はその代わり
に2極遮断器で保護しなければならない。
なお,これらは15.1に規定する分電箱に取り付けなければならない。
15.3 個々の航海灯は,消えたときに可聴及び/又は可視警報を発する自動表示器を備えなければならな
い。もし,可聴装置が使用されるならば,その装置は例えば一次電池又は蓄電池のような別個の電源に接
続しなければならない。もし,可視信号が用いられ,それが,航海灯と直列に接続されるならば,可視信
号の故障によって航海灯が消灯するのを防止するための手段を講じなければならない。
16. 無線設備
無線設備の給電用には,主又は非常配電盤から特別に回路を設けなければならない。
――――― [JIS F 8062 pdf 12] ―――――
13
F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)
17. 固定設置の水中形ビルジポンプ
17.1 固定設置の水中形ビルジポンプの電動機は,もし備える場合には,非常配電盤に接続しなければな
らない。
17.2 このようなポンプヘのケーブル及びそれらの接続は,隔壁甲板下の距離に等しい水頭の圧力下で運
転可能でなければならない。
ケーブルは,防水性で (impervious-sheathed) がい装のあるものとし,隔壁甲板上から電動機の端子まで
全長にわたり連続して敷設し,底部から鐘状空気だまり (air bell) に引き込まなければならない。
17.3 固定設置の水中形ビルジポンプの電動機は,あらゆる状況下で,隔壁甲板上の便利な場所から始動
できなければならない。
17.4 もし電動機に,追加の機側始動装置が設けられるならば,それからの全制御線を,甲板上に設けた
始動器の付近で断路できるように,回路を計画しなければならない。
18. 電動機回路
18.1 電動機の始動
各電動機には,その対象電動機の満足な始動を確実にするために,制御装置を設けなければならない。
発電設備又はケーブル網の容量によって始動電流を許容できる値までに制限することが必要となる場合が
ある。
電動機制御装置の補助回路の手配及びこの機器の設計に際しては,始動時の主回路の電圧降下によって,
適切な機能が悪影響を受けないように考慮しなければならない。
18.2 断路方法
0.5kW以上の定格の各電動機及びその制御装置の給電側のすべての充電している極から全負荷を切り離
せるようにすること。制御装置が主若しくは補助の分電箱上又はそれに近接して設けられる場合,箱内の
断路スイッチを使用してよい。その他の場合,制御器内の断路スイッチ又は別箱の断路スイッチを設けな
ければならない。
18.3 電動機から離れている始動器
電動機を切るための始動器又はその他の装置が,その電動機から離れているときには,次のいずれかと
することを推奨する。
− 回路の断路(スイッチ)を“開”の位置にロックする措置を講じるか,
− 別の断路スイッチを電動機の近くに設けるか,又は
− 生きている各極又は各相のヒューズが容易に取り外すことができて,電動機の取扱い責任者によって
保管できるようにしなければならない。
18.4 主幹始動器方式
単一の主幹始動器方式(すなわち,1台の始動器が多くの電動機を次々に制御する。)が使用される場合,
各電動機に対し,低電圧保護及び過電流保護並びに各電動機にそれぞれの始動器を用いる方式に対する要
求と同じような有効な断路手段を備えなければならない。
主幹始動器が自動形である場合,手動のための適切な代行手段又は非常手段を設ける。
始動器が重要設備の電動機の始動に用いられる場合,始動部は二重とし,かつ,始動器の1台が故障し
ても動作させる一重の装置を設ける。
19. 照明器具
――――― [JIS F 8062 pdf 13] ―――――
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F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)
19.1 250Vを超える電圧の放電灯
各放電灯又は装置には,多極(全極)の断路スイッチを近づきやすい場所に設けなければならない。
そのようなスイッチは,はっきりした印を付け,その近くに注意書きを設けなければならない。
スイッチや他の電流遮断装置は,変圧器の二次側の回路に設けてはならない。
19.2 探照灯及びアーク灯
すべての探照灯やアーク灯の断路は,多極(全極)の断路スイッチによらなければならない。
もし,直列抵抗がアーク灯と共に用いられるならば,断路スイッチは,給電側の回路に設け,両者とも,
そのスイッチが“開”の位置のときに切断されるようにしなければならない。
20. 船内通信の回路
20.1 動力又は照明回路からの給電
通信回路が動力又は照明の回路から直接給電される場合及び55Vを超える給電電圧の場合,すべての機
器は動力及び照明の回路に対する要求を満足しなければならない。
20.2 個別の電源からの給電
通信系統が電動発電機,一次若しくは二次蓄電池又は変圧器及び半導体電源変換器から給電され,55V
より低い電圧で,照明及び動力回路から全く電気的に絶縁されている場合,スイッチ,抵抗器,分電箱,
附属品,計器及び他の機器類は,丈夫な設計で,かつ,系統電圧及び装備場所から見た安全面で十分な余
裕を確保して装備されることが望ましい。
20.3 機関室テレグラフ又は類似の装置
機関室テレグラフ又は類似の装置への給電の故障時には,船橋で表示がなされなければならない。
[不等率(需要率)]
21. 最終支回路
最終支回路のケーブルは,接続される負荷に応じた定格のものでなければならない。
22. 最終支回路以外の回路
二つ以上の最終支回路に給電する回路は,接続される負荷の合計に応じた定格のものとしなければなら
ない。ただし,妥当と認められる場合は23.及び24.に従って不等率を適用する。
予備回路が区電箱又は分電箱に設けられる場合には,不等率を適用する前に,将来の負荷増加に対する
余裕を,接続負荷の合計に加算しなければならない。その余裕は,各予備回路に対し,それと同じ定格を
もつ実使用回路の平均負荷以上の負荷を見込んで算定されなければならない。
23. 不等率(需要率)の適用
不等率(需要率)は,導体断面積の算定及び開閉装置の定格に適用することができる。ただし,個々の
電気設備の既知又は予想される状態が不等率の適用に適していなければならない。
24. 動力回路−一般
不等率は,状況によって決定されなければならない。通常の全負荷は,電動機の銘板定格に基づいて決
定されなければならない。
――――― [JIS F 8062 pdf 14] ―――――
15
F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)
もし,銘板の定格が明らかでない場合は,表3に示す定格を考慮する。
交流動力回路の不等率の査定に際しては,軽負荷時電動機の消費電流が比較的小さな減少度合いである
ことに考慮しなければならない。
表3 直流及び三相交流電動機の概略全負荷電流
(備考1.及び2.を参照)
電動機 概略全負荷電流 A
の出力 直流 三相交流
kW 110V 220V 380V 50Hz 440V 60Hz
回転数 rpm 回転数 rpm
750 1 000 1 500 3 000 900 1 200 1 800 3 600
0.25 4.2 2.1 備考2.
0.37 5.8 2.9
0.55 8.4 4.2
0.75 10.4 5.2
1.1 14.8 7.4 3.4 3 2.7 2.5 2.7 2.54 2 1.9
1.5 19 9.5 4.3 3.9 3.6 3.4 3.6 3.3 3.1 3
2.2 26 13 6 5.5 5.1 4.9 5.2 5.0 4.6 4.2
3 36 18 7.7 7.2 6.8 6.5 7 6.6 6.3 5.8
4 46 23 10 9.5 9 8.2 8.9 8.5 8.1 7.2
5.5 62 31 13 12.5 12 11.5 12 11 11 10
7.5 82 41 18 17 16 15 15 14 14 13
11 118 59 25 24 23 22 21 20 20 19
15 160 80 32 31 31 30 27 26 26 25
18.5 196 98 40 39 38 37 33 32 32 30
22 230 115 47 46 45 44 38 37 37 35
30 310 155 62 60 59 58 52 50 49 48
37 382 191 76 74 73 72 63 61 60 59
45 462 231 91 88 87 84 76 74 72 71
55 562 281 110 106 105 103 93 90 88 87
75 764 382 147 142 140 136 125 121 119 118
90 914 457 174 171 169 166 150 145 142 141
110 1 114 557 213 210 205 200 182 176 173 172
132 − 667 253 248 243 238 217 211 208 208
備考1. 表の数値は,必ずしも個々の電動機の電流値ではなく,一般的な平均値であり,個々の値は速度,効率及
び力率によって影響される。例えば,低速(かつ,大形)の機械の効率は同出力定格の高速(かつ,小形)
の機械よりも幾分低いのが普通である。しかし,表の数値は個々の電流値に十分近い値として24.の目的に
利用できる。
2. 1kWより小さい出力の三相交流電動機に対する値は,この範囲で値が大きく変わるので,意味がない。
25. 荷役用ウインチ及びクレーン回路
荷役用ウインチ及びクレーンに対しては,不等率は,製造業者から得られる情報に基づいて,製造業者
と購入者の間で合意されたものを適用してよい。
もし,情報が得られなければ,表4の不等率を適用してよい。
――――― [JIS F 8062 pdf 15] ―――――
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JIS F 8062:1996の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60092-201:1994(IDT)
JIS F 8062:1996の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.60 : 船及び海洋構造物の電気設備
JIS F 8062:1996の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISF8007:2004
- 船用電気機器―外被の保護等級及び検査通則
- JISF8061:2005
- 船用電気設備―第101部:定義及び一般要求事項
- JISF8064:2000
- 船用電気設備 第301部 機器―発電機及び電動機
- JISF8072:2006
- 船用電気設備―第401部:装備基準及び完成試験
- JISF8074:2003
- 船用電気設備―第502部:タンカー―個別規定
- JISF8075:2010
- 船用電気設備―第503部:個別規定―1kVを超え15kV以下の交流配電系統
- JISF8076:2005
- 船用電気設備―第504部:個別規定―制御及び計装
- JISF8076:2021
- 船用電気設備―第504部:自動化,制御及び計装