JIS F 8072:2006 船用電気設備―第401部:装備基準及び完成試験 | ページ 2

F 8072 : 2006 (IEC 60092-401 : 1980)

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      備考 IEC 60092-301:1980,Electrical installations in ships. Part 301: Equipment−Generators and motors
が,この規格と一致している。
JIS F 8081 船用電気設備及び電子機器−電磁両立性
備考 IEC 60533:1999,Electrical and electronic installations in ships−Electromagnetic compatibilityが,
この規格と一致している。
IEC 60092-352:1997,Electrical installations in ships−Part 352: Choice and installation of cables
for low-voltage power systems
IEC 60332-1:1993,Tests on electric cables under fire conditions−Part 1: Test on a single vertical
insulated wire or cable
IEC 60331 Fire-resisting characteristics of electric cables (series)

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 接地連続導体(earth-continuity conduotor) 接地連続導体とは,接地されるべき部分の相互間又は接
地されるべき部分と接地導体との間を接続する電線,ケーブル又は他の導体をいう。例えば,全部又は一
部が金属の電線管,ケーブルの金属シース又はケーブル若しくは可とう(撓)コードに含まれる連続接地
導体であってもよい。
3.2 接地導体(earthing-lead) 接地導体とは,金属船体部に接続するための導体をいう。
(接地)
4. 接地が要求される部品
4.1 次に示すものを除き,電気設備の近づきやすいすべての金属は,通電部を除き接地しなければなら
ない。
除外 :
− 電球口金
− 非導電材料で造られるか若しくは覆われている電球ソケット又は照明器具に取り付けられているシェ
ード,反射板及びガード。
− 非導電材料に取り付けられた金属部又は非導電材料にねじ込むか若しくは貫通するねじ。ただし,こ
れらの金属部分及びねじは,非導電材料によって通電部及び接地非通電部から分離されているもの。
− 認められた安全要求を満足するもので,二重絶縁及び/又は強化絶縁(JIS F 8061参照)をもつ移動形
器具。
− 軸受内の循環電流を防ぐために絶縁された軸受のハウジング。
− 蛍光放電管のクリップ。
− 安全電圧で給電されている機器(JIS F 8061の1.3.19参照)。
− ケーブルクリップ
備考 非通電部で近づきやすくはないが,故障時には充電され,そのため火災を起こすおそれがある
部分,例えば,木製壁に取り付けられた金属製接続箱のようなものの接地には,十分考慮を払
う。
4.2 船橋又は上甲板上の金属製ハンドル,手すりなどは無線送信機によって誘導される高周波電圧によ
る電撃を最小にするため,船体又は上部構造物と良好な電気的接続をしなければならない。

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                                                           F 8072 : 2006 (IEC 60092-401 : 1980)

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    備考 JIS F 8081を参照。
4.3 計器用変圧器の二次巻線は,接地しなければならない。

5. 接地方法

 4.1で除外されないもので,近づきやすい非通電金属部は,次のとおり接地しなければなら
ない。
5.1 機器の金属枠又は箱は,取り付けるとき接触面がきれいで,かつ,さび,スケール,塗料などがな
く,かつ,しっかりとボルト止めされている場合には,船体構造物と金属接触とで固定してもよい。また,
別の方法として6. 及び8. による接続方法で船体に接続してもよい。
この目的のために,鉛被ケーブルの鉛シースだけに頼ってはならない。
5.2 ケーブルの金属被覆の接地及びケーブルの機械的保護被覆の接地に関する要求事項については,37.
参照。

6. 接地接続

6.1   すべての接地接続は,銅又は他の耐食性の材料としなければならない。また,しっかりと取り付け,
損傷,必要があれば,電食に対しても保護しなければならない。
6.2 すべての接地接続銅線の公称断面積は,表1に要求されている値以上としなければならない。銅線
以外の接地接続は,銅線接地に対して規定された値以上のコンダクタンスをもたなければならない。
6.3 移動形器具の金属部分は通電部及び4.1で除外されている部品を除き,表1に適合し,かつ,附属す
るプラグ及びソケットアウトレットを通して接地されるように,可とうケーブル又はコード内の接地導体
で接地しなければならない。
6.4 いかなる場合も,接地の手段としてケーブルの鉛シースだけに頼ってはならない。
表 1 接地連続導体の大きさ及び接地接続
接地接続の形式 対応する通電導体の断面積 接地接続銅線の最小断面積
1. 可とうケーブ いずれも 16 mm2まで通電導体と同じ
ル又は可とう 16 mm2を超える場合はその半分,ただし,最小16 mm2
コード内の接
地連続導体
2. 固定されたケ いずれも 2.1 絶縁された接地連続導体をもつケーブルに対して :
ーブルに組み 2.1.1 16 mm2までは主導体と同一の断面積。ただし,最小1.5 mm2
込まれた接地 2.1.2 主導体が16 mm2を超える場合,主導体の断面積の50 %以上。
連続導体 ただし,最小16 mm2
2.2 鉛シースに直接接触する裸接地電線をもつケーブルに対して :
主導体の断面積 接地導体
12.5 mm2 1 mm2
46 mm2 1.5 mm2
3. 個別に固定さ 3.1 3 mm2以下 通電導体と同じ。ただし,より線の場合,最小1.5 mm2,より線で
れた接地導体 ないものは,最小3 mm2
3.2 3 mm2を超え125 mm2 通電導体の断面積の半分。ただし,最小3 mm2
以下
3.3 125 mm2を超えるもの64 mm2

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7. 接地配電系統

7.1   接地配電系統において,通常は電流を流さない接地接続を行う場合は,6. の規定によらなければな
らない。ただし,上限値64 mm2の制限は適用しない(表1の3.3参照)。
7.2 接地配電系統への装置の接地は,他の非通電部の接地手段から独立した方法で有効に行わなければ
ならない。

8. 船体構造物への接続

 接地連続導体又は船体構造物への接地導体の接続は,すべて,近づける場所で
行い,かつ,接地接続のためだけに使われる直径6 mm以上の黄銅又は他の耐食性材料でできたねじによ
ってしっかりと行われなければならない。いかなる場合にも,ねじを締める前に接触面は,金属光沢面を
保つように注意しなければならない。

9. アルミニウム製上部構造物

 アルミニウム製の上部構造物を,鋼製船体に取り付ける場合には,これ
ら異なる材質の材料間の電食を防止するために,通常は絶縁物を挿入する。このような場合には,上部構
造物と船体との間の電食を避け,かつ,接続点を容易に点検できるような方法で独立のボンディング接続
を備えなければならない。
備考 JIS F 8081参照。

10. 船体帰路単線方法

 船体帰路方式が許される場合,すべての最終支回路は2本の絶縁電線で行わなけ
ればならない。船体帰路は,それを行う分電箱の母線の1本を船体に接続することによって行うことがで
きる。
接地電線は容易に検査ができ,かつ,絶縁試験のため切離しができるように近づきやすい場所になけれ
ばならない。
直流の船体帰路方式の場合,磁気コンパス領域内のすべてのケーブルは2極方式に配列しなければなら
ない。すなわち,出ていく電線と帰ってくる電線は1本のケーブルとするか又は一体に並べて配線しなけ
ればならない。
この場合,各回路の電流値によるが,鋼製隔壁又は甲板による遮へいがなければ,磁気コンパスを中心
として次の球面半径を適用する。
電流 球面半径
A m
10以下 5
10を超え50以下 7
50を超える 9
無線電信設備又は方向探知機を含む他の重要な無線機器に対しては,製造業者の資料によるものとする。
(配電盤及び制御盤)
11. 絶縁マット 電圧が,JIS F 8061の1.3.19に規定する安全電圧を超える場合には,配電盤及び制御盤
の前に絶縁マット若しくは含浸した木製のグレーティング又はデッキを装備しなければならない。また,
裏面に近づくようになっている場合には,ここにも同じように装備しなければならない。絶縁マット,グ
レーティング又はデッキは耐油性で,かつ,滑り止めになっているものでなければならない。

――――― [JIS F 8072 pdf 8] ―――――

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12. 配電盤及び制御盤の前面通路

 すべての装置の前面には,一番突出した部分から1 m以上の何の障害
物もない通路を設けなければならない。
備考 小形船では,当該公的機関の同意の下に,障害物がない通路の幅は縮小してもよい。

13. 裏面の空間及び通路

 配電盤及び制御盤の裏面に空間を設ける場合には,点検整備のために十分な空
間をもたなければならない。一般に,それは0.6 m以上としなければならない。ただし,船体のスチフナ
及びフレームがある場合には,0.5 mにとしてもよい。500 Vを超える公称電圧の場合には,この空間を更
に増やすことを推奨する。
主配電盤及び非常配電盤の裏面通路は十分な高さをもたなければならない。また,可能な場合外から施
錠され,内側からはいつでも開けられるような扉を両側に設け,かつ,その扉には恒久的ではっきり見え
る最大電圧の表示をしなければならない。

14. 管及びタンク類との位置関係

 JIS F 8061の関連する要求事項に適合するものはもとより,すべての
配電盤及び制御盤は,同じ場所内でその上部及び裏面に一切の管又はタンク類がないように配置しなけれ
ばならない。これが避けられない場合には,管は,継目がない連続のもので,かつ,その場所に開放する
箇所があってはならない。

15. 区電箱及び分電箱の位置

 居住区にある開放形装置で可燃性の材料で取り囲まれている場合には,不
燃性材料の火炎仕切りを設けなければならない。
(変圧器)
16. 据付け及び配置
16.1 変圧器は,乾式空冷式で充電部への偶発的な接触に対し保護されている場合には,特別な区画に設
ける必要はないが,その他の場合には,よく換気される区画に装備し,かつ,取扱担当者だけが近づくこ
とができるようにしなければならない。
16.2 液入り変圧器の場合には,漏れ液の排出に対し,十分な方法を講じた金属製区画に入れなければな
らない。
油など可燃性液体が使われている場合には,変圧器が置かれている場所は自動消火装置を備え付けなけ
ればならない。
16.3 冷却に対して適切であり,かつ,損傷したタンクから流出するすべての液を入れることができる適
切な処置を講じなければならない。また,ビルジへの混入は,適切なトレイ又は受皿を設けることによっ
て防がなければならない。
16.4 変圧器及び端子部は,考えられる機械的損傷,結露及び腐食に対し保護しなければならない。
(半導体コンバータ)
17. 据付け及び配置
17.1 半導体コンバータスタック又は装置は,スタック,関連する装置又は外被(ある場合)への空気の
循環が妨げられることなく,かつ,コンバータスタックへの冷却吸入空気の温度が,スタックに規定され
た周囲温度を超えないように据え付けなければならない。

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F 8072 : 2006 (IEC 60092-401 : 1980)

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  自然空冷式のキャビネットは十分な換気口をもつか,又は全閉外被構造の整流装置の場合は,許容温度
内で作動するような十分な冷却表面をもつように設計されなければならない。
17.2 コンバータスタック及び関連する装置は,抵抗器,蒸気管及び機関排気管のような発熱源の近くに
据え付けてはならない。
17.3 半導体コンバータスタック又は半導体素子は,装置全体を取り外すことなく,これらのものだけを
取り外せるように据え付けなければならない。
17.3.1 液入りコンバータの場合には,液入り変圧器に対する16.2の規定と同様の装備上の注意をしなけ
ればならない。
(蓄電池)
18. 配置
18.1 蓄電池は,高温,低温,噴霧,蒸気,又は特性を損なうようなもの若しくは劣化を促進するような
他の状態にさらされることがないように配置しなければならない。非常用ディーゼル機関始動用を含む非
常用蓄電池は,SOLASに基づき,衝突,火災又は他の災害によって被る損傷から,実行可能な限り保護
された場所に配置しなければならない。
蓄電池は,その発生蒸発物で周囲の機器が損傷を受けることがないように配置しなければならない。
18.2 充電装置に接続される蓄電池は,充電器の出力(最大充電可能電流及び蓄電池の公称電圧から計算
された。)に応じて次のとおり装備しなければならない。
− 2 kWを超える場合,蓄電池専用の室に設けるか,それが不可能な場合,適切に換気された甲板上のロ
ッカ内に装備する。
− 0.2 kW2 kWの場合,上記と同様。また,適切な場所にある箱の中若しくはロッカ内又は落下物から
保護されている場合には,機関室内又は同様の十分に換気された区画に装備してもよい。
− 0.2 kW未満の場合,上記と同様。ただし,落下物から保護されている場合,開放された場所又は適切
な場所の蓄電池箱に装備してもよい。
備考 23. 参照。
18.3 始動用蓄電池は,大電流によるケーブルでの電圧降下を抑えるために,できるだけ機関の近くに配
置しなければならない。
18.4 蓄電池(密閉形でない場合)は,寝室区画に配置してはならない。
18.5 鉛蓄電池及びアルカリ蓄電池は,同一の蓄電池区画に配置してはならない。
18.6 蓄電池区画,ロッカ及び蓄電池箱の扉又はカバーには,これらの区画又は近くでの裸灯の使用又は
禁煙という表示をした注意銘板を確実に取り付けなければならない。

19. 近づきやすさ

 蓄電池は,換装,検査,試験,注液及び清掃のために近づきやすい配置にしなければ
ならない。

20. 蓄電池区画内の電気設備

20.1 蓄電池及び蓄電池区画の照明用のものを除いて,できる限り,蓄電池区画にケーブルを通してはな
らない。ただし,ケーブルを装備しなければならない場合には,ケーブルは電極から発生する蒸気に耐え
る保護カバーを設けるか又は他の適切な保護をしなければならない。

――――― [JIS F 8072 pdf 10] ―――――

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JIS F 8072:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60092-401:1980(IDT)

JIS F 8072:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 8072:2006の関連規格と引用規格一覧