JIS F 8072:2006 船用電気設備―第401部:装備基準及び完成試験 | ページ 3

                                                           F 8072 : 2006 (IEC 60092-401 : 1980)

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20.2 照明装置は,JIS F 8062の表5によらなければならない。
20.3 アークが生じやすい機器は,蓄電池区画に装備してはならない。

21. 腐食に対する保護

21.1 蓄電池区画の内部は,木枠,トレイ,箱,棚及びその他の構造物を含めて,次の事項を施すことに
よって電解液による劣化作用から保護しなければならない。
− 耐電解液表面処理,又は
− 耐電解液材料による内張り。例えば,鉛蓄電池に対しては鉛板,アルカリ蓄電池に対しては鋼板。
もう一つの方法として,蓄電池区画の床を全面的に耐電解液材料で内張りしてもよい。内張りは水密構
造で,かつ,全周にわたって少なくとも150 mmの高さまで行わなければならない。また,蓄電池区画の
壁及び天井は,耐電解液表面処理で保護しなければならない。
21.2 鉛蓄電池の場合,蓄電池セルが木枠又はトレイ内に群となっているか否かにかかわらず,また,ア
ルカリ蓄電池の場合も,金属棚の内面は耐電解液材料で保護しなければならない。内張りは水密構造で,
かつ,全周にわたって少なくとも75 mmの高さまで行わなければならない。また,内張りは鉛板の場合,
最小厚さ1.5 mm,鋼板の場合は0.8 mmなければならない。
金属棚の外面は,少なくとも耐電解液処理を施さなければならない。
21.3 甲板上の箱は,上記のいずれかの方法に従って内張りをしなければならない。小容量の蓄電池のた
めの箱は,21.2の方法によって75 mmの高さまで内張りしなければならない。
21.4 表面処理及び内張りに用いる材料は,蓄電池に有害な蒸気を発生するようなものであってはならな
い。

22. 据付け及び支持

 蓄電池は,木片又は同等のもので動かないように確実にくさび止めしなければなら
ない。
トレイは,全周から空気が出入りできるように配置しなければならない。仕切り支持物は,電解液を吸
収しないようなものでなければならない。

23. 換気

23.1 すべての蓄電池室,蓄電池用ロッカ及び箱は,可燃性ガスが蓄積しないように配置及び/又は換気し
なければならない。発生ガスは,空気より軽く,かつ,その場所の頂部ポケットにたまりやすいので特に
注意しなければならない。蓄電池を2段以上に配置するときは,すべての棚は,空気を循環させるため前
後に50 mm以上の空間を設けておかなければならない。
23.2 ダクトを蓄電池室又はロッカの頂部から大気中に直接通すことができ,そのダクトのいずれの部分
も垂直から45゜以内の傾きである場合には自然通風としてもよい。これらのダクトには,空気及び混合ガ
スが自由に通り抜けるために妨げになるような器具(例えば,炎の通過を防ぐもの)を付けてはならない。
蓄電池用ロッカが設けられる場合,ダクトの口は,蓄電池外被の頂部から0.9 m以上のところに設けな
ければならない。
自然通風では実際的でなく,又は不十分である場合には,室に頂部を排気側とする機械式排気通風装置
を設けなければならない。空気入口のための十分な開口を,これらはダクトにつながっていてもいなくて
も,蓄電池室の床若しくはロッカ又は格納箱の底近くに設けなければならない。

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F 8072 : 2006 (IEC 60092-401 : 1980)

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23.3 いかなる場合も,空気の排気量は少なくとも次によらなければならない。
Q=110・I・n
ここに, Q : 排気量(l/h)
I : ガス発生中に充電装置によって送られる最大電流(A)。
ただし,最大充電電流の1/4以上の電流
n : 直列に接続された蓄電池のセルの数
23.4 18.2によって分類された出力の充電装置に接続された蓄電池用の室,ロッカ及び箱は,次のとおり
換気しなければならない。
− 2 kWを超える場合,23.2及び23.3に基づき,他の場所の換気装置とは独立の装置によって機械的に
排気するのが望ましい。
− 0.2 kW2 kWの場合,機関室の開放された場所,又はよく換気された区画に装備された場合を除き,
23.2及び23.3による。
− 0.2 kW未満の場合,蓄電池箱は,ガスを逃がすため,頂部近くに換気口を設ける。
− 甲板上の箱は,自然換気でもよい。自然換気は,十分な径をもったダクトで,グースネック形,マッ
シュルーム形又は同様なもので,少なくとも1.25 mの高さまで伸ばしておけば十分である。
保護等級については,JIS F 8062の表5参照。
23.5 蓄電池区画のファンは,インペラがファンケーシングに接触した場合,火花が発生しない構造で,
かつ,そのような材料のものでなければならない。鋼又はアルミニウム製のインペラは,使用してはなら
ない。
23.6 ダクトは,耐食性材質のものか,又はダクト内面が耐食性塗料を塗ったものとしなければならない。
23.7 蓄電池区画から空気を排気するためのダクトに装備するファン用の電動機は,ダクトの外側に装備
しなければならない。電動機内にガスが侵入しない構造としなければならない。また,ダクトは,大気中
に排気するように配置しなければならない。
(照明器具)
24. 保護等級 装備場所によって,照明器具は少なくともJIS F 8062の表5(保護等級に対する最低要求)
に示す保護等級をもたなければならない。
通常の機械的損傷を超える危険にさらされている照明器具は,そのような損傷に対し保護されている
か,又は特別に強固な構造にしなければならない。

25. 250 Vを超える放電灯照明器具

25.1 一般 250 Vを超える放電灯は,固定形灯具にだけ使用しなければならない。
放電灯設備は,可能な限り次に示すような丈夫で適切な注意銘板を備えなければならない。
25.2 充電部の保護 放電灯の充電部はすべて,人が偶然に又は不注意に触れることがないように設計さ
れ,配置され,かつ,取り付けなければならない。また,ガラス管の表面の沿面距離についても十分な考
慮を,払わなければならない。

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25.3 配線 金属シース又はがい装のいずれもない裸金属導体又はケーブルは,電圧に応じた適切な方法
で支持し,そして,少なくとも他の導体,ケーブル又は接地線から20 mm以上離して装備し,かつ,適切
な方法でカバーしなければならない。
他の容易に識別する方法がない場合には,ケーブル又は保護カバーに“危険”(“DANGER”)と書いた
タブ又はラベルを1.5 m以内の間隔でしっかり取り付けることによって識別できるようにしなければなら
ない。文字は,白地に赤で高さ10 mm以上の大きさで示さなければならない。
25.4 接地 すべての器具の非通電部は,有効に接地しなければならない。ただし,放電灯を取り付けて
いる場所から遠く離れたところにある金属製のクリップ又はクランプは,必ずしも接地する必要はない。
ただし,無線の受信障害を減じるために,これらのクリップ又はクランプを接地するのが望ましい場合が
ある。(接地)参照。
25.5 スイッチ すべての放電灯照明器具は,近づきやすい場所に多極(全極)断路スイッチを設けなけ
ればならない。これらのスイッチは明確に印を付け,かつ,注意銘板を近くに備えなければならない。
スイッチ又は他の遮断器は,変圧器の2次側に装備してはならない。

26. 探照灯及びアーク灯

 すべての探照灯又はアーク灯の断路は,多極(全極)断路スイッチによらなけ
ればならない。
アーク灯に直列抵抗器が使用されている場合は,断路スイッチは,それが“断”位置のとき,直列抵抗
器とアーク灯との両方が断路されるように,給電回路側に配置しなければならない。

27. 非常灯

 非常灯は,容易に識別できるように,印を付けなければならない。
(電熱器及び調理器具)

28. 可燃性材料の防護

 電熱器及び調理器具の近くにあるすべての可燃性材料は,適切な不燃性で,かつ,
断熱性がある材料で保護しなければならない。

29. 制御装置及び開閉装置の位置

 器具の内部又は近くに取り付けられたヒューズ,スイッチ及びその他
の制御用素子の位置は,それらの設計値を超える温度にさらされることなく,かつ,例えば,別個の点検
カバーを外すことによって,点検のために近づきやすいものでなければならない。

30. 暖房器具の取付け

 暖房器具は,甲板,隔壁又は他の周囲のものを過熱して危険を生じることがない
ように取り付けなければならない。

31. 可熱性ガス及びちり

 可熱性ガス又はちりがたまりやすい場所には,それらに点火する可能性がある
電熱器を装備してはならない。
(ケーブル)
32. 電路−一般
32.1 電路は,できるだけまっすぐで,かつ,近づきやすい場所を,選ばなければならない。

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F 8072 : 2006 (IEC 60092-401 : 1980)

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32.2 電路は,結露及び水滴の作用を受けないように選ばなければならない。ケーブルは,ボイラ,高温
管,抵抗器などの熱源からできるだけ遠ざけ,かつ,機械的損傷の危険を避けられるように保護しなけれ
ばならない。熱源の近くにケーブルを敷設することが避けられず,そのために熱によってケーブルが損傷
する危険がある場合には,適切な熱遮へいを施さなければならない。又は,その他の予防策,例えば,特
別な通風の採用,断熱材の設置又は特殊耐熱ケーブルの使用を,過熱回避のために講じなければならない。
32.3 ケーブルは,伸縮接合部を横切って敷設してはならない。敷設することが避けられない場合には,
接合部の膨伸に比例した長さをもつケーブルの湾曲部を設けなければならない。湾曲部の最小内径は,ケ
ーブル外径の12倍以上でなければならない。
32.4 電路の構造については,危害を加える害虫又はねずみに対して保護されるよう考慮しなければなら
ない。
32.5 絶縁電線又はケーブルは,JIS C 3665-1を満足していても,同様な絶縁電線又はケーブルの束が,同
様な性能を示すという仮定はできない。これは,ケーブルの束に沿った火災の拡大が,次のような幾つか
の要因によるためである。
a) 火災及びケーブルによって発生する炎にさらされる可燃性材料の量。
b) ケーブルの束の幾何学的形状及びケーブルの束と囲いとの関係。
c) ケーブルから発生するガスを点火させることができる温度。
d) 与えられた温度上昇に対してケーブルから放出される可燃性ガスの量。
e) ケーブル敷設場所を通過する空気の量。
これらすべては,火災に巻き込まれた場合,ケーブルは点火されると仮定している。
IEC 60092-352の追補(Amendment)No.1の附属書Bは,幾つかのケーブルが一緒に束ねられた場合の
試験に関する詳細が述べられている。試験を受けるケーブル1 m当たりの可燃性材料の量の違いによって,
三つのカテゴリーがある。
この試験は,ケーブルを分類し,試験において定義づけられた環境条件の下で,主に火災拡大の見地か
ら三つのカテゴリーの性質に関する指針を使用者に与えることを意図するものである。
したがって,この試験方法は,特定の敷設に当てはまる可能性のあるすべての状況における火災の危険
性を完全に評価できるものではない。また,a) e) の要因に対して,絶えず認識しなければならない。
32.6 最高許容導体温度が異なる絶縁材料のケーブル[JIS F 8062の表6(単心ケーブルの連続使用におけ
る電流定格)参照]は,共通のクリップ,グランド,電線管,トランク又はダクトにまとめて敷設しては
ならない。
これが難しい場合には,いずれのケーブルもその定格温度より高い温度に達しないように選ばなければ
ならない。
32.7 ケーブルの保護被覆が他のきずつきやすいケーブルの被覆をいためるおそれがある場合には,これ
らのケーブルを共通のクリップ,グランド,トランク又はダクトにまとめて敷設してはならない。
32.8 裸の金属シース,金属編組又は金属がい装をもつケーブルは,他の金属と接触して電食を起こさな
い方法で敷設しなければならない。
32.9 安全電圧用のケーブルは,回路の定格電圧が500 Vを超えるケーブルと一緒に束ねたり,また,同一
管内に敷設してはならない。定格電圧が1 kV未満のケーブルは,それ以上のケーブルと一緒に束ねたり,
また,同一管内に敷設してはならない。
32.10 ケーブル貫通は,船内区画の耐火性を保つように行わなければならない。
32.11 電路は,できるだけ火災の拡大を防ぐように配置しなければならない。

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  IEC 60332-1の試験には合格しているが,ケーブルを束ねた形状での試験(附属書B参照)に合格して
いないケーブルを使用する場合,次を適用しなければならない。
a) 閉鎖又は半閉鎖区画内の垂直電路に対し,ファイアストップを次の箇所に設けなければならない。
− 全閉のケーブルトランクに設置されるものを除いて,少なくとも一つおきの甲板上で,かつ,最
大間隔が6 mをそれほど超過しない範囲。
− 主及び非常配電盤上。
− ケーブルが機関制御室に入るところ。
− 推進機関及び重要補機用集中制御盤上。
− ケーブルトランクヘの入口。
b) 閉鎖又は半閉鎖区画内の水平電路に対し,a) に規定したとおりファイアストップを設けなければなら
ない。最大間隔は,14 mまで広げてもよい。
a),b) の規定によるファイアストップは,次による。
1) 全閉でないトランク内の垂直電路に対して
− トランクの全断面を覆っている,少なくとも3 mm厚の鋼板に装備されているケーブル貫通。
− これに代えて,電路の全長にわたって承認された延焼防止塗料を用いてもよい。
2) 開放垂直電路に対して
− 1) と同様の鋼板に装備されているケーブル貫通,ただし,鋼板は電路の最大寸法の2倍の大き
さで,全周にわたって延長する。しかし,隔壁又はトランクの側面を貫いて延長する必要はな
い。
− これに代えて,電路の全長にわたって承認された延焼防止塗料を用いてもよい。
3) 開放水平電路に対して
− 1) と同様の鋼板に装備されているケーブル貫通,ただし,鋼板は電路の最大寸法の2倍の大き
さで,全周にわたって延長する。しかし,天井,甲板,隔壁又はトランクの側面を貫いて延長
する必要はない。
− これに代えて,電路の少なくとも1 mの長さに承認された延焼防止塗料を用いてもよい。
備考1. このような防火塗料の試験手順は,検討中である。
2. ケーブルが延焼防止塗料によって保護されている場合,ケーブルの使用温度によって起こる
可能性がある影響を考慮する必要がある。
c) 貨物倉及び貨物区域内の甲板下通路には,その区画の境界にだけファイアストップを設ける必要がある。

33. 重要設備及び非常設備用のケーブル敷設

33.1 例えば,操だ(舵)機など,少なくとも二重系統で給電しなければならない重要設備の場合,電源
及び関連の制御用ケーブルは,別々の経路を敷設しなければならない。それらはできる限り垂直部,水平
部共に分離しなければならない。
二重装備の重要な電気設備の場合,その給電ケーブル及び関連する制御ケーブルは,垂直,水平の両方
向にできるだけ分離した別々の電路に敷設しなければならない。
備考1. 主機船橋制御システムと一体となっている機関室テレグラフのような重要機能に対し,相互
にスタンバイとして作動するシステムは,この点で同様に扱われなければならない。
2. 主配電盤が機関制御室のように独立した閉鎖区画に配置される場合,この項はこの区画に装
備される装置及びケーブルには適用しない。

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JIS F 8072:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60092-401:1980(IDT)

JIS F 8072:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 8072:2006の関連規格と引用規格一覧