JIS F 8072:2006 船用電気設備―第401部:装備基準及び完成試験 | ページ 4

F 8072 : 2006 (IEC 60092-401 : 1980)

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33.2 船体を,幾つかの防火区画に区分することを要求されている場合には(一般に客船の場合該当する。),
電路は主垂直防火区画のいずれでの火災が他の防火区画の重要な設備に支障を来さないように配置しなけ
ればならない。ただし,主給電用ケーブル及び非常給電用ケーブルが,いずれの防火区画を通過していて
も垂直部,水平部共にできるだけ離して敷設されている場合には,この要求に合致しているとみなされる。
33.3 重要用途又は非常用の動力,照明,船内通信若しくは信号用のケーブル及び配線は,できる限り調
理室,洗濯室,機関区域及びそのケーシング内並びにその他火災の危険が高い場所から離して敷設しなけ
ればならない。ただし,これらの場所にある装置に給電する場合はその限りでない。また,ケーブルは,
隣接する区域での火災による隔壁の加熱によって使用不能になるのを,できる限り防ぐように敷設しなけ
ればならない。
火災によるケーブル損傷の防止に関して,重要回路用の主ケーブル経路,例えば,機関区域と航海船橋
区域との間のケーブルなどの保護については,居住区域に存在する火災の危険性を考慮して,特別の注意
を払わなければならない。
火災中に,回路が機能しなければならないということが重要であり,そのような回路のケーブルを高危
険区域を通して敷設することが避けられない場合,そのケーブルはIEC 60331に規定されている試験に合
格できる形式のものであるか又は火災に直接さらされることに対して十分保護されていなければならない
(例えば,非常火災消火装置及びそれに関連するシステムのための回路)。
重要設備の給電用及び制御用の主電路及びケーブルは,次の場合を除いて,火災の危険性を増加させる
機械部分から離さなければならない。
− ケーブルが,その装置に接続される。
− ケーブルが,鋼製隔壁又は甲板で保護されている。
− ケーブルが,その区域内で,IEC 60331による耐燃性である。
備考1. 主電路とは,例えば
− 発電機及び推進用電動機から主及び非常配電盤までの電路。
− 主及び非常配電盤,集中電動機始動器盤,区電箱,推進用及び重要補機用集中制御盤の
直接上部又は下部にある電路。
2. 可燃物を扱う機器,機械部品又は装置は,火災の危険性を増加するものと考えられる。

34. 電磁気的障害に関連するケーブルの敷設法

 好ましくない電磁気的障害の影響をできる限り避けるた
め,JIS F 8081の規定には,十分考慮を払わなければならない。この規定は,無線装置付近のケーブル敷
設,敏感な電子制御機器及び監視システムのためのケーブル敷設について特に重要である。

35. 水中に固定装備されるビルジポンプ用ケーブル

 水中に固定装備されるビルジポンプ用ケーブルは,
隔壁甲板までの水頭で作動できなければならない。
ケーブルは,防水性でがい装のある(impervious-sheathed)ものとし,かつ,隔壁甲板上部から電動機端
子部まで連続に敷設しなければならない。また,鐘状空気だまり(air bell)の下部からケーブルを導入し
なければならない。

36. 機械的保護

36.1 機械的損傷の危険にさらされるケーブルは,その保護被覆(例えば,がい装又はシース)が適切な
機械的保護をもっていない場合,適切な電線管又はケーシング内に納めなければならない。

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36.2 例えば,船倉,貯蔵場所,貨物積付場所などのように特に機械的損傷を受ける危険にさらされるケ
ーブルは,船の構造物がケーブルに対して十分に保護できない場合には,がい装されていても,鋼製のケ
ーシング,トランク又は電線管によって保護しなければならない。
36.3 ケーブルの機械的保護に用いる金属ケーシングは,腐食に対して有効に保護しなければならない。

37. ケーブルの金属被覆及び機械的保護物の接地

(5. 参照)37.1 ケーブルのすべての金属被覆は,46.2.1の規定が適用される場合を除き,両端を金属船体部に電気的
に接続しなければならない。ただし,最終支回路(給電端だけで)及び技術上又は保安上の理由によって
行われる接地工事(制御・計装用ケーブル,無機絶縁ケーブル,本質安全回路,制御回路など)では,単
点接地を行うことが認められている。
37.2 接地接続は,ケーブルの電流定格に応じた断面積(表1参照)をもつ導体又はケーブルの金属被覆
をつかむ金属クランプのような同等効果のある方法によって行われ,金属船体部に接続しなければならな
い。
ケーブルの金属被覆は,接地目的のために設け,かつ,有効な接地接続を確保するように設計されたグ
ランドによって接地してもよい。
そのグランドは,この規格に従って接地された金属構造物にしっかりと取り付け,かつ,有効な,電気
的接続をもたなければならない。
37.3 ケーブルの全長を通じて,すべての金属被覆の電気的連続性は,特に接続部及び分岐部において確
保しなければならない。
37.4 鉛シースケーブルの鉛シースは,非通電部分を接地する唯一の手段として用いてはならない(6. 参
照)。
37.5 金属のケーシング,管及び電線管又はトランクは,有効に接地しなければならない。
37.6 電線管は,金属外被の中でねじ止め又は金属外被の両側でナット止めすることによって接地しても
よい。ただし,その場合,接触表面は清潔で,さび,スケール,塗料が付着することなく,かつ,外被は
接地に関する推奨事項に従っていなければならない。
接続は,耐食のため,接続後すぐに塗装しなければならない。
37.7 ケーブルシース及びがい装並びに電線管は,耐食性の金属でできたクランプ又はクリップで接地し
てもよい。ただし,その場合,クランプ又はクリップは,ケーブルシース又はがい装と接地された金属に
有効に接触しているものとする。
37.8 金属製電線管及びダクト並びに接地の連続性のために使われるケーブルの金属シースの接続部は,
すべて確実に接続し,かつ,防食保護を施さなければならない。

38. 曲げ半径

 ケーブル敷設の場合の曲げ半径は,ケーブル製造業者の推奨するとおりに,ケーブルの形
式によって選び,かつ,表2に示す値以上としなければならない。

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                                        表 2 曲げ半径
ケーブル構造 ケーブルの仕上り 最小曲げ内半径
絶縁体 外部被覆 外径(D) (Dの倍数)
熱可塑性プラスチック 金属シース,がい装 いずれも 6
及び弾性ゴム 又は編組
その他のもの ≦25 mm 4
>25 mm 6
無機質 硬質金属シース いずれも 6

39. ケーブルの固定

39.1 移動器具に用いるケーブル及び管,電線管,トランク又は特殊なケーシング内に敷設されるケーブ
ルを除いて,ケーブルは,適切な耐炎性材料で作られたクリップ,サドル又は束ね帯によって固定しなけ
ればならない。これらのクリップ,サドル及び束ね帯は,ケーブルの被覆を損傷することなく,確実にケ
ーブルを保持できる大きさの表面積及び形状をもたなければならない。
39.2 支持間隔は,ケーブルの形式と振動との可能性に応じて適切に選ばなければならないが,40 cmを超
えてはならない。ただし,水平なケーブル電路で,そのケーブルがトレイ,分離した支持ブラケット又は,
はしご形のハンガに敷設される場合には,支持物の間隔が上記によることを条件として,固定点間隔は90
cm以内とするのがよい。この緩和は,暴露甲板上の電路で,甲板上を洗う水によってケーブルに力が加わ
るおそれがある状態で電路が配置される場合には,適用してはならない。垂直電路の場合には,支持間隔
は50 cmに増してもよい。
備考 このケーブル支持間隔は,単心ケーブルの場合には必ずしも十分とはいえない。
39.3 支持物及びその附属品は,丈夫なものとし,かつ,耐食性材料又は取付け前に適切な耐食処理を施
したものとしなければならない。
39.4 金属以外の材料(例えば,ナイロン,PVCなど)で作られたケーブルクリップ及び束ね帯を使用し
ても差し支えない。これらの材料の特性に関する要求事項は,検討中である。
39.5 ケーブルが39.4に規定するクリップ及び束ね帯によって固定され,かつ,これらのケーブルが水平
なケーブルトレイ及びケーブル支持物の上面に置かれていない場合には,火災のときにケーブルの脱落を
防ぐために,規則的な間隔(例えば,12 m)で適切な金属製のケーブルクリップ又はサドルを付加しな
ければならない。これは,非金属電線管及び管の固定にも適用する。
備考 照明器具,警報用トランスデューサなどの配線に使われる外径の小さなケーブルで1本だけ又
は23本の電路の場合には,39.5を必ずしも適用しなくてよい。

40. 隔壁及び甲板を貫通するケーブル

40.1 水密の甲板及び隔壁の貫通には,有効な水密手段を施さなければならない。この目的のために個々
に充てんされたグランドか又は何条かのケーブルを入れて難燃性詰物を充てんした箱のいずれを用いても
よい。
いかなる形式のケーブルが使用された場合でも,グランド又は箱及び詰物は,組み立てたものがグラン
ド防水試験*に合格するものでなければならない。
脚注* この試験規格は,検討中である。

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    備考 詰物を選ぶ場合は,ケーブルに不利に影響すること(例えば,詰物の注入によって起こる高温
度,化学的反応など)を避けるように注意を払わなければならない。
40.2 甲板を貫通するケーブルは,甲板上の適切な高さまで保護しなければならない。
40.3 ケーブルが非水密の隔壁及び一般に鋼製構造物に開けられた穴を貫通しなければならない場合に
は,(必要な場合,ケーブルの損傷を避けるために)適切な材料からなるグランド又はブッシングを取り付
けなければならない。
グランド及びブッシングに用いる材料は,ケーブル又は船体構造材料に,腐食又は損傷を与えるおそれ
がないものを選定しなければならない。
40.4 ケーブル用の垂直トランクは,一甲板間又は一区画から,他の甲板又は区画へ延焼しない構造とし
なければならない。
40.5 ある等級の耐火性を必要とする隔壁及び甲板をケーブルが貫通する場合には,耐火性を損なわない
ように確実な措置を施さなければならない。

41. 金属製の管,電線管又はトランク内のケーブル

41.1 金属製の管,電線管又はトランク内にケーブルを敷設する場合には,次の注意を払わなければなら
ない(ケーブルの束ねに関する32.6及び32.7も参照)。
41.2 管,電線管又はトランクは,その内面が十分に平滑で,腐食に対し保護されていなければならない。
41.3 管,電線管又はトランクは,ケーブル被覆を損傷しないように,端末を成形するか又はブッシング
をはめなければならない。
41.4 管,電線管又はトランクは,その内に納めるケーブルを容易に引き込み,引出しができるような内
部寸法及び曲げ半径をもたなければならない。曲げの内部半径は,ケーブルに対して認められた値より小
さくてはならない(38. 参照)。また,外径が63 mmを超える管では,その外径の2倍より小さくてはなら
ない。
41.5 管,電線管又はトランクは,(凝結の可能性を考慮し)その内部に水がたまらないように配置しなけ
ればならない。
41.6 引込み係数[(ケーブル外径に相当する断面積の和)対(管,電線管又はトランクの内部断面積)の
比]は,0.4以下としなければならない。
41.7 必要な場合,空気の流通をよくするとともに,管,電線管又はトランクのどの部分にも水がたまら
ないように,換気口を設けなければならない。その場合,最も高い点と低い点に設けるのが望ましい。こ
のような設備は,そうすることによって火災の危険が増加しない場合にだけ行ってよい。
41.8 いかなる被覆もない鉛シースケーブルを,管,電線管又はトランクに引き込むことは避けるべきで
ある。
41.9 長さの点からみて,管が破損するおそれがあると考えられる場合は,適切な伸縮継手を設けなけれ
ばならない。これは,ケーブル管を暴露甲板に沿って取り付ける場合によくあることである。
41.10 ケーブルを管,電線管又はトランク内に引き込まなければならない場合,ケーブルが敷設中に損傷
を受けることがないように,必要な場合,引込み箱を設けなければならない。
42. 非金属性の管,電線管,トランク,ダクト又はキャッピング(capping)及びケーシング内のケーブル
次の注意を守る場合,表面取付けか又は天井若しくは内張りの裏側に隠した非金属の管,電線管,トラ
ンク,ダクト又はキャッピング及びケーシング内にケーブルを納めてもよい。

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42.1 すべてのケーブル又は絶縁電線は,耐炎性でなければならない。
42.2 キャッピングの取り付けがねじで行われる場合,ねじは,さびにくい材料のもので,かつ,ケーブ
ルを損傷しないように配置しなければならない。キャッピングは,容易に近づくことができなければなら
ない。
42.3 非金属性管,電線管,トランク,ダクト又はキャッピング及びケーシングは,JIS F 8061による難燃
性のものでなければならない。
このような管,電線管,トランク,ダクト又はキャッピング及びケーシングを用いることによって,束
ねたケーブルの火災の延焼特性が大幅に損なわれないことを保証する必要がある。不適切な塗料又は他の
コーティングの場合も同様である(32. 及び33. 参照)。
42.4 ケーブルは,必要な場合,39. に規定しているようにクリップで固定しなければならない。
42.5 32.6及び32.7で推奨されている注意事項は,非金属のケーシング内の敷設についても守らなければ
ならない。

43. 倉庫内のケーブル

 倉庫内にケーブルを敷設しなければならない場合には,それらは機械的損傷に対
して十分保護しておかなければならない。

44. 冷凍区域内のケーブル

44.1 冷凍区域に装備されるケーブルは,水密性(watertight)又は防水性(impervious)のシースをもち,
かつ,機械的損傷に対し保護されなければならない。
ビニル(PVC)の絶縁又はシースをもつケーブルは,その該当するビニルコンパウンドが予想される低
温に適切なものでない場合には,冷凍区域に用いてはならない。
がい装が非耐食性の材料で作られたものである場合,そのがい装は,耐湿及び耐低温被覆によって腐食
に対し,保護されなければならない。
44.2 冷凍区域内に敷設するケーブルは,断熱材で被覆してはならない。これらのケーブルは,穴があい
たトレイ板(例えば,めっきされた鋼鉄製)又は他の適切な支持物にしっかり取り付けなければならず,
それらの支持板は冷凍室の壁との間にすきまを残して設置しなければならない。ケーブルが熱可塑性プラ
スチック又は弾性ゴムの押出しシースをもつものである場合,冷凍室の表面に直接取り付けてもよい。物
掛けとして,ケーブルを不用意に使用することを未然に防ぐために,ケーブルの周りに防護を施さなけれ
ばならない。アルミニウム張りの場合の電食作用に関して特別な注意が払われなければならない。
44.3 ケーブルがその区画の断熱材を貫通しなければならない場合には,酸化に対して保護された材料で
作った入口を備えている管に入れて直角に通さなければならない。

45. 引張応力

45.1 ケーブルは,その質量又はその他の理由によってケーブルに加わる引張応力が最小となるように敷
設しなければならない。
45.2 この注意は,小断面積のケーブル及び垂直電路又は垂直管中に敷設されるケーブルについては,こ
の注意が特に大切である。これらのケーブルは,適切に支持しなければならない。
導体に加わる機械的応力(N/mm2)の最大許容限度は,検討中である。

46. 単心ケーブルに対する特別な注意

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  • IEC 60092-401:1980(IDT)

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