JIS F 8072:2006 船用電気設備―第401部:装備基準及び完成試験 | ページ 5

                                                           F 8072 : 2006 (IEC 60092-401 : 1980)

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46.1 電磁反発力 短絡事故時に発生する電磁反発力の影響から保護するために,単心ケーブルの場合は,
推定短絡電流の値に相当する力に耐える適切な強さの支持物を用いて確実に固定しなければならない。
46.2 交流配線のための単心ケーブル 交流配線は,できるだけ,2心又は多心ケーブルで行わなければな
らない。ただし,定格20 Aを超える回路に単心ケーブルを用いる必要がある場合には,次の注意を守らな
ければならない。
46.2.1 ケーブルは,がい装がないもの又は非磁性材料でがい装したものでなければならない。電流のル
ープを避けるために,金属遮へい物は1点だけで接地しなければならない。
46.2.2 同一回路に属する導体は,それらを収納する管,電線管,トランク又は導体を固定するクランプ
が非磁性材料でなければ,すべての相のケーブルを共通のクランプで止めなければならない。
46.2.3 単相回路,三相回路又は中性線のある三相回路をそれぞれ構成する2,3,4条の単心ケーブルは,
できるだけ互いに接触させて敷設しなければならない。
いかなる場合にも,隣接する2条のケーブルの外部被覆間の間隔は,ケーブル外径より大であってはな
らない。
46.2.4 250 Aを超える電流定格をもつ単心ケーブルを鋼製隔壁の近くに敷設しなければならない場合は,
ケーブルと鋼製隔壁との間隔は,少なくとも50 mmなければならない。ただし,同一交流回路に属するケ
ーブルが三葉状に敷設されている場合は,この限りでない。
46.2.5 一群の単心ケーブルの間には,磁性材料を用いてはならない。ケーブルが鋼板を貫通する場合に
は,同一回路のすべてのケーブルは,ケーブル間に磁性材料が存在しないように作られた当て板又はグラ
ンドで貫通しなければならない。ケーブルの外表面と磁性材料との間隔は,同一交流回路に属するケーブ
ルが三葉状に敷設される場合には,75 mm以上としなければならない。
46.2.6 導体断面積が185 mm2以上の単心ケーブルで,そのケーブルが相当長い場合は,三相回路のイン
ピーダンスをある程度平衡に保つために15 m以下の間隔で相導体のねん(撚)架を行わなければならな
い。その代わりの方法として,ケーブルを三葉状に敷設してもよい。
だたし,この注意は,電路の長さが30 m未満のときは必要でない。
46.2.7 各相に何条かの単心ケーブルを並列に配置する回路の場合,すべてのケーブルは,同じ経路,同
じ断面積としなければならない。
さらに,電流の不平衡分流を避けるように,同一相に属するケーブルは他の相のケーブルとできるだけ
交互に並べなければならない。例えば,各相に2条のケーブルを使用する場合,正しい配列は次のとおり
である。
123
123321又は
321
また,正しくない配列は,
123
112233又は
123

47. ケーブル端末

47.1 機械的に締めるクランプが使用されない場合には,すべてのケーブル導体の端末は,その導体の全
素線が十分入る大きさのはんだ付け端子又は圧着端子を取り付けなければならない。

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F 8072 : 2006 (IEC 60092-401 : 1980)

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  はんだ方式が採用される場合は,腐食性の溶剤を用いてはならない。
47.2 すべての保護被覆は,絶縁体の端から少なくとも13 mmはぎ取らなければならない。ただし,必要
以上にはぎ取ってはならない。無機絶縁ケーブルの場合は,47.8参照。
47.3 ケーブルソケット及び接続端子は,それらを通して流れると予想される最大電流が絶縁体に有害な
熱を発生しないような設計と大きさのものでなければならない。一般にその温度は,絶縁体に関してケー
ブルに許容される限度を超えてはならない。
47.4 保護シースの下に補足的ベルト絶縁をもつケーブルの場合,そのベルト絶縁が取り去られた端末に
おいては,各線心の絶縁体が接地された金属に接触するか,又はそのおそれがある箇所では付加的な絶縁
を施さなければならない。
47.5 接続部及び分岐部における導体の端子への固定法は,短絡電流による熱的及び動的な作用に耐える
ものとしなければならない。
47.6 ケーブルの端末は,必要があれば,識別のために印を付けなければならない。
47.7 無機絶縁ケーブルの端末は,そのケーブル製造業者が発行する指導書に従って処理しなければなら
ない。
47.8 耐湿性の絶縁体をもたないケーブル(例えば,無機絶縁ケーブル)は,その端末から湿気が入らな
いように効果的に密封しなければならない。

48. 接続及び分岐(支回路)

48.1 ケーブルは,通常,敷設の途中に接続点があってはならない。船の修理及び分割建造の場合,ケー
ブル同士の接続が必要な場合,その接続は電気的連続性,絶縁,機械的強度と保護,接地特性,耐燃性又
は耐炎性の特性がケーブルに要求されているものよりも劣らない形式としなければならない。
48.2 分岐(支回路)は,導体を適切に絶縁し,かつ,外気の影響から保護し,また,電流定格に該当す
る大きさの端子又は母線をもつように設計された適切な箱内で行われなければならない。
48.3 接続部及び分岐部は,ケーブル及び心線を識別するために印を明りょうに付けなければならない。

49. 接続箱

49.1 充電部は,恒久的に高い絶縁耐力及び絶縁抵抗をもつ耐久性のある難燃性,耐湿性の材料に取り付
けなければならない。
49.2 充電部は,異極の導体間又は導体と接地金属との間に容易に短絡が生じないように適切な間隔をも
たせるか,絶縁物で適切な遮へいを行って配置しなければならない。
49.3 接続箱は,難燃性材料製としなければならない。接続箱は,その機能及び電圧が分かるように明り
ょうに識別できなければならない。
49.4 安全電圧用ケーブルは,それより高い電圧のケーブルと同一の接続箱内で,できるだけ接続しない
のが望ましい。1 kVまでの電圧のケーブルは,それより高い電圧のケーブルと同一の接続箱内で接続して
はならない。
(雷保護)
50. 一般 この箇条は,雷に起因する船及びその電気設備への損傷の危険を最小にするために取るべき対
策に関する指針を提供する。

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51. 定義

 次に掲げる定義は,この箇条に適用する。
51.1 一次的構造損傷 雷電流の通過に対して接地への低い抵抗路を提供しない船。例えば,非金属製構
造の船又はしっかりした非金属製部材をもつ船への雷の一撃に起因する損傷。
51.2 二次的損傷 船又はその直近への雷の一撃の間接的な結果として生じることがある船又はその電気
設備への損傷,接地への低い抵抗路は,雷電流の通過によって生じる高い誘導又は抵抗電圧の結果として
起こり得る二次的損傷の結果を防ぐことができない可能性がある。

52. 一次的損傷に対する保護

52.1 保護装置
52.1.1 保護装置が要求される場合には,保護装置は,雷電流の通過に起因して電気ケーブルに誘導され
る電圧の可能性を最小にするように取り付けられる避雷針,導電路及び接地端子を含まなければならな
い。
52.1.2 マスト,構造部材及び船体によって接地への低抵抗の導電路が本質的に構成される金属製構造の
船には,保護装置を設ける必要はない。
52.1.3 非金属製構造の,又はかなりの非金属製部材をもつ船には,保護装置を設けなければならない。
52.1.4 金属製マスト及び金属製構造部材は,保護装置の一部又はすべてを形成するとして差し支えない。
52.1.5 ステー,シュラウドなどの金属製索具装置は,偶然の導電路として働くとして差し支えないが,
保護装置にしっかりと接合しなければならない。
52.1.6 導電路における継手は,近づきやすいものとし,偶発的な損傷を最小にするように配置又は保護
しなければならない。継手は,銅製びょう(鋲)又は締め具によって作製しなければならない。締め具は,
銅又は銅合金製として差し支えないが,のこぎり歯状の接触形とし,効果的に固定するのが望ましい。結
合は,ハンダ付継手としてはならない。
52.1.7 避雷針と接地端子間との抵抗は,0.02 地 ましい。
52.1.8 ドック内又は船台上の船が,その保護装置又は金属製船体が陸上への有効な接地に接続されるよ
うに,適切な手段を備える。
陸上接地への接続ケーブルは,その全長を通して接地から絶縁しなければならない。
52.2 避雷針
52.2.1 1本の避雷針を,それぞれの非金属マストに取り付けなければならない。
52.2.2 避雷針は,直径12 mm以上の銅又は銅合金製伝導棒で作製するものとし,マスト頂部より上に少
なくとも300 mm突出しなければならない。その他の材料,例えば,ステンレス鋼又はアルミニウム合金,
又は腐食に対して有効に保護されている鋼製棒を,52.1.7の要求事項に従うことで,使用して差し支えな
い。材料は,海水に対して耐腐食性がなければならない。
52.2.3 タンク船のマスト頂部に又は近くに配置されている可燃性ガスのための通気放出口は,その通気
放出口より上に少なくとも2 m延長される避雷針によって保護しなければならない。鋼製マストは,それ
がその放出口よりも上に2 m延長されている場合には,避雷針として役立つとして差し支えない。
52.3 導電路
52.3.1 導電路は,銅又は銅合金製テープ又はケーブルで作製する。ケーブルは,絶縁材及び円形形状の
両方が表面放電を抑制するので,好ましい。その他の材料,例えば,ステンレス鋼又はアルミニウム合金
を,52.1.7の要求事項に従い,使用して差し支えない。材料は,海水に対して耐腐食性がなければならな
い。

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52.3.2 銅の導電路は,70 mm2の最小断面積をもつ,構造物に確実に固着されるものとし,避雷針と接地
端子との間をできる限りまっすぐ通すものとしなければならない。曲がりが必要な場合には,導電路の等
価直径の少なくとも10倍の最小半径をもたなければならない。
52.4 接地端子
52.4.1 厚さが2 mm以上で,支柱を含む表面が0.25 m2以上の無塗装の雷接地板1組を,どのようなヒー
ル状態でも水中に没した状態となるように,軽荷状態の水線以下に取り付けなければならない。それは,
複数の誘導体導電路の結合を容易にするために支柱を備えなければならない。支柱は,接地板と同じ材料
で作製し,溶接継手によって接地板へ確実に結合しなければならない。
52.4.2 接地板は,銅又は海水に適合したその他の伝導材料,例えば,ステンレス鋼で作製し,接地への
同等の低い抵抗路をもたらすのに十分な表面積をもたなければならない。その他の没水金属部品との電食
の形成は,避けなければならない。

53. 二次的損傷に対する保護

53.1 一般 金属製又は非金属製のいずれにしても,すべての船において,設備は,電気系統への二次的
損傷の結果を最小にするように取り付けなければならない。52.2に詳述する手順は,適用できる限り採用
しなければならない。
53.2 保護の手順
53.2.1 金属製外被は,金属製船体又は保護装置へ接地しなければならない。特別の注意が,マスト頂部
及びその他の高い構造物上の航海灯及びその他の設備に払われなければならない。
53.2.2 ケーブルスクリーン(cable screens)又はがい装(armour)は,例え信号混信抑制のために一般に
接地されていても,設備に対して接地への唯一の雷路を提供してはならない。53.2.1によって要求される
分離した接地を備える。
53.2.3 保護装置への雷接地結合は,最も直接的な道筋をたどるものとしなければならない。
53.2.4 導電路の近くでケーブルループ又は配管のような金属製ループが形成されることは,避けなけれ
ばならない。
導電路に近接するケーブルは,金属製管の中に納めなければならない。
53.2.5 金属製船舶においては,甲板に沿うケーブルは,ケーブルと甲板間に存在するループの横断面積
を最小にするために甲板に接近して取り付けなければならない。
甲板に沿うケーブルの道筋を選定する場合には,ケーブルの近く又は上にある接地されている金属製構
造物,例えば,手すり,管などの遮断効果を利用しなければならない。
53.2.6 例えば,無線及び航海設備アンテナにおいて誘導され得る雷エネルギの接地への放電に対する手
段が,提供されるものとする。一時的な過渡電圧から保護するために,スパークギャップ(spark gaps)又
はサージダイバータ(surge diverters)のような装置を取り付けることを考慮しなければならない。
(完成試験)
54. 一般 電気設備が完成された後,船が就航するのに先立ち,すべての電気設備は,試験しなければな
らない。これらの試験は,完成時における装置の一般状態を知るために行うもので,満足な試験結果は必
ずしもあらゆる点でその設備が完全であることを保証するものではない。

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55. 絶縁抵抗試験計器

 絶縁抵抗は,少なくとも500 Vの電圧を発生する発電機形の直読式絶縁抵抗計の
ようなすべてを自蔵した計器で測定することを推奨する。合計キャパシタンスが2 ンデンサ
を含む回路の絶縁抵抗試験を行う場合は,正確な測定結果を得るために定電圧形の絶縁抵抗試験器を用い
なければならない。

56. 配電盤,区電箱及び分電箱

 配電盤,区電箱及び分電箱を使用する前において,各母線と大地との間
及び各母線間の絶縁抵抗は1 M 坎 上としなければならない。
この試験は,すべての遮断器及びスイッチを開路状態とし,表示灯,接地灯,電圧計などのヒューズは
取り外し,かつ,電圧コイルは一時的に外して行わなければならない。

57. 照明及び動力回路

 すべての絶縁された極と大地との間及び可能ならば各極相互間の絶縁抵抗試験
は,すべての固定配線について行わなければならない。絶縁抵抗値は,試験するときの気象状態に左右さ
れるので,最小絶縁抵抗値を規定するのは実際的でないが,ただし,通常の気象状態で最小1 M 地
ればならない。最初の試験でこの値よりも低い結果が出た場合には,回路を更に分割し,かつ,器具類を
切り離して測定してもよい。

58. 発電機

 すべての発電装置は,整流,電気的特性,過速度遮断,速度調整,励磁回路の制御範囲,潤
滑及び異常振動がないなどが満足であるということを立証するために十分な時間,定格負荷で運転しなけ
ればならない。並行運転を行う発電装置については,負荷分担及び並行運転が満足にできることを立証す
るために十分な負荷範囲で試験しなければならない。負荷の急激な投入,切離し時の電圧及び速度変動率
は,満足なものでなければならない(JIS F 8064参照)。

59. 開閉装置

 すべての開閉装置は,接続が不完全であったり,また,間違った定格のために過熱が生じ
ないことを立証するために,できるだけ実際の負荷に近い負荷をかけなければならない。スイッチ及び遮
断器は,その適合性を試験し,かつ,過電流,低電圧,逆電流又は逆電力保護装置が電気的及び機械的に
満足に作動することを立証するために負荷をかけて動作させなければならない。

60. 発電機及び電動機の絶縁抵抗

 発電機及び電動機の絶縁抵抗は,通常の負荷で運転の直後,暖機状態
で測定しなければならない。得られた結果は,絶縁材料の特性及びその適用方法だけでなく,試験状態に
よっても決まる。そのため,測定値にはこの環境条件,特に試験時の周囲温度及び湿度については十分に
記録をとる必要がある。

61. 照明,電熱及び調理機器

 すべての電気機器及び回路は運転状態で,その目的に対して適切であり,
かつ,満足であることを立証するために,試験しなければならない。

62. 電圧降下

 電力消費装置の電圧が過度に低下するおそれがある場合には,許容電圧降下を超えないこ
とを立証するために試験しなければならない。

63. 通信装置

 各通信装置はそれが適切であり,かつ,仕様どおりの機能を発揮していることを立証する
ために,十分に試験しなければならない。

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JIS F 8072:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60092-401:1980(IDT)

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