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F 8076 : 2005 (IEC 60092-504 : 2001)
8.1.6 照明 計器及び制御機器は,操作が行われるときの周囲の明るさの状態にかかわらず,明りょうに
読取り及び操作ができるように照明されなければならない。だだし,不快な陰及びまぶしさがあってはな
らない。周囲の照明が表示灯の視認を困難にする場合には,適切なシェードを取り付けなければならない。
船橋区画に取り付ける機器に対しては,どの光源からの光も航海に支障を与えない手段を講じなければな
らない。
外部(例えば,船橋ウイング)に取り付けられた機器に対しては,昼光及び暗やみ(闇)の両方で操作
できるための,適切な照明がなければならない。
8.1.7 流体の漏れに対する保護 電気機器は,流体の漏れに対して電気機器を保護するための有効な手段
が設けられている場合を除き,流体を使用する機器又は水,油若しくは蒸気の配管と同じパネル又はキャ
ビネット内に取り付けてはならない。
圧力流体,水,油又は蒸気の配管が制御盤に近接するのは,避けなければならない。
8.1.8 結露保護 実行可能な限り,外被内の結露を避ける考慮を払わなければならない。
8.1.9 外部電線及び配線 外部電線及び配線は,該当するIEC 60092シリーズ規格による。
備考 IEC 60092-375,IEC 60092-376 を参照。
上記の規格に規定されたものより小さなサイズの電線,及び配線の機械的強度及び絶縁性能
には,特別な考慮を払わなければならない。
8.2 センサ
8.2.1 センサの位置 すべてのセンサは,その出力がパラメータの実際の指標を示す取付けをしなければ
ならない。
センサは,通常の解放及び保守を実施する間,損傷を受ける危険が最小になる場所に取り付けなければ
ならない。
8.2.2 温度センサ 温度センサは,適切な材料でできたポケット内に取り付けなければならない。接続部
は試験のために引き出せる配慮をしなければならない。
8.2.3 圧力センサ 作動媒体の衝撃及び大きな脈動にさらされる圧力センサは緩衝容器で保護しなければ
ならない。
8.2.4 外被 センサの外被と端子箱は,予想される取付け場所及びケーブルの種類に対して適切に保護し
なければならない。
8.2.5 試験及び校正 通常の動作中には試験することができないセンサに対しては,試験及び校正ができ
る設備を設けなければならない。
8.3 情報の表示
情報は,明確に,矛盾なく,かつ,あいまいさのない形で表示しなければならない。
8.4 制御
8.4.1 遠隔制御
8.4.1.1 情報の連続性 遠隔制御場所においては,ユーザは自己の指令の結果に関する連続した情報を受
け取ることができなければならない。
8.4.1.2 制御の独立性 制御を2か所以上の場所から行う場合には,1か所の制御機器のすべての故障が他
の場所からの制御機能に影響を与えてはならない。
8.4.1.3 制御の排他性 プロセスが幾つかの場所から制御される場合には,いかなるときにもプロセスの
制御は,ただ1か所の場所だけが当たるものでなければならない。
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8.4.1.4 制御の切換え 実際の制御は,切換先の指令場所の確認が行われる前に切り換えられてはならな
い。ただし,指令場所が直接視認でき,かつ,声が届く範囲の十分近接した位置関係である場合,その必
要はない。制御の切換えには可聴予告警報を発しなければならない。
8.4.1.5 主指令場所 操作上,安全上又は当該公的機関によって,要求される指定された主たる指令場所
がある場合には,この場所は確認なしに制御権をとることができる。
8.4.1.6 安全確保 一つの場所から他の場所への制御の切換中には,プロセスパラメータの重要な更新は
避けなければならない。
8.4.1.7 状態表示 二者択一の指令場所のそれぞれにおいては,一方の場所に制御権がある場合にその旨
を表示しなければならない。
8.4.1.8 インタロック ユーザの誤操作の結果が,重要機能の損傷又は喪失に至る可能性がある場合には,
制御システムの要素には安全なインタロックを施さなければならない。
8.4.2 マンマシンインタフェース マンマシンインタフェースは,IEC 60447に従って設計しなければな
らない。
8.5 警報システム
警報システムに使われる可視可聴信号及び表示は,IMO A.830(19),警報及び表示器
に関するコード,1995年の該当する要件に適合しなければならない。
9. 特殊設備
9.1 火災防止制御設備
9.1.1 序文 この条項は,船内の火災に対する安全のために設けられた,電気式火災防止制御設備に関す
るものである。
備考 海上人命安全条約(SOLAS)の第II-2章にある項目で,この項に含まれていない項目が幾つかあ
る。
9.1.2 一般
9.1.2.1 適用 この火災防止制御設備には,次のものを含む。
− 無人の機関区域,居住区域などに用いる自動火災探知警報システム
− 通風機及び燃料ポンプの遠隔停止装置,消火ポンプの遠隔始動装置などの消火用制御装置
9.1.2.2 設計及び試験 火災防止機器及びシステムは,必要に応じて,この規格の6.及び5.のそれぞれの
条項に従って,適切に設計し,試験しなければならない。
9.1.2.3 表示 可視可聴信号及び表示はIMO A.830(19),警報及び表示器に関するコード,1995年の該当
する要件に適合しなければならない。
9.1.3 固定式火災探知警報システム
9.1.3.1 探知器
9.1.3.1.1 探知器は,熱,煙又は燃焼によるその他の生成物,炎若しくはこれらの要素の組合せによって作
動しなければならない。感度がこれらの探知器よりも劣らないならば,初期火災を探知する別の要素で作
動する探知器を考慮してもよい。炎探知器は,煙探知器又は熱探知器に追加する形だけに使用することが
できる。
9.1.3.1.2 9.1.3.4.5の規定によって要求する煙探知器は,煙濃度の1 m当たりの減光率が12.5 %を超える前
に作動し,2 %以下では作動しないことを証明しなければならない。他の場所に設置される煙探知器は探
知器が鈍感又は過敏になるのを避ける考慮をしたうえで,当該公的機関が認める感応限度以内で作動しな
ければならない。
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9.1.3.1.3 熱探知器は,毎分1 ℃を超えない割合で温度を上昇したとき,78 ℃を超える前に作動し,54 ℃
以下では作動しないことを証明しなければならない。温度上昇率がこれより高い場合には,探知器は,探
知器が鈍感又は過敏になるのを避ける考慮をしたうえで,当該公的機関が認める温度限度範囲内で作動し
なければならない。
9.1.3.1.4 乾燥室及び通常は高温の周囲温度をもつ同様の区域においては,熱探知器の許容する作動温度は,
当該公的機関の裁量によって,天井の最高温度に30 ℃を加えたものとすることができる。
9.1.3.1.5 火災探知器に感度を調整できる手段が設けてある場合には,設定ポイントが固定でき,かつ,容
易に識別できるための配慮をしなければならない。
9.1.3.1.6 すべての探知器は,正しい作動を試験することができ,かつ,すべての部品を交換することなく
正常監視状態に戻すことのできる形式のものでなければならない。
9.1.3.2 電源
9.1.3.2.1 手動操作の発信器をもつすべての固定式火災探知警報システムは,作動時の状態にかかわらず直
ちに作動できるものでなければならない。火災探知警報システムの作動に使用する電気設備の電源は二系
統以上とし,そのうち一系統は当該公的機関が認める非常電源でなければならない。
9.1.3.2.2 固定式火災探知警報システムが装備されているが,SOLASの要求でない場合,二系統の電源か
ら給電し,そのうち一系統は主電源とは独立した補助電源としなければならない。
補助電源が蓄電池である場合には,充電することなく少なくとも6時間,火災警報及び火災探知システ
ムに給電できる十分な容量をもつものでなければならない。この放電の間,系統電圧は,定常電圧の88 %
以上を保つものでなければならない。
充電中,蓄電池の電圧は定格電圧から12 %を超える電圧になってはならない。
給電は,この目的に限った独立した給電用電線によって行わなければならない。この給電用電線は火
災探知システムのパネル内に又は隣接して設けられた自動切換スイッチに接続しなければならない。
9.1.3.3 システムの要件
9.1.3.3.1 システムの作動に必要な電源及び電気回路は,電源喪失及び少なくとも次の状態に対する自己監
視機能をもつ設計としなければならない。
− 探知ループの断線
− (探知ループの)短絡
− 非接地系統の絶縁不良
異常状態が発生した場合には,制御盤において可視可聴信号を発し,この信号は火災信号と明りょう
に区別できるものでなければならない。
9.1.3.3.2 各探知ループを試験する設備を設けなければならない。探知器又はループが切り離されたときに
はそのことを示す表示器を設けなければならない。
9.1.3.3.3 探知器が同時に作動しても,システムの作動が損なわれてはならない。
9.1.3.3.4 必要な場合,例えば,機関区域において,その場所に応じて探知器の応答感度を調節する手段を
設けなければならない。
9.1.3.3.5 探知器及び手動操作の発信器は,複数の系統にグループ化しなければならない。探知器又は手動
操作の発信器が作動した場合には,制御盤及び表示盤で可視可聴の火災信号を発しなければならない。表
示盤は,探知器又は手動操作の発信器が作動した系統を表示するものでなければならない。発生した信号
は,制御盤上で確認できるまで保持しなければならない。作動区域の全体のリセットは,探知器が設定値
内にある場合にだけ可能でなければならない。どの探知器が作動しているか制御盤上で識別できない場合
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には,各探知器に視覚表示器を設けなければならない。この信号は確認されるまで保持しなければならな
い。探知器の表示は,それが制御盤上にない限り,通常は施錠した部屋の外側に設けなければならない。
備考1.系統とは,表示盤内に登録されている火災探知器及び手動操作の発信器のグループをいう。
2.ループとは,様々な系統の探知器を接続し,かつ,制御盤に接続された電気回路をいう。
9.1.3.3.6 システムによって監視される区域及び系統の位置に関する明確な情報を,各表示盤上又は近接し
た場所に表示しなければならない。
9.1.3.3.7 探知器が,ある種の作業,例えば溶接,荷役などによって作動するおそれがある区域では,探知
器を一時的に作動不能にすることができる。この場合,表示盤上にこの旨を表示しなければならない。そ
の時間は,実行可能な限り,その区域が占有する時間を考慮して決めなければならない。あらかじめ決め
られた時間が経過した後,探知器は自動的に作動状態に戻るものでなければならない。ただし,その前に
リセットした場合はこの限りでない。
9.1.3.3.8 信号が2分以内に確認できなかった場合には,乗組員居住区域と業務区域,制御場所及びSOLAS
によるA類機関区域の全域にわたって,可聴警報を発しなければならない。この警報発生装置は,探知シ
ステムの一部とする必要はない。
9.1.3.3.9 個々の探知器を遠隔で認識する手段が設けられていない火災探知システムにあっては,居住区域,
業務区域及び制御場所内の二層以上の甲板にわたる系統は,閉囲された階段に設けられる系統を除いて,
認められない。火災の発火源を特定する時間の遅れを避けるために,個々の系統に含まれる閉囲された場
所の数は,当該公的機関によって決められた数に制限する。すべての系統において,50か所を超える閉囲
した場所を含むことは認められない。ただし,探知システムが離れた位置から個別に特定できる火災探知
器(遠隔個別認識探知器)をもつ場合には,系統は数層の甲板にわたることができ,幾つもの閉囲した場
所にもわたることができる。
一つの系統が二層以上の甲板にわたってはならず,また,50か所以上の閉囲された場所を保護してはな
らない,という要件は,遠隔個別認識探知器をもつシステムの採用によって適合するものとみなされる。
この場合,ループは分離装置によって幾つかの系統に分割され,かつ,それぞれの系統は前述の規定で要
求される数に限定しなければならない。
9.1.3.3.10 旅客船において,離れた位置から個別に探知器を特定できない火災探知システムの場合には,
探知器のいずれの系統も船の両げん(舷),二層以上の甲板及び二区画以上の主垂直区画にわたって設けて
はならない。ただし,当該公的機関が火災に対する船の保護を減ずることにならないと認めるときには,
探知器の一つの系統を船の両げん(舷)及び二層以上の甲板に設けることができる。遠隔個別認識探知器
を設備した旅客船においては,探知器の一つの系統は二区画以上の主垂直区画に設けることは認められな
いが,船の両げん(舷)及び二層以上の甲板にわたって設けることは認められる。
9.1.3.3.11一つの系統を船の両げん(舷)の区域に設けてはならず,また,二層以上の甲板にも設けては
ならない,という9.1.3.3.10の規定による旅客船に対する要件は,遠隔個別認識探知器をもつシステムの採
用をすることによって適合するものとみなされる。この場合,ループは,分離装置によって幾つかの系統
に分割され,それぞれの系統は船の片げん(舷)だけを保護するものでなければならない。
9.1.3.3.12 一つの系統を,二区画以上の主垂直区画に設けてはならない,という9.1.3.3.10の規定による旅
客船に対する要件は,遠隔個別認識探知器をもつシステムの採用によって,適合するものだけに適用する。
この場合,一つのループは,一つの主垂直区画に限定しなければならない。
9.1.3.3.13 制御場所,業務区域及び居住区域にわたる火災探知器の系統には,SOLASのA類機関区域を
含めてはならない。
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9.1.3.3.14 制御場所,業務区域及び居住区域にわたる一つのループにA類機関区域を含めてはならない,
という9.1.3.3.13の規定による要件は,遠隔個別認識探知器をもつ火災探知システムの採用によって適合す
るものとみなされる。
9.1.3.3.15 火災位置識別機能を備える火災探知システムは,次の事項を確保するための措置をとらなけれ
ばならない。
− 一つのループが1か所の火災により2か所以上の点で損傷を受けない。
− 故障(電気的,電子的,情報伝達上)の際,システムの初期設定の状態を回復させるためのすべて
の措置がとれる。
− 最初に発せられる火災警報が,その他の探知器が続いて火災警報を発することを妨げない。
9.1.3.3.16 システムは,一つのループが1か所の火災で2か所以上の点で損傷を受けない配慮をしなけれ
ばならない,という9.1.3.3.15の要件は,データハイウエイが1個の探知器で保護する区域を二度通らない
というループ配置をすることで適合するものとみなされる。
9.1.3.3.17 システムは,ループに生じたいかなる障害もループ全体を無効にしない配慮をしなければなら
ない,という9.1.3.3.15の要件は,ループにおける障害が,システムの一つの系統より小さく,かつ,各探
知器を遠隔から認識する手段をもたないループの一部を無効にさせるだけである,という場合に適合する
ものとみなされる。
9.1.3.3.18 火災探知警報システムは,制御盤で防火戸の閉鎖及び類似の機能の操作が認められる場合を除
くほか,他の目的に使用してはならない。
9.1.3.3.19 火災探知警報システムの機能は,適切な温度の熱気を発生する装置,煙若しくは適切な密度及
び大きさをもつ煙霧粒子を発生する装置,又は探知器が感応する設計がなされている初期火災に関連した
その他の現象を生じる装置によって,設備時及びその後において定期的に試験しなければならない。
備考 コンピュータ利用システムの場合には,追加の規定が必要である点に注意を要する(10.参照)。
9.1.3.4 設置要件
9.1.3.4.1 制御盤は,航海船橋又は主火災制御場所に配置しなければならない。
9.1.3.4.2 表示盤は,少なくとも,探知器又は手動操作の発信器が作動した系統を表示しなければならない。
少なくとも一つの表示盤は,船の航行中又は停泊中,常時,責任者が容易に近づけるところに配置しなけ
ればならない。ただし,船が就航状態にない場合を除く。制御盤が主火災制御場所に配置されている場合
には,一つの表示盤を航海船橋に配置しなければならない。
9.1.3.4.3 探知器は,最高の性能を発揮することができるところに配置しなければならない。火災を迅速に
探知し警報するために,十分な個数と十分な探知範囲の形式の探知器を配置しなければならない。ビーム
及び通風ダクト近くの場所又は空気の流れが探知器の性能に不利な影響を及ぼす可能性のある場所,並び
に衝撃及び物理的損傷が起こりやすい場所は避けなければならない。 垂直空間に取り付けられる探知器は,
少なくとも隔壁から0.5 m離さなければならない。
電離箱の原理に基づいて作動する(イオン式)煙探知器は,人身の保護に関する適用可能な規定によっ
て,取り付けなければならない。
9.1.3.4.4 手動操作の発信器を,居住区域,業務区域及び制御場所の全域に設けなければならない。各出口
には,1個の手動操作の発信器を取り付けなければならない。手動操作の発信器は各甲板の通路に,通路
のいずれの場所からも20 mを超えない距離で容易に近づける場所に取り付けなければならない。
9.1.3.4.5 煙探知器を,居住区域内のすべての階段,通路及び避難経路に取り付けなければならない。排気
通風ダクト内の特殊目的用煙探知器の取付けについて考慮しなければならない。
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JIS F 8076:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60092-504:2001(IDT)
JIS F 8076:2005の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.60 : 船及び海洋構造物の電気設備
JIS F 8076:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISF8007:2004
- 船用電気機器―外被の保護等級及び検査通則
- JISF8061:2005
- 船用電気設備―第101部:定義及び一般要求事項
- JISF8062:1996
- 船用電気設備 第201部 システム設計―一般
- JISF8063:2006
- 船用電気設備―第202部:システム設計―保護
- JISF8065:2003
- 船用電気設備―第302部:低圧配電盤及び制御盤
- JISF8072:2006
- 船用電気設備―第401部:装備基準及び完成試験
- JISF8073:2017
- 船用電気設備―第501部:個別規定―電気推進装置
- JISF8074:2003
- 船用電気設備―第502部:タンカー―個別規定
- JISF8079:1989
- 船用電気設備 第204部 システム設計―電動及び電動油圧操だ装置