JIS F 8076:2005 船用電気設備―第504部:個別規定―制御及び計装 | ページ 5

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9.1.3.4.6 9.1.3.4.5に規定する場所以外の場所の保護のために,固定式火災探知警報システムを要求する場
合には,9.1.3.1.1を満足する少なくとも1個の探知器を取り付けなければならない。
9.1.3.4.7 探知器間の最大範囲は,表2による。
表2 探知器間の最大距離
各探知器について認めら各探知器について認めら 各探知器について認めら
探知器の形式 れる最大の床面積 れる中心間の最大距離 れる隔壁からの最大距離
m2 m m
熱探知器 37 9 4.5
煙探知器 74 11 5.5
備考 当該公的機関は,探知器の性能を論証する試験データに基づいて表2とは異なる範囲の要求又
は許可を与えることがある。
9.1.3.4.8 システムの一部をなす電気配線は,調理室,SOLASによるA類機関区域,及びその他の火災の
危険性の高い閉囲された場所を避けて敷設しなければならない。ただし,これらの場所に火災探知又は火
災警報の装置を設ける必要がある場合,又は適切な電源に接続する必要がある場合は,この限りでない。
9.1.3.5 取扱説明書及び予備品 試験及び保守に関する,適切な取扱説明書及び予備品を備えなければな
らない。
9.1.4 消火用遠隔制御設備
9.1.4.1 遠隔停止回路の分割
9.1.4.1.1 貨物区域,機関区域及び居住区域の通風機は,同一の遠隔停止回路に接続してはならない。
9.1.4.1.2 重要設備用の遠隔停止回路とそれらの予備機に対する遠隔停止回路は,電気的に分離しなければ
ならない。
9.1.4.2 遠隔停止回路のリセット 手動で操作された遠隔停止回路は,手動でリセットされるまで保持さ
れなければならない。リセット後,電動機が自動再始動する可能性がある場合には,このことを遠隔停止
場所に表示しなければならない。
9.1.4.3 消火ポンプの運転表示 消火ポンプの遠隔始動装置が設けられている場所には,運転表示を設け
なければならない。

9.2 機関警報装置

9.2.1 序文 この条項は,船内機関システムの異常状態を警報するために設けられる機関警報装置に関す
るものである。
9.2.2 一般 警報装置には,次の目的をもたなければならない。
− 乗組員の注意を異常状態に向けるため
− 異常状態の本質と場所を特定する手助けのため
− 効果的で,適切な,できれば予防的な操作を行うことができるものにするため
− 警報の確認と正常状態への復帰を確認するため
9.2.3 警報に対する要求
9.2.3.1 レピータ警報盤 レピータ警報盤が要求される場合には,その盤にも可視可聴両方の信号を備え
なければならない。これらの信号は機関警報装置に接続されている警報のすべてに対し,又は警報のグル
ープの一つに対し,共通のものであってもよい。

――――― [JIS F 8076 pdf 21] ―――――

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9.2.3.2 ラベリング 集中制御場所においては,例えば,“潤滑油圧力低下”のように,異常状態のそれぞ
れの警報について明確に表示しなければならない。遠隔グループ警報盤においては,表示は,一般的な異
常状態を示すだけでもよい。
9.2.3.3 確認 警報は,異常の内容が確認されるまで継続しなければならない。また,個々の警報の可視
表示は異常が復旧するまで保持し,復旧と同時に,警報システムは自動的に正常作動状態にリセットでき
なければならない。
警報状態の確認は,可視表示を変える形で,例えば,点滅を連続点灯に変えるなどの方法によって表示
し,また,関連する機関区域又はその機関区域に関連する集中制御場所からだけ確認可能でなければなら
ない。レピータ警報盤における可聴警報の停止が,集中制御場所における元の警報の自動的な確認になっ
てはならない。
9.2.3.4 休止 警報チャンネルの休止は明りょうに表示しなければならない。重要補機に対しては,異常
によって表示がないまま警報を休止することがないよう,休止チャンネルを監視するか,二重化しなけれ
ばならない。
9.2.4 情報の表示
9.2.4.1 グループ配置 同じ優先順位のグループ内にある可視警報表示は,すべて,同じ色は同じ意味を
もたせ,かつ,論理的グループごとにまとめて配置しなければならない。
9.2.4.2 判読の容易性 警報の文字,文章又は記号は,警報確認位置から明りょうに視認できるものでな
ければならない。
9.2.4.3 共通可聴警報 可聴警報信号が他の目的,例えば,テレグラフ又は電話にも共用される場合には,
関連するシステムを表示する発光指示盤が附属したものでなければならない。この場合,IMO A.830(19),
警報及び表示器に関するコード,1995年の関連する要求を満足する必要がある。
9.2.4.4 警報の差別化 発生中の警報が他の新たな異常表示を妨げてはならない。
9.2.4.5 第一故障(原因)表示 複雑な機関設備用警報システムでは,最初の故障を表示する手段を考慮
しなければならない。
9.2.5 電源装置
9.2.5.1 予備電源 警報装置には,予備電源設備を考慮しなければならない。
9.2.5.2 電源喪失警報 警報装置の電源が喪失した場合には,可視可聴警報信号を発しなければならない。
9.2.6 設計
9.2.6.1 機能の分離 警報装置は,実行可能な限りそのセンサも含め,制御システムから分離しなければ
ならない。
9.2.6.2 監視機器 警報装置は計測値をアナログ量で読み取れる計器又はデータロガー,若しくは警報デ
ータプリンタなどを備えた監視機器と組み合わせてよい。
9.2.6.3 時間遅れ 必要がある場合には,警報チャンネルには適切な時間遅れをもたせなければならない。
過渡圧力変動に対して保護されている圧力システムでの圧力変動といった過渡現象,センサ接点のチャ
タリング又は他のシステムからの電磁障害によって警報装置が作動してはならない。すべての液面警報に
は,船の動揺の周期に関連した時間遅れをもたせなければならない。
9.2.6.4 閉ループ 検出器ループの破損によっても警報が発生するように,正常時閉ループとなる回路を
使用しなければならない。閉ループでなく開ループ回路を用いる場合には,センサ回路の異常を監視しな
ければならない。

――――― [JIS F 8076 pdf 22] ―――――

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9.2.6.5 接地事故 警報センサ回路における接地事故は,警報を発生させる原因となるか又は別の手段で
表示されるか,それができない場合には警報表示を妨げないものとしなければならない。
9.2.6.6 故障の相互独立性 一つの警報チャンネルで特に外部入出力回路における故障が,実行可能な限
り,他の警報チャンネルの正常な作動に影響を与えてはならない。
9.2.6.7 可聴警報の独立性 ランプ又はランプホルダ内での短絡を含む警報表示ランプにおける異常が可
聴警報の作動に影響を与えてはならない。
9.2.6.8 システムの完全性 実行可能な限り,可聴及び視覚装置を含めた電気警報回路の正常な機能を調
べる試験設備を設けなければならない。

9.3 電源供給に関する自動制御設備

9.3.1 序文 この条項は発電機の自動制御装置に関するもので,電源の確保を目的としている。
9.3.2 一般 発電装置用自動制御システムには,次の事項を含めてよい。
− 発電装置の自動始動
− 無電圧母線への自動接続
− 自動並行運転及び負荷分担
− 発電装置の自動遮断
− 非重要負荷の自動切り離し
− 余剰電力の自動解析
9.3.3 自動始動
9.3.3.1 始動信号の発令 自動始動の信号は,例えば,次の状態で発令する。
− 無電圧(ブラックアウト)
− 一定時間の電圧低下
− 一定時間の周波数低下
− 予期される周波数低下又は運転発電装置の予期される停止
− 過負荷(機械的,電気的,又はその両方)
− 需要電力の増加
− 大電力消費機器,例えば,サイドスラスタモータへの始動信号
− 運転発電装置の故障
− 排ガスボイラの圧力低下
− 遠隔手動操作
9.3.3.2 信号の遅延 不要な始動を避けるために,例えば,電動機の大始動電流のような許容できる過渡
状態に起因する信号によって,発電装置を自動始動してはならない。
9.3.3.3 始動信号の転送 2台以上の発電装置に自動始動装置が設けられている場合には,始動失敗時,次
の発電装置に始動信号を自動的に転送するシーケンスを設けるか,又は手動操作用の選択スイッチの装備
を考慮しなければならない。
9.3.3.4 始動前の状態 始動空気,燃料,冷却水などに関連して,適切な始動条件及び運転条件が常に確
立しているということを明確にする手段を講じなければならない。
9.3.3.5 スタンバイ表示 スタンバイ表示は,制御盤のほか,人身の保護のために個々の機械の近くにも
配置しなければならない。

――――― [JIS F 8076 pdf 23] ―――――

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9.3.3.6 始動インタロック 保守及び修理を安全に行うために,各発電装置には不注意な始動を防ぐイン
タロックを設けなければならない。その場合,発電装置は自動始動が無効であるという注意表示を設けな
ければならない。
9.3.3.7 始動表示及び始動制限
9.3.3.7.1 発電装置の自動始動及び運転を,表示しなければならない。
9.3.3.7.2 始動失敗時,始動試行の回数及び時間を,制限しなければならない。
9.3.3.7.3 発電装置が始動失敗した場合には,可視可聴警報信号を発しなければならない。
9.3.4 無電圧母線への自動接続
9.3.4.1 ブラックアウト時の接続 母線に発電機遮断器を投入する場合には,発電機電圧が十分に高い値
であることが確実でなければならない。初期負荷が発電機の能力を超えないように,負荷の再投入を制限
するか,順次投入するか,又はその両方を行うことを考慮しなければならない。
9.3.4.2 非同時投入 2台以上の発電機遮断器が同時に投入するのを避けなければならない。
9.3.4.3 不当な投入 始動信号検出エレメントの異常,例えば,低電圧リレーの誤作動の場合に,発電機
遮断器が自動投入しないための手段を備えなければならない。
9.3.4.4 短絡 短絡事故の後,スタンバイ発電機の遮断器が事故母線に投入されないための考慮をしなけ
ればならない。この機能のために,手動リセットを設けなければならない。発電機遮断器は,短絡回路に
は1回を超えて投入を試みてはならない。
9.3.4.5 運転発電装置の切離し 運転発電機を直接トリップさせない一定時間の電圧低下又は周波数低下
によるスタンバイ発電装置の始動後は,負荷引継ぎの準備ができ次第,できるだけ早く,異常となった発
電装置を切り離すことができなければならない。
9.3.5 自動負荷管理
9.3.5.1 必要条件 自動並行運転を行うために,有効な自動同期及び遮断器自動投入を確実にすることが
必要である。
備考 大容量負荷投入による急速な周波数変動の可能性に注意する。これが予期できる場合には高速
投入遮断器,同期リアクタ又は同様な方法の採用を考慮するのがよい。
並行運転を行う発電機には,逆電力トリップ装置を設けなければならない。
自動負荷分担機能が設けられている場合には,その機能にかかわるすべてのシステムの異常も主電源喪
失の原因となってはならない。
9.3.6 自動緊急停止
9.3.6.1 緊急停止の開始 発電装置に損傷を引き起こす可能性がある故障,例えば,過速度又は潤滑油圧
力低下の場合には,発電装置を自動的に切り離し緊急停止しなければならない。
9.3.6.2 予知警報 不要な緊急停止を避けるために,危険状態になる前に手動操作による予防措置をとる
ことができるよう,別途,可視可聴警報信号を発することを考慮しなければならない。
9.3.6.3 負荷減少による切離し 負荷の減少によって,自動的に発電機を切り離すシステムでは,切り離
しには時間遅れをもたせなければならない。
9.3.6.4 発電装置のク−ルダウン 必要な,又は望ましい場合には,高負荷から無負荷への急変による熱
的機械的影響を平滑化するために停止シーケンスを組み込むことが認められる。
9.3.6.5 緊急停止の表示 事故によって発電装置が自動緊急停止した場合は,可視可聴警報信号を発しな
ければならない。
9.3.6.6 再始動の防止 事故による自動停止後の発電装置の自動再始動は,防止しなければならない。

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9.3.6.7 動力源 自動緊急停止機能をもつシステムへの動力は,独立した動力源から供給しなければなら
ない。動力が喪失した場合には,可視可聴警報表示を考慮しなければならない。主電源を維持するために
補助動力が必要な場合には,例えば,電子ガバナーへの電源は,少なくとも2系統の独立した補助電源を
備えなければならない。発電機保護装置は他の発電機に対するものと別の仕切られたキュービクルに取り
付けなければならない。
9.3.7 非重要負荷の自動切離し
9.3.7.1 切離しの原因 重要負荷への給電を確保するために,次の場合に,非重要負荷を自動的に切り離
すシステムの装備を考慮しなければならない。
− 通常,1台の発電装置が電力供給を担っている状態で,人為的又は自動的に端を発して更なる負荷
が自動的に投入され,負荷の合計が発電機の定格容量を超える可能性がある場合。
− 複数の発電機が並行運転で電力供給を担っている状態で,運転発電機の1台が事故の際に,負荷の
合計が残りの発電機の合計容量を超える場合。
9.3.7.2 設計条件 発電機が過負荷の場合に非重要負荷をトリップする保護システムを設計する際には,
定格値から離れた力率をもつ負荷,エンジンの効率の低下などについて適切な考慮を払わなければならな
い。給電を確保するために,そのような場合には,例えば,発電機の電流リレーに加えて低周波数リレー
を設けるなどの配慮が必要である。

9.4 電動機駆動補機用自動始動装置

9.4.1 序文 この条項は,潤滑油ポンプ,冷却水ポンプなどの電動機駆動補機の自動化装置に関するもの
である。
9.4.2 一般 電動機駆動補機用自動始動装置に使用するすべての機器は,できるだけ,JIS F 8063及びJIS
F 8065によらなければならない。
9.4.3 自動順次始動
9.4.3.1 過負荷の防止 電動機の自動再始動を行う制御器には,必要ならば,ブラックアウト発生後の電
源復旧時又は復旧の間,発電装置の過負荷を防止するために,自動順次始動システムを設けなければなら
ない。
9.4.3.2 始動遅延 順次始動システムを設けている場合には,かじ取機及び潤滑油ポンプといった,船又
は推進機関に必要不可欠な補機の始動に対する時間遅れはできるだけ小さいものとしなければならない。
9.4.3.3 インタロックシステム 電動機の定格が,電動機の自動始動前に2台以上の発電装置を給電母線
に接続する必要がある定格の場合には,インタロックシステムを設けなければならない。
9.4.4 スタンバイ補機用始動装置
9.4.4.1 始動信号 スタンバイ補機に対する始動信号は,制御される媒体,電気系統,又はその両方から,
その用途にふさわしいものから取らなければならない。
− 例えば,スタンバイ潤滑油ポンプ電動機に対する始動信号は,システム設計に応じて,潤滑油圧力,
流量,重力タンクの液位からとるべきで,運転潤滑油ポンプ電動機の制御器だけからとるべきでは
ない。
9.4.4.2 スタンバイ表示 電動機駆動補機がスタンバイ状態に選択されていることは,その電源の準備状
況と併せて,機側制御場所及び集中制御場所がある場合,その場所にスタンバイ表示をしなければならな
い。
9.4.4.3 始動の表示 スタンバイ補機の自動始動は可視可聴警報信号を発しなければならない。

――――― [JIS F 8076 pdf 25] ―――――

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JIS F 8076:2005の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60092-504:2001(IDT)

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