JIS G 1258-3:2014 鉄及び鋼―ICP発光分光分析方法―第3部:多元素定量方法―酸分解・炭酸ナトリウム融解法 | ページ 3

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b) 多成分系検量線用溶液によって作成する。

11.2 鉄-定量成分二元系の検量線用溶液による検量線の作成

  鉄−定量成分二元系の検量線用溶液による検量線の作成は,次による。
a) 表4に示す定量成分ごとに617個のビーカー(200 mL)を準備し,それぞれに鉄(5.4)をはかりと
って移し入れる。鉄(5.4)のはかりとり量は,[0.500−0.500×標準液添加量の質量分率(%)換算値
/100]gとする。
b) 定量成分ごとに表4の標準液添加量に従って標準液を正確に加える。
c) 8.2のb) f) の操作を行う。調製した溶液は検量線用溶液となる。
d) 8.3の操作を行い,定量成分ごとに各検量線用溶液の発光強度比と,添加した定量成分量との関係線を
作成して検量線とする。
表4−検量線用溶液への標準液添加量(鉄−定量成分二元系)
単位 mL
定量成分 使用する標準液 標準液添加量a)
けい素標準液B(5.7) 0 (0) ),1 (0.1),3 (0.3),5 (0.5)
けい素
けい素標準液A(5.6) 2 (1),3 (1.5),4 (2)
マンガン標準液C(5.10) 0 (0) ),1 (0.01),3 (0.03),5 (0.05)
マンガン マンガン標準液B(5.9) 1 (0.1),3 (0.3),5 (0.5)
マンガン標準液A(5.8) 1 (1),3 (3),5 (5),8 (8),10 (10),15 (15),20 (20)
りん りん標準液(5.11) 0 (0) ),0.5 (0.005),1 (0.01),3 (0.03),5 (0.05),8 (0.08),10 (0.1)
ニッケル標準液C(5.14) 0 (0) ),1 (0.01),3 (0.03),5 (0.05)
ニッケル ニッケル標準液B(5.13) 1 (0.1),3 (0.3),5 (0.5)
ニッケル標準液A(5.12) 1 (1),3 (3),5 (5),8 (8),10 (10)
クロム標準液D(5.18) 0 (0) ),1 (0.01),3 (0.03),5 (0.05)
クロム標準液C(5.17) 1 (0.1),3 (0.3),5 (0.5)
クロム
クロム標準液B(5.16) 1 (1),3 (3)
クロム標準液A(5.15) 1 (5),1.5 (7.5),2 (10),3 (15),4 (20),5 (25),6 (30),7 (35)
モリブデン標準液B(5.20) 0 (0) ),1 (0.1),3 (0.3),5 (0.5)
モリブデン
モリブデン標準液A(5.19) 1 (1),2 (2),3 (3)
銅標準液C(5.23) 0 (0) ),1 (0.01),3 (0.03),5 (0.05)
銅 銅標準液B(5.22) 1 (0.1),3 (0.3),5 (0.5)
銅標準液A(5.21) 1 (1),2 (2),3 (3),4 (4),5 (5)
バナジウム標準液B(5.25) 0 (0) ),1 (0.01),3 (0.03),5 (0.05)
バナジウム
バナジウム標準液A(5.24) 1 (0.1),3 (0.3),5 (0.5),8 (0.8),10 (1)
コバルト標準液B(5.27) 0 (0) ),1 (0.01),3 (0.03),5 (0.05)
コバルト
コバルト標準液A(5.26) 1 (0.1),3 (0.3),5 (0.5),8 (0.8),10 (1)
チタン標準液D(5.31) 0 (0) ),1 (0.001),3 (0.003),5 (0.005)
チタン標準液C(5.30) 1 (0.01),3 (0.03),5 (0.05)
チタン
チタン標準液B(5.29) 2 (0.1),6 (0.3)
チタン標準液A(5.28) 1 (0.5),1.5 (0.75),2 (1),3.5 (1.75),5 (2.5)
アルミニウム標準液C(5.34) 0 (0) ),1 (0.004),3 (0.012),5 (0.02)
アルミニウム アルミニウム標準液B(5.33) 3 (0.03),5 (0.05),8 (0.08)
アルミニウム標準液A(5.32) 1 (0.1),2.5 (0.25),5 (0.5),7.5 (0.75),10 (1),15 (1.5)
カルシウム カルシウム標準液(5.36) 0 (0) ),1 (0.001),2 (0.002),3 (0.003),4 (0.004),5 (0.005)
マグネシウム マグネシウム標準液(5.38)0 (0) ),2 (0.002),4 (0.004),6 (0.006),8 (0.008),10 (0.010)
ひ素 ひ素標準液(5.40) 0 (0) ),1 (0.002),2 (0.004),3 (0.006),4 (0.008),5 (0.010),6 (0.012)

――――― [JIS G 1258-3 pdf 11] ―――――

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表4−検量線用溶液への標準液添加量(鉄−定量成分二元系)(続き)
注a) 括弧内の値は,添加量の鋼0.5 g中含有率[質量分率(%)]換算値を示す。
b) ゼロメンバー

11.3 多成分系検量線用溶液による検量線の作成

  多成分系検量線用溶液によって検量線を作成する場合は,共存元素の影響を考慮して作成しなくてはな
らない。検量線の作成は,JIS G 1258-0の5.5(検量線の作成)による。
注記 共存元素の影響を考慮した検量線の作成手順の例を次に示す。この例は,各成分の規定定量範
囲の全体を定量領域とする検量線を,規定対象の全成分について同時に作成する場合の例であ
る。
a) 17個のビーカー(200 mL)を用意し,それぞれに表5に示すシリーズごとに示した量の鉄(5.4)
をはかりとって移し入れる。
b) シリーズごとに表5の標準液添加量に従って定量成分の標準液を正確に加える。
c) 8.2のb) f) の操作を行う。調製した溶液は検量線用溶液となる。
d) 8.3の操作を行い,定量成分ごとに各検量線用溶液の発光強度比と,箇条10 e) で求めたスペ
クトル重なり補正係数(Lij)を用いて式(1)から得られる定量成分iの推定基準値(xi)との関
係線を作成して検量線とする。
xi=Wi+ Lij×Wj) (1)
ここに, 定量成分iの推定基準値(g)
xi :
Wi : 標準液として添加した定量成分iの量(g)
定量成分iに対する共存成分jのスペクトルの重なり補正係数
Lij :
Wj : 標準液として添加した共存成分jの量(g)

12 検量線の校正

  試料溶液の発光強度比測定時に,作成した検量線に経時変化があるときは,定量成分の濃度が異なる2
個の検量線用溶液2) を用意して,8.3によって発光強度比を測定し,得た発光強度比の検出量換算値が検
量線作成時におけるそれら溶液の検出量換算値と一致するように,検量線を校正する。
注2) 例えば,検量線用溶液の上限及び下限の2個を用いる。

13 計算

  計算は,次の手順によって行う。
注記 計算については,JIS G 1258-0の5.6に規格群共通規定が記載されている。
a) 未補正含有率の算出 8.3及び空試験(箇条9)で得た発光強度比を,箇条11で作成した検量線又は
箇条12で校正した検量線を用いて定量成分量に換算し,試料中の定量成分iの未補正含有率を式(2)
によって算出する。
m1i m2i m3i
Xi 100 (2)
m
ここに, Xi' : 試料中の定量成分iの未補正含有率[質量分率(%)]
mi1 : 試料溶液中の定量成分iの検出量(g)
mi2 : 空試験液中の定量成分iの検出量(g)

――――― [JIS G 1258-3 pdf 12] ―――――

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mi3 : 空試験ではかりとった鉄(5.4)中の定量成分iの量(g)
鉄(5.4)中の定量成分iの含有率(質量分率)が,各成
分の定量範囲下限値の1/10未満であることが保証されて
いる場合は,定量成分iの量を0とする。
m : 試料はかりとり量(g)
b) 定量値の算出 a) で得た未補正含有率(Xi'),箇条10 e) で求めたスペクトル重なり補正係数(Lij)及
び他の方法又はICP発光分光分析方法で得た共存成分jの含有率(Wj)から,試料中の定量成分iの
含有率を式(3)によって算出する。
Xi=Xi'− Lij×Wj) (3)
ここに, Xi : 試料中の定量成分iの含有率[質量分率(%)]
Xi' : a) で得た定量成分iの未補正含有率[質量分率(%)]
Lij : 箇条10 e) で得た定量成分iに対する共存成分jのス
ペクトル重なり補正係数
Wj : 試料中の共存成分jの含有率[質量分率(%)]

――――― [JIS G 1258-3 pdf 13] ―――――

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G1
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表5−検量線用溶液への標準液添加量例(多成分系)
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検量 添加する標準液の細別番号及び添加量a) 鉄
8-3
線 mL (5.4)
: 2
シリ けい素 マンガン りん ニッケル クロム モリブデン 銅 バナジウム コバルト チタン アルミニウム はか
01
ーズ りと
4
液 添加量 標準
標準 液 添加量 標準 液 添加量 標準
添加量 標準 添加量 標準 添加 液 添加量 標準
標準 液 添加量 標準
添加量 標準 添加量 標準
番号 添加量 り量
液 液 液 量 液 液 液
g
1 b) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.500
2 5.7 1(0.1) 5.10 1(0.01) 5.11 0.5 5.14 1(0.01) 5.18 1(0.01) 0 5.23 1(0.01) 5.25 1(0.01) 5.27 1(0.01) 5.31 1(0.001) 5.34 1(0.004) 0.500
(0.005)
3 5.7 0
3(0.3) 5.10 3(0.03) 5.11 1(0.01) 5.14 3(0.03) 5.18 3(0.03) 5.23 3(0.03) 5.25 3(0.03) 5.27 3(0.03) 5.31 3(0.003) 5.34 3(0.012) 0.496
4 5.7 0
5(0.5) 5.10 5(0.05) 5.11 3(0.03) 5.14 5(0.05) 5.18 5(0.05) 0.492
5.23 5(0.05) 5.25 5(0.05) 5.27 5(0.05) 5.31 5(0.005) 5.34 5(0.02)
5 5.6 2(1) 5.9 5.20 1(0.1) 5.22 1(0.1) 5.24 1(0.1)
1(0.1) 5.11 5(0.05) 5.13 1(0.1) 5.17 1(0.1) 5.26 1(0.1) 5.30 1(0.01)5.33 3(0.03) 0.491
6 5.6 3(1.5) 5.9 5.20 3(0.3) 5.22 3(0.3) 5.24 3(0.3)
3(0.3) 5.11 8(0.08) 5.13 3(0.3) 5.17 3(0.3) 5.26 3(0.3) 5.30 3(0.03)5.33 5(0.05) 0.481
7 5.6 4(2) 5.9 5.20 5(0.5) 5.22 5(0.5) 5.24 5(0.5)
5(0.5) 5.11 10(0.1) 5.13 5(0.5) 5.17 5(0.5) 5.26 5(0.5) 5.30 5(0.05)5.33 8(0.08) 0.471
8 0 5.8 1.0(1) 0 5.12 10(10) 5.16 1(1) 5.19 1(0.1) 5.21 1(1)5.24 8(0.8) 5.26 8(0.8) 5.29 2(0.1) 5.32 1(0.1) 0.400
9 0 5.8 3(3) 0 5.12 8(8) 5.16 3(3) 5.19 2(2) 5.21 2(2) 5.24 10(1) 5.26 10(1) 5.29 6(0.3) 5.32 2.5(0.25) 0.398
10 0 5.8 5(5) 0 5.12 5(5) 5.15 1(5) 5.19 3(3) 5.21 3(3) 0 0 5.28 1(0.5) 5.32 5(0.5) 0.390
11 0 5.8 8(8) 0 5.12 3(3) 5.15 1.5(7.5) 0 5.21 4(4) 0 0 5.28 1.5(0.75) 5.32 7.5(0.75) 0.380
12 0 5.8 10(10) 0 5.12 1(1) 5.15 2(10) 0 5.21 5(5) 0 0 5.28 2(1) 5.32 10(1) 0.360
13 0 5.8 15(15) 0 0 5.15 3(15) 0 0 0 0 0.334
5.28 3.5(1.75) 5.32 15(1.5)
14 0 5.8 20(20) 0 0 5.15 4(20) 0 0 0 0 5.28 5(2.5) 0 0.288
15 0 0 0 0 5.15 5(25) 0 0 0 0 0 0 0.375
16 0 0 0 0 5.15 6(30) 0 0 0 0 0 0 0.350
17 0 0 0 0 5.15 7(35) 0 0 0 0 0 0 0.325
注a) 括弧内の値は,添加量の鋼0.5 g中含有率[質量分率(%)]換算値を示す。
b) ゼロメンバー

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14 許容差

  許容差は,表6による。
表6−許容差
定量成分 定量値の平均値 併行許容差 室内再現許容差 室間再現許容差
[質量分率(%)] [質量分率(%)] [質量分率(%)] [質量分率(%)]
0.10 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
けい素
2.0 以下 [0.013 5×(Si)+0.001 6]
[0.013 6×(Si)+0.001 2] [0.031 7×(Si)+0.004 4]
0.01 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
マンガン
20.0 以下 [0.007 3×(Mn)+0.001 3]
[0.005 1×(Mn)+0.001 2] [0.010 1×(Mn)+0.005 0]
0.003 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
りん
0.10 以下 [0.012 4×(P)+0.000 3]
[0.008 4×(P)+0.000 3] [0.016 4×(P)+0.000 4]
0.02 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
ニッケル
10.0 以下 [0.006 4×(Ni)+0.003 8]
[0.005 8×(Ni)+0.001 1] [0.021 5×(Ni)+0.003 5]
0.03 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
クロム
35.0 以下 [0.008 8×(Cr)+0.001 6]
[0.006 7×(Cr)+0.002 3] [0.013 5×(Cr)+0.003 9]
モリブデ 0.10 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
ン 3.0 以下 [0.012 3×(Mo)+0.001 2]
[0.008 5×(Mo)+0.000 7] [0.017 4×(Mo)+0.004 5]
0.01 以上 f(n)× f(n)× f(n)×

5.0 以下 [0.014 5×(Cu)+0.000 6]
[0.007 3×(Cu)+0.000 5] [0.019 6×(Cu)+0.001 5]
バナジウ 0.01 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
ム 1.0 以下 [0.009 0×(V)+0.000 4]
[0.006 3×(V)+0.000 4] [0.020 9×(V)+0.001 1]
0.01 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
コバルト
1.0 以下 [0.008 0×(Co)+0.000 5]
[0.009 2×(Co)+0.000 2] [0.013 3×(Co)+0.001 8]
0.001 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
チタン
2.5 以下 [0.010 8×(Ti)+0.000 3]
[0.011 8×(Ti)+0.000 1] [0.016 3×(Ti)+0.000 9]
アルミニ 0.004 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
ウム 1.5 以下 [0.014 4×(Al)+0.000 7]
[0.012 3×(Al)+0.000 5] [0.020 7×(Al)+0.002 1]
カルシウ 0.001 以上 f(n)× f(n)×
f(n)×0.000 28
ム 0.005 以下 [0.106 3×(Ca)+0.000 01]
[0.103 3×(Ca)+0.000 01]
マグネシ 0.002 以上 f(n)× f(n)× f(n)×
ウム 0.011 以下 [0.008 0×(Mg)+0.000 3]
[0.006 1×(Mg)+0.000 3] [0.001 5×(Mg)+0.000 5]
0.003 以上
ひ素 f(n)×0.000 2 f(n)×0.000 4 f(n)×0.000 5
0.012 以下
許容差計算式中のf(n) の値は,JIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,併行許容差の場合は併
行分析回数,室内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した分
析室数である。また,(Si) などは,許容差を求める各成分定量値の平均値[質量分率(%)]である。

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