JIS H 1360:1997 アルミニウム及びアルミニウム合金中のニッケル定量方法

JIS H 1360:1997 規格概要

この規格 H1360は、アルミニウム及びアルミニウム合金中のニッケル定量方法について規定。

JISH1360 規格全文情報

規格番号
JIS H1360 
規格名称
アルミニウム及びアルミニウム合金中のニッケル定量方法
規格名称英語訳
Methods for determination of nickel in aluminium and aluminium alloys
制定年月日
1963年8月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 3979:1977(MOD)
国際規格分類

ICS

77.120.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属分析 II 2019
改訂:履歴
1963-08-01 制定日, 1966-11-01 確認日, 1968-05-01 改正日, 1971-05-01 確認日, 1972-10-01 改正日, 1975-09-01 確認日, 1978-10-01 確認日, 1984-01-01 確認日, 1988-12-01 確認日, 1994-04-01 確認日, 1997-05-20 改正日, 2001-12-20 確認日, 2006-09-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS H 1360:1997 PDF [7]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 1360-1997

アルミニウム及びアルミニウム合金中のニッケル定量方法

Methods for determination of nickel in aluminium and aluminium alloys

序文 この規格は,1977年に第1版として発行された,ISO 3979 (Aluminium and aluminium alloys−
Determination of nickel−Spectrophotometric method using dimethylglyoxime) が対応国際規格としてあるが,
クロロホルムを試薬として使用する方法であるため,環境保全の観点から不採用とした。
なお,対応国際規格がないジメチルグリオキシムニッケル重量法及びジメチルグリオキシム抽出分離ピリ
ジルアゾレゾルシン吸光光度法の二つの定量方法を日本工業規格(日本産業規格)として規定している。
1. 適用範囲 この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金中のニッケル定量方法について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS H 1351 アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 3979 : 1977 Aluminium and aluminium alloys−Determination of nickel−Spectrophotometric
method using dimethylglyoxime
2. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1351による。
3. 定量方法の区分 ニッケルの定量方法は,次のいずれかによる。
(1) ジメチルグリオキシムニッケル重量法 この方法は,ニッケル含有率0.1% (m/m) 以上3% (m/m) 以下
の試料に適用する。
(2) ジメチルグリオキシム抽出分離ピリジルアゾレゾルシン吸光光度法 この方法は,ニッケル含有率
0.001% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下の試料に適用する。
4. ジメチルグリオキシムニッケル重量法
4.1 要旨 試料を水酸化ナトリウムで,又は塩酸と硝酸とで分解する硫酸酸性とした後,アルミニウム
板を投入して煮沸し,銅などを還元して析出させ,ろ別する。溶液に酒石酸を加えた後,弱アルカリ性と
し,ジメチルグリオキシムを加えてジメチルグリオキシムニッケルの沈殿を生成させ,こし分けた後,乾
燥してその質量をはかる。
4.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+1,1+2)
(2) 硝酸

――――― [JIS H 1360 pdf 1] ―――――

2
H 1360-1997
(3) 硝酸 (1+1)
(4) ふっ化水素酸
(5) 硫酸 (1+1)
(6) アンモニア水 (1+1)
(7) 水酸化ナトリウム溶液 水酸化ナトリウム20gを水100mlに溶解してポリエチレン瓶に保存し,その
上澄み液を使用する。
(8) チオ硫酸ナトリウム溶液(飽和,約450g/l)
(9) アルミニウム板[99.99% (m/m) 以上]
(10) 酒石酸溶液 酒石酸25gを水60mlに溶解し,ろ過した後,硝酸 (1+1) 2mlを加え,水で液量を100ml
とする。
(11) ジメチルグリオキシム溶液 ジメチルグリオキシム1gをエタノール (95) 100mlに溶解する。
4.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,ニッケル含有率に応じ,表1に従って,1mgのけたまで
はかる。
表1 試料はかり取り量
ニッケル含有率 試料はかり取り量
% (m/m) g
0.1以上0.5未満 3.0
0.5以上3以下 1.0
4.4 操作
4.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
(1) けい素含有率が1% (m/m) 未満の試料
(a) 試料をはかり取って,ビーカー (500ml) に移し入れる。
(b) 時計皿で覆い,試料1gについて水酸化ナトリウム溶液15mlを少量ずつ加えて分解する。反応が穏
やかになったら,加熱して試料を完全に分解する。
(c) 時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗浄した後,温水約150mlを加えてかき混ぜ,しば
らく静置して沈殿を沈降させる時計皿を取り除き,沈殿をろ紙(5種B)を用いてこし分け,温水
で洗浄する。
(d) ろ紙上の沈殿を水で元のビーカーに洗い落とし,なるべく少量の塩酸 (1+1) と硝酸 (1+1) とを用
いて溶解した後,硫酸 (1+1) 10mlを加え,加熱して硫酸の白煙を23分間発生させる。放冷した
後,水100150mlを加え,加熱して塩類を溶解する。
(2) けい素含有率が1% (m/m) 以上の試料
(a) 試料をはかり取って,ビーカー (500ml) に移し入れる。
(b) 時計皿で覆い,試料1gについて塩酸 (1+1) 20mlを少量ずつ加えて分解する。反応が穏やかになっ
たら,硝酸5mlを加えて煮沸し,銅などを溶解する。
(c) 時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗浄して時計皿を取り除き,ろ紙(5種B)を用い
て不溶性けい素などをろ別し,沈殿及びろ紙を温水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー
(500ml) に合わせ,硫酸 (1+1) 20mlを加え,加熱して硫酸の白煙を23分間発生させる。
(d) 放冷した後,水100150mlを加え,加熱して塩類を溶解する。溶液をろ紙(5種A)を用いてろ別
し,沈殿及びろ紙を水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー (500ml) に合わせて主液とし,
液量が100150mlになるまで加熱して濃縮する。

――――― [JIS H 1360 pdf 2] ―――――

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(e) 不溶性けい素などの残さは,ろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,加熱して乾燥した後,
強熱してろ紙を灰化する。放冷した後,硝酸5ml,硫酸 (1+1) 1m1及びふっ化水素酸5mlを加え,
加熱して硫酸の白煙を12分間発生させる。放冷した後,溶液を(d)で保存しておいた主液の入っ
たビーカーに水を用いて移し入れる。
4.4.2 銅などの分離 銅などの分離は,次の手順によって行う。
(1) 4.4.1で得た溶液に,U字型に折り曲げたアルミニウム板(1)を入れ,時計皿で覆い,約1時間穏やかに
煮沸して(2)銅などを還元析出させる(3)。
(2) 溶液をろ紙(5種A)を用いてろ過し,沈殿及びろ紙を水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液はビーカ
ー (500ml) に合わせ,水で液量を約200mlとする。必要ならば加熱して濃縮する。
注(1) アルミニウム板は,通常厚さ約1.5mm,幅約25mm,長さ5080mmのものを用い,ニッケルを
含まないものとする。
(2) 煮沸中に液量が減少したときは熱水を加えて液量を100150mlとする。
(3) 試料溶液の調製を4.4.1(1)によって行った場合には,銅などの分離操作は4.4.2(1)及び(2)の手順
による代わりに,次の手順によって行う。溶液を加熱濃縮して液量を約20mlとし,チオ硫酸ナ
トリウム溶液を試料中の銅量に応じて1020mlを少量ずつ加えた後,時計皿で覆い,穏やかに
煮沸を続けて溶液を透明とし,直ちに溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,温水で十分に洗浄
し,ろ液と洗液を合わせる。
4.4.3 沈殿の生成 沈殿の生成は,次の手順によって行う。
(1) 4.4.2(2)で得た溶液に硝酸23mlを加えて煮沸し,鉄などを酸化する。酒石酸溶液 [4.2(10) ] を,試料
溶液の調製を4.4.1(1)によって行った場合には試料1gについて10ml,試料溶液の調製を4.4.1(2)によ
って行った場合は試料1gについて25mlを加える。
(2) アンモニア水 (1+1) を滴加して弱アルカリ性とし(4),水で液量を約300mlとする。12分間煮沸し
てアンモニア臭がなくなったら熱源からおろし,ジメチルグリオキシム溶液 [4.2(11) ] を溶液中のニ
ッケルの予想含有量0.01gにつき,10mlの割合で試料溶液をかき混ぜながら少量ずつ加え,ジメチル
グリオキシムニッケルを沈殿させ,約1時間静置する(5)。
注(4) H試験紙で弱アルカリ性であることを確認する。
(5) ニッケル含有量が少ないときは,1夜静置する。
4.4.4 ひょう量 ひょう量は,次の手順によって行う。
(1) 4.4.3(2)で得た沈殿を,あらかじめ115±5℃で乾燥して恒量としたガラスろ過器 (G3) を用いてろ過し,
水で十分に洗浄する。
(2) ガラスろ過器と沈殿を115±5℃で約1時間乾燥し,デシケーター中で常温まで放冷した後,その質量
をはかる。恒量となるまでこの操作を繰り返す。
4.5 空試験 空試験は,行わない。
4.6 計算 試料中のニッケル含有率を,次の式によって算出する。
(m1 m2 ) .0203 2
Ni= 100
m
ここに, Ni : 試料中のニッケル含有率 [% (m/m) ]
m1 : 4.4.4(2)で得た質量 (g)
m2 : ガラスろ過器の質量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)

――――― [JIS H 1360 pdf 3] ―――――

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5. ジメチルグリオキシム抽出分離ピリジルアゾレゾルシン吸光光度法
5.1 要旨 試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,くえん酸を加え,アンモニア水でpH9.0とする。ジメ
チルグリオキシムを加え,アニリンとトルエンとの混合溶媒でニッケル錯体を抽出し,塩酸で生成するジ
メチルグリオキシムニッケル錯体を逆抽出する。ピリジルアゾレゾルシンを加え,pH9.5に調節してピリ
ジルアゾレゾルシンニッケル錯体を生成させ,マスキング剤としてエチレンジアミン四酢酸二水素二ナト
リウム(以下,EDTA2Naという。)を加えた後,光度計を用いてその吸光度を測定する。
5.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+1,1+5)
(2) 硝酸
(3) ふっ化水素酸
(4) 硫酸 (1+1)
(5) 混酸(塩酸1,硝酸1,水2)
(6) アンモニア水
(7) 塩化アンモニウム溶液 (250g/l)
(8) 洗浄液 酢酸アンモニウム125gを500mlの水に溶解し,塩酸とアンモニア水とでpH90±0.2に調節
する。
(9) 緩衝液 四ほう酸ナトリウム十水和物2gを100mlの水に溶解し,塩酸と水酸化ナトリウム溶液 (50g/l)
とでpH9.5±0.2に調節する。
(10) くえん酸溶液 くえん酸一水和物50gを水に溶解し,水で液量を100mlとする。
(11) ジメチルグリオキシム溶液 4.2(11)による。
(12) ピリジルアゾレゾルシン溶液 ピリジルアゾレゾルシン0.1gを水酸化ナトリウム溶液 (0.25mol/l) 4ml
に溶解し,水で液量を100mlとする。調製後1週間以内のものを使用する。
(13) DTA2Na溶液 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物1gを100mlの水に溶解する。
(14) 混合溶媒 アニリン4.0mlとトルエン96mlとを混合する。
(15) 標準ニッケル溶液 (5 最一 ‰ ッケル[99.95% (m/m) 以上]0.100gをはかり取ってビーカー (300ml)
に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 20mlを加えて分解し,加熱して窒素酸化物を追い出す。常
温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く。溶液を1 000ml
の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (100 最一椀一 ‰
使用の都度,必要量だけ水で正しく20倍に薄めて標準ニッケル溶液とする。
5.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,ニッケル含有率に応じ,表2に従って,1mgのけたまで
はかる。
表2 試料はかり取り量
ニッケル含有率 試料はかり取り量
% (m/m) g
0.001 以上0.1 未満 0.50
0.1 以上0.5 以下 0.20
5.4 操作
5.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
(1) ニッケル含有率が0.001% (m/m) 以上0.0l% (m/m) 未満の場合
(a) 試料をはかり取って,ビーカー (300ml) に移し入れる。

――――― [JIS H 1360 pdf 4] ―――――

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(b) 時計皿で覆い,混酸15mlを加え,加熱して試料を分解する。完全に分解した後,流水中で常温ま
で冷却する。時計皿の下面とビーカーの内壁を水で洗浄して時計皿を取り除く(6)。
(c) 溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,沈殿及びろ紙を温水で洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー
(300ml) に受け,液量が約50mlになるまで加熱して濃縮し,主液として保存する。
(d) 不溶解物をろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,加熱してろ紙を完全に灰化する。放冷し
た後,硝酸5mlを加え,ふっ化水素酸3mlを少量ずつ加えて不溶解物を完全に分解する。硫酸 (1
+1) 4,5滴を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させる。放冷した後,少量の水で塩類を溶解する。
溶液を(c)で保存しておいた主液の入ったビーカーに水を用いて移し入れる。
注(6) けい素などの不溶解物が認められないときには,次の(c)及び(d)の操作は行わない。
(2) ニッケル含有率が0.0l% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下の場合
(a) (1)の(a)(d)の手順に従って操作する。
(b) 常温まで冷却した後,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
溶液をニッケル含有率に応じ,表3に従ってビーカー (300ml) に分取する。
表3 分取量
ニッケル含有率 分取量
% (m/m) ml
0.01 以上0.05 未満 20.0
0.05 以上0.1 未満 10.0
0.1 以上0.5 以下 5.0
5.4.2 ニッケルの抽出分離 ニッケルの抽出分離は,次の手順によって行う。
(1) 5.4.1(1)の(b)若しくは(d)又は5.4.1(2)(b)で得た溶液に,くえん酸溶液 [5.2(10) ] 10ml及び塩化アンモニ
ウム溶液 [5.2(7) ] 10mlを加え,水で液量を約50mlとする。
(2) H計を用いてアンモニア水と塩酸 (1+5) でpHを9.0±0.2に調節する。調節中に発熱するようであ
れば,おおよそ調節し,流水中で常温まで冷却した後,正しく調節する。
(3) 溶液を分液漏斗 (200ml) に水を用いて移し入れ,水で液量を90100mlとする。ジメチルグリオキシ
ム溶液 [5.2(11) ] 3mlを加え,約5分間放置する。
(4) 混合溶媒 [5.2(14) ] 20mlを加え,約5分間激しく振り混ぜる。しばらく静置して2相に分離後,水相
(下層)を別の分液漏斗に移し入れ,ジメチルグリオキシム溶液 [5.2(11) ] 1mlと混合溶媒 [5.2(14) ]
20mlを加え,約5分間激しく振り混ぜる。静置して2相に分離後,水相(下層)を捨てる(7)。2回目
の抽出を行った有機相を1回目の有機相が入っている分液漏斗に移し入れて合わせる。
(5) 有機相に洗浄液 [5.2(8) ] 20mlを加えて約30秒間激しく振り混ぜた後,静置し2相に分離した後,水
相(下層)を捨てる(7)。洗浄液10mlを分液漏斗の内壁を洗うようにして加え,水相(下層)を捨て
た後(7),分液漏斗の脚部内側を水で洗浄する。
(6) 有機相に塩酸 (1+5) 10mlを加え,約3分間激しく振り混ぜる。静置して2相に分離後,水相(下層)
をビーカー (200ml) に移し入れる。この操作をもう一度繰り返し,水相(下層)を先の水相が入って
いるビーカーに移し入れる。水20mlを分液漏斗の内壁を洗うようにして加え,その水相(下層)も
水相が入っているビーカーに移し入れる。
注(7) ニッケル以外の金属元素の混入を防ぐため,水相をできるだけ分離して捨てる。
5.4.3 呈色 呈色は,次の手順によって行う。
(1) 5.4.2(6)で得た水相に,ピリジルアゾレゾルシン溶液 [5.2(12) ] を1.0ml加える。

――――― [JIS H 1360 pdf 5] ―――――

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  • ISO 3979:1977(MOD)

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