JIS H 8455:2022 遮熱コーティングの線膨張係数測定方法 | ページ 2

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H 8455 : 2022
記号説明
t : 試験片の厚さ(mm)
a) 測定装置の構成例 b) 支持ジグの例
図3−測定装置の構成及び支持ジグの例

5.2 支持ジグ

  支持ジグは,次による。
a) 試験片の転倒又は取付位置からの逸脱を防ぐために,支持ジグを用いてもよい。ただし,支持ジグは,
試験片の自由な線膨張を妨げてはならない。
b) 支持ジグの材質は,純度99 %以上のα-アルミナが望ましい。
c) 支持ジグの形状及び寸法は,測定装置の試験片ホルダ及び試験片の形状及び寸法によって決定する。
試験片を挿入するためのスリットの幅は,試験片の厚さtより0.1 mm程度大きいことが望ましい。
支持ジグの形状及び寸法の例を,図3のb)に示す。

6 試験片及び参照試験片

6.1 試験片

  試験片は,次による。
a) 試験片は,セラミックスのトップコートだけから成り,基材上に形成したTBCを用いて,機械加工及
び/又は化学処理によって基材及びボンドコートを除去することによって作製する。
試験片の作製手順の例を,図4に示す。
b) 試験片の形状は,板状とし,その寸法は,長さ(L)10 mm以上,幅(w)5 mm以上及び厚さ(t)0.3
mm以上とする(図4参照)。
c) 試験片の厚さ(t)は,試験片が残留応力などによって自発的に反ることのない十分な厚さとする。

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記号説明
L : 10 mm以上
w : 5 mm以上
t : 0.3 mm以上
図4−試験片の作製手順の例及び試験片の形状

6.2 参照試験片

  参照試験片は,次による。
a) 参照試験片は,測定装置の変位の校正に用い,JIS R 1618の5.2(参照試料)による。
b) 参照試験片の材質は,純度99 %以上のα-アルミナが望ましい。α-アルミナの線膨張の参考値を,附属
書JAに示す。
c) 参照試験片の形状及び寸法は,可能な限り試験片と同一とする。
d) 参照試験片の線膨張の測定は,試験片と同一測定条件で行う。

7 測定方法

  測定方法は,次によるほか,JIS R 1618の7.(操作)による。
a) 試験片の寸法(長さ,幅及び厚さ)は,あらかじめ室温において,JIS B 7502に規定する外側マイク
ロメータ又はそれと同等以上の精度をもつ測定器具を用いて測定する。なお,試験片の室温での長さ
(L0)は,0.01 mmの桁まで測定する。
b) 試験片ホルダに試験片を設置する。試験片を取り付けるときに,支持ジグを使用してもよい(5.2参
照)。
c) 試験片に検出棒を押し当て,0.1 N1 Nの試験力を付加する。
d) 試験片ホルダに取り付けた試験片を,加熱炉内に挿入する。
e) 試験片の温度は,温度調節器によって5 ℃/min以下の速度で,昇温又は降温する。
f) 試験片の温度を変化させているときは,1回/℃以上の頻度で,試験片の温度及び長さを記録する。
g) 平均線膨張係数は,式(1)及び式(2)によって求める。計算における試験片の温度の変化量は,約50 ℃
とする。平均線膨張係数の数値は,JIS Z 8401に規定する規則Bによって,有効数字4桁まで求める。
h) e) g)による手順を繰り返し,2回以上,線膨張の測定を行う。
i) 繰返し測定の終了の判定は,式(3)による。N回目の測定での平均線膨張係数及びN−1回目の測定で
の平均線膨張係数によって求めた判定値Z(TB−A)が,終了判定の基準値Z0以下になったとき,測定終

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了とする。
判定値が基準値を満足しない場合は,e) g)による手順を繰り返す。
TBA N
TBA N 1
ZTBA 100≦Z0 (3)
TBA N
TBA N 1
/2
ここで, Z(TB−A) : 平均温度TB−Aにおける判定値(%)
Z0 : 終了判定の基準値(%)
TBAN : N回目の測定で平均温度TB−Aにおける平均線膨張
係数(℃−1)
: N−1回目の測定で平均温度TB−Aにおける平均線膨
TBA N 1
張係数(℃−1)
j) 終了判定の基準値Z0は,5 %とする。これに基づく判定の例を,附属書Aに示す。

8 報告

  試験結果報告書には,次の項目を記載する。
a) 試験実施において使用した規格番号(JIS H 8455)
b) トップコートの材料及びコーティング方法
c) 試験片の形状及び寸法
d) 参照試験片の材質,形状,寸法及び線膨張特性値
e) 測定条件
1) 測定装置の型式(装置の型番)
2) 試験片ホルダ及び検出棒の材質
3) 支持ジグの有無,材質,形状及び寸法
4) 試験片に負荷した試験力
5) 測定雰囲気
6) 昇温時及び降温時の温度変化の速度
7) 測定時の最高温度
f) 試験結果
1) 測定回数
2) 測定回ごとの線膨張−温度曲線
3) 測定回ごとの平均線膨張係数
4) 終了判定の温度及び基準値
5) 測定回ごとの判定値

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附属書A
(参考)
トップコートの線膨張係数測定例
A.1 大気プラズマ溶射で作製したトップコート試験片の線膨張係数測定例
大気プラズマ溶射(APS)によって作製した典型的なトップコート試験片[ZrO2−8 %(質量分率)Y2O3]
の平均線膨張係数の測定結果の例を,図A.1に示す。
図A.1によると,平均線膨張係数は,1回目の測定と2回目の測定との比較では大きく変化しているが,
測定を繰り返すことによって,線膨張挙動は安定化している。
13
12
11
℃−1)
−6
10
0
平均線膨張係数(1
9
8
7
0 200 400 600 800 1000 1200
平均温度(℃)
記号説明
: 1回目の昇温時の測定結果
○ : 2回目の昇温時の測定結果
◆ : 3回目の昇温時の測定結果
◇ : 4回目の昇温時の測定結果
図A.1−トップコート試験片の線膨張係数の測定例
図A.1の測定例における判定値Z(TB−A)の測定回数に対する変化を,表A.1に示す。
平均温度TB−A=1 000 ℃では,3回目の測定において,測定の終了判定の基準値Z0を5 %とする判定条
件を満足する。一方,TB−A=1 150 ℃では,4回目の測定において終了判定条件を満足する。

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表A.1−測定回数による平均線膨張係数及び判定値の変化
平均温度TB−A
1 000 ℃ 1 150 ℃
測定回数 平均線膨張係数 判定値 平均線膨張係数 判定値
TBA Z(TB−A) TBA Z(TB−A)
℃−1 % ℃−1 %
1 10.53×10−6 − 7.22×10−6 −
2 11.62×10−6 9.84 10.63×10−6 38.21
3 11.64×10−6 0.17 11.27×10−6 5.84
4 11.69×10−6 0.43 11.82×10−6 4.76

――――― [JIS H 8455 pdf 10] ―――――

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JIS H 8455:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 22680:2020(MOD)

JIS H 8455:2022の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 8455:2022の関連規格と引用規格一覧