JIS H 8682-3:2013 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐摩耗性試験方法―第3部:砂落し摩耗試験 | ページ 2

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H 8682-3 : 2013
7.5.2 導通判定方法
手順は,次による。
a) 6.4の膜厚測定器で,皮膜厚さを測定する。
b) ホッパに6.3の研削材を入れて開閉板を開き,研削材を1分間以上落下させて,落下量が規定の範囲
内(320 g/min±10 g/min)にあることを確認する。規定範囲内にない場合には,調節棒を上下に移動
して調節する。
c) 試験片,基準試験片又は照合試験片の表面を,鉛直方向に対して45°になるように試験片取付台の上
に固定する。
d) 誘導管中心軸の下端から30 mmに試験面中心が位置するように,試験片を試験片取付台に固定する。
e) 開閉板を開き研削材を落下させると同時に,ストップウォッチを作動させる。
f) 素地の露出の色変りが目視によって観察された時点で研削材の落下を止め,同時にストップウォッチ
を停止する。
g) ストップウォッチの作動時間(t)を記録する。
h) 試験終了後,試験片,及び基準試験片又は照合試験片の表面を乾燥した柔らかい布などで清浄にする。
i) 6.2の回路計によって,研削部中央の導通の有無を調べる。研削部1か所について測定用接触子を垂直
に3回軽く当て,1回でも回路計の指針が5 000 Ω以下を示した場合,その研削部の素地が露出したも
のとする。
j) g)によって求めた値(t)の±10 %の時間で,試験片の位置を変えた数箇所で更に試験を繰り返す。こ
の場合,隣接する試験位置の外周辺間の距離を10 mm以上離す。
なお,試験中は,ホッパ内に研削材を逐次補給し,研削材の落下量の変動を極力小さくするととも
に,試験の途中で研削材の落下を中断してはならない。
k) 素地が露出するまでに要した数箇所の測定結果のうちの最短摩耗時間(tc min : s)を記録する。
7.5.3 目視判定方法
この方法は,目視によって終点を求める方法であり,手順は次による。
a) 7.5.2のa) e)による。
b) 目視によって素地露出(色変り)を観察し,その直径が約2 mmになった時点で研削剤の落下を止め,
同時にストップウォッチを停止する。
c) 7.5.2のg),h)及びj)による。
d) 素地露出が直径約2 mmまでに要した数箇所の測定結果のうちの最短摩耗時間(tc min : s)を記録する。

8 試験結果の表し方

8.1 一般

  試験結果の計算は,8.2のa)   c)又は8.3のいずれかによる。ただし,導通判定方法の場合には,複数の
摩耗特性を表記してもよい。また,試験片,基準試験片及び照合試験片の判定は,同一の判定方法を用い
る。

8.2 導通判定方法

a) 摩耗時間 数箇所で試験を行ったうち,皮膜の素地が露出するまでに要した試験時間の最短の箇所の
摩耗時間(tc min : s)で表す。
b) 耐摩耗性 あらかじめ測定した皮膜厚さを基に,耐摩耗性(WRF)を式(1)によって求める。

――――― [JIS H 8682-3 pdf 6] ―――――

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F tc min
WR (1)
d
ここに, WRF : 砂落し摩耗試験における試験片,基準試験片又は照
合試験片の耐摩耗性(s/μm)
tc min : 試験片,基準試験片又は照合試験片の素地露出まで
に要した最短摩耗時間(s)
d : 試験片,基準試験片又は照合試験片の摩耗試験前の
皮膜厚さ(μm)
c) 耐摩耗性係数 基準試験片又は照合試験片及び試験片の耐摩耗性から,試験片の耐摩耗性係数(WRCF)
を式(2)によって求める。
WRFt
WRCF (2)
WRsr
ここに, WRCF : 砂落し摩耗試験における耐摩耗性係数
WRFt : 試験片の耐摩耗性(s/μm)
WRsr : 基準試験片又は照合試験片の耐摩耗性(s/μm)

8.3 目視判定方法

  試験結果は,数箇所で試験を行ったうち,試験面に直径約2 mmの素地露出(色変り)するまでの最短
摩耗時間(tc min)で表す。

9 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を含めなければならない。
a) この規格の番号 : JIS H 8682-3
b) 試験年月日
c) 使用した試験装置
d) 研削材及びその粒度
e) 試験片の試験前の皮膜厚さ
f) 試験片表面での試験位置及び試験箇所の数
g) 終点の判定方法(目視判定方法又は導通判定方法)
h) 試験結果 : 導通判定方法の場合;最短摩耗時間(tc min),耐摩耗性(WRF)及び耐摩耗性係数(WRCF)
のうちのいずれか又はそれらの複数の表記
目視判定方法の場合;最短摩耗時間(tc min)
i) 試験中に観察された事象
j) 照合試験片の作製条件

――――― [JIS H 8682-3 pdf 7] ―――――

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附属書A
(規定)
基準試験片の作製仕様
A.1 アルミニウムの仕様
耐摩耗性試験用の基準試験片は,次のように,研磨又は光輝圧延アルミニウム平板とする。
素地の材種 : Al 99.50 %以上(A1050 P)
質別 : H14又はH24
標準寸法 : 140 mm×70 mm
厚さ : 1.0 mm2.0 mm
A.2 前処理
前処理は,界面活性剤による脱脂,軽度のアルカリエッチング及びスマット除去とする。
なお,電解研磨又は化学研磨を行ってもよい。
A.3 陽極酸化
陽極酸化は,次による。
a) 浴組成
遊離硫酸濃度 : 180 g/L±2 g/L
溶存アルミニウム濃度 : 5 g/L10 g/L
溶媒 : 脱イオン水
b) 電解条件
浴温 : 20 ℃±0.5 ℃
電流密度 : 1.5 A/dm2±0.1A/dm2
浴かくはん : 圧縮空気及び/又は液循環
電解時間 : 約23分
皮膜厚さ : 10 μm±1 μm
試験片は,浴かくはんの効果があるように,その表面が垂直になるようにして陽極酸化する。直流電解
時のリップル率は,5 %以下とする。電解槽中の液量は,試験片1枚当たり最低10 L以上を必要とし,20
枚を超える試験片を同時に電解してはならない。基準試験片の厚さのそれぞれの変動幅は,±10 %とする。
注記 全ての試験条件を注意深く制御すれば,基準試験片は最も正確に作製でき,かつ,再現性があ
る。
A.4 封孔
封孔は,1 g/Lの酢酸アンモニウム[NH4(C2H3O2) ]を含む沸騰脱イオン水に60分間浸せきする方法による。

――――― [JIS H 8682-3 pdf 8] ―――――

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附属書B
(参考)
耐摩耗性の深さ方向の測定
B.1 一般
陽極酸化皮膜の厚さを通した耐摩耗性の変化を要求される場合があるが,そのためには,深さ方向の測
定を行う必要がある。この附属書では,砂落し摩耗試験によって,陽極酸化皮膜に関する耐摩耗性の深さ
方向の測定方法について規定する。
B.2 概要
試験片は,試験時間の経過とともに摩耗される。最大試験時間は,皮膜を貫通するか又は皮膜が完全に
除去されたときとする。特定した皮膜厚さの試験位置で,耐摩耗性又は平均比耐摩耗性を計算する。
B.3 装置
使用する試験装置は,6.1の砂落し摩耗試験装置による。
B.4 試験片
試験片の大きさは,70 mm以上×70 mm以上とする。
B.5 手順
手順は,次による。
a) 試験条件は,表2による。
b) ホッパに研削材を入れて開閉板を開き,研削材を1分間以上落下させて,落下量が規定の範囲内(320
g/min±10 g/min)にあることを確認する。規定範囲内にない場合には,調節棒を上下に移動して調節
する。
c) 試験片の表面を,鉛直方向に対して45°になるように試験片取付台上に固定する。
d) 誘導管の下端から30 mmに試験面が位置するように,試験片取付台を固定する。
e) 回路計を使って接触抵抗が5 000 Ω以下になるまで,又は試験面の色が変化して摩耗面積が直径約2
mmになるまで摩耗する。
f) 摩耗に要した時間(T)を記録し,残りの試験箇所数(n−1)で除して,単位摩耗時間(T*)を算出す
る。
T T
(n 1)
ここに, T* : 単位摩耗時間(s)
T : 初めの摩耗に要した時間(s)
n : 試験箇所数
g) 同じ試験条件で,二番目の試験箇所での摩耗時間(T*),三番目の試験箇所での摩耗時間(2T*)を,
次々に行って試験片全部の箇所を摩耗する。そして,それぞれの試験箇所で使用した炭化けい素研削
材の質量を記録する。
h) 所定の試験箇所での摩耗試験終了後に試験片を取り除き,試験面を柔らかい布で清浄にする。

――――― [JIS H 8682-3 pdf 9] ―――――

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H 8682-3 : 2013
i) 6.4の膜厚測定器で,その試験箇所に残っている皮膜厚さを測る。
B.6 試験結果の表し方
摩耗試験を行ったそれぞれの試験箇所の次の値を求める。
a) 除去された皮膜厚さ(μm)
b) 減耗量は,摩耗時間(s)又は使用した炭化けい素質研削材の量(g)によって求める。
除去された皮膜厚さ(μm)を横軸に,研削材の質量(g)を縦軸にしたグラフを作成すると,皮膜の比
耐摩耗性がグラフ上の点として表示される。
砂落し摩耗試験による深さ方向の測定は,皮膜厚さ5 μm以上の値は5 μm未満の値から外挿するが,外
挿によって得られる値は,誤差が大きくなることがある。

――――― [JIS H 8682-3 pdf 10] ―――――

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  • ISO 8251:2011(MOD)

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