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JIS K 0167:2011 規格概要
この規格 K0167は、AES及びXPSを用いた均質物質の定量分析を行うために用いる相対感度係数を実験的に決定する測定手法及び使用方法についての指針。
JISK0167 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K0167
- 規格名称
- 表面化学分析―オージェ電子分光法及びX線光電子分光法―均質物質定量分析のための実験的に求められた相対感度係数の使用指針
- 規格名称英語訳
- Surface chemical analysis -- Auger electron spectroscopy and X-ray photoelectron spectroscopy -- Guide to the use of experimentally determined relative sensitivity factors for the quantitative analysis of homogeneous materials
- 制定年月日
- 2011年3月22日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 18118:2004(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 71.040.40
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 化学分析 2021
- 改訂:履歴
- 2011-03-22 制定日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS K 0167:2011 PDF [23]
K 0167 : 2011 (ISO 18118 : 2004)
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1 適用範囲・・・・[1]
- 2 引用規格・・・・[1]
- 3 用語及び定義・・・・[2]
- 4 記号及び略語・・・・[2]
- 5 一般的情報・・・・[2]
- 6 測定条件・・・・[3]
- 6.1 一般・・・・[3]
- 6.2 励起源・・・・[4]
- 6.3 エネルギー分解能・・・・[4]
- 6.4 エネルギーステップ及び掃引速度・・・・[4]
- 6.5 信号強度・・・・[4]
- 6.6 増幅率及び時定数(アナログ検出システムをもつAES分光器のための)・・・・[4]
- 6.7 微分スペクトルを取得するための変調・・・・[4]
- 7 データ解析手順・・・・[4]
- 8 強度-エネルギー応答関数・・・・[5]
- 9 相対感度係数を用いた化学組成の決定・・・・[5]
- 9.1 化学組成の計算・・・・[5]
- 9.2 算出した組成の不確かさ・・・・[6]
- 附属書A(規定)相対感度係数算出のための数式・・・・[7]
- 附属書B(参考)分析結果の不確かさに関する情報・・・・[16]
(pdf 一覧ページ番号 1)
――――― [JIS K 0167 pdf 1] ―――――
K 0167 : 2011 (ISO 18118 : 2004)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標
準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業
大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(pdf 一覧ページ番号 2)
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日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 0167 : 2011
(ISO 18118 : 2004)
表面化学分析−オージェ電子分光法及びX線光電子分光法−均質物質定量分析のための実験的に求められた相対感度係数の使用指針
Surface chemical analysis-Auger electron spectroscopy and X-ray photoelectron spectroscopy-Guide to the use of experimentally determined relative sensitivity factorsfor the quantitative analysis of homogeneous materials
序文
この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 18118を基に,技術的内容及び構成を変更すること
なく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にない事項である。
オージェ電子分光法(以下,AESという。)及びX線光電子分光法(以下,XPSという。)は,材料の表
面,典型的には深さ数nmの領域の組成に敏感な表面分析手法である。いずれの手法も,主に表面の信号
を分析領域の平均値として与える。ほとんどの試料は,面内方向及び深さ方向に組成的なばらつきをもっ
ている。組成的な変化の程度,またそれが分布している距離の程度を決めることが困難なため,定量分析
は,しばしば近似的な手法で行われている。最も単純な分析対象試料は,均質な材料である。対象試料が
均質であることは一般的ではないが,分析の単純化のために多くの場合で仮定される条件である。
この規格は,AES及びXPSを用いた均質材料の定量分析を行うために用いる相対感度係数を実験的に決
定する測定手法及び使用方法についての指針を与える。
1 適用範囲
この規格は,AES及びXPSを用いた均質物質の定量分析を行うために用いる相対感度係数を実験的に決
定する測定手法及び使用方法についての指針を示す。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 18118:2004,Surface chemical analysis−Auger electron spectroscopy and X-ray photoelectron
spectroscopy−Guide to the use of experimentally determined relative sensitivity factors for the
quantitative analysis of homogeneous materials(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
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2
K 0167 : 2011 (ISO 18118 : 2004)
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0147 表面化学分析−用語
注記 対応国際規格 : ISO 18115:2001,Surface chemical analysis−Vocabulary(IDT)
ISO 21270,Surface chemical analysis−X-ray photoelectron and Auger electron spectrometers−Linearity of
intensity scale
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0147によるほか,次による。
3.1
元素絶対感度係数(absolute elemental sensitivity factor)
試料中に存在する元素の原子濃度又は原子分率を求めるときに使われる,ある元素について測定した強
度を除するのに用いる元素固有の係数。
3.2
元素相対感度係数(relative elemental sensitivity factor)
元素絶対感度係数に比例する係数。基準となる元素の遷移の値が1になるような比例定数が選ばれる。
3.3
平均マトリックス相対感度係数(average matrix relative sensitivity factor)
ある元素について,実測の強度から試料中に存在する元素の原子濃度又は原子分率を求める計算をする
ためのもので,平均マトリックス中の純元素の強度を計算したものに比例した係数。
3.4
純元素相対感度係数(pure-element relative sensitivity factor)
ある元素について,実測の強度から試料中に存在する元素の原子濃度又は原子分率を求める計算をする
ためのもので,純元素試料で測定した強度に比例した係数。
4 記号及び略語
この規格で用いる主な記号及び略語は,次による。
AES : オージェ電子分光法
AMRSF : 平均マトリックス相対感度係数
ARSF : 原子相対感度係数
ERSF : 元素相対感度係数
IERF : 強度−エネルギー応答関数
At
iS : 元素iについての原子相対感度係数
Av
iS : 元素iについての平均マトリックス相対感度係数
E
iS : 元素iについての元素相対感度係数
RSF : 相対感度係数
XPS : X線光電子分光法
5 一般的情報
AES及びXPSによる定量分析において,相対感度係数(RSF)を利用すると便利である。3種類のRSF
がこの目的で使われてきた。すなわち,元素相対感度係数(ERSF),原子相対感度係数(ARSF)及び平均
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3
K 0167 : 2011 (ISO 18118 : 2004)
マトリックス相対感度係数(AMRSF)である。これら三つの感度係数を定義する式はA.3に,その式の基
礎となる原理についてはA.2に記載している。
ERSFは,最も単純で適用も最も容易であるが,マトリックス効果の補正については,A.3では全く考慮
していないため,最も不正確である。AESの場合,マトリックス効果の補正係数は0.18 [1] という範囲
にある。これに対して,XPSの場合には0.33 [2] という範囲にある。ARSFはERSFよりも,補正量が一
般的に最も大きい因子である原子密度を考慮している分だけ,正確である。AMRSFは,マトリックス効
果をほぼ完全に補正してあり最も信頼性の高いRSFである。ERSFは,半定量的な用途,例えば組成の粗
い推定にだけ用いることが望ましい。また,ARSF,更にAMRSFを定量分析に使用することが望ましい。
ARSFは,AMRSFを使用することができない場合にだけ用いる。例えば,非弾性平均自由行程の信頼でき
る値が求められていないエネルギーをもつオージェ電子又は光電子を測定した場合に用いる。
AES及びXPSを用いて定量分析する場合,RSFを求めるために使った手順と同じ手順でオージェ電子強
度及び光電子強度を測定することが重要である。AESを用いる幾つかの分析用途,例えば,スパッタ深さ
方向分析においては,オージェ電子強度として微分モードでのピークツーピーク(peak-to-peak)高さを用
いるのが便利である。他の用途,例えば,走査形オージェ顕微法では,オージェ電子強度としてダイレク
トスペクトルのピークの最大値と近傍でのバックグラウンド強度との差を用いてもよい。最後に,XPSの
多くの場合及びAESの幾つかの場合では,ダイレクトスペクトルの面積が光電子又はオージェ電子の強度
として使われる。
RSFの値は,次のパラメータに依存する。すなわち,励起源(AESの入射電子エネルギー,XPSにおけ
るX線のエネルギーなど),オージェ電子分光器及びX線電子分光器(以下,分光器という。)における配
置構成(AESの電子線入射角,XPSのX線と分光器の軸とがなす角,分光器から見た試料上の面積,分光
器の取り込み立体角など),試料のこれらの分光器要素への方向である[3]。分光器から見た試料上の面積及
び分光器の取り込み立体角は,分光器の設定(アパーチャの選択,分光器エネルギー一定モード及び減速
率一定モードのどちらで動作しているか,それに対応して分光器のパスエネルギー又は電子の減速率をど
のようにするか。)の影響を受ける。最終的に,測定されるオージェ電子又は光電子の信号強度は,箇条6
に示すパラメータの影響を受ける。したがって,オージェ電子又は光電子の強度は,ERSFを測定した場
合,同じ分光器設定条件と試料位置とを用いて測定することが重要である。同様に,データの解析手順(箇
条7参照)についても,ERSFの測定に用いた方法と未知試料の信号強度測定に用いる方法とが,同じで
あることが重要である。
一般的に,市販のAES及びXPSの分光器は,幾つかの操作条件で測定したERSFのセットが附属して
いる。これらのERSFは,通常同じ形式の分光器,場合によっては,似た形式の分光器で決められている。
分析者は,分光器に付随して提供されたERSFが正しいかどうかを確かめるために,供給されたERSFを,
分析の対象になると予想される元素に関して確認することが望ましい。さらに,箇条8で規定するように,
IERFは時間とともに変化することがあるかもしれない。そうした変化は,検出することが可能であり,英
国の国立物理学研究所(National Physical Laboratory)から提供されている校正ソフトウェア[4] を用いて修
正することができる。分析者は,選択したERSFを箇条8で規定する方法に従って測定することによって,
時間に伴って起こり得るIERFの変化を検査することができる。
6 測定条件
6.1 一般
未知試料を測定する場合は,ERSFを測定するときに使用した条件(分光器における配置構成,試料の
――――― [JIS K 0167 pdf 5] ―――――
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