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K 2275-1 : 2015
附属書A
(規定)
試料の取扱い
A.1 一般
A.1.1 試料の取扱方法は,試料が採取された目的による。その目的によって試験手順は,特別な取扱方法
が要求されることがあるため,試験の最適な方法を調べ,試料取扱いについて必要な指示書を試料採取者
に渡す。
A.1.2 次の試料については,その取扱いには十分注意する。
a) 蒸発による減量のおそれがある,揮発性の高い物質を含んだもの。
b) 試料容器の中で,分離のおそれのある水及びセジメントを含んだもの。
c) 十分な保温が行われないことによって沈積するワックスを含んだもの。
A.1.3 混合試料を調製するときは,揮発性の高い軽質分が蒸発して,水分の測定結果に影響しないよう細
心の注意を払わなければならない。混合試料の作製は,非常に難しいので,できれば避けることが望まし
いが,作製した場合は,特記事項として記載する。
A.1.4 試料採取場所で揮発性の高い試料を他の試料容器に移し替えてはならない。また,採取した試料容
器は,冷却して逆さまにして試験室に送ることが望ましい。試料が揮発性の高い留分又は遊離水(自由水)
を含んでいる場合は,細心の注意が必要である。
A.2 試料の均質化
A.2.1 一般事項
水分及びセジメントを含む試料並びに不均質な試料を,試料容器から小さな試料容器に移し替える場合,
及び試験室で試験に用いる前に行う場合の均質化の手順を規定する。移し替える前に試料が十分に混合し
ていることを証明する手順は,A.3に規定する。
水及びセジメントを含む少量の液体試料を手動でかき混ぜ,試料中に水及びセジメントを十分に拡散さ
せることは不可能である。試料を移送又は小分けする前に強力な機械的又は流体混合によって,均質化す
る必要がある。
均質化には様々な方法があるが,均質化に用いる装置は,A.3及びA.4に規定する均質化条件の検証に
適合し,水の粒子が50 μmより小さく,1 μmより大きくできるものが望ましい。
A.2.2 高せん断かき混ぜ器(空気吹込みではない。)による均質化
高せん断かき混ぜ器の先端部が,試料容器の底から30 mmになるように挿入する。かき混ぜ器は,毎分
約3 000回転(毎秒約50回転)が適しているが,かき混ぜ時間の検証が満足できれば,条件を変えて設定
してもよい。
揮発性物質を含む試料の軽質分の蒸発を最小にするため,容器を覆うパッキンを通してかき混ぜ器を操
作する。かき混ぜ時間は,通常5分程度だが,容器の大きさ,試料の性状などによって時間を変更しても
よい。試料が均質化する条件をA.3によって検証する。かき混ぜ中の試料の温度上昇が10 ℃を超えては
ならない。
A.2.3 外部かき混ぜ器(空気吹込みではない。)による均質化
固定された容器又は持ち運び形の容器の内容物を,小形のポンプで,固定式のかき混ぜ器を内蔵した外
――――― [JIS K 2275-1 pdf 21] ―――――
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付けの小径のパイプを通して試料を循環させる。持ち運び形の容器の場合は,簡易に脱着できる接続器具
を用いる。選定したポンプの設計及び流量を考慮し,製造業者の取扱説明書に従い操作する。
設定は,少なくとも1分間に1回試料が循環する流量に調整する。
全ての試料が完全に混合したら,ポンプを稼動させた状態で必要な量の二次試料を循環パイプの途中に
あるコックから採取する。採取終了後,ポンプで洗浄溶剤を循環させ,容器及び循環経路の全てを洗浄す
る。
なお,かき混ぜ時間は,通常15分間程度であるが,水分の含有量,炭化水素のタイプ,かき混ぜ器の仕
様などによって異なる。
A.3 均質化条件の検証
A.3.1 かき混ぜて試料が均質化し,安定した後,循環している試料から連続して採取した試料で同等の結
果が得られるまでかき混ぜを続ける。これによって,かき混ぜに必要な最小時間を決めることができる。
なお,この時間までに,試料が均質化され,引き続き安定している場合は,これ以上かき混ぜることな
く,試料を試験に用いることができる。
A.3.2 かき混ぜ後短時間で試料が,例えば水とセジメントとが混ざった状況で均質でなくなる場合は,
A.4によって,かき混ぜ時間を検証する。
注記 試料の性状によっては,かき混ぜ途中でも試料を採取して検証することが必要な場合がある。
A.4 均質化条件の検証方法
A.4.1 一般事項
かき混ぜ器を用いて水分試験用試料の均質化条件を検証する方法を次に示す。水分試験用試料の水分の
均質性について疑義が生じた場合,この均質化条件の検証操作を行ってから,試料の水分を測定する。
A.4.2 検証方法
あらかじめ低水分油に一定量の水を加え,試料容器中の水分が,均質になるようなかき混ぜ器の運転条
件を求める。ここで求めたかき混ぜ器の運転条件で試料油中の水分を均質にする。
A.4.3 器具及び試薬
器具及び試薬は,JIS K 2275-2又はJIS K 2275-3にそれぞれ規定されているものによるほか,次による。
a) 低水分油 JIS K 2275-2又はJIS K 2275-3によって測定した水分が体積分率0.1 %以下のもの。
b) かき混ぜ器 回転翼式のホモジナイザで毎分3 00010 000回転の高せん断かき混ぜ器又は外部かき
混ぜ器。
注記 高せん断かき混ぜ器は,エアーモータなど引火のおそれのないものがよい。また,揮発性物
質を含む試料には密閉式のものがよい。
A.4.4 均質化条件の検証手順
新しいかき混ぜ器を用いる場合,試料容器の形状を変える場合,及び油種の粘度が大きく変わる場合は,
必ず前もって次の測定を行い,均質化を確認する。
a) 試料容器の質量をはかる。試料容器に低水分油を約80 %満たした後,再び質量をはかり,低水分油の
質量を求める。
b) かき混ぜ器をセットして使用予定の回転数及び時間で,低水分油をかき混ぜる。
注記1 かき混ぜ時間は,かき混ぜ器の能力によっても異なるが,5分間を目安にするとよい。
c) 直ちに低水分油の水分をJIS K 2275-2又はJIS K 2275-3によって,2回測定し,測定結果の差が室内
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併行許容差内であることを確認し,平均値を求める。この水分結果を空試験値として記録する。
d) 用いた低水分油の質量からc)で使用した低水分油の質量を差し引き,かき混ぜ器に残った低水分油の
質量を求める。
e) 注射器に低水分油の水分を質量分率12 %上昇させる量の水を満たし,質量を0.1 mgの桁まではか
る。
f) かき混ぜ器の低水分油内に水を注入する。
g) 針に付いている油分を全て拭き取り,注射器の質量を再度0.1 mgの桁まではかり,加えた水の質量を
求め,d)の低水分油量から添加した水分を求める。
h) )と同じ条件で試料をかき混ぜる。このとき,試料の温度上昇が10 ℃を超えてはならない。
i) 直ちに液面のすぐ下の試料の水分をJIS K 2275-2又はJIS K 2275-3によって1回測定する。
j) かき混ぜることなく,15分後及び30分後に水分をそれぞれ1回測定する。
k) )及びj)で求めた水分からc)の空試験値を減じた値と添加した水分との差が,質量分率0.05 %以内に
あることを確認する。さらに,直後,15分後及び30分後のはかりとり時の各々の水分を比較して質
量分率0.05 %以内にあることを確認する。
l) k)の条件を満足しない場合は,b)のかき混ぜ器回転数及びかき混ぜ時間を変えて再度c)からk)までの
操作をやり直す。
注記2 油種によっては,水分の均質化がしにくいことがあるが,この場合は試料を室温以下に冷
却して行うとよい。
A.5 試料の均質化の実施
試料容器中の試料の水分を測定するに先立ってA.4で均質であることを確認したかき混ぜ器を用いて,
同一の条件でかき混ぜる。この均質化方法は,水分測定の直前(20分以内がよい。)に行う。
――――― [JIS K 2275-1 pdf 23] ―――――
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K 2275-1 : 2015
附属書JA
(参考)
試験方法の種類
JA.1 試験方法の種類
JIS K 2275の規格群には,表JA.1に示す試験方法がある。
表JA.1−試験方法の種類
規格番号 試験方法の種類 適用油種 適用水分範囲 備考
K 2275-1 蒸留法 原油 体積分率0.051.0 % 揮発性で水に溶解する物質は,水
石油製品 体積分率0.0525 % 分として定量される。
(燃料油,潤滑油, 範囲から外れた試料も測定
グリースなど) できるが精度は適用しない。
K 2275-2 カールフィッシ 原油 質量分率0.022.00 % 水分以外でカールフィッシャー試
ャー式容量滴定 原油中に含まれているチオ 薬と反応する物質(妨害物質)を
法 ール及びスルフィドからの 含む添加剤を添加した石油製品に
硫黄分が質量分率0.005 %以は適用できない。ただし,妨害物
下の場合 質を含んでいても水分気化装置を
石油製品 301 000 mg/kg 用いた場合に気化ガス中に妨害物
質を含まない試料は,水分気化装
(ガソリン,灯油, 範囲から外れた試料も測定
軽油,A重油,潤 置を用いて測定することができ
できるが精度は適用しない。
滑油基油など) る。
K 2275-3 カールフィッシ 原油 質量分率0.025.00 %
ャー式電量滴定 原油中に含まれているチオ
法 ール及びスルフィドからの
硫黄分が質量分率0.005 %以
下の場合
石油製品 301 000 mg/kg
(ガソリン,灯油, 範囲から外れた試料も測定
軽油,A重油,潤 できるが精度は適用しない。
滑油基油など)
K 2275-4 水素化物反応法 原油 体積分率0.052.0 % この方法は,ポータブル形で電気
範囲から外れた試料も測定 及び火気を使用しないために,実
できるが精度は適用しない。
験室以外の場所での測定に適して
石油製品 測定できるが精度は適用し いる。
ない。
――――― [JIS K 2275-1 pdf 24] ―――――
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K 2275-1 : 2015
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 2275-1:2015 原油及び石油製品−水分の求め方−第1部 : 蒸留法 ISO 3733:1999,Petroleum products and bituminous materials−Determination of water
−Distillation method
ISO 9029:1990,Crude petroleum−Determination of water−Distillation method
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ご(V) JISと国際規格との技術的差
規格番号 との評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範 石油製品の適用範囲 ISO 3733 1 適用範囲 変更 JISは,体積分率0.0525 % JISは,適用範囲を明確にした。
囲 原油の適用範囲 ISO 9029 1 適用範囲 変更 JISは,体積分率0.051.0 % JISは,適用範囲を明確にした。
3 試験の ISO 3733 3 試験の原理 追加 JISは,試料中の水分は,検水管 JISは,試験の原理を分かりやす
原理 ISO 9029 4 の捕集水量及び試料はかりとり量くするために追加した。
から求めることを規定した。
4 試薬 4.1キシレン ISO 3733 4.1 a) 工業用キシレン(混合キシ追加 JISは,JIS K 8271に規定するキ JISの体系に合わせて,使用する
レン) シレン及び市販最上級品を追加し試薬の規格を追加した。
た。
ISO 9029 6 溶剤 追加 JISは,JIS K 8271に規定するキ JISの体系に合わせて,使用する
シレン1級を追加した。 試薬の規格を追加した。
ISO 3733 4.1 b) 工業用トルエンと工業用キ
4.2 a) トルエン・キ 追加 JISは,混合溶剤に用いるトルエ JISの体系に合わせて,使用する
シレン混合溶剤 シレンとを混合したもの ンにJIS K 8680を追加した。 試薬の規格を追加した。
4.3石油系留出油 ISO 3733 4.2 石油系留出油 追加 JISは,JIS K 2254によって求め JISは,石油系溶剤の性状を求め
た蒸留性状を規定した。 る手順を明確にした。
追加 JISは,入手困難な場合の対応に
JISは,石油系留出油の入手困難な
場合の調製方法について規定した。 ついて,その手順を追加した。
ISO 3733 4.3 a) 沸点範囲が100120 ℃の
4.4 a) 狭沸点範囲の 追加 JISは,JIS K 2254によって求め JISは,狭沸点範囲の石油系留出
K2
石油系留出油 石油系留出油 た留出温度を規定した。 油の性状を求める方法を追加し
27
た。
5-
1
追加 JISは,石油系留出油の入手困難 JISは,入手困難な場合の対応に
: 2
な場合の調製方法について規定しついて,その手順を追加した。
01
1
た。
5
4
――――― [JIS K 2275-1 pdf 25] ―――――
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