JIS K 2275-1:2015 原油及び石油製品―水分の求め方―第1部:蒸留法 | ページ 4

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b) 箇条8の手順に従って蒸留する。蒸留終了後,検水管にたまった内容物を廃棄する。
c) 蒸留フラスコの内容物を冷却し,ビュレット又はマイクロピペットを用いて,表2に従い蒸留水を蒸
留フラスコの中に直接注入する。再び箇条8の操作を行い,捕集水量を求める。
d) 5 mL及び10 mLの検水管の場合は,検水管にたまった内容物を廃棄してから,表2に示す蒸留水を,
蒸留フラスコに更に直接注入する。再び箇条8の操作を行い,捕集水量を求める。
e) このとき,用いた検水管の捕集水量が表2の許容差内にあれば,試験器の組立などは正しいものとみ
なす。許容範囲を外れる場合は,蒸気の漏れ,加熱速度の超過,外部からの水分の侵入などが考えら
れるので,これらの因子を取り除いてから回収試験の操作をやり直す。
表2−捕集水量の許容差
単位 mL
検水管の種類 捕集水量の許容差(20 ℃)
蒸留フラスコへの水添加量(20 ℃)
2 mL 1.00 1.00±0.05
5 mL 1.00 1.00±0.10
4.50 4.50±0.10
10 mL 1.0 1.0±0.1
5.0 5.0±0.2
25 mL 12.0 12.0±0.2

7 試料の採取方法及び調製方法

7.1   一般事項
試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法に
よって採取及び調製する。自動サンプリングの場合は,ISO 3171によってもよい。
7.2 試料の調製
7.2.1 原油試料の調製
原油試料の調製は,次による。
a) 原油試料を,均質になるように,よく振り混ぜる。必要に応じ,振り混ぜる前に温める。
b) 調整した試料の均質性に疑義がある場合は,次のいずれかによって試験する。
なお,試料の均質化に関する試料の取扱いは,附属書Aによる。
1) 予期水分に対応する試料はかりとり量が,試験室用試料全量より多いときは,試料全量を試験に用
いる。
2) 試験室試料の上下方向の異なる層から3か所以上はかりとり,試験する。全ての結果を報告書に記
載し,その平均値を試料の水分とする。
3) 長時間放置された試料,及び水分の沈降などで水分が不均質であることが予測される試料は,A.5
によって均質にした後,測定する。
7.2.2 石油製品試料の調製
石油製品試料の調製は,次によって試料を均質にし,測定用試料とする。
a) ぜい(脆)弱な固体試料(例えば,石油アスファルト)は,粉砕し完全に混合する。
b) 液体試料は,均質になるように,よく振り混ぜる。必要に応じ,振り混ぜる前に温める。
c) 調製した試料の均質性に疑義がある場合は,7.2.1 b)によって試験する。

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8 試験の手順

8.1   原油の試験手順
原油の試験手順は,次による。
なお,試料は,予期水分によって表3のはかりとり量を目安に採取する。
表3−原油試料はかりとり量の例
予期水分 試料はかりとり量g又はmL
体積分率%又は質量分率% 1 000 mL蒸留フラスコa) 500 mL蒸留フラスコb)
50.0を超え 100.0以下 5 5
25.0を超え 50.0以下 10 10
10.0を超え 25.0以下 20 20
5.0を超え 10.0以下 50 50
1.0を超え 5.0以下 100 100
0.5を超え 1.0以下 200 100
0.1を超え 0.5以下 200 100
0.1以下 − 200
注a) 1 000 mLの蒸留フラスコを用いる場合の溶剤量は,400 mLはかりとる。
b) 500 mLの蒸留フラスコを用いる場合の溶剤量は,100 mLはかりとる。
a) この試験方法の精度は,ガラス器具内部の表面に付着する水滴に影響される。水分をはかる検水管に
水滴が沈積しない場合があり,この水滴の付着を防ぐため,常に器具を清浄に保ち,ガラス器具内部
の表面の皮膜及びごみを取り除き,水滴が試験器のガラス器具内部の表面から滑らかに滴下するのを
妨げないようにしなければならない。試料の性状によっては,強固に汚れるので,洗浄を定期的に行
わなければならない場合がある。
なお,この操作は,重要であり,試験結果に影響しないように注意を払わなければならない。
b) 試料の性状に合わせて次の1)又は2)に従って,試料をはかりとる。
1) 試料を体積ではかりとる場合は,試料に気泡が発生しないように素早くメスシリンダに注ぎ,適切
な目盛のところに試料液面がくるようにする。次に,その試料を注意深く蒸留フラスコに注ぎ込む。
キシレン400 mLで,メスシリンダを5回に分けて完全に洗浄する。ただし,500 mLの蒸留フラス
コを用いる場合,加えるキシレンの量は100 mLとし,50 mLで1回,25 mLで2回メスシリンダに
付着した試料を完全に洗浄する。高粘度試料は,数回に分けて洗浄してもよい。洗浄液は,全て蒸
留フラスコに入れ,試料が全量フラスコに移ったことを確認する。
2) 試料を質量ではかりとる場合は,蒸留フラスコに直接はかりとる。試料を移し換えるときにビーカ
ー,メスシリンダなどの容器を用いる場合は,1)と同様の方法で,用いた容器をキシレンで洗浄す
る。洗浄液は,全て蒸留フラスコに入れる。試料及び容器の合計質量から容器の質量を差し引き,
はかりとった試料の質量を求める。
c) 突沸を防ぐために,蒸留フラスコに,ガラス玉又は沸騰石を入れる。
d) 試料の予期水分によって適切な検水管を選び,試験器を図1のように組み立てる。全ての接続部で気
密性が保たれ,液漏れのないことを確認する。ガラスの接続部には,グリースを用いないことが望ま
しい。冷却部の頂部に綿をかるく詰め,水を循環させ冷却器を2025 ℃に保つ。
e) 蒸留フラスコを加熱する。試料と溶剤との混合物の蒸留性状は,試料の種類によって著しく異なる場
合がある。蒸留の最初の段階では,突沸及び試験器からの水分の損失を防ぐように加熱する。加熱後,
凝縮物が冷却器の内部の管の長さの3/4より上に行かないよう温度を調節する。冷却器の下端から凝

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縮液が毎秒25滴の割合で滴下するように蒸留フラスコの加熱を調節する。検水管以外の部分に水が
認められなくなるまで,かつ,検水管の捕集水量が5分間変わらなくなるまで蒸留を続ける。水の留
出が終わったら,検水管及び内容物を室温まで放冷する。冷却器及び検水管の側壁に付着している水
滴を,ガラス棒,噴霧管,スクラバー,ピック,又はその他の適切な手段で水層に移し,検水管の捕
集水量を目量の半分まで読み取る。
なお,噴霧管を使用する場合は,質量分率約0.1 %の解乳化剤を含むキシレンを用いる。洗い流し
た後,突沸を防ぎゆっくりと再加熱し,少なくとも5分間再蒸留し,検水管中の捕集水量を目量の半
分まで読み取る。
8.2 石油製品の試験手順
石油製品の試験手順は,次による。
a) 試料をはかりとる前に,7.2.2に従って,試料を均質化する。
b) 試料の性状に合わせ1)又は2)に従って,試料の予期水分によって表3のはかりとり量を目安に採取す
る。
なお,油種別の溶剤の使用例を表4に示す。
1) 液体試料 液体試料をメスシリンダにはかりとる。管壁に付着した試料は,4.14.4に規定した溶
剤を用いて洗浄する。1回目は50 mL,2回目及び3回目はそれぞれ25 mLの溶剤を使い,メスシ
リンダから完全に試料を洗い,洗浄した溶剤は,蒸留フラスコに入れる。高粘度試料は,数回に分
けて洗浄してもよい。
2) 固形物又は粘度の高い試料 蒸留フラスコに直接はかりとり,4.14.4に規定した溶剤を100 mL加
える。試料に含まれる水分が少ない場合には,より多くの溶剤を必要とするので,溶剤の量は,100
mLより多くする。
表4−油種別の溶剤の使用例
油種 溶剤
石油系留出油,芳香族溶剤,キシレン
燃料油,潤滑油,石油スルホン酸塩
歴青物(アスファルトなど) 芳香族溶剤
グリース 揮発性スピリット溶剤
c) 突沸を防ぐために,蒸留フラスコに,ガラス玉又は沸騰石を入れる。
d) 図1に示すように試験器を組み立てる。用いる検水管は,予期水分量に応じて選ぶ。全ての接続部は
液体及び気体の漏れがないようにする。脱着可能なカバー付き金属製蒸留フラスコを用いる場合は,
厚紙でできたガスケットを溶剤で湿らせて本体とカバーとの間に挿入する。冷却管及び検水管は,凝
縮水が目盛部へ滴下するとき,水滴が付着しないように,清浄でなければならない。冷却器の頂部は,
ゆるく綿で栓をし,大気中の水分が凝縮して入り込んでくるのを防ぐ。冷却器の冷却水を循環させる。
e) 蒸留フラスコを加熱する。温められた内容物が冷却器で凝縮され,毎秒29滴の割合で滴下するよう
に加熱器を調節する。金属製蒸留フラスコを用いた場合,リングバーナを蒸留フラスコの底部から約
75 mmの位置に置き,加熱を開始する。蒸留が進むにつれリングバーナを下げる。検水管以外の全て
の場所で目視できる水がなくなり,検水管の捕集水量が5分間変化しないことを確認するまで加熱す
る。冷却器にリング状の水が付着している場合は,注意をしながら蒸留速度を増すか,数分間,冷却
水の通水を停止する。
f) 水の留出が終わったら,検水管及びその内容物を室温まで冷却する。検水管の側壁に水滴が付着して

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いる場合は,ガラス棒又はその他の適切な手段で水層に移し,検水管中の捕集水量を目量の半分まで
読み取る。

9 計算方法

  試料の水分は,次の式によって算出する。
V
Wv 100 又はWv 100
M/D
ここに, Wv : 試料中の水分(体積分率%)
V : 試料の捕集水量(mL)
C : 試料はかりとり量(mL)
M : 試料はかりとり量(g)
D : 試料の密度(15 ℃)(g/cm3)
水分を質量分率%で求める場合は,次の式によって算出する。
V
Wm 100
ここに, Wm : 試料中の水分(質量分率%)
V : 試料の捕集水量(mL)
(水の密度を1 g/cm3としてWmを算出するときは,
mLをgと読み替える。)
M : 試料はかりとり量(g)

10 結果の表し方

  箇条9で求めた水分をJIS Z 8401の規定によって有効数字2桁に丸め,体積分率%又は質量分率%で表
す。
なお,10 %未満の場合は,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅を0.1に丸める。ただし,水分が0.025 %
を超え0.075 %未満は0.05 %とし,0.025 %以下は0.00 %とする。

11 精度

11.1 原油の場合
蒸留法による0.051.0 %の範囲の試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。
なお,試験結果が許容差を外れた場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間に同一試料を2回試験
したときの,試験結果の差の許容差を表5に示す。
b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して
求めた2個の試験結果の差の許容差を表5に示す。
表5−原油の精度
単位 体積分率%
水分 室内併行許容差 室間再現許容差
0.05を超え 0.1以下 図19参照 図19参照
0.1を超え 1.0以下 0.08 0.11

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図19−水分が体積分率00.1 %の原油の精度
11.2 石油製品の場合
10 mL検水管及び25 mL検水管を用いた場合の捕集水量の許容差(確率0.95)は,次による。捕集水量
が許容差を超えた場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
なお,石油製品において2 mL及び5 mLの検水管を用いた場合の精度は確立されていない。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間に同一試料を2回試験
したときの,試験結果の差の許容差を表6に示す。
b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して
求めた2個の試験結果の差の許容差を表6に示す。
表6−石油製品の精度
単位 mL
捕集水量 室内併行許容差 室間再現許容差
1.0以下 0.1 0.2
1.0を超え25まで 0.1又は平均値の2 %のうち,0.2又は平均値の10 %のうち,
いずれか大きい方 いずれか大きい方

12 試験結果の報告

  試験結果には,次の事項を記載する。
a) 試料名,試料採取場所及び採取年月日
b) この規格の番号(JIS K 2275-1)
c) 結果(箇条10の表し方による。)
d) 試験年月日
e) 特記事項

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