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JIS K 3850-3:2000 規格概要
この規格 K3850-3は、環境大気中のアスベスト構造体の濃度測定のための透過電子顕微鏡を用いた方法について規定。試料作製手順は,補集粒子の灰化と分散を組み合わせたもので,その結果粒子集合体及び混成物質粒子と結合したアスベストを含むすべてのアスベストが計測される。
JISK3850-3 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K3850-3
- 規格名称
- 空気中の繊維状粒子測定方法―第3部 : 間接変換―透過電子顕微鏡法
- 規格名称英語訳
- Measuring method for airborne fibrous particles -- Part 3:Indirect-transfer transmission electron microscopy method
- 制定年月日
- 2000年2月20日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO/DIS 13794:1996(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 13.040.20
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 環境測定 I-1 2021, 環境測定 I-2 2021, 環境測定 II 2021
- 改訂:履歴
- 2000-02-20 制定日, 2005-06-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS K 3850-3:2000 PDF [64]
K 3850-3 : 2000 (ISO/DIS 13794 : 1996)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS K 3850-3には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) プラズマ灰化装置の操作条件の設定
附属書B(規定) 超音波浴槽の作動条件の設定及び標準化
附属書C(規定) 校正方法
附属書D(規定) 構造体計数基準
附属書E(規定) 繊維識別方法
附属書F(規定) 長さ5 スベスト繊維及び繊維束,並びにPCM相当アスベスト繊維
の濃度の測定
附属書G(規定) 結果の計算
附属書H(規定) セルロースエステル試料捕集フィルタの適合性試験方法
附属書I(参考) 空気サンプル採取の計画
附属書J(参考) 文献
JIS K 3850シリーズは,次に示す四つの部からなる。
第1部 位相差顕微鏡法及び走査電子顕微鏡法
第2部 直接変換−透過電子顕微鏡法
第3部 間接変換−透過電子顕微鏡法
第4部 固定発生源−プラントからのアスベスト飛散−繊維計数測定法
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS K 3850-3 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 3850-3 : 2000
(ISO/DIS 13794 : 1996)
空気中の繊維状粒子測定方法−第3部 : 間接変換−透過電子顕微鏡法
Measuring method for airborne fibrous particles− Part 3 : Indirect-transfer transmission electron microscopy method
序文 この規格は,1996年に発行されたISO/DIS 13794, Amibient air−Determination of asbestos fibres−
Indirect-transfer transmission electron microscopy methodを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更する
ことなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
この規格は,屋内空気環境を含む広範囲の環境大気中における浮遊アスベストの分析に適用できるもので
あり,アスベスト繊維の存在が予想されるいろいろな大気環境の詳細な評価のためのものである。最も信
頼できる医学的根拠によれば,繊維濃度,繊維サイズ及び種類が吸入の危険性評価に関係する因子である
ので,繊維計測技術は唯一の合理的な方法である。環境大気中の浮遊繊維の多くはアスベストではないの
で,個々の繊維を識別する必要がある。環境大気中の浮遊アスベストは,繊維径が位相差顕微鏡の分解能
よりも小さいものが多い。この規格は,微細な繊維の識別に必要な分解能をもち,かつ,種々のアスベス
ト繊維を明確に識別することのできる現在唯一の技術である透過電子顕微鏡に基づいている。十分な分析
が行えれば,環境大気中の浮遊繊維の種類を明確に識別することもできるが,この方法によって個々の繊
維を識別するのには分析費用が高くかかることになる。アスベストに違いないような場合でも,装置の不
備や粒子の性質によって,幾らかの繊維はアスベストと明確に判定できない場合もある。試料と装置の条
件がこの測定法に影響する。したがって,アスベスト繊維の識別と計数のための非常に詳細な取り決めが
必要となる。
アスベストは単繊維又は繊維束に加えて,他の粒子との集合体かどうかが分からない粒子集合体としても
空気捕集試料中に見つけられ,非常に複雑である。このような複雑な構造体に結合したアスベスト繊維及
び繊維束の数は,独立して観測される繊維及び繊維束の数よりも多いことが多いし,それらの多くは直接
変換TEM法においては完全に覆い隠されていることもある。この規格に定められた方法は,アスベスト
繊維の選択的集積と有機物及び水溶性物質の除去ができる試料作製手順を示したもので,大部分の繊維の
複合塊と集合体をそれぞれの繊維及び繊維束に分散させる効果をもっており,結果として空気捕集試料中
のアスベストをより正確に定量化できる。すべての実行可能な試料作製技術は浮遊粒子の変化をもたらす。
空気中での3次元の分散状態から2次元のフィルタ表面上への粒子捕集は粒子状態の変化をもたらし試料
中の幾つかの粒子は試料作製手順によって変化する。この方法は,複合塊と繊維集合体を分散させるが,
繊維及び繊維束のサイズ分布への他の影響は最小にできる。
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K 3850-3 : 2000 (ISO/DIS 13794 : 1996)
用いる装置技術は複雑であり,詳細,かつ,論理的手順は測定の主観的予見を減らすものであるので,こ
の規格はやむをえず複雑なものになっている。規格中に指定したデータ記録方法は,新しい医学的根拠が
提供されたとき繊維計数データについての再評価に耐えられるように計画されている。
この規格は1枚の空気捕集フィルタの分析方法を規定している。しかし,環境大気中のアスベスト計測に
おける最大の潜在的誤差の一つは,フィルタ試料間の可変性に関係している。この理由から,この規格の
正確さと精度を明記するため,繰り返しサンプリングを計画する必要がある。この間接変換法から得られ
た結果と直接変換法の結果との比較は,それほど重要なことではなく,繊維サイズ,アスベスト種及び浮
遊アスベスト発生源の性質を考慮に入れた特定の場における両方法の比較研究が必要である。
1. 適用範囲
1.1 測定物質 この規格は,環境大気中のアスベスト構造体の濃度測定のための透過電子顕微鏡を用い
た方法について規定する。試料作製手順は,捕集粒子の灰化と分散を組み合わせたもので,その結果粒子
集合体及び混成物質粒子と結合したアスベストを含むすべてのアスベストが計測される。アスベスト繊維
及び束の長さ,幅及びアスペクト比を測定し,これからアスベストの種類別の密度を用いて,浮遊アスベ
ストの総質量濃度が計算できる。この方法は,実在するアスベストの繊維種別を測定できる。しかし,角
せん(閃)石鉱物の中の各アスベスト繊維とそれと類似の非アスベストとを区別することはできない。
1.2 試料の種類 この方法は,ポリカーボネートフィルタ又はセルロースエステル(セルロース又はニ
トロセルロースの混合エステル)フィルタによって採気量が既知の試料について規定している。この方法
は,屋外及び建物内空気のアスベスト分析に適している。
1.3 計測範囲 分析フィルタ試料上で測定できる濃度範囲の上限は,7 000構造体/mm2で,下限は,試
料面積当たり2.99構造体の検出に相当している。これらの数値で表される濃度は,採気量に関係し,試料
作製手順で選択された希釈又は濃縮の程度による。特にこの方法は,高濃度浮遊粒子(10 最一 上)の
測定,又は直接変換TEM法では他の粒子状物質によってアスベスト繊維が覆い隠されているような場合
の検出及び同定に適している。理論上,検出できるアスベスト繊維サイズの下限はない。実際上には,非
常に小さいアスベスト繊維を観察する顕微鏡測定者の能力に左右される。したがって,最小の長さ0・5
が報告結果に採用される最短のアスベスト繊維として規定する。
1.4 検出限界 理論的検出限界は,ろ過による採気量の増加,試料作製中の濃縮及び試料上の電子顕微
鏡観察領域の増加によって下がる。実際に観察できるTEM試料面積による最小到達検出限界は,灰化及
び水分散過程後に残る総懸濁粒子濃度に支配され,分散粒子の化学的性質に依存する。清浄な地方の大気
に相当する約10 最一 懸濁粒子濃度をもつ4 000Lの大気をろ過したと仮定すると,TEM試料面積
0.195mm2を測定した場合,0.5構造体/Lの分析感度が得られ,これは1.8構造体/Lの検出限界に相当す
る。観察するTEM試料面積を増やすことによって,より低い検出限界が得られ,また,標本作製過程で
の試料濃縮によっても低い検出限界を得ることができる。繊維サイズを限定した低倍率でのTEM観察で,
より速く,かつ,広い領域について測定することによって,5 誕 及び繊維束であるPCM相
当繊維の検出限界を下げることができる。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 3850-2 空気中の繊維状粒子測定方法 第2部 : 直接変換−透過電子顕微鏡法
備考 ISO 10312 : 1995 Amibient air−Determination of asbestos fibres−Direct-transfer transmission
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K 3850-3 : 2000 (ISO/DIS 13794 : 1996)
electron microscopy methodが,この規格と一致している。
ISO 4225 Air quality−General aspects−Vocabulary
ISO 4226 Air quality−General aspects−Units of measurement
ISO 5725 Precision of test methods−Determination of repeatability and reproducibility for a standard test
method by inter-laboratory tests
ISO 7708 Air quality−Particle size fraction definitions for health-related sampling
ISO STANDARDS HANDBOOK 2 Units of measurement
ISO STANDARDS HANDBOOK 3 Statistical Mrthods
3. 原理 浮遊粒子試料は,電池式又は電源式吸引ポンプを用いて,ある量の空気を最大ポアサイズ
0.4-
ャピラリーポア・ポリカーボネート (PC) メンブレンフィルタ又は最大ポアサイズ0.8
ルロースエステル(セルロース又はニトロセルロースの混合エステル)メンブレンフィルタを通過吸引さ
せることによって捕集する。フィルタの一部を酸素プラズマ法によって灰化し,残った灰を酢酸でpH3.0
4.0に調整した蒸留水中に分散させる。分析用フィルタは,この既知量の懸濁液を最大ポアサイズ0.2
のキャピラリーポア・ポリカーボネート・メンブレンフィルタ又は最大ポアサイズ0.22 ルロース
エステル・メンブレンフィルタを用いてろ過捕集して作る。TEM試料は真空蒸着によって表面にカーボン
薄膜を付けた,ポリカーボネートの分析用フィルタから作られる。そのカーボン蒸着フィルタから小片を
切り取りTEM試料グリッドに載せ,フィルタの素材を溶解抽出法によって溶解除去する。この処理は,
TEM試料グリッドの目開きを覆っている薄いカーボン膜を残し,そのカーボン膜は個々の粒子を元のフィ
ルタ位置のまま保持している。セルロースエステルの分析用フィルタはフィルタの細孔構造をつぶすよう
化学的に処理され,つぶされたフィルタ表面は,すべての粒子が露出するように酸素プラズマ中でエッチ
ングする。カーボン薄膜をフィルタ表面上に蒸着し,そのフィルタの小片を切り取る。この小片をTEM
試料グリッドに載せ,フィルタの素材を溶解抽出法によって除去する。
両処理法で作製したTEM試料グリッドについて,任意に選んだグリッドの目開きで繊維の計測を行う
前に,その試料が分析に適するかどうか判定するためのチェックを高倍率と低倍率の両方で観察する。選
んだTEM試料グリッド上の粒子又は繊維の負荷が高すぎるならば,より低い繊維濃度の他の試料グリッ
ドを分析用に選ぶ。
TEM分析においては,電子回折 (ED) は繊維の結晶構造の検査に用い,繊維の元素組成はエネルギー分
散形X線分析 (EDXA) によって分析する。幾つかの理由から,個々の繊維をすべて明確に識別すること
は難しく,各繊維は,識別手順に従って分類される。個々の繊維を分類し記録するのに簡単な決まり(コ
ード)が用いられる。繊維の分類手順は形態観察,制限視野電子回折パターン,そして定性及び定量エネ
ルギー分散形X線分析に基づいている。クリソタイルの特定は,定量EDだけで確定できる。角せん石は,
定量EDX分析と定量晶帯軸方向EDによって判定できる。
大気捕集サンプル中には,単独の繊維に加え,他の粒子と結合したりより複雑な繊維の集合体を含んで
いる。また,ある粒子は,他の物質とともにアスベスト繊維の混成物を形成したりしている。個々の繊維
及びこれらのより複雑な構造体を“アスベスト構造体”と呼ぶ。この間接試料作製方法は,これらの複雑
な構造体を構成する大部分を分離分散させ,構成要素である繊維及び繊維束を直接変換方法より正確に定
量分析できる。
このコードシステムは,繊維構造体の形を記録し,個々の構造体の見掛けの形状を記載する。この二つ
を記録することで分析者は繊維計数データの説明を不要にし,あとでTEM試料を再分析せずに評価する
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K 3850-3 : 2000 (ISO/DIS 13794 : 1996)
ことができる。何段階かのレベルの分析を詳細に規定することによって,その高度のレベル分析では繊維
のより厳密な判断を行うことができる。
この方法は,ある特別なサンプルについてあらかじめ知り得た知識に基づいた又はそれを欠く場合の最
小の繊維判断基準である。個々の繊維識別のためにこの最小の判断基準が適用され,判断の程度を個々の
繊維について記録しておく。すべての分類された構造体の長さ及び幅を記録する。顕微鏡試料の分析面積
内に発見されたアスベスト構造体の数は,試料捕集フィルタを通過した空気量,灰化した捕集フィルタの
割合,ろ過した水懸濁液の割合及び計数フィルタ面積を用いて構造体/Lで表される浮遊アスベスト濃度
を計算する。アスベストの質量濃度は,アスベストの各種類ごとの推定密度及び繊維の長さと幅を用いて
計算する。
4. 定義 この規格で用いる主な用語の定義はISO 4225によるほか,次による。
4.1 針状 (acicular) 例えば,針のように,長さに比較して細い直径をもつ極めて細長い結晶によって
表される形。
4.2 角せん石 (amphibole) 鉄マグネシウム系けい酸塩鉱物の造岩鉱物群で,次の組成式をもつもの。
A0−1B2C5T8O22 (OH, F, Cl) 2
ここに, A : カリウム,ナトリウム
B : 第二鉄,マンガン,マグネシウム,カルシウム,ナトリウム
C : アルミニウム,クロム,チタン,鉄,マグネシウム,第二鉄
T : けい素,アルミニウム,クロム,第一鉄,チタン
角せん石の類縁鉱物の中には,これらの元素がLi, Pb又はZnによって部分的に置き換わったものもあ
る。角せん石は,けい素と酸素の比率4 : 11のSi−O 4面体の複鎖構造で特徴づけられる。円柱状又は繊
維状のプリズム状結晶を示し,約56°と124°の角度で交差する2方向のプリズム状へき開をもつ。
4.3 角せん石アスベスト (amphibole asbestos) アスベスト様形態をもつ角せん石。
4.4 試料捕集フィルタを灰化して水に分散させたものをろ過
分析用フィルタ (analytical sensitivity)
捕集したフィルタ。それを用いてTEM試料グリッドを作製する。
参考 4.4A分折感度 構造体/Lで表される計算で求められた浮遊アスベスト構造体濃度。1本のア
スベスト構造体が計数された場合と等しい。この方法では,分析感度について細かく規定して
いない。
4.5 アスベスト様形態 (asbestiform)繊維が高い抗張力と柔軟性をもつ鉱物の繊維形態の特殊なタイ
プ。
4.6 アスベスト (asbestos) 破砕又は加工したときに,長く,細く,柔軟で強い繊維に容易に分かれ,
アスベスト様形態の特性をもつ結晶化した蛇紋石及び角せん石族に属するけい酸塩鉱物グループに適用さ
れる用語。最も一般的なアスベスト種のCAS(1)登録番号は,クリソタイル(12001-29-5),クロシドライト
(12001-28-4),グリュネライト・アスベスト(アモサイト)(12172-73-5),アンソフィライト・アスベスト
(77536-67-5),トレモライト・アスベスト(77536-68-6)及びアクチノライト・アスベスト(77536-66-4)。
注(1) hemical Abstract Service
4.7 単独繊維,又は他の粒子を付着又は付着していないアスベ
アスベスト構造体 (asbestos structure)
スト繊維又は繊維束の集団。
4.8 大気サンプル捕集に用いるのと同じタイプの未使用メ
灰化フィルタブランク (ashed filter blank)
ンブレンフィルタから間接変換法によって作られたTEM標本での繊維数。
――――― [JIS K 3850-3 pdf 5] ―――――
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JIS K 3850-3:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/DIS 13794:1996(IDT)
JIS K 3850-3:2000の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.20 : 雰囲気
JIS K 3850-3:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK3850-2:2000
- 空気中の繊維状粒子測定方法―第2部:直接変換―透過電子顕微鏡法