JIS K 6200:2019 ゴム―用語 | ページ 2

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K 6200 : 2019
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1206 ゴム炭化水素 rubber hydrocarbon
たんぱく質などの非ゴム成分を含まない,天然ゴム中のポリ
(天然ゴムの) イソプレン成分。 (natural rubber)
1207 スキムラバー skim rubber
天然ゴムラテックスの濃縮中に分離された,濃度のうすいラ
テックスから得られるゴム。
1208 色指数 colour index
ロビボンド(Lovibond)色見本との比較によって得られる,
TSR(天然ゴム)の色に対する等級。
1209 可塑度残留指数, plasticity retention index
天然ゴムにおいて,既定の条件下で空気加熱老化させたとき
PRI の,老化前に対する老化後の可塑度の比。
1210 ベールコーティン bale coating
マーキングを容易にするため,又は他との粘着防止のために,
グ 天然ゴムのベールの表面に施される被覆。
d) 合成ゴム関係
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1301 合成ゴム synthetic rubber
天然ゴムに対応するもので,化学的に合成されたゴム弾性を
示すポリマーの総称。
1302 ジエン系ゴム diene rubber
ブタジエン,イソプレンなどの共役二重結合をもつジエンモ
ノマーを主原料とし,主鎖に不飽和炭化水素結合をもつゴム。
1303 樹脂配合ゴム resin rubber
樹脂を添加して加硫ゴムの硬さを増加させたゴム配合物。樹
脂を配合することで,加工性を阻害することなく加硫ゴムの
硬度を増加させることができる。
1304 油展ゴム プロセスオイルを比較的高い割合で含む原料ゴム。 oil-extended rubber
注記 オイルの割合は,通常,重合体100部に対し15部以上。
1305 伸展油, 油展ゴムの製造の際に用いる石油系軟化材。 extender oil
エクステンダーオ
イル
1306 粒状化ゴム granulated rubber
原料ゴム又は未加硫配合ゴムを,細断して直径15 mm以下の
粒子状にしたもの。
注記 製造,移送及び貯蔵中に固まらないように表面処理し
たものもある。
1307 線状重合体 linear polymer
単量体単位が分岐しないで直鎖状に結合している重合体。
1308 枝分かれ重合体 branched polymer
直鎖状の分子が,環状ではなく分岐構造をもって結合してい
る重合体。
1309 ブロック重合体 block polymer,
互いに隣接するブロックが,異なる単量体で構成されている
block copolymer
重合体。同種の単量体からなるブロックであっても,その組
成又は連鎖分布が異なる。
注記 ブロック共重合体ということもある。
1310 グラフト重合体 graft polymer,
主鎖と異なる一種又は複数種のブロックが側鎖として結合し
た重合体。 graft copolymer
注記 グラフト共重合体ということもある。
1311 立体規則性重合体 stereoregular polymer
繰返し単位の立体構造が,規則的な配列をとっている重合体。
注記 例えば,ジエン類の重合体では,シス-1,4重合体及びト
ランス-1,4重合体,並びに主鎖に不斉炭素原子をもつア
イソタクチック重合体,シンジオタクチック重合体,
及びアタックチック重合体がある。
1312 立体特異性重合 立体規則性重合体を形成する重合。 stereospecific
polymerization
1313 結合アクリロニト NBR中の共重合アクリロニトリル量。質量分率で表す。 bound acrylonitrile
リル量 content
1314 結合スチレン量 SBR中の共重合スチレン量。質量分率で表す。 bound styrene content

――――― [JIS K 6200 pdf 6] ―――――

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
1315 動的加硫系熱可塑 thermoplastic
動的架橋によって作られた,化学的に加硫したゴム相をもつ
性エラストマー, 熱可塑性エラストマー。 vulcanizate
TPV
1316 熱可塑性エラスト thermoplastic elastomer,
常温ではゴムの性質を示し,高温では塑性流動性を示すエラ
マー, ストマー。 thermoplastic rubber
熱可塑性ゴム,
TPE
1317 熱硬化性樹脂 熱によって架橋し,溶剤に溶解しない重合体。 thermoset,
thermosetting resin
1318 ブロッキング 材料間の意図しない固着。 blocking
1319 ブロッキング防止 anti-blocking agent
ゴム表面間の意図しない固着の危険を防ぐ,又は減少させる
剤 ために用いる添加剤。
1320 ブロック 共重合体中における,同種の単量体の連鎖部分。 block
1321 ポリウレタン 主鎖中にウレタン結合-NHCOO-をもつポリマーの総称。 polyurethane
1322 石けん分 soap content
乳化重合に用い,生ゴム中に残存する石けん。石けんの量,
含有率など,定量的意味合いで用いられる場合もある。
1323 有機酸分 organic-acid
乳化重合に用いる石けんに由来し,生ゴム中に残存する脂肪
酸。脂肪酸の量,含有率など,定量的意味合いで用いられる
場合もある。
e) ラテックス関係
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1401 ラテックス 重合体の水性コロイド分散体。 latex
1402 ゴムラテックス 天然ゴム又は合成ゴムからなる水性コロイド分散体。 rubber latex
1403 安定化ゴムラテッ 早期凝固を防止する処理をしたラテックス。 stabilized rubber latex
クス
1404 遠心分離ラテック centrifuged rubber latex
遠心分離によって,しょう(漿)液を分離し,ゴム濃度を高
ス めたラテックス。
1405 前加硫処理ラテッ 粒子が部分的に加硫されたラテックス。 prevulcanized rubber
クス, 注記 フィルム及び一部の製品は,このラテックスを単に乾latex
加硫ラテックス 燥して作られる。
1406 クリームラテック creamed rubber latex
クリーミング及び分離したしょう(漿)液を除去することに
ス よって,ゴム濃度を高めたラテックス。
1407 蒸発濃縮ラテック 水分を蒸発させて濃縮したラテックス。 evaporated rubber latex

1408 濃縮天然ゴムラテ natural latex concentrate
フィールドラテックスの水分を一部除去して濃縮し,凝固安
ックス 定性,腐敗などによる変質を防ぐため,アンモニア及び/又
は防腐剤を添加した天然ゴムラテックス。
1409 フィールドラテッ 濃縮又は他の処理前の天然ゴムラテックス。 field latex
クス 注記 防腐剤を含んでいることもある。防腐剤は,ゴムの木
から得られたそのままの状態を維持するために加え
る。
1410 保存処理ゴムラテ preserved rubber latex
腐敗及びそれに伴う凝固を防止する処理をしたラテックス。
ックス
1411 ウェッビング webbing
ラテックスから浸せき型を引き上げるときに,型と表面との
間に発生する,薄いラテックス皮膜。
1412 ウェッビング防止 anti-webbing agent
ラテックスに浸せきするとき,浸せき製品の隣り合う部分に
剤 発生するウェッビングを防ぐために,添加する配合剤。
1413 ガムディップ 繊維をゴムのりに浸すことによって,ゴムを含浸させる工程。 gum dipping

――――― [JIS K 6200 pdf 7] ―――――

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
1414 乾燥後残さ residue after drying
試験条件で,揮発せずに残った物質の量を質量分率で表した
値。
1415 乾燥ゴム分 dry rubber content
ラテックス又はゴム溶液中に含まれるゴム量を,質量分率で
表したもの。
1416 凝固分 coagulum content
原料ラテックス中に存在する凝固物の乾燥質量。全固形物に
対する質量分率で表す。
1417 シュヴァルツ値 Schwartz value
所定の機械的な条件を与えた後に,測定を行う糸ゴムのモジ
ュラスの値。
1418 しょう(漿)液 天然ゴムラテックスの分散媒体。 serum
(ゴムラテックス (rubber latex)
の)
1419 スラッジ 原料天然ゴムラテックス中の沈殿物。 sludge
(ゴムラテックス (rubber latex)
の)
1420 全アルカリ分 total alkali content
天然ゴムラテックス中に含まれるアルカリ全量をアンモニア
量に換算して示したもの。
1421 全固形分 total solids
試験条件で乾燥後,揮発せずに残った物質の量を質量分率で
表した値。
1422 乳濁液 emulsion
液体中に,他の液体粒子を,コロイド粒子又はそれより粗大
な粒子として分散した混合液。
1423 ブローダウン blowing down
空気を吹き込みながら,かくはん(攪拌)することによって,
ラテックスからアンモニアを除く工程。

3.3 配合剤に関する用語

a) 配合剤に関する一般用語
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2001 配合剤 compounding ingredient
加工性の改良,製品物性の向上,増量剤としての利用などを
目的に,ゴム又はラテックスに添加する物質。
b) 加硫関係
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2101 硫黄 sulfur
天然ゴム,不飽和合成ゴムなどに用いる加硫剤として最も多
く使用される物質。二硫化炭素に可溶する結晶形と,不溶で
ある無定形とがある。
2102 硫黄供与剤, sulfur donor
硫黄を含む化合物。加硫反応中に硫黄を解離放出して加硫剤
サルファードナー として働く。
2103 一次加硫促進剤 primary accelerator
二つ以上の加硫促進剤を併用する場合,主導的な加硫促進力
をもつ加硫促進剤。配合量の多い加硫促進剤をいう場合もあ
る。
2104 架橋剤 crosslinking agent
原料ゴムに混合して加熱などの処理を行い,架橋構造を形成
させるための薬剤。
例 硫黄,金属酸化物,オキシム類,ポリアミン,有機過酸
化物,変性フェノール樹脂
2105 架橋助剤 crosslinking co-agent,
非硫黄加硫系において,低濃度で架橋効率を増加させ,特性
を変化させるのに用いる配合剤。 co-agent
注記 この用語は,一般に有機過酸化物による架橋に用いる。
2106 加硫促進助剤 activator
加硫促進剤の効果を増強するために,少量用いる配合剤。酸
化亜鉛を代表とする金属酸化物,ステアリン酸を代表とする
脂肪酸などがある。

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
2107 加硫剤 架橋剤として用いる硫黄又は硫黄化合物。 vulcanizing agent,
curative,
curing agent
2108 加硫促進剤 accelerator
架橋反応速度の増大及び/又は製品の物性を向上させるため
に,加硫剤と共に少量用いる配合剤。
2109 初期加硫抑制剤 prevulcanization
加工及び加硫の温度で,ゴム配合物の架橋が始まるまでの時
間を延ばすための配合剤。 inhibitor
注記 初期加硫抑制剤は,架橋の開始時期を遅らせるだけで,
加硫速度にはほとんど影響を与えない点で,加硫遅延
剤とは異なる。多くの加硫遅延剤は,全体として加硫
反応を抑制し,加硫速度を低下させる。
2110 遅延剤, retarder
ゴム配合物の加硫又は架橋速度を遅くさせるために用いる配
リターダー 合剤。特に硫黄加硫の場合は,加硫遅延剤という。
2111 遅効性促進剤 delayed-action
スコーチ安定性が良好で,かつ,加硫速度の速い一群の有機
accelerator
加硫促進剤。スルフェンアミド系がこれに属し,最も多く使
用されている。
2112 超促進剤 速い加硫速度が得られる高活性の促進剤。 ultra-accelerator
注記 低温加硫によく用いられる。
2113 二次加硫促進剤, secondary accelerator,
二つ以上の加硫促進剤を併用する場合,一次加硫促進剤に少
ブースター booster
量添加して加硫時間,物性などを調節するための加硫促進剤。
2114 酸化亜鉛, zinc oxide
ジエン系ゴムでは加硫促進助剤,クロロプレンゴム,ハロゲ
亜鉛華 ン化ブチルゴムなどでは加硫剤及び受酸剤として用いる配合
剤。耐熱性の向上に寄与する。
2115 活性酸化亜鉛, 微粒子の酸化亜鉛。 active zinc oxide
活性亜鉛華 注記 一般的な酸化亜鉛に比べて効果が大きく,配合量を削
減することができるため,透明又は半透明の製品に用
いられる。
2116 酸化マグネシウム, magnesium oxide,
クロロプレンゴム,ビニリデンフルオリド系ふっ素ゴム,ク
マグネシア magnesia
ロロスルホン化ポリエチレンなどの受酸剤として用いる配合
剤。
2117 有機過酸化物 organic peroxide
-O-O-基をもつ有機化合物。熱解離によって生じる酸素ラジカ
ルが,ゴムから水素原子を引き抜き,分子ラジカルを発生さ
せる。発生した分子ラジカル同士が結合して架橋構造を作る
ことで,架橋剤として作用する。
c) 劣化,老化関係
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2201 安定剤 stabilizer
乾燥,加工及び貯蔵の各工程を通して,物性を初期値又はそ
れに近い値に保持するために,原料ゴム中に存在するか又は
原料ゴムに添加する老化防止剤。
2202 オゾン劣化防止剤 オゾンによる劣化を遅らせるために用いる配合剤。 antiozonant
2203 屈曲亀裂防止剤 anti-flex-cracking agent
周期的変形によって生じる亀裂の発生及び成長を遅らせるた
めに用いる配合剤。
2204 酸化防止剤 酸化による劣化を遅らせるために用いる配合剤。 antioxidant
2205 紫外線吸収剤 UV absorber
日光及び/又は他の光源中の紫外線成分によって起こる劣化
を,紫外線を吸収することによって抑制する配合剤。
2206 熱老化防止剤 熱による劣化を遅らせるために用いる配合剤。 heat stabilizer
2207 非汚染性老化防止 non-staining antioxidant
汚染性のない老化防止剤。フェノール系,ベンズイミダゾー
剤 ル系,チオウレア系,リン系老化防止剤などがこれに属する。

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
2208 老化防止剤, 老化による質の低下を遅らせるために用いる配合剤。 antidegradant
劣化防止剤 注記 酸化防止剤,オゾン劣化防止剤,ワックス類,その他
保護物質などの添加剤の総称である。
d) 補強,充剤関係
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2301 アグリゲート aggregate
カーボンブラックの一次凝集体であり,最小構成単位。微球
(カーボンブラッ (carbon black)
状の基本粒子同士が融着し,連鎖状又は不規則な鎖状に枝分
クの) かれした複雑な凝集形態を示す。
注記 通常,基本粒子が数個から数十個の凝集体で,数十
数百ナノメートルの大きさ。
2302 アグロメレート agglomerate
カーボンブラックの二次凝集体であり,アグリゲート(一次
(カーボンブラッ (carbon black)
凝集体)同士がファンデルワールス力,単なる集合,付着,
クの) 絡み合いなどによって緩く結合し形成した凝集体。
注記 通常,数十数百ミクロンの大きさ。
2303 カーボンブラック carbon black
炭化水素の不完全燃焼又は熱分解によって得られ,95 %以上
の炭素からなる,数百ナノメートル以下のアグリゲート構造
をもつ物質。
2304 アセチレンブラッ acetylene carbon black
アセチレンを原料として作るカーボンブラック。導電性カー
ク ボンブラックとして使用される。
2305 サーマルブラック thermal carbon black
空気又は炎のない状態で,液状若しくはガス状炭化水素又は
それらの混合物を,制御された条件下で熱分解して得られる
カーボンブラック。
2306 チャネルブラック channel carbon black
チャネル鋼の背面に炎を当てて,付着したカーボンをかき取
る方法で製造されたカーボンブラック。
2307 導電性カーボンブ conductive carbon black
ストラクチャーが発達している,グラファイト率が高い,粒
ラック 子径が小さいなどの特徴をもち,ゴムなどに配合したとき,
優れた導電性を示すカーボンブラック。
2308 ファーネスブラッ furnace carbon black
炉の中に炭化水素を噴射し,不完全燃焼させて作るカーボン
ク ブラック。
なお,原料に天然ガスを使うものをガスファーネスカーボ
ンブラック,原料に油を使うもの(天然ガスと併用する場合
を含む。)をオイルファーネスカーボンブラックという。
2309 ランプブラック rump carbon black
植物系,石油系,石炭油系などの原料油を不完全燃焼させて
作る比較的粒子が大きく,ゴムに対する補強性が弱いカーボ
ンブラック。
注記 墨,墨汁,ペイント,線香,建築材,鋳型又は金型の
離型剤などの用途がある。
2310 圧縮試料のオイル oil absorption number of
アグリゲートが絡み合ったアグロメレート(弱い集合体)を
吸収量, 機械的圧力によって壊した後,測定したオイル吸収量。 compressed sample
24M4オイル吸収 注記1 金属性シリンダーにカーボンブラックを充し,
量, 24 000 psi(1 690 kg/cm2)の圧力で圧縮する操作を4
COAN 回繰り返した後のオイル吸収量を測定する。
注記2 COANは,oil absorption number of compressed sample
の意味である。
2311 オイル吸収量, oil absorption number
所定の質量のカーボンブラックに,フタル酸ジブチル(DBP),
OAN (carbon black)
パラフィン油,エポキシ化脂肪酸(FEA)のいずれかを徐々
(カーボンブラッ に加え,最大トルクの70 %時のオイル消費量。
クの) 注記 カーボンブラックのストラクチャーの発達程度を表す
指標として用いられる。

――――― [JIS K 6200 pdf 10] ―――――

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